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「マインクラフト」で遊びながらプログラミングを学ぼう! TGS2018で小学生に向けた「ゲーム作り体験教室」を開催
2018年9月23日 17:52
東京ゲームショウ2018では、子供やファミリー向けのコーナー「ファミリーゲームパーク」がイベントホールに設けられた。子供向けの様々なゲームタイトルが試遊できるほか、専用のステージも設けられており、一般日には多くの家族連れが訪れていた(ビジネスデイは入場不可)。
さらに同コーナーでのユニークな取り組みとして、「ゲーム作り体験教室」が開かれた。実際にプログラミング言語やデバイスを使い、ゲーム的なものを作る体験ができるもので、各日4回の教室が開かれた。自分がゲームを作るという体験に興味を持った子供もいれば、2020年には小学校でプログラミング教育が必修化されることもあって、親の興味も強かったようだ。初日の22日は午前中のうちに全教室で整理券の配布が終わるほどの人気だった。
「マインクラフト」の世界をプログラミングで動かす
本稿では4つの教室の中から、小学生向けプログラミング教室を開いているプロスタキッズによる「メイクコードを使って、マインクラフトの世界でゲームをつくろう!」の模様を紹介する。講師はプロスタキッズの安藤 昇氏。
教室で使用するのは、「教育版マインクラフト(Minecraft Education Edition)」。ブロック型のプログラミング環境「メイクコード(MakeCode)」を使って、「マインクラフト」の世界に影響を与えるプログラムを書いていく。今回は、プログラミングを使って悪の猫を退治する、という内容だ。
参加した子供たちの中には、「マインクラフト」も未経験の子供もいたため、基本的な操作方法の説明からスタート。子供たちはキャラクターを操作しているだけで楽しい様子だが、説明は本番のプログラミングへ。
プログラミングでは、特定の文字列をチャットコマンドとして入力すると、サポートキャラクターのエージェントがプログラムした内容に沿って様々なことをする。弊誌読者的にわかりやすく言えば、予め設定した一連の操作を自動で行なうキーボードマクロに近い。プログラムと言っても日本語ベースで、グラフィカルなUIによるマウス操作が主となる。
今回は時間の都合で、エージェントを動かすための簡単なプログラムを4種類作って試すまで、ということになった。とはいえ、高学年ですぐにできた子は、サポートの講師から次のやり方を教わって、さらにプログラミングを進めていた。低学年の子も、例にならってできたプログラムを自分なりに改変し、思い思いの機能を入れたりしていた。
プログラミングでゲームを作ると言うと、実際にプログラミング経験のある大人は結構な大事だと思ってしまうかもしれない。しかし「教育版マインクラフト」でのプログラミングは、ゲームを作っているというより、ゲームで遊んでいる延長線上にある感覚だ。子供はキーボードを押してキャラクターを動かすのと変わらない気持ちで、ゲーム内でエージェントを動かすプログラムに向き合えるのだろう。論理的思考を学ぶ教材として、とても優れていると感じた。
また安藤氏は、「教育版マインクラフト」のいいところは、化学も学べることだという。元素を作ったり、化合させて別のものを作り出したりできる。今回の教室は小学生をターゲットにしていたが、安藤氏自身は中学生・高校生向けのプログラミング学習教材として「教育版マインクラフト」を活用しているという。
なお安藤氏はYouTubeで「教育版マインクラフト」に関するチャンネルを開いており、誰でも自宅で学べるようになっている。