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【特別企画】純粋な「ゲーマー」として全速力で遊び抜いた「C4 LAN 2018 WINTER」参加レポート

出会いあり、新しい遊びあり。濃縮したゲーマー達のエキスが詰まった混沌と狂乱のイベント!

 2018年12月7日から12月9日にかけて、「C4 LAN 2018 WINTER」が開催された。LANパーティとは一言で言うと「みんなでゲーム機やPCを持ち込んで自由にゲームで遊ぼうぜ!」というイベントだ。

 ゲームライターとして活動している筆者は、今回BYOC席(椅子とゲーム機やモニターを設置できるスペースがレンタルされる席)付きの全日程入場券を購入し、PC、モニター、ゲーミングチェアをレンタルし、ほぼ3日間(1度仮眠と機材を自宅から持ってくるために6時間ほど席を外した)会場で本イベントを遊び倒した。

 席つきで3日間のフル参加は初めてだったのだが、ステージイベントあり、スポンサーの出展あり、有志のイベントあり、ゲーミングピザの支給あり、とイベントが盛り沢山で濃度が濃すぎる3日間だった。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、当初は「72時間のイベントって長いな」って思っていたのだが、終わってみると本当に名残惜しく、3日間のダイジェストをまとめたエンディングムービーが放映されたときはグッと来るものがあった……というか正直に言うと泣いてしまった。そのくらい熱狂的で笑いあり感動ありのあっという間の3日間だったのだ。

 今回は筆者は友人達と参加し、今年発売され筆者もハマっているタイトル「Fallout 76」、「コール オブ デューティ ブラックオプス 4」(CoD:BO4)、「バトルフィールドV」を中心にワイワイとプレイできればいいや、と考えていたのだが、想定していた以上に様々なエピソードがあり、想定していた以上に楽しむことができた。

 今回は筆者が印象に残った3つのエピソードを紹介しながら、C4 LANの魅力を語っていきたい。

ここが筆者のベース。ここを拠点に3日間遊び倒すのだ!

アクシデントから起きる突発のじゃんけん大会、そして生まれる友情!

 C4 LANの初日は機材のセットアップから始まる。配置からケーブルの接続、また筆者は会場でPCをレンタルしたので、自宅から持ってきたクライアントをレンタルPCへインストールするなどするところから始めた。自宅からPCやモニターを持ち込んでいる参加者はクライアントのインストールなどは不要なものの、開梱など諸々の作業がありやはり準備には時間が必要になる。

 そうこうしていると“開幕の儀”が始まる。これはC4 LAN恒例のイベントで聖火ランナーのように“LANNER”がLANケーブルを持って入場て、宣誓を述べた後LANケーブルを差し込む。ここからが長くて短いC4 LANというクレイジーなパーティの開催だ。

 ステージ上では早速最初のステージイベント「ドキドキ♥スタクラ友情タッグマッチ ~俺たちがアーコンだ!」が行なわれた。他のステージイベントでも言えることだがステージイベントに参加したりガッツリ観ても良いし、スルーして黙々と遊んでいても良い。

 筆者もまだセットアップにてんてこ舞いで、やっとクライアントのコピーなどに終わりが見えてきたかなというところだった。だがここでちょっとしたトラブルが発生した。会場側のネットワークにかなり繋がりにくい状況だったのだ。これではゲームができない……と思っていたのだが、救いの主が現われた。それが12月7日に発売された「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(以下、スマブラ)」だ。

 ちょうどC4 LANの初日に発売されたこともあり、多くの参加者がNintendo Switchと「スマブラ」を持ち込んでいた。ローカル対戦はインターネット接続不要で、コントローラーさえあれば1台で8人までプレイできる。多少のトラブルがあってもクレームを入れるような参加者はいない(ように見えた)。“できることで楽しむ”というのがC4 LANの参加スタイルだ

 そして「スマブラ」に熱中しているとステージ上では「DONCUP in C4 LAN 2018 WINTER (PUBG) 」という「PUBG」のイベントが始まった。筆者はこのイベントに参加する気まんまんだったのだがネットワークが相変わらず不調で参加できない。他の多くの参加者も同じ状況だったのだが、ここでも“できることを楽しむ”スタイルは健在だ。イベントは急遽「じゃんけんロワイヤル」に変更された。要するにじゃんけん大会なのだが、これが大いに盛り上がる。とにかく会場の熱気が凄まじく、ただのじゃんけん大会でも大興奮だ。「PUBG」らしいルールということで、DUOのじゃんけん大会も開催されたのだがこれも大盛り上がりで、イベントが終了する頃には参加者同士で友情が生まれていた。参加者からは「これがeスポーツ!」という謎のシャウトも飛び出した。余談だがC4 LAN会場ではあらゆるものが「ゲーミング」になり、掛け声は「eスポーツ」になる。

 筆者はここで他の参加者と仲良くなり、3日目の終了の時まで一緒に「バトルフィールドV」をプレイしたり、ミニスーパーファミコンに収録されている「星のカービィ スーパーデラックス」の「刹那の見切り」というミニゲームををプレイしたり。果てはトランプで大富豪に興じたり……と面白い出会いができた。

 そうこうしてゲームに熱中していると気がつけば初日の夜が明け、筆者は一旦帰宅。シャワーを浴び、仮眠を取って会場に舞い戻る。目的はずばり「ポッ拳」のステージイベント「Aボタン限定!? 簡単ポッ拳バトル!!」だ。

スマブラで盛り上がる会場と、急遽種目が変更になった「じゃんけんロワイヤル」
なぜか「ミニ スーパーファミコン」をプレイする筆者たち

コミュニティが暖かい! 暖かく受け入れてくれた「ポッ拳」コミュニティ

 お恥ずかしながら筆者はあまり格ゲーが得意ではない。観戦するのは好きなのだが、実際にプレイするとサッパリという体たらくだ。

 だが今回のルールはAボタン限定。これは筆者にも可能性がある! ということで早速エントリーを済ませてきた。エントリーしたのは良いものの待機エリアには「ポッ拳」のプレーヤーが多く、中には大会での上位プレーヤーも。元々良い成績を残せるとも思っていないが、正直「さすがにこれはヤバイ」と思っていた。

 だが他のタイトルにも共通するのだがC4 LANに来るゲーマーは優しい。「『ポッ拳』どころか格ゲー初心者なんですけど、教えてもらっても良いですか」と聞いてみると、『ポッ拳』コミュニティのメンバーは丁寧に教えてくれた。

 本作ならではの特徴的なシステムから、各ポケモンの特徴、技の出し方などなど、とにかく丁寧に教えてくれた。またスクリーンで放映されている試合を未経験の筆者達に丁寧に解説してくれて、より一層観戦を楽しむことができた。

 肝心の戦績なのだが、一緒に参加した友人たちは初戦で敗退する中、筆者は対戦相手不在で不戦勝として駒を進めてしまった。続く次の試合の対戦相手は「ポッ拳」はそれほどプレイしていないものの他の格ゲーはプレイしているとのことで、筆者もここで敗退すると思ったのだが、Aボタン限定というルールの魔力か、筆者はまぐれで勝利を勝ち取ってしまう。そして次の試合も不戦勝で駒を進め、「ポッ拳」どころか格ゲーの超初心者なのだがベスト4まで進出してしまった。

 さすがにここでは奇跡が起きず完封されてしまったのだが、コミュニティの優しさに触れることができた。最後は熱い握手を交わし、筆者も次回のC4 LANまでに「ポッ拳」をプレイしてリベンジすることを約束してきた。

 ちなみにこのステージイベントはC4 LANの閉幕の際に1番盛り上がったステージに送られる「KILLING STAGE AWARD」賞を受賞した。具体的に筆者が何かをしたわけではないが、一緒に盛り上がったステージが表彰されるのは嬉しいものだ。

 お互い顔をあわせるのは初めてだし、「ポッ拳」のポの字も知らなかった筆者だが、C4 LANの会場内では「ゲーム」という共通言語があれば打ち解けるのは簡単なのだ。

ド素人の筆者に「ポッ拳」を教えてくれた「ポッ拳」コミュニティの皆さん
対戦相手でもゲームのことを聞くと教えてくれる優しい世界
使用するボタン、キャラクターを少なくすることで誰でも参加できるようにするのは良いアイデアだ
大会の主催者のばぐりち氏が「KILLING STAGE AWARD」賞を受賞した。筆者が何かをしたわけではないが、参加者の1人として嬉しかった

ローカルマルチで盛り上がり、声枯れるまで野次を飛ばす! ゲーム投げ部コミュニティ

 LANパーティということで、ネットワーク対応の協力ゲーム、対戦ゲームをプレイして盛り上がるのはもちろんだが、あらゆるゲーマーが集まる本イベント。あえてローカルマルチプレイしかプレイできないゲームで大会を開催する参加者もいる。その中でも筆者が1番熱くなったのが、ゲーム投げ部というサークルのエリアだ。

 この席では定期的に「ARENA GODS」というローカルでしか対戦できないゲームの大会が開催されていた。大会の主催者である洋ナシ氏は「ネットワーク対戦はできないのですが、最高に面白いこのゲームの魅力を伝えたいんです!」と熱く語ってくれた。

 丁寧なレクチャーを受けた後大会が始まったのだがこれがとにかく盛り上がった。舞台は闘技場でキャラクターたちは剣闘士という設定なので、ギャラリーが野次を飛ばして盛り上がる。

 「そこだ! 早く仕留めろ!」というようなありがちな野次から、両手に武器を持ったプレーヤーが現われると「蛮族!」、横槍を入れて妨害すると「友情!」という謎の野次が飛び交い、ボルテージはドンドン高まっていく。流血の描写が特徴的なゲームなのだがから「地面が白いぞー」という野次や、「(血で)地面を塗りつぶせ!」という野次などシラフのテンションで聞くと危ないワードが飛び出す。最高に面白かったのがステージ上で「DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation」でセクシーな女性キャラクターの撮影会をやっているのを片目に「乳じゃなくて血を見せろー!」という野次だ。パワーワードが生まれすぎの空間である

 もちろん締めの言葉は“eスポーツ”。「ナイスeスポーツ」という何がナイスで何がeスポーツなのかもはやわからないが、とにかくみんなで「eスポーツ」といって盛り上がるという謎の空間だった。

「いぃすぽぉつ」ののぼりが印象に残り過ぎる「ゲーム投げ部」コミュニティ。深夜(土曜の0時過ぎ)の大会だからこそのテンションで盛り上がりすぎる展開に
ステージ上でセクシーなキャラクターの撮影会を行なっている一方で「血を見せろ!」と叫んでるギャップは笑えたし、なんだかんだ言いながらセクシーなシーンが映るとスクリーンを見てしまう悲しい性
筆者も参加しながら絶叫していただけだが、やはり関わった人が賞を取ると嬉しい

 ちなみに、今回のC4 LANには大分県eスポーツ協会がブースを出展していたのだが、深夜の大会にも関わらず展示が終わった後に、個人的に本大会に参加していた。C4 LANというイベントについて話を聞いてみたところ、「みなさんピュアに楽しんでいてすごく良いですね」と話していたのが印象的だ。「大人になると、普段はビジネスの話などでどうしても固いやりとりになってしまうのですが、このイベントは素直で純粋にゲームを楽しんでいるのが印象的でした」と話してくれた。

 確かに筆者もここまではしゃいだのはかなりひさしぶりで、子供の頃に友達の家にゲームをプレイしに行って遊んだことを思い出した。どの参加者もこの会場を出ると現実世界が待っていて、学校や仕事があり1人の大人として生活していくのだろうが、C4 LANの会場、この空間にいるときはそれらを心の中にしまって、シンプルで純粋に1人のゲーマーとして、ゲームをこの空間を楽しんでいた。

 それはスポンサー出展していた各社も同じ印象で、「うちの商品をアピールしたい!」という気持ちよりも、「一緒にこの空間を楽しみましょう」という空気だった。サイコムの“ゲーミング足湯”や、出展メーカーによる出血覚悟のゲーミングデバイスオークションなどはその際たる例だろう。

 FPSを遊んでも、MOBAを遊んでも、格ゲーを遊んでもいいし、デジタルじゃなくてアナログゲームでもいい。また無理にゲームをプレイせずにステージイベントを見るだけでもいいし、プロゲーマーと会うこともできるので、各々が1人の純粋なゲーマーとして自分なりの楽しみ方ができるのがC4 LANの魅力だと感じた。

 記事を書いている今でも思い返すと駆け抜けるように過ぎていった3日間で、最高に楽しい瞬間だった。もしこの記事を読んでいるあなたがゲーマーならぜひ参加してほしい、必要なのは「このイベントを楽しもう!」という気持ちだけだ。

 ちなみに次回「C4 LAN 2019 SPRING」は5月10日から5月12日に同じくベルサール高田馬場で開催されることが発表された。今から予定を空けて待とう。ちなみに筆者のスケジュール帳には既に「C4 LAN参加」と記入してある。

 次回のC4 LANでもぜひこの興奮と熱狂の3日間を一緒に楽しめれば幸いだ。

【会場の様子】
会場では他の参加者に“自分の好き”アピールするのも良い
カードゲームやトランプで遊ぶのも良い
何よりも大切なのは「このイベントを楽しもう!」という気持ちだ
ドスパラが振る舞った「ガレリアフライドチキン」。C4 LAN会場ではスタッフも光るゲーミングスタッフに
マウス早振り選手権や、ゲーミング足湯などスポンサーの遊び心もポイント