ニュース

Intel、IEM Sydney 2019でノートPC向け第9世代Coreのショウケースを実施

第6世代比で50%以上も高速に! 次世代Wi-Fi規格「Wi-Fi6」の爆速ぶりをアピール

5月3日開催

会場:Qudos Bank Arena

 Intelはオーストラリアシドニーで5月3日より開催されているIEM Sydney 2019において、4月23日にグローバルで発表したノートPC向け第9世代Coreプロセッサを搭載したゲーミングノートPCのショウケースを実施した。

 2018年10月にデスクトップ向けに続いて、ようやく発表されたノート向け第9世代Coreだが、デスクトップ向けと同等の5GHz/8コア/16スレッドを実現。メニイコア環境をフル活用してもらうために、“ゲーミング及びクリエイター向けCPU”と定義し、PCゲーマーやeスポーツアスリート、コンテンツクリエイター、そしてプロシューマーと呼ばれるハイアマチュア層に対して積極展開していく。

 ゲームにおけるパフォーマンスは3年前の第6世代Core比で、FPSは最大56%向上し、起動速度も38%向上。4Kの動画編集速度も54%高速化し、トータルで33%の性能アップを実現しているという。

【ノートPC向け第9世代Coreプロセッサ】
史上もっともパワフルなラップトッププラットフォーム
ノートPCも5GHz/8コア/16スレッドを実現
第6世代比で56%のパフォーマンスアップを実現

【「ヒットマン2」ベンチマークでの比較】
3年前の第6世代Core採用モデル(GPU:GeForce GTX 970M、メモリ:16GB)では、最高設定で平均22.74fps。これでは快適に遊べるとは言いがたい
第9世代Core採用モデル(GPU:GeForce RTX 2080、メモリ:64GB)では61.09fps。共に今と3年前のハイエンド手前のスペックながら、フレームレートは3倍近い差が出ている

 また、ゲーミング向けとして大きくアピールしているのは、次世代Wi-Fi規格である「Wi-Fi6」の採用が可能になっているところ。ショウケースではNETGEARのWi-Fi6対応ルーター「Nighthawk AX4」を用いて、ASUSの第9世代Core採用モデルと、3年前の第6世代Core採用モデルのデータダウンロード速度の比較が行なわれたが、同じ5GHz帯の電波を掴んで、3年前のWi-Fi6非対応モデルが26.3MB/sに対して、Wi-Fi6対応モデルは67.5MB/s出ており、倍以上のスピードが出ていた。

【Wi-Fi6テスト】
ASUSのゲーミングノート「ROG」を対象に、第9世代Core採用モデルと第6世代Core採用モデルで比較を行なった
これがWi-Fi6対応ルーターの「Nighthawk AX4」(NETGEAR)
Wi-Fi6は「Wi-Fi6 AX200 160MHz」として認識される

 もちろん、ダウンロード速度はかなりバラツキがあり、Wi-Fiの仕様上の弱点である安定性の低さもそのままで、皮肉にもWi-Fi6のデモンストレーションは、eスポーツの分野で無線が取り入れられることは今世代でもないし、Wi-Fi6だからといってゲームのオンラインプレイが有線と同じ感覚でプレイできるわけでもないということを実証していた。

 その一方で、ゲーム、そしてeスポーツは自身でプレイするだけでもなく、観戦のニーズも年々高まっており、TwitchやYouTubeで観戦したり、リプレイデータをダウンロードしたりなど、大容量データを高速ダウンロードできるWi-Fi6は、ゲーマーにとってありがたいソリューションであることは間違いないと感じた。

【速度は倍以上だがWi-Fiの不安定さはそのまま】
上がWi-Fi5(IEEE 802.11ac)で、下がWi-Fi6(IEEE 802.11ax)。注目点はデータ転送速度よりむしろ左下のスループットの情報で、Wi-Fi6でも不安定さは変わっていない

 プレゼンテーション後に行なわれたショウケースでは、Acer、ASUS、HP、Lenovo、MSI、Razerの6社が、第9世代Coreを採用した最新モデルを実機で展示していた。すでにオーストラリアでは販売済みのモデルも含まれているが、日本での発売については、日本法人あるいは代理店の正式発表を待って欲しいということだった。

【ショウケースイベント】

【各社の第9世代Core採用ノートPC】
Acer
ASUS
HP
Lenovo
MSI

【各社の第9世代Core採用ノートPC】
6社の中でもっとも印象的だったRazer Blade15インチモデル。OLEDパネルの発色が非常に美しかった
こちらは通常の液晶パネルを採用した17インチモデル
今後採用が増えると思われるOLEDパネルは本当に美しい
OLEDパネル(左)と液晶パネル(右)との比較