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純国産VR専用オンラインRPG「ソード・オブ・ガルガンチュア」が完成間近!
こだわった打撃感から得られる実在感。VRゲームを次の水準に引き上げるオンラインRPG
2018年9月24日 01:37
よむネコが現在開発しているVR専用のオンラインRPG「ソード・オブ・ガルガンチュア」が東京ゲームショウVRエリアのよむネコブースで出展されていた。今冬リリース予定で、HTC ViveとOculus Riftに対応。フルプライスよりももっと安い価格帯で、各オンラインストアでダウンロード販売される予定だ。今回、最新バージョンを試遊することができたのでインプレッションをお届けしたい。
筆者が前回プレイしたのは、今年3月のGDC以来、2度目だ。「ソード・オブ・ガルガンチュア」は、それ以降も、国内外の様々なイベントに出展し、目の肥えた多くのユーザーの評価にさらされている。さらに5月にはプレビューデモも公開され、無数のフィードバックが得られている。いよいよマスターアップ手前ということで、期待してプレイに臨んだ。
「ソード・オブ・ガルガンチュア」は、VRならではの迫力ある1人称視点アクションをオンラインマルチプレイで実現するという意欲的なタイトルだ。最大4人でプレイできるが、今回はブースサイズの都合上2人での協力プレイとなった。
前回の試遊同様、試遊専用のレベルデザインとなっており、4つのレベルをプレイすることができた。最初のレベルは、移動方法や武器の扱い方を学べるようになっており、それ以降のレベルでは敵が出現し、仲間と協力して立ち向かっていくことになる。
GDCバージョンとの大きな違いは、なんといってもオンラインマルチプレイが実現していたということと、打撃感がさらに向上していること、前後へのダッシュ移動が追加されていたことだ。
とりわけ印象的だったのが打撃感だ。打撃感というと、≒爽快感、バッサリ感という形で捉えられがちだが、「ガルガンチュア」の場合、武器がオブジェクトに接触した感覚、手触りが重要視されている。特徴的なのは、打撃が跳ね返るところだ。例えば剣を勢いよく木人に対して振り下ろすと、ガッと大きな手応えと共に、ビジュアルも跳ね返る。ゲーム業界では、“当たり前のこと”とされてきた貫通処理がないのだ。
このほか、突きや盾による受け止めでも同じような跳ね返りの処理があり、ひとつひとつが確かな手応えと共に、実在感を持って受け止めることができる。この細かい積み重ねが、この世界に圧倒的なリアリティを生み出しているのだ。
逆に課題だなと感じたのは、前後へのダッシュ移動だ。自身の頭を前後に倒すことで前後にダッシュ移動ができるのだが、単純に行動負荷が高すぎて疲れてしまうのと、向きを変えると肝心の前の敵が見えなくなるという矛盾から逃れられない。ボス戦の決定的なシーンで1度、2度使う程度なら十分処理できるが、「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」のボス戦のような感覚で、ジャンジャン使いながら戦うというのはちょっと想像が出来ない。GDCバージョンと比較して敵の動き、攻撃モーションがかなり早くなっているため、それに対応するためのダッシュのギミックそのものは良いと思うが、UIとUXが干渉してしまっている印象だ。
最後のレベルには、天を覆うような巨大なボスが出現し、4人で取り囲むようにして対峙し、無事撃破することができた。シングルプレイだと、すべての敵がこちらに向かってきて正面対正面の戦いばかりが続いて、似たような展開に少し飽きてしまうところがあるが、マルチプレイだと、シチュエーションが千差万別で、敵に囲まれたところを仲間に助けられたり、逆に敵の側面に回ってふたりで攻撃を加えたりなど、遊ぶ度に異なる展開が楽しい。ここまで複数人によるリアルタイムバトルが楽しめるようなシステムを作ったのなら、せっかくなら「ファイナルファンタジーXI」のような連携システムなどがあればもっと楽しいと思う。
今後、マスターアップに向けてブラッシュアップしていく要素は、オンラインRPGとして繰り返し遊んで貰うための成長要素をどのようにデザインするかだという。成長要素をどうデザインするかだけでなく、成長した感覚をどのように実感して貰うのか、有り体に言えば、どのようにしてレベルアップによる強さを実感して貰い、さらに強くなることに対してモチベーションを感じて貰うようにするのか。これからやるべきことはまだ山ほどあるということで、完成が楽しみなVRオンラインRPGだ。