ニュース

【GDC 2019】オープンワールドVR「Stormland」が期待大!

Insomniac新作は“アンドロイドが冒険する”アクション大作に

【GDC 2019】

3月18日~3月22日(現地時間) 開催

会場:Moscone Center

 Oculus Rift Sの発表会場に、2019年発売予定のVRアクションアドベンチャー「Stormland」のプレイアブルデモ版が出展されていた。本作の開発は、「Marvel's Spider-Man」などで知られるInsomniac Games。デモは本作ならではのストーリーテリングを見せる内容で、装備品のアップグレードも含めた要素をじっくり見ることができた。さっそくその手触りをご紹介する。

【Stormland | E3 Announce Trailer | Oculus Rift】
Oculus Rift Sで「Stormland」をプレイする様子

アイデアが光る“アンドロイドのリアリティ”に完全没入!

 「Stormland」は、オープンワールドタイプのアクションアドベンチャーゲーム。プレーヤーはあるアンドロイドとなり、かつて他のアンドロイドが暮らしていた廃墟世界を冒険する旅に出る。

 本作の何よりのチャレンジは、1人称視点のアドベンチャーゲーム、しかもAAAクラスのものをVRでやろうとしているとのこと。左スティックで道を進み、右スティックを左右に倒すと30°程度視点が切り替わる。移動を自由にできるということはVR酔いの問題が大きくのしかかるはずだが、本作では不思議と酔いがない。本作内での操作に慣れるうちにどんどん違和感がなくなっていくほどで、プレイを開始して最初に印象的だった部分だ。

 デモはジャングルの奥地から始まる。植物の合間には廃墟となった人工物が見え隠れし、行く先々では過去のアンドロイドの会話や動作が幻影のように立ち現われる。平穏だったころを思い起こさせる演出が入り、こうした記憶をたどるように進むことで、この世界に隠された謎と物語を明らかにしていくこととなる。

 演出として面白いのは、主人公=プレーヤーがアンドロイドという点。アンドロイドは最初、特に武器や能力を持っていない。しかしゲームを進めると過去のテクノロジーの遺産が手に入り、だんたんと新機能を得ていく。機能を得るごとに、様々なことができるようになるような仕組みだ。

 たとえば、右手には次の目的を表示する機能や、マップ機能が加わっていく。機能を得た後は、手のひらを上に向けることで次の目的が表示され、手の甲を上に向ければマップが見えるようになる。一般的なアクションアドベンチャーでは画面の周囲にUIやミニマップを表示させるようなものが、腕の周りにホログラムのように浮かび、しかも特定の動作で切り替わっていく。VRならではのUIの見せ方であり、さらに没入感も増している素晴らしいアイデアだと思った。

 また個人的に気に入ったのは、アンドロイドのデザインが筆者の好みの映画「ウォーリー」、「ショート・サーキット」、あるいは「チャッピー」を思い出させるような愛嬌あるものになっていること。鏡を見ても手元を見ても、そこにいるのはかわいらしいアンドロイド。なりきりプレイができるゲームとしてもポイントが高い。

かわいらしいアンドロイドのデザイン! この見た目だけで高得点だ

 他にも、左腕をガチャっと外して腕ごとアップグレードしたり、グレネードを胸に装着したり、これらの機能があくまでアンドロイドの身体と一体になっているところが面白い。ほかにも話をする小型アンドロイドを胸に付けてガイド役にしたりするなど、本作ならではのリアリティがよく考えられている。

 アクションとしても様々な要素があり、銃を使った敵との戦闘、壁のクライミング、雲の上の滑走、空中からの下降などができる。飛び降りるときの急降下はVR上ではとても酔いやすいのだが、ジェット噴射によってゆっくり降りるためそれもない。今回のデモはあくまで一要素で、本編では空中を滑空するような場面も登場するそうだ。

 今回は1人プレイ用のデモでゲームの進め方をじっくり見ることができたが、製品版ではマルチプレイも可能になるという。VRのオープンワールドゲームとしては環境づくりもシステムづくりも、デモに触れた限りはかなりの手応えがあった。今後の展開に期待が持てる新作だ。