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“ゲーミングプロセッサー”始動! インテル、第9世代Coreプロセッサーを発表

「かつてないパフォーマンスを実現」 5GHz駆動を実現し、ゲームに自信

10月11日開催

会場:泉ガーデンギャラリー

 インテルは10月11日、米国で10月7日に正式発表されたメインストリーム向けデスクトップCPU「第9世代インテルCoreプロセッサー」の国内メディア向け説明会を開催した。10月19日出荷開始予定で、CPU単体の価格は262ドルより。

発表を行なったインテル執行役員マーケティング本部長 山本専氏

 PCゲーマー待望となる「第9世代インテルCoreプロセッサー」がようやく日本でもお披露目となった。第8世代は、マルチコアによるマルチタスク処理や、多彩なバリエーションによる選択肢の提供など、パフォーマンス以外の部分に重きが置かれていたが、第9世代は“ゲーミングプロセッサー”と定義し、ストレートにゲームの動作が速くなることを全面に押し出した。インテルCPUの主要な用途としてゲームは常に含まれているが、ここまでゲームを押し出すのはインテルCPUの長い歴史でも初めてのことだ。

 「第9世代インテルCoreプロセッサー」は、14nmプロセスとして2世代新しい14nm++プロセスを採用し、メインストリーム向けとしては初となる5GHz駆動(ターボブーストテクノロジー2.0利用時)、8コア/16スレッドを実現。第9世代インテルCoreプロセッサーに最適化したZ390チップセットとセットで使うことで最高のパフォーマンスを発揮する。

【第9世代インテルCoreプロセッサー】
CPUの発表とは思えないほどゲームを全面に出したスライド。中でも“eスポーツ”というフレーズをすり込むように用いているのが印象的。11月5日からは、eスポーツ大会のVIP待遇ツアーなどが当選するキャンペーンもスタートする

技術解説はインテル執行役員常務技術本部本部長の土岐英秋氏が行なった

 パフォーマンスアップのキーポイントとなっているのが、STIM(Solder Thermal Interface Material)の採用だ。CPUダイとヒートスプレッダの間の接合を、熱伝導性が高く、熱抵抗の小さい“はんだ(Solder)”を採用することで、放熱性能が向上し、より高い周波数で安定した動作が可能となり、結果としてオーバークロック能力の向上を実現している。

 発表会では、1年前の第8世代と3年前の第6世代とのフレームレート比較で、パフォーマンスの違いが示され、第8世代比で約10%、第6世代比で約40%ものパフォーマンスアップを実現することが明らかにされた。注意点としては、第9世代がCore i9-9900Kなのに対して、比較対象のCPUはいずれもCore i7で、厳密に言うとCPUのグレードが違うのだが、世代を経ることによってCPUだけでハッキリ違いが分かるレベルでパフォーマンスアップを実現しているのは厳然たる事実で、ゲーマーの物欲を直接刺激してくれる“ゲーミングCPU”となっている。

 チップセットは、最新のZ390に加えて、Intel 300シリーズであればすべて対応しているため、Coffee-Lake世代のゲーミングPCを使っているゲーマーなら、CPUだけの換装を検討してもいいだろう。上記フレームレートの差は、基本的にビデオカードやストレージ、メモリの違いは含まず、CPUだけの違いとなるため、別途GeForce RTX 2000シリーズや、M.2 2280接続のSSDなども合わせてアップグレードすることで、文字通り爆発的なパフォーマンスアップが可能となりそうだ(その分、お値段も爆発的になるが)。

【テクノロジー解説】
「かつてないパフォーマンスを実現」を連呼しながら、ゲームへの影響の大きさをアピール

【ゲームのパフォーマンスは?】
気になるゲームへの影響はこのスライドの通り。最新ゲームでパフォーマンスがアップしていることがわかる

 会場には、10月19日以降に発売となる第9世代インテルCoreプロセッサー搭載モデルが展示されていた。その多くはGeForce RTX 2000シリーズを採用し、フルHD環境だったが、「World of Tanks」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」などが快適に動作していた。

 また、ゲームのデモとして第8世代インテルCoreプロセッサーを採用したNUCやゲーミングノートPCも展示され、「Forza Horizon 4」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」をプレイすることができた。ハイエンドモデルである「NUC8i7HNK」で「Forza Horizon 4」を動作させたところ、フルHD/ウルトラ設定で50フレーム前後で安定して動作していた。価格は10万円ほど、ゲームコンソールよりも遙かに小さい弁当箱ほどのマシンで、「Forza Horizon 4」が快適に動作しているのは驚きだ。

 インテルのNUC8は、日本ではVRマシンとして販売されているが、廉価なゲーミングPCとしてもかなり優秀だ。この第9世代版も検討しているということで、2019年に登場が予定しているモバイル版第9世代インテルCoreプロセッサーの登場を待った上で、2020年を目処に新モデルを投入したいという。

【第9世代インテルCoreプロセッサー搭載モデル】
第9世代インテルCoreプロセッサーおよび、クリエイター向けとして同時発表されたインテルCore Xシリーズプロセッサー搭載PC。マウスコンピューターは、デスクトップ用CPUを搭載したクリエイターノートPCを参考出展していた

【インテルテクノロジーショーケース】
インテルの最新ソリューションを展示する「インテルテクノロジーショーケース」も併設されていた。インテルのNUC「NUC8i7HNK」で「Forza Horizon 4」が快適に動作していたのが印象的だった