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「デス・ストランディング」発売イベントで大塚明夫さんが涙。独立を経て“繋がり”を求めた小島監督の想いとは――
2019年11月10日 23:40
- 11月10日 開催
- 会場:SIE SSJ品川ビル PlayStation Hall
ついに発売となった、全世界待望の小島プロダクション最新作「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」。今までにないゲーム体験ができる本作の発売前後には、ゲーム以外でもSNSや街中の販売店などで、多くのユーザー同士が“繋がる”瞬間を楽しんでいるようだ。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、本作の発売記念イベント「『DEATH STRANDING』 World Strand Tour(ワールド・ストランド・ツアー) 2019 TOKYO」を、11月10日にSSJ品川ビルにて開催した。
「『DEATH STRANDING』 World Strand Tour」は、フランスのパリを皮切りに全世界10都市で開催されるツアー。今回のイベントでは、小島秀夫監督をはじめ、日本キャストの津田健次郎さん、大塚明夫さん、井上喜久子さん、水樹奈々さん、山路和弘さん、石住昭彦さん、三上哲さんが登壇。小島プロダクション作品ではお馴染みの豪華出演陣と、小島監督によるトークショーが行なわれた。
また、イベントには抽選で選ばれた一般の方200名も参加し、とんでもない倍率であろう応募数の中から選ばれた有志達の姿も数多く見受けられた。さらに小島監督のギネス世界記録認定式や、ファンによる質問コーナーもあり、会場は熱烈な大歓声に包まれ、出演者と観客がまさにストランドで繋がったステージとなった。
小島秀夫監督と津田健次郎さん、大塚明夫さんなど豪華キャスト陣が登場!
会場は参加できたファンに埋め尽くされ、出演者陣が登場すると、ワッと歓声が上がりいよいよイベントがスタート。小島監督は観客に対して開口一番「繋いでますか? 繋がってますか?」とコメント。「皆さんゲームで寝てないんじゃないですか? 最後までクリアしていない方が多いと思うので今日はネタバレも……」と続けると会場からドッと笑いが起きた。発売直後も世界中を周り、今朝羽田空港に着いたという小島監督は、「自分が今どこにいるのかわからない」と話し多忙すぎるエピソードを明かしてくれた。
会場の来場者へ向けて、「ここに居る間はゲームできませんが、帰ったらゲーム内で道がバンバンできてるかもしれませんので」と笑いを誘っていた。
続いてキャスト陣が登壇。今回初めて小島監督作品に登場するサム役の津田健次郎さんは「今日は宜しくお願いします」と客席に挨拶。長年小島プロダクションの作品に携わる大塚さんが登場すると会場からは「明夫ー!」と歓声があがっていた。そんな大塚さんは「どうしたみんな? 元気ないんじゃないか? 今日は楽しんで参りましょう!」と会場を盛り上げてくれた。また、井上喜久子さんは「みんな準備はいいかな?」 といつもの挨拶「井上喜久子17歳です。(オイオイ!)」を披露してくれた。
水樹奈々さんは「ゲームの手を止めて駆けつけてくれてありがとうございます」とコメント。続く山路和弘さんは「ゲームの手を“止めて”一時やってきました」と自身も絶賛ゲームをプレイ中の様子を明かしてくれた。石住昭彦さんは「皆さんとお会いできて嬉しいです」と話すと、大塚さんから「皆怖がってるよ」とツッコミが入りつつ「ベリーイージーモード最高ですね」と続け会場の笑いを取っていた。最後に三上さんは「三上哲です。今日は宜しくお願いします」と挨拶するとまたまた大塚さんより「哲(てつ)だよね?」と言われ「哲(さとし)です」と冷静にコメントすると、会場は笑い声で包まれていた。
「DEATH STRANDING」トークショー! 発売後の小島監督の心境は?
これだけのメンバーが全員揃うのは今回が初めてだという。豪華な東京でのイベントとなり、小島監督もキャスト陣に会うのは東京ゲームショウ以来だと言う。そんな興奮冷めやらぬ中、いよいよトークショーが始まった。
会場には世界中を「DEATH STRANDING」で巡る小島監督の様子が会場モニターに映し出された。小島プロダクションの作品は世界中に熱狂的なファンがおり、海外でも絶大な支持を得ている。多くの取材や、ファンと交流する姿が映されそんな海外ファンとの様子を見た津田さんは「感動しちゃいますね。これだけ世界中でファンの皆さんが待ってらっしゃると」と語った。
「『DEATH STRANDING』 World Strand Tour」で、日本をはじめ今後アジアを巡る小島監督は「足ツボに行きたいですね」とコメントした。世界中を周っているためアジアは近いと感じるようで、色んな所に行き過ぎて感覚が違いますね。と言われると小島監督は「配達人は3年以上やってるんで」と絶妙なコメントを返していた。
続いてトークは出演者が「DEATH STRANDING」をどれだけプレイしているかという話になった。井上さんはどうやらママーには会っているようで、小島監督から「おっ、凄いですね!」と驚かれると井上さんは「私はやっぱりゲームが得意なお友達に一緒にやってもらって進んでるので最高なんですよ」とコメントした。
それを聞いた山路さんは「昨日から家で1人でやってクタクタだよ。最初の崖から降りる時に10回くらい死んじゃったよ」と発言し「あんなに弱そうなクリフは見たことない」と突っ込まれていた。どうやらイベントが始まる前にも控室で出演陣に助けてもらいながらプレイしていたそうだ。さらに小島監督からは「登るよりも降りるほうが怖いんですよ」としっかりフォローされていた。
また、発売後の周囲の反応を聞かれると、津田さんは発売を楽しみにしている後輩に、「まっさらな状態でやりたいんで本当に喋りかけないで下さい」と念を押して言われたそう。喋ったら本当に怒られそうだったため、お口にチャック状態が続いたという。さらに井上さんも全く同じ状況だったようで周りから「めちゃくちゃ楽しみにしてるよ!」と言われることが多く、井上さんは「今日収録行って来たんだけどね」と話して優越感に浸っていたと明かした。
水樹さんは「映画ファンの皆さんもあの人が出てるからやっていみようかな、しかもイージーモードあるらしいじゃん? と普段ゲームやらない人にも広がっているのを感じました」と話した。石住さんも「本当に反響が大きくて、とんでもない作品に出てるんだなと思いました。昨日初めてやろうとしたんですけどPS4のどこにディスクを入れるのかわからなくて時間がかかりました(笑)」すると会場の参加者は、客席に事前に配られていた“いいね”の札を皆一斉に挙げていた。
ちなみにプレイする際は日本語ですか? との質問に主人公でもある津田さんは「これがもう落ち着かなくて。日本語版じゃないほうが落ち着くんじゃないかと(笑)。最初はちょっと恥ずかしくて」と話すと、大塚さんは「まだ始めてないんだけど、英語版でやります」と話すと、山路さんも「英語版でやります。津田くんの荷物を持って疲れた声が生々しくて、一緒にやってると疲れるんだよ(笑)」と愛のあるコメント。
そこで津田さんは「莫大な量の独り言をやりましたね、まさにサムの気分ずっと独りで戦ってました」すると大塚さんが「よくわかるよ」と一言。会場からはドッと笑いが起こっていた。
ネタバレ厳禁! ファンからの質問コーナー
続いてイベントは、来場者による質問コーナーへ。小島監督やキャスト陣へ直接質問ができる貴重な機会、ここでもファンと繋がる瞬間だが、「ネタバレはダメだよ~Twitchで見ている人が沢山居るからね」と大塚さん。配信で楽しんでいるユーザーへの配慮も忘れない。
最初の質問は、自分が演じた以外のキャラクターでお気に入りはいますか? また、監督が一番好きなキャラクターを教えてください。との内容に小島監督は「僕はもう皆好きですよ」、津田さんは「全員と絡むので選ぶのが本当に難しいです」と魅力的なキャラクター達を前に選べない様子。大塚さんは「中盤なのかな? メガネした女の人いるでしょ、あの人好きです」と話すと、「見た目だけ!? 個人的な趣味ですか?」とまさかの名も知らないキャラクターを挙げる大塚さんに出演者全員、大爆笑の瞬間だった。
続いて井上さんは「皆と同じで選べないんだけど、あえて言うならBB!」とコメントすると会場からは一斉に「あ~!」と共感する声が沸き起こった。BBの表情に癒されるそうで、水樹さんも「私もBBです! 母性本能がくすぐられるんです」と続け産んだ気になると2人で盛り上がり“チームBB”を発足。すると「私もBB軍です」と山路さん。「あと水樹くんが演じてるフラジャイルも個人的に」と好みのタイプを打ち明けると大塚さんからは「年取ってるからそういう所にしかもう楽しみが無いんだよ」と言われてしまう山路さんだが「うるさいよ!(笑)」と反撃していた。
石住さんに話が振られると「僕もBBです。BBにお乳をあげたいです」とまさかのコメント。出ないですよね? と突っ込まれるとすかさず大塚さんから「出るんだよ。何でもないよ(笑)」とコメントに便乗。すると「頑張れば出るんで」とお茶目な石住さん。仲のいい掛け合いを見せてくれた。
三上さんは「僕はアメリがいいです。癒されますね」と話すと井上さんから「ありがとー!」と喜ばれていた。男性陣からは女性の好みが聞けたところで、質問者の好きなキャラクターがクリフだと言う話になり、小島監督が「踊るマッツ見ました?」との質問からもう一回見たくなちゃうんですよねとのコメントに、小島監督が小声で「実は見られるんです」と一言。会場でも「えーー!?」と驚きに包まれたが、見れる方法を用意しているとの小島監督に“いいね”の札があがっていた。
ゲームデザイナー 小島秀夫氏がギネス世界記録認定!
イベントも後半戦に差し掛かった所で、会場で重大発表が! 小島秀夫氏が「最も多くのInstagram・Twitterのフォロワーがいるゲームディレクター(Most followers on Instagram for a videogame director)、(Most followers on Twitter for a videogame director)」として2つのギネス世界記録に認定されたという。
国内だけに留まらず、世界中を飛び回り活躍されている小島監督のフォロワー数はなんとTwitterで約280万人、Instagramは880万人。グローバルなSNSに最も多いフォロワー数を持つことは、世界的に影響力があるビデオゲームディレクターとして認定され、会場ではギネス公式認定員によるギネス世界記録認定式が行なわれた。
イベントもフィナーレ、小島監督と共に歩んできたキャスト陣も思わず涙……
イベントの最後は小島監督とキャストからの挨拶で締めくくられた。三上さん「ヒッグスがまだ出てきてなくて、これからいよいよ本格的に始めるぞというとこなんですが、皆さんとこれから繋がれたらいいなと思っています。ありがとうございました」石住さん「家でPS4のIDユーザーを入れるというところで止まってますんで(笑)帰ってすぐやりたいと思います」山路さん「クリフのことはあまり情報を出しちゃいけないということなんですが1つだけ、皆さん“誕生日”だけは登録しておいてください。お楽しみに」。
水樹さん「小島監督、発売おめでとうございます。この日を本当に楽しみにしていました。フラジャイルはまた小島監督に試練を与えられる役なんだなと思いながら、彼女も色々な人生という荷物を抱えて生きているキャラクターなので、皆さんに愛してもらえたらと思います。私たちも今日皆さんと繋がれて嬉しかったです」。
井上さん「自分がこの世界の中でアメリとして生きているのが夢みたいで本当に嬉しくて、想像していた何百倍も面白い世界が広がっていて、このゲームの素晴らしさを沢山の人に感じていただけるように、繋がって楽しい世界を生きていただけたら嬉しいです。皆さんのことをビーチでずっと待っています」。
津田さん「本当に感慨深いですね。小島監督はですね、TwitterのDMで、DMですよ?(笑)ゲーム興味ありますか? という一言から繋がることができて、凄い凄い長い時間旅をしてきた想いでおります。小島監督や支えてくださるスタッフの方々はずっと崖や雪山を越えるような長い旅をされてきたんだなと思い、世界の皆さんと繋がれる11月8日が楽しみで仕方がなかったです。またこれからも繋がっていきましょう」。
そして、長年小島プロダクションの作品に携わってきた大塚さんが語り出すと会場は一変する。大塚さんの小島監督に対する心境や、作品のコンセプトでもある繋がりを世界中のユーザー、そして小島プロダクションの作品に関わるスタッフやキャストの想いが伝わるメッセージを涙ながらに語ってくれた。
大塚さん「思えば新生コジプロが生まれて、小島秀夫監督が孤独の“孤”という字が背中に書いてあったような時期があり、小島監督を信じてついてきたスタッフ、それから色んな人が小島監督の人生が肩にかかっていて、今回こけたらっていうギリギリの中、11月8日に発売することができて、チームが繋がってひとつになって、そして世界中のユーザーもひとつに繋がれたことが俺は嬉しいです」。
最後に小島監督は「4年前独立しまして、何もなかったんですけど確かなのは絆だけで。ファンの皆さんが居て僕が作るのを待ってくれていて、頑張ってみようということで。アーティストや俳優、歌手の皆さんなど繋がりを辿ってここまでこれました。3年9カ月ほど完成まで色々ありましたけど、もう一度皆さんに遊んでもらえる、こんな幸せはなかったです。繋がるのは本当に大切だなと制作過程でも思いました。決して1人じゃないということがわかると思います。自分みたいな人が世界中に居て、そういう人達と繋がって自分は生きているんだと感じていただければ。僕も作りながら感じていましたし、これからゲームで繋がって、人は繋がって生きていくことが大切だと思います。皆で繋がりましょう」と色々な想いを胸に、コメントした。
繋がって人は生きていく、棒ではなくストランドの大切さを教えてくれる作品
出演陣の挨拶の後には、小島監督へのサプライズが用意されていた。出演者を代表して津田さんより小島監督へメッセージ「小島監督の作る世界は美しいです。発売おめでとうございます。これからも宜しくお願いします」と涙を浮かべながら語った。
本イベントでは、ゲームのテーマでもある“繋がる”ということの大切さが、小島監督やキャストの皆さんの想いやコメントによって伝わってきた。小島監督の棒ではなく縄を選んで欲しいという想いは、小島プロダクションとして独立し、孤独を感じてきた経験があるからこそ伝わるメッセージではないだろうか。
小島監督と苦楽を共にしてきたスタッフやキャスト陣も、「DEATH STRANDING」で世界中が繋がる瞬間を心から喜び、全く新しいゲーム体験により、更なるストランドの広がりを楽しみにしているようだ。「小島監督、素晴らしい作品を本当にありがとう」といった気持ちが会場に溢れ、まさにひとつに繋がった素晴らしいイベントであった。「DEATH STRANDING」を通じで世界中が繋がることを楽しみにしたい。