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“ゲーミングプロセッサー”始動! インテル、第9世代Coreプロセッサーを発表
「かつてないパフォーマンスを実現」 5GHz駆動を実現し、ゲームに自信
2018年10月11日 16:18
インテルは10月11日、米国で10月7日に正式発表されたメインストリーム向けデスクトップCPU「第9世代インテルCoreプロセッサー」の国内メディア向け説明会を開催した。10月19日出荷開始予定で、CPU単体の価格は262ドルより。
PCゲーマー待望となる「第9世代インテルCoreプロセッサー」がようやく日本でもお披露目となった。第8世代は、マルチコアによるマルチタスク処理や、多彩なバリエーションによる選択肢の提供など、パフォーマンス以外の部分に重きが置かれていたが、第9世代は“ゲーミングプロセッサー”と定義し、ストレートにゲームの動作が速くなることを全面に押し出した。インテルCPUの主要な用途としてゲームは常に含まれているが、ここまでゲームを押し出すのはインテルCPUの長い歴史でも初めてのことだ。
「第9世代インテルCoreプロセッサー」は、14nmプロセスとして2世代新しい14nm++プロセスを採用し、メインストリーム向けとしては初となる5GHz駆動(ターボブーストテクノロジー2.0利用時)、8コア/16スレッドを実現。第9世代インテルCoreプロセッサーに最適化したZ390チップセットとセットで使うことで最高のパフォーマンスを発揮する。
パフォーマンスアップのキーポイントとなっているのが、STIM(Solder Thermal Interface Material)の採用だ。CPUダイとヒートスプレッダの間の接合を、熱伝導性が高く、熱抵抗の小さい“はんだ(Solder)”を採用することで、放熱性能が向上し、より高い周波数で安定した動作が可能となり、結果としてオーバークロック能力の向上を実現している。
発表会では、1年前の第8世代と3年前の第6世代とのフレームレート比較で、パフォーマンスの違いが示され、第8世代比で約10%、第6世代比で約40%ものパフォーマンスアップを実現することが明らかにされた。注意点としては、第9世代がCore i9-9900Kなのに対して、比較対象のCPUはいずれもCore i7で、厳密に言うとCPUのグレードが違うのだが、世代を経ることによってCPUだけでハッキリ違いが分かるレベルでパフォーマンスアップを実現しているのは厳然たる事実で、ゲーマーの物欲を直接刺激してくれる“ゲーミングCPU”となっている。
チップセットは、最新のZ390に加えて、Intel 300シリーズであればすべて対応しているため、Coffee-Lake世代のゲーミングPCを使っているゲーマーなら、CPUだけの換装を検討してもいいだろう。上記フレームレートの差は、基本的にビデオカードやストレージ、メモリの違いは含まず、CPUだけの違いとなるため、別途GeForce RTX 2000シリーズや、M.2 2280接続のSSDなども合わせてアップグレードすることで、文字通り爆発的なパフォーマンスアップが可能となりそうだ(その分、お値段も爆発的になるが)。
会場には、10月19日以降に発売となる第9世代インテルCoreプロセッサー搭載モデルが展示されていた。その多くはGeForce RTX 2000シリーズを採用し、フルHD環境だったが、「World of Tanks」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」などが快適に動作していた。
また、ゲームのデモとして第8世代インテルCoreプロセッサーを採用したNUCやゲーミングノートPCも展示され、「Forza Horizon 4」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」をプレイすることができた。ハイエンドモデルである「NUC8i7HNK」で「Forza Horizon 4」を動作させたところ、フルHD/ウルトラ設定で50フレーム前後で安定して動作していた。価格は10万円ほど、ゲームコンソールよりも遙かに小さい弁当箱ほどのマシンで、「Forza Horizon 4」が快適に動作しているのは驚きだ。
インテルのNUC8は、日本ではVRマシンとして販売されているが、廉価なゲーミングPCとしてもかなり優秀だ。この第9世代版も検討しているということで、2019年に登場が予定しているモバイル版第9世代インテルCoreプロセッサーの登場を待った上で、2020年を目処に新モデルを投入したいという。