ニュース
生と死、輪廻転生を描いたアクションRPG「鬼ノ哭ク邦」先行レポート
本作でしか味わえない世界観と物語が、プレーヤーを引き込む!!
2019年7月23日 21:25
- 8月22日 発売予定
- 価格:5,800円(税別)
- CEROレーティング:B(12歳以上対象)
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/Nintendo Switch/PC(Steam)用アクションRPG「鬼ノ哭ク邦(オニノナククニ)」を8月22日の発売を予定している。「いけにえと雪のセツナ」や「LOST SPHEAR」を開発した「Tokyo RPG Factory」が手がけていることもあり、幻想的で独創的な世界観は本作でも健在。
このたび弊誌では、発表から注目を浴びている本作の体験版(7月23日より配信開始)の先行プレイの機会をいただいた。本作独自の世界観やシステム、アクション性など、気になる部分をお届けしていきたい。
心をえぐるほどの凄絶な使命を背負う、逝ク人守の戦い
今回プレイした体験版では、「ストーリーモード」と、ストーリーモードをクリアすると解放される体験版専用の「バトルモード」の2つのモードが遊べる。まずは「鬼ノ哭ク邦」の世界観や物語を体験したかったので、最初はストーリーモードからプレイ。
物語は主人公「カガチ」の幼少期、両親が亡くなった場面から始まる。死者と生者の間を取り持つ調停者である「逝ク人守(いくともり)」の男は、カガチに「悲しんではいけない」と告げる。悲しみは死者をためらわせ、迷ってしまった死者の魂は消滅し、二度と人として生まれてくることはないのだという。非情な現実を受け止め、20年後、カガチも逝ク人守として成長していった。
ゲームの基本的な流れは、死者の世界である「幽リ世(かくりよ)」に迷い込んだ魂を来世に送るため、生者の世界である「現シ世(うつしよ)」と交互に行き来して物語を進めていく。ストーリー序盤、幽リ世で彷徨う少年の魂、「迷イ人(まよいと)」と出会ったカガチ。その魂は、最後に両親に会えれば心残りが無くなって成仏ができるという。死者の声を聞き、その願いに応えていくという本作ならではの斬新なゲーム性だ。
ゲームの肝となる戦闘について触れていこう。過去の二作品と違い、戦闘はアクションバトルとなっている。フィールド上に敵が存在しており、戦闘シーンに入ることなくテンポの良いシームレスなアクションバトルが楽しめる。
逝ク人守に憑依する「鬼ビ人(おにびと)」と共に戦うのが、アクション面での最大のセールスポイントだ。鬼ビ人とは守護霊のような存在で、ジョブの役割を担う。かつては普通の人間であったが、死後、転生も消滅もすることなくこの世を彷徨っている特別な迷イ人だったが、純粋かつ非常に強い想いを持ち、魔物化せず鬼ビ人となった。生前の記憶はなく、ただ逝ク人守に付き従っている。
ゲーム開始時から鬼ビ人として使用可能な「アイシャ」は刀を武器に戦うバランスタイプ。カガチのアクションは憑依する鬼ビ人によって変化する。鬼ビ人固有のアクションはもちろんのこと、武器や通常攻撃に至るまで全てのアクションがガラリと変わるのが面白い。鬼ビ人はゲームを進めていくと増えていき、その種類は両手では数えきれない程だそうだ。
今回はPS4版でプレイした。基本は□ボタンの通常攻撃と〇ボタンやLRボタンにセットして使うことができる、強力な攻撃技を駆使して戦っていく。簡単な操作でワラワラと現われる敵をまとめて蹴散らせるのが爽快だ。×ボタンでは鬼ビ人固有のアクションも発動できる。アイシャの鬼ビ人アクションは、高速ダッシュで敵の攻撃を回避できるというもの。この他にもガードやワープ、ジャンプなど、鬼ビ人によって様々なアクションが使え、どれも戦闘でかなり役立つ。
カガチと鬼ビ人は、それぞれ異なる形で成長させることができる。カガチは敵を倒して経験値が溜まるとレベルが上がり、攻撃力やHPなどのパラメータが上昇。鬼ビ人はレベルの概念が無い代わりに、「技奥樹(ぎおうじゅ)」というスキルツリー形式の育成システムを採用している。鬼魂というアイテムを消費して様々な技やスキルを解放させ、強化することができるのだ。本作は全体的に歯応えがある難易度となっているので、カガチと鬼ビ人の両方を育てるのが攻略の鍵になる。※ゲーム開始時にCASUAL、NOMAL、MANIACが選択可能。
少年の両親に会うため幽リ世を進むと、巨大なボスとの戦いが待っていた。最初に戦うボスなのだが、こいつが思いの外強い。幽リ世での戦闘は特別なルールがあり、敵味方ともに攻撃が必ずクリティカルヒットになるのだ。この効果もあって一撃で3~5割の驚異のダメージを食らわせてくる。ザコ戦とは違い、ボス戦ではがむしゃらに攻めるだけでは倒すのは困難。しっかりとボスの行動パターンを覚えて、的確に攻撃をかわしながら戦う必要がある。
そんなボス戦で効果的なのが「鬼哭化」というシステム。戦闘をしていると鬼ビ人との同調律が増加していき、100%以上になると鬼哭化が可能。鬼哭化をすると自身の能力が一定時間上昇し、さらに全ての行動がキャンセル可能になる。これがかなり有効で、自分の攻撃モーション中に敵の攻撃がきても、即座に回避行動に移れるので安全に戦うことができる。
ボスの攻撃パターンを掴むまでかなりの苦戦を強いられたが、数回リトライの末、何とか倒すことに成功した。本気でこちらを倒しに来る骨太なバランスで、これぞボス戦といえるスリリングな緊張感と達成感が味わえた。
ボスを倒し、少年の魂を無事に両親の元まで送り届けるのだが、ここからのイベントがかなり心をえぐってくる展開であった。少年は両親の顔を見ると、自分が死んでしまったことへの後悔の念が溢れ出し、「ひとりは嫌だ。ウチに帰りたい」と泣き崩れてしまう。
少年の反応を知った母親は、自分も息子の元に連れて行ってとカガチに告げる。その意見に初めは迷いを見せていた父親だったが、最後は腹をくくり自分も向こう側へ逝くことを決める。そしてカガチは、両親を息子の元へ送るため、逝ク人守の任を全うする。
物語序盤でこんなにもハードな展開が待っていることに正直驚かされた。この先、カガチにどんな凄絶な使命が待ち受けているのか……、先のストーリーが気になって仕方がない。
ストーリーモードをプレイした後は、バトルモードにも触れていく。バトルモードは名前の通り純粋に戦闘を楽しむモードで、アイシャを含む4体の鬼ビ人が用意されている。鬼ビ人は戦闘中に自由に切り替えることができるので、状況に応じて使い分けるのも重要だ。
アイシャを除く三人の鬼ビ人を紹介していこう。一人目の「ザーフ」は、槍を使った突進力のある攻撃が強味の鬼ビ人。「ファイナルファンタジー」シリーズの竜騎士のような攻撃技を持っており、天高く飛び上がり急降下の一撃を食らわせる。鬼ビ人アクションではジャンプで敵の攻撃をかわすことができる。
二人目の「ウィル」は巨大な斧を使う鬼ビ人で、攻撃力は他の鬼ビ人と比べて抜きん出ている。斧をぶん回し、敵をまとめて蹴散らす豪快な戦い方ができる。鬼ビ人アクションはガード。敵の攻撃を受け止めることが可能だ。
最後の「イザナ」は鎌を使った高威力の攻撃が特徴。攻撃モーションも軽く、範囲も広いのでどんな場面でも活躍できるキャラクターだ。鬼ビ人アクションでは瞬間移動をすることができ、敵の意表を突いた戦い方もできる。
今回使用できた鬼ビ人は四種類であったが、製品版ではまだまだたくさんの鬼ビ人が出てくるそうなので楽しみである。
今回、二つのモードをプレイさせていただいたが、個人的に気になっていたアクション部分は、敵を蹴散らす爽快感が存分に味わえて、敵と延々戦っていても全く苦にならない面白さであった。
そして何より、もっとも注目すべきはやはりストーリーだろう。この先カガチは、どんな迷イ人と出会い、どんな宿命に立ち向かうのか……。「鬼ノ哭ク邦」の魅力に完全に惹き込まれてしまった。
本レビューで先行体験したものは、体験版として本日7月23日より配信している。プレイしたストーリーモードのデータは製品版に引き継ぐこともできるそうなので、気になっている人は是非プレイしてみよう。