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あの頃の僕らの100メガショック!「NEOGEO mini」開封レポート
パッケージ開封の模様からゲームプレイの感触までチェックしてみた
2018年7月24日 19:37
SNKブランド40周年を記念したミニサイズのゲームハード「NEOGEO mini(ネオジオ ミニ)」が、本日7月24日に発売となった。
鮮やかなカラーリングが印象的だった業務用ネオジオ「MVS」のアーケード筐体を手の平サイズで再現。3.5インチの液晶ディスプレイにジョイスティックとボタンも搭載、収録されている40本の「NEOGEO」作品をミニ筐体でそのままプレイすることもできるという、アーケード展開していた「NEOGEO」ならではのアプローチが魅力なミニサイズゲーム機になっている。
そんな「NEOGEO mini」を入手したので、パッケージからの開封の様子から各部のディテールのチェック、さらに実機を触ってみての感想をお伝えしていこう。
まずはパッケージから見ていこう。パッケージのベースになっている色は家庭用NEOGEO本体を感じさせる黒。人によっては、NEOGEOのイメージキャラクター「ゲーマント」の黒いシルクハットやマント姿を思い出す人もいるかもしれない。
パッケージの正面や天面には、お馴染みの黄色と青の「NEOGEO」ロゴと「NEOGEO mini」の文字をシンプルにレイアウト。側面には赤と青の差し色を入れつつ、「NEOGEO mini」のキャッチコピー的フレーズの「THE LEGACY LIVES ON」とともに「NEOGEO mini」本体も描かれている。背面には収録されている40タイトルが並べられている。
パッケージ内に封入されているのは、NEOGEO mini本体、ステッカーが4枚、電源供給用のUSBケーブル1本(ケーブル長2m)となっている。テレビやモニタに出力して遊ぶためのHDMIケーブルは同梱されていないので、別途購入する必要がある。
なお、本体側のHDMI端子はミニHDMI端子になっているのでお気をつけ頂きたい。標準タイプなコネクタのHDMIケーブルが余っている人は、ミニHDMI変換コネクタを購入するのもいいかもしれない。
「NEOGEO mini」本体は、なんといってもまず業務用NEOGEOのアーケード筐体をミニサイズながらしっかり再現しているところが魅力的。1990年代にはゲームショップやレンタルビデオ店などにたくさん置かれていた筐体で、長くゲームファンをしている人なら見覚えがあったり実際に遊んだという人も多いはず。
この「NEOGEO mini」では、その業務用筐体のコンパネより上の部分を切り出したようなデザインになっていて、コンパネ部分側面の赤いラインに、フードの印象的な青、そのフード側面の「NEOGEO」ロゴまで、しっかりと再現している。
サイズは108×135×162mm(横幅×奥行き×高さ)と、設置面積的には一応手の平サイズではあるが、結構高さがあって存在感もある。重さは390gとなっている。
3.5インチの液晶ディスプレイに、その下には電源LEDと2個のスピーカーを搭載。操作まわりは、1レバーにA/B/C/Dの4ボタンのほかに、セレクトボタンとスタートボタンも搭載している。A/B/C/Dボタンは、さすがに業務用筐体の並び(A/B/Cの3ボタンが横並びでDボタンだけ上にあった)とは異なる無難なレイアウトになっているが、ボタン色もしっかり再現されているのが嬉しい。
側面には、別売りのコントローラー「NEOGEO mini PAD」を繋げるためのUSB Type C端子が左右にそれぞれ1個ずつある。左側面の端子に挿せば1P、右側面の端子に挿せば2Pになる。
背面には、NEOGEOロゴがプリントされた電源ボタン、外部映像出力用のミニHDMI端子、ヘッドフォン端子、電源用のUSB Type Cコネクタが並んでいる。
意外なところで音量調節のボタンやスライダーといったハードウェアキーが何もない。音量調節は起動中の設定画面で行なう方式になっている。
プレイ前の準備としては、本体に貼るステッカーがなかなかの難関。ステッカーはコンパネ部分に貼るものが1枚に、液晶ディスプレイ上部に貼るインストラクションカード風のステッカーが1枚、同じく液晶ディスプレイ上部に貼れる「ザ・キング・オブ・ファイターズ '96」の草薙京とNEOGEO miniロゴのステッカーが1枚、NEOGEO miniロゴのみのステッカーが1枚となっていて、本体にはコンパネ部1枚と液晶ディスプレイ上部の1枚を貼っていく。
このステッカー貼りがなかなか難しくて、特にコンパネ部分はレバーやボタンの開口に位置を合わせて貼るので難易度が高い。
こうしたステッカーは「台紙から半分ほど剥がしてフチで位置やバランスを合わせて貼っていく」のがセオリーではあるのだが、この「NEOGEO mini」だとレバーの高さがあるのでそのやり方もしづらい。筆者の場合は、ステッカーを完全に剥がして、Cボタンの開口に合うようにステッカーを降ろしていき、上側のフチが水平になるように気をつけつつ貼っていった。
特にセレクトボタンとスタートボタンの開口がボタンにフィットするぐらいのサイズなので、ここがずれないようにCボタン、Aボタン、セレクトボタン、スタートボタンという順に、ステッカーの位置を合わせつつ貼っていくのが良いだろう。ある程度は貼り直しもできるので、焦らずじっくりと取り組むのをオススメしたい。
液晶ディスプレイ上部のインストカード風ステッカーはコンパネ部分のステッカーに比べるとそれほど貼り付け難度は高くない。上のフチと角で位置を合わせて、ゆっくり角度に気をつけつつ貼ればキレイに貼れるはずだ。
この「NEOGEO mini」最大の特徴はなんといっても、テレビやモニターがなくとも、この本体だけでゲームプレイができるということだ。筐体をミニサイズに再現しただけでなく、実際に筐体さながらに遊べる。
電源はUSB Type Cケーブル経由で取るが、モバイルバッテリーなどでも十分に動作させることができる。ちょっと大きいがバッテリーとセットで携帯して外でプレイするなんていうことできる。
電源を入れると、まずはSNKブランド40周年のロゴが表示されて、続いて「NEOGEO」のロゴが表示されてから、メインのタイトルセレクト画面になっていく。電源を入れてから約10秒でタイトルセレクト画面に入るというところだ。
なお、HDMIで画面出力しているときは、SNKブランド40周年ロゴのあとの「NEOGEO」のロゴが液晶ディスプレイには表示され続ける。
タイトルセレクト画面は、収録タイトル40本のアイコンが横に並んでいて、レバーの左右で選択する。ゲームタイトルの下には、ゲームジャンルとセーブデータ4個の使用状況も表示される。
収録されているタイトルは、SNKブランド40周年を記念して制作されただけにタイトル数も同じく40本。収録タイトルは以下のようになっている。
設定は、タイトルセレクト画面の上から選択するか、スタート+セレクトボタンの同時押しで呼び出せるのだが、外部出力しているかどうかで設定項目が切り替わるようになっている。
本体のみでプレイしているときには「言語」の切替え、タイトルの並び順を変える「ソート」、「画面の明るさ」、「音量」、「本体初期化」という項目になっている。
これが外部出力している場合だと、「画面の明るさ」と「音量」という項目が「画面」と「グラフィック切替」という項目に入れ替わる。画面は「4:3」と「ワイド」の表示切替えに、画面を拡大するかそのままかの表示方式を組み合わせることができ、4種類の表示が選べるようになっている。
「グラフィック切替」という項目は詳しい説明が見当たらないのだが、設定を切り替えて見比べてみると、どうやらスムージングのオン/オフの機能になっているようだ。
ゲームプレイ中はスタート+セレクトボタンの同時押しでいつでも設定が呼び出せるが、プレイ中は画面切替えの他に、その時点のプレイを保存できる「セーブ」と、セーブデータを呼び出せる「ロード」が使えるようになっている。セーブは4つが保存可能だ。
実際のゲームプレイの方はというと、「NEOGEO mini」本体だけでも想像していたよりもずっと、ちゃんとしたプレイができることに驚かされた。
レバーはアーケードパーツのそれとはさすがに異なっていて、適度な反発はあるもののレバースイッチの感触はない、どちらかと言えば今のアナログスティック風な作り。レバー軸も短いので強制的につまみ持ちするか親指の腹で動かすような感じになるが、格闘ゲームでも“ある程度のコマンド”までならなんとかなる(さすがにコマンド技難易度の全盛期なものは厳しい)。
ボタンも、3本指を添えて同時押しがなんとかできる“ギリギリの小ささ”。シンプルなプレイで楽しむぐらいなら、これでも十分できるし、触り始めの印象でこれななので、慣れてくるともう少し凝ったプレイもこれでできるような気がする。
インパクトが強かったのは液晶ディスプレイで、このサイズながら当時の「NEOGEO」タイトルの、まさに100メガショックなドット絵グラフィックスをしっかり表示できる精細さがあるし、遅延感もない。よくよく考えると、「NEOGEO」作品の解像度からすればこれぐらいの画面サイズの方が緻密さと凝縮感がほどよく出ていいのかもしれない。
音は低音が薄めで高音部が少しかすれ気味ではあるものの、こちらもやはり本体サイズからすれば想像以上の音がしっかり出てくれる。ただ、前述の通りボリュームスイッチやボタンがなくて設定画面で調整する方式なので、とっさに音量を変えたいときなどには困ってしまう。ここは少し残念なところだ。
別売されている「NEOGEO mini PAD」も試してみた。こちらは往年の「ネオジオCD」用コントローラーを思い起こさせるゲームパッドだが、これはこれで方向入力がクリック感のないふわっとした感触で、なかなかに慣れが必要だ。
なお、USB Type Cの変換コネクタを使って、他ハード用のコントローラをいくつか繋げてみたのだが、動作するものは確認できなかった。汎用的なドライバが入っておらず、現状動作するのは「NEOGEO mini PAD」のみなのかもしれない。
コントローラーについては、「NEOGEO mini PAD」の再版だけでなく、できれば家庭用「NEOGEO」のアーケードスティックのような、より本格的なプレイが楽しめるコントローラーの発売も期待したいところだ。
SNKブランド40周年を記念し、流行のミニゲームハードシリーズの中でも異色な“アーケード筐体”再現という方向で登場した「NEOGEO mini」。実際に触ってみると、見た目以上にこの本体でしっかり遊べるようにバランスを工夫しているし、細部のこだわりもしっかりしている。ディスプレイをはじめとした各部パーツのバランスも良く、価格以上の価値を感じる人も多いはずだ。
現在のところ店頭での取り扱いはなくネット通販でも完売してしまっており、本稿を読んで欲しくなったけど買えないという状況が心苦しいのだが、そこは今後の出荷に期待したいところ。購入したいという人はぜひ今後の販売情報もチェックして頂きたい。
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