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アジアの強豪と手合わせできる「eSPORTS 国際チャレンジカップ」開催!

世界と、地方との繋がりを宣言する記者会見

1月26日、27日開催

会場:幕張メッセ4ホール

 一般社団法人日本eスポーツ連合(以下、JeSU)は、アジアeスポーツ連盟(以下、AESF)とともに「eSPORTS 国際チャレンジカップ ~日本代表vsアジア選抜~」を1月26日と27日、幕張メッセで開催している。

 現在幕張メッセでは、「闘会議 2019」ならびに「ジャパンアミューズメント エキスポ 2019」、そして「次世代ワールドホビーフェア」が開催されている。これらのイベントと共に、日本選手とアジアの選手がぶつかるエキシビジョンマッチが開催されているのだ。現在、eスポーツはこれまで以上に大きな盛り上がりを見せている。

 北米はもちろん、特にアジアで盛んであり、韓国、中国、台湾、タイなどで強いプロプレーヤーが生まれており、世界を舞台に活躍している。今回、そういった世界レベルの選手達と日本人プレーヤーの代表が戦う姿を、生で見ることができるのだ。JeSUとAESF共催のこのイベントは、日本のeスポーツ史において見逃せないイベントと言ってもいいだろう。弊誌では1月26日と27日に行なわれるイベントの模様をお伝えしていく。本稿では、会場で行なわれたJeSUの記者会見を取り上げていきたい。

JeSUの会長である岡村秀樹氏
AESF会長のケネス・フォックス氏

 JeSUは2018年2月に発足した。JeSUはCESA(コンピューターエンターテインメント協会)、および、JOGA(日本オンラインゲーム協会)の後援のもとで、国内のeスポーツ3団体(日本eスポーツ協会JeSPA、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟JeSF)を1つに統合させた新たな組織であり、JeSUが、OCA(アジアオリンピック評議会)に認可されたAESFと共にイベントを開催するということは重要な意味を持つ。各国と連携し、各国を代表するeスポーツ選手と手合わせができる。アジア全体で選手が行き来し、様々なイベントで交流することで、世界の強さを肌で感じることができ、ユーザーも「世界の強豪と戦う自国の選手」を見ることができるのだ。

 今回、2日間で行なわれているのは「オーバーウォッチ」、「鉄拳7」、「ウイニングイレブン2019」、「ストリートファイターVアーケードエディション」の4種目で、日本代表選手が、タイ、フィリピン、サウジアラビア、香港、台湾、韓国の選手と手合わせをする。トーナメントではないが、各国を代表する強豪選手と日本選手が戦うという、AESFとの繋がりによって実現した対戦というわけだ。各国を代表する世界を目指す選手達に、日本人プレーヤーは挑戦するのか? 大きな世界大会でしか見ることができなかった戦いを、日本で見ることができるのである。

 記者会見で最初に行なわれたのは、JeSUの会長である岡村秀樹氏と、AESF会長のケネス・フォックス氏の挨拶。両氏はこのイベントが開催される意義を語り、お互いが協力してeスポーツを一層盛り上げ、アジア全域でのさらなるeスポーツへの発展していくことを宣言した。岡村氏は今回の大会が「日本における初めてのeスポーツの国際大会」であり、今回の大会が日本のeスポーツ史においてどれだけ大事なことかを語った。

 フォックス氏は世界の中でのアジア、ゲームへの関心の高さと潜在的なプレーヤー人口が世界の他の地域と比べても高いこと、そしてeスポーツへの各国の関心が高いことを語り、ゲーム開発、ゲーム文化を牽引する日本と協力していくことで、より一層日本とアジア各国が力を合わせてeスポーツ競技を発展・拡大していくというビジョンを語った。会場には今回の大会に参加した各国のAESFメンバー、台湾、香港、韓国、タイ、サウジアラビアの代表者も登壇し、今後のアジアでのeスポーツ競技の発展を語った。

左から、タイ、サウジアラビア、韓国、台湾、香港のeスポーツ協会代表者

 記者発表会は2部構成になっており、2部ではJeSUの活動や、地方支部の設立が語られた。2018年のJeSUは11タイトルを競技として認定し、128名、8チームにeスポーツプレーヤーとしてのプロライセンスを発行した。36大会を認定し、商品総額は約1億5千万円だという。

 「アジア競技大会」、「eスポーツワールドチャンピオンシップ」へ日本代表選手を派遣し、東京ゲームショウでイベント「e-SportsX」を開催した。そして2019年は今回の「eSPORTS 国際チャレンジカップ ~日本代表vsアジア選抜~」を皮切りに、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」を開催する。こちらの情報は2月1日に発表されるという。また、プロ選手のデータベースもオープンベータ版を公開している。

2018年のJeSUの活動

 今回のイベントで大きく取り上げられたのが地方支部の設立。北海道、山形、東京、富山、静岡、石川、愛知、大阪府、兵庫、岡山、大分の11支部が設立され、今回は6支部の代表が会場で挨拶した。それぞれは地方でイベントを主催し、eスポーツを盛り上げていく。今後は各支部の連携、JeSUからは大会運営のノウハウや、メーカーとの連携の橋渡しなどで支援を行なっていくとのことだ。

地方支部と連携していく。将来的には46都道府県での支部設立を目指すが、理念や実績を重視し、焦らずに進めていくという

 今回記者会見を取材してみて、「動き出したな」という感覚を強く持った。これまでもeスポーツは様々な活動が行なわれたし、盛り上がっている。北米での世界大会や、中国や韓国での大会のファンの熱狂も見ているが、日本ではどうか、というところでまだまだ見えないところがあることを実感させられた。

 アジアで選手達が繋がるためにはどうしていくか、地方の団体がeスポーツへの参加に手を上げる中、それを日本中でどう繋げていくか、プレーヤーの盛り上がりは大事だが、それを支える人達はどうしていくか、どういうアプローチが必要なのか、その模索がようやく本格的に始まろうとしている、そういう実感を持った。まだまだ課題は多く、地方との、世界とのそしてメーカーとの連携はこれからであるが、こうして多くの人達がeスポーツを旗印に繋がり始めていることを祝福したい。

JeSUは2019年も積極的に活動していく