ニュース

「オーバーウォッチ」、世界で活躍するタイのチームに勝利! 「eSPORTS 国際チャレンジカップ」 ぎりぎりの戦いを制し勝利を掴む

1月26日、27日開催

会場:幕張メッセ4ホール

 世界の強豪と日本のeスポーツ選手達が戦う。世界で活躍する強者達に日本代表選手達がどう戦っていくか? 幕張メッセで行なわれている「eSPORTS 国際チャレンジカップ ~日本代表vsアジア選抜~」は、世界を相手に戦う日本選手達を生で見れる場所だ。1月26日には、「オーバーウォッチ」での戦いを見ることができた。

 日本選手はJUPITER。「PUBG」で知られたプロチームに所属するメンバー達で、2018年12月に設立されたばかり。活動休止を発表したCYCLOPS athlete gamingのメンバーがJUPITERに参加することで設立された。彼らと戦うのはタイのプロチームXavier Esports。アジアで活躍するチームだ。

日本代表のJUPITER
タイのプロチームXavier Esports

 「オーバーウォッチ」は個性豊かなヒーロー達が活躍するアクションシューティング。6対6のチームでの戦いが中心となる。eスポーツでの「オーバーウォッチ」は他のタイトルと比べてもチームでの連携が必要となる。盾役がしっかりと攻撃を受け止め、サポート役が盾を支え、味方や敵の力をコントロールする。ダメージは効果的に攻撃を当て敵の戦力を的確に削いでいく。味方の能力をどう活かすか、敵をどこまで封じ込めるかが鍵となる。

 今回のイベントは実況に岸大河氏、解説にgappo3氏によって進行した。「オーバーウォッチ」は奥深く、各ヒーロー達の技は非常に多彩なため、ゲームに知識がないと流れがわからないところがあるが、2人による状況の説明により試合の流れや、注目選手を知ることができた。試合は大接戦となり、見ていて非常に引き込まれた。

左から、司会の田口尚平氏、実況の岸大河氏、解説のgappo3氏

 試合は第5ゲームまである「ベストオブファイブ」。3ゲーム先取により勝利となる。1ゲームがAとBの2つの目標を巡って争う「アサルト」。2ゲーム目が両チームが1つの目標を奪い合う「コントロール」。3ゲーム目がペイロードを奪取し、その後ペイロードを目的地まで移動させる「ハイブリッド」。そして4、5ゲームが「コントロール」。となる。

 対戦ではまず日本チームのSamuraiD選手が大きな活躍を見せた。タンクである彼は仲間全体を押し上げつつ積極的に攻撃も行なう。敵にダメージを与えるなどでゲージを貯め放つアルティメットアビリティ「アースシャッター」を効果的に使い、敵をまとめて倒すという活躍を見せた。SamuraiD選手は一度「オーバーウォッチ」から離れたとのことだったが、チームの要として大きな活躍を見せた。

 「オーバーウォッチ」は様々なルートを持つマップでどう戦うかが鍵となる。防御側に攻撃側がどう攻め込んでいくか、裏をとるにはどうすれば良いか? 固まっていれば範囲攻撃が怖いし、離れていると支援効果が届かない場合がある。いかに攻め、いかに引くかも非常に重要で、密接な連携が求められる。タンクが活躍するためには、ダメージ、サポートが彼をきちんと支えなければならないのだ。日本チームはタンクを中心に強い攻めを見せ2ゲームを連取、後一勝で勝利、というところまで一気に詰め寄った。

序盤は日本チームが優勢、SamuraiD選手を中心に敵を強く圧迫、勝利目前まで一気に詰め寄った

 しかしここからタイチームが“対応”してくる。特に防御が非常に巧みで、攻め込もうとする日本チームを的確に分断させそして撃破していくのだ。特に凄まじいのがタイのPatiphan選手のスナイプ能力。世界大会でもその実力は折り紙付きで、まさに世界1の座に迫るその狙撃は日本チームを大きく苦しめた。2勝していた日本チームはそこから2ゲームを落とし、最終ラウンドまでもつれ込む結果となった。

タイのチームは日本の戦略に即座に対応、猛烈な追い上げを見せる。特に「世界レベル」といわれるPatiphan選手のスナイプ能力は見ていて非常に怖いものがあった。しかし日本チームはここからさらに逆転、ぎりぎりの勝利をもぎ取った

 試合を振り返った日本選手のコメントでは「タイのチームは即座にこちらに対応してきた。世界の強さを思い知った」というものが多かった。2勝して大きくリードをした日本チームだったが、タイは立て直してきたのだ。しかし、最終戦では日本チームはそのタイの対応をさらに作戦で上回っていった。そして大接戦を制し、見事勝利したのである。「ぎりぎりの戦いで勝てたのは本当にうれしい」というコメントが日本チームから出た。まさに逆転に次ぐ逆転で勝利をもぎ取る、その底力を見せてくれた戦いだった。

見事勝利した日本チーム