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【gamescom2023】「Alan Wake 2」のアラン側プレイデモ「B-Roll」
誰が作者でだれが登場人物なのか、メタ的な世界を彷徨うアランのプレイデモをレポート
2023年8月25日 12:31
- 【Alan Wake 2】
- 10月17日 発売予定
- 価格:6,600円(税込)~
ドイツで開催されているgamescomに合わせて、Remedy Entertainmentはプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC用サバイバルホラー「Alan Wake 2」のプレイデモを紹介するプレス向け発表会を開催した。gamescom会場から少し離れた場所にある1960年代風のミニシアターという打ってつけの場所で、映画のスクリーンを使って約30分弱のアラン・ウェイク側のプレイデモが上映された。
「Alan Wake 2」は、2010年に発売されたサイコスリラー「Alan Wake」の続編。2010年に行方不明となり、13年間、闇の世界に囚われている作家のアラン・ウェイクと、ある殺人事件を調査するFBI捜査官サーガ・アンダーソンの2人の主人公の物語が描かれていく。なお前作「Alan Wake」に関しては、2021年に「Alan Wake Remastered」としてリマスター版が発売されている。
今回見ることができたのは「B-Roll」と名付けられたプレイデモ。B-Rollとは、例えば商品紹介をするときに挿入されるアップのカットシーンなど、映像を説明するために挿入されるカットの名称だ。このタイトルからも、もう一人の主人公サーガの物語の裏で進行するアランの物語を感じさせる。
その内容は2部構成で、第1部は公開された最新トレーラーにも一部が使われているトークショーで、第2部は、アランを操作して進める第2章「Casey」の一連の流れとなっている。序盤とはいえ、ネタバレも含まれるので、ネタバレが嫌いな方は注意して欲しい。
唐突に始まる不気味なトークショー
アランは2010年から13年間ものあいだ、闇の世界に囚われている。紹介されたカットシーンではアランがどこかの部屋でテレビを見ているところから始まる。その部屋には壁にON AIRのマークがあり、カメラが動くと周りをライトに囲まれた鏡が並んでいたりして、テレビの楽屋であることが分かる。アランが見ているテレビには、なぜか自分がトークショーのゲストとして登場している。
慌てて外に出ると、そこは番組のスタジオで、司会者は新著「Initiation」を手にアランを出迎える。この小説は、アラン・ウェイクというフィクションの人物を主人公にしている。アランはその小説を書いた記憶がない。だが、どれだけ自分は本を書いていないと否定しても、すべて冗談に紛らせて笑顔で番組を進行していく様は不気味でもある。
プレイデモは、冒頭のカットシーンから少し進んだ「Casey」という章から始まる。アランは廃墟と化した闇の世界のニューヨークに立っている。陰惨な雰囲気の中、そこだけ明かりが灯って鳴り続ける公衆電話を取ると、男性の声が地下鉄の駅を目指せと指示する。電話は途中で雑音がひどくなり、結局相手が誰なのかもわからないまま切れてしまう。
周囲の廃墟には影のような存在が徘徊している。前作のように全員が襲ってくるわけではなく、別の世界の住人の影だけが映っているかのように、ただ日常生活を送っているように見える。
アランは地下鉄の駅を探す道中で、自分の人気小説の主人公、アレックス・ケイシーと対面する。ケイシーは、一瞬アランに向けて銃を構えているような幻影が挿入されたりと、敵なのか味方なのか判別がつかない状態で現れるが、ふいに銃を構えると敵らしきものを追って細い通りを奥へ入っていく。銃撃戦の音が鳴り、アランが駆け付けた時には殺されていた。アランはケイシーから銃と懐中電灯を取り上げ、それを持って進んでいく。
地下鉄の駅に降りたアランは廃墟の奥にある、カルト教団の隠れ家へと入っていく。そこは巨大な柱が立ち並ぶ地下遊水施設で、中央には心臓をくり抜かれた男の死体が横たわっている。そして男の傍らには、サーガ・アンダーソンがブライトフォールズで見つけたのと同じような心臓が置いてある。地下遊水施設の柱は、いつしかブライトフォールの森と重なっていき、アランはそこでサーガと出会う。
光を集めたり開放したりすることで世界が変化する
このプレイデモでは、アラン側の新要素も明らかになっている。銃と懐中電灯を手に、影を剥ぎ取ってからでなければダメージを与えられないのは前作と同じだが、襲ってくる敵とそうでない敵がいるというところが新しい。襲ってこない敵は無害で光も効かないが、油断しているとその中の1人が突然襲い掛かってきたりする。戦闘の回数はそれほど多くはなかったが、見ていたプレスが思わず声を上げるようなビックリシーンもあった。
2つ目は、アランがカバンに差し込んでいる謎の装置だ。先端に電球がついたワンドといった雰囲気の装置を使うと、電球の光で周囲の闇を追い払い、真実の姿を取り戻させることができる。例えば、何もない場所で使うと、そこに地下鉄の入り口が現れたり、板でふさがれた通路が通れるようになったりする。
ライトは一度使うと消えるが、しばらくするとまた灯っていたので、時間によって回復するものなのかもしれない。壁を埋め尽くすように書かれたグラフティやネオンサインやビルボードには、探索のヒントととれるような文字列があちこちにあり、そういったものも駆使して謎を解いていくことになるのかもしれない。
もう1つ、サーガのマインドプレイスと対をなすような存在が、アランのライターズルームだ。壁のボードには「Initiation」の小説の資料やプロットが貼ってある。アランが新たな場所にたどり着くと、その場所を小説に出すための設定を考えるもう1人のアランの声がする。
「ここはこういう場所だ」と決めると、画面の下部分にタイプライターを打つ手の映像がインサートされ、エンターキーを押すと同時に世界が変化する。一度決めた世界設定でも、さらに設定を変えるとそれに合わせて世界も変化する。
例えば、最初は単なる廃車両が置いてあるだけの場所が、最初は怪しいネオンサインに彩られたカルトの住処になる。だが、その後更なるアイデアが出て、今度はガソリンで燃やされた悲惨な現場へと様変わりする。
最初は何もなかった車内には、黒こげの焼死体が無数に転がり、凄惨を極めたであろう現場に響いた悲鳴が焼死体から響いてくる。そんな風に、アランが推敲を行うことで、世界が変わりゲームが進行していく。世界をどう変えるかは、プレーヤーのライターズルームでの選択で決まるため複数のルートが存在する可能性もある。
今回のプレイデモはアランがサーガと出会い、助けを請うシーンで終了した。アランが使う不思議な装置をどこから手に入れたのか、アランが教祖になっているという不気味なカルトは何を意味するのかなど、新しい情報が出てくるたびに謎がどんどん増えていく。この謎に包まれた不気味な世界の結末がどうなるのかは、ぜひ秋に製品版をプレイして見届けて欲しい。
□マイニンテンドーストア「Alan Wake Remastered」のページ
□PS Store「Alan Wake Remastered」のページ
□Microsoft Store「Alan Wake Remastered」のページ
□Epic Games Store「Alan Wake Remastered」のページ