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本格ADV「「PERILS of Man」、裏エンドがある核戦争シム「FIRST STRIKE」

ユニークで楽しいスイスのゲームメーカーの作品

9月18日~21日 開催(一般公開日 20日~21日)

会場:幕張メッセ1~9ホール

入場料:
前売り 1,000円
当日 1,200円
小学生以下無料

 東京ゲームショウでは様々な海外ゲームメーカーがブースを出展し、自社タイトルをアピールしていた。ゲームショウを訪れるユーザー達はゲームが大好きで、プレイアブルの試遊台があれば手を伸ばす。一般日、試遊台をきちんと置きユーザーをフォローするメーカーはどんな国のゲームであっても大人気だった。

 その中でもスイスのゲームブースは多くの人がゲームをプレイしていた。スイスはアニメーション製作会社が多く、そのノウハウや世界観を活用してゲームを制作するメーカーが増えているという。本稿では4つの会社が出展していたタイトルを紹介したい。

「PERILS of Man」

 IF Gamesの「PERILS of Man」は独特のグラフィックスと世界観が楽しいアドベンチャーだ。iOS/Android版を10月にサービス予定。7年前に失踪してしまった高名な科学者である父が、主人公の女の子が16歳になった時、奇妙な「アイテム」を贈ってくる。そのアイテムをきっかけに、娘は父親を探すこととなる。

 娘が探索するのは自宅だ。代々科学者を輩出する自宅は大きい。また、父の失踪をきっかけに母は気を病んでおり、娘を外に出そうとしない。科学者の発明はかなりSF色が強く、例えば先祖が発明した「危険を察知するメガネ」は少し先の未来が見え、危険を避けることができるようになる。ストーリーは章仕立てになっており、複数の章で第1部が終わる。現在2部までのストーリーを用意しているという。

 シンプルで独特なグラフィックスは、ルーカスアーツで活躍していたアーティストを起用しているとのこと。オブジェクトに近づくとマークが出て、様々なオブジェクトをタップし、アイテムを入手したり、仕掛けを動かして探索地域を広げていく。真っ暗な地域は、懐中電灯と電池を手に入れ、これを組み合わせると探索できるなど、懐かしいアドベンチャーゲームの感覚が楽しい作品だ。

【PERILS of Man】
光の表現がとても美しい「PERILS of Man」。謎だらけの洋館を探索していく古典的な展開が楽しい

「FIRST STRIKE」

 BLINDFLUG STUDIOSの「FIRST STRIKE」は核戦争をテーマにした作品で、iOS/Android版を3月に発売している。価格は4ドル。プレーヤーは自国を発展させ、核兵器を配備、他国に発射したり、自国の技術を発展させ核兵器の性能を上げ、世界の覇者を目指す。ゲームは地球儀のようなマップになっており、ミサイルが着弾したところは真っ黒になる。他国も着々と兵器の技術を上げており、勝つためにはライバルを効率よくつぶさねばならない。

 かなり殺伐とした内容だが、実は本作には「裏の目標」がある。醜く黒く変わる地球が本作の表向きのゴールだが、軍縮を進めていくと、世界もまた兵器を減らしていくのだ。最終的に世界に核兵器がなくなると「真のエンディング」を見ることができる。しかし、そのエンディングがあることは、ゲームのセールスでは明かしていない。プレーヤー自身に核戦争の愚かさに気づいてもらうのが、本作の本当のテーマだという。

 実はBLINDFLUG STUDIOSは戦争反対や、地球環境の保護といったテーマを得意としているゲームメーカーで、「FIRST STRIKE」の売り上げの1部は核兵器廃絶のための基金への寄付になっているという。かなりユニークなゲームメーカーである。

【FIRST STRIKE】
美しい地球がどんどん黒く醜くなる「FIRST STRIKE」。戦争で勝利を目指すゲームなのに、その本当のテーマは核兵器廃絶にある

「GEEK RUN」

 apelabは積極的に新しい技術を盛り込むメーカーで、「GEEK RUN」はカメラと“積み木”を組み合わせたゲームとなる。画面にはマップ上を進むキャラクターがいて、キャラクターはある場所で段差が超えられずつまずくのを繰り返している。そこには赤い印がある。

 プレーヤーがカメラが撮っているフィールド上の赤い積み木を持ち上げると、ゲームの画面上にも赤いブロックが現われる。そこでプレーヤーは赤い印に画面上のブロックが重なるように積み木を移動させる。そうするとマップの段差がなくなり、キャラクターが移動できるようになる。ここから、青いブロックや黄色いブロックを同じように動かして配置することで、ステージクリアとなる。

 「GEEK RUN」はあくまで試験的な作品で、今後はチップの入ったアイテムをタブレット上に置くことでゲームが進行していくような方向性を目指すという。このため、チップの入ったアイテムを作れるようなパブリッシャーを見つけ、アイテムを販売し、ゲームは無料で提供するようなビジネスモデルを考えているという。

【GEEK RUN】
積み木を動かしてキャラクターを助けていく「GEEK RUN」

【SEQUENCED】
apelabはOculus Riftを使って世界を楽しむアニメ作品「SEQUENCED」も出展していた

【Spells of Orbital】
Everdreamが開発する、敵のカードにビリヤードのように手持ちのカードをぶつけて倒しテイクカードパズルアクション。実際にカードも販売し、カードをスキャンすることでゲーム内で使用できる。現在、鋭意開発中

(勝田哲也)