ニュース

ロボ好きをぞくぞくさせずにはいられない「Anthem」の魅力

デモプレイから確認できた、戦略、演出、そして格好良さ

6月9日~11日開催

会場:ハリウッドパラジウム

 EAはプレス・ユーザー向けプライベートイベント「EA Play」において、アクションRPG「Anthem」のプレイデモを行なった。4人のプレーヤーが参加し、ド派手な戦いを繰り広げる非常に見応えのあるものとなった。本稿ではその特徴を伝えたい。「Anthem」の発売は2019年2月22日。

【Anthem 公式シネマティックトレーラー】

 「Anthem」は、「ドラゴンエイジ」や「マスエフェクト」シリーズを手がけるBioWareの最新作となる。BioWareはこれまでもストーリー性の強いRPGにアクション要素を積極的に盛り込んでいたが、本作ではさらに深く、高いアクション性を取り入れている。プレーヤーはジャベリン・エグゾスーツと呼ばれる強力なロボットスーツをまとい、敵と戦い殲滅していく。

 まず来場者達の目を大きく惹きつけたのが「ジャベリン・エグゾスーツ」だ。人間の四肢を拡張したようなスタイルで、全長は3メートルほど、背中部分が開き、人体を格納して起動する。内部は柔らかい衝撃吸収剤に覆われており、人間の身体を飲み込む、ロボットと言うより、パワードスーツに近い印象だ。

ジャベリン・エグゾスーツと呼ばれる強力なロボットスーツのイラスト
公式の非常に質の高いコスプレーやーとの撮影もできた

 今回は重装型の「コロッサス」、軽装型の「レンジャー」、そして空中に浮遊する魔法使いのような「ストーム」という3つのタイプのスーツが確認できた。同じタイプでも武器の装備で戦い方は大きく異なり、今回は2体のコロッサスが登場したが、一体はマシンガンやグレネードランチャーを使う中距離タイプのものに対し、もう1体は火炎放射器を使う接近戦タイプ。さらに強力なため撃ちで実行できるナパームや、放物線を描く連装榴弾など多彩な武装があった。

 レンジャーは機動性を活かして戦うタイプ。敵をすり抜け距離をとり、的確に仕留めていく。ストームは常ニックうう宙に浮かび上がり、属性をまとった強力な攻撃を行なっていた。コロッサスは左腕の盾を展開しタンク的な役割も果たしていた。今回はコロッサスのプレーヤー視点での画面のため他の機体の武装や戦い方などが細かくチェックできなかったが、役割を活用して戦うタイプのパーティプレイだと感じさせた。同じ種類でも、武装を変えることで、役割も大きく変えられるようだ。

今回3種類のジャベリン・エグゾスーツを見ることができた。武装でも大きく役割が変わる

 もう1つとても面白かったのが、「飛行」の表現である。これまでの重厚なロボットは地上ではブースターをふかして身体を浮遊させてもほんの数秒で、着地するようなある意味「鈍重さ」をもつものが多かったが、「Anthem」は違う。鉄人28号のように、巨体でありながらとても軽やかに空を飛ぶのだ。ロケットをふかし、頭を前に前進していく姿がより一層鉄人を思い起こさせる、ブーストのゲージもなく、自由に飛ぶことができるようだ。ただしコロッサスは飛んでいるときは攻撃ができないようで、攻撃時は地表に降りる必要があった。

 この飛行システムを活かすためか、「Anthem」は土地自体が浮遊しているようなユニークな地形をしている。プレーヤーは敵を一掃したら飛び上がり次の地域まで飛行する、というようナック達でステージを進んでいった。途中には巨大な敵が出てくるものの、その横を飛んですり抜けてしまったり、飛行の活用も本作のステージ進行の鍵となりそうだ。

 ゲームの展開はMORPGで4人で1つのシナリオを攻略しているような流れだったが、その展開の多彩さが面白い。地下の坑道、謎の巨大昆虫の巣、空中に岩が浮遊している幻想的な風景に、さらには水中もあった。水中でも呼吸ゲージがなどはなく、自由に探索できるようだった。レンジャーが撃った光弾が照明弾のように水中の底を照らし出していたり、身体の各部から水をしたたらせながら上陸したり、美しいグラフィックスと、ものすごい密度の演出が楽しかった。

本作では長時間自由に空を飛べる。移動だけでなく敵の目をひきつけたり、様々な活用法があるようだ

 そして本作の主役とも言える戦闘の感触である、今回のデモプレイでの主役を務めたコロッサスはマシンガンをメイン武器にグレネードランチャー、連装榴弾、ため撃ちのナパームと強力な火器を備えていて、とても見所があった。マシンガンで連続ダメージを与えながら、大技を狙う。常に動いて他の味方とターゲットをばらしつつ、的確にダメージを与えていく。中距離攻撃が得意なロボはこう戦うのかと感心させられた。

 興味を惹かれたのが「コンボ」の概念。格闘ゲームでのコンボの概念は自キャラクターで連続で攻撃を与えていくのだが、「Anthem」の場合は他のプレーヤーとの協力が鍵になるようだ。ストームが凍らせた敵にため撃ちのナパームで炎を浴びせるとコンボに成り大ダメージにある。このコンボをいかに上手く発動させるかを考えたプレイが楽しい。他にレンジャーがわざと敵の前を飛んでターゲットを集め、コロッサスが背後から攻撃する場面も見られた。

 敵は昆虫型の異星人のようだが、敵も巨大ロボを使っているようで、しかもジャベリン・エグゾスーツより大きい。生物的な要素も強く、羽で空を飛ぶ敵も確認できた。コロッサスをさらに巨大化した湯女派ロボットも登場し、鈍重な敵を翻弄し、火力を集中させて戦う爽快感も感じさせられた。気心の知れた仲間と、強力な敵を次々と殲滅させていく戦いが体験できそうである。

美しく独特な世界観。思わず引き込まれる魅力がある
巨大な敵も待ち受ける

 そして最後に登場したのが山のような巨大昆虫。多彩な攻撃でプレーヤー達をなぎ払い、巨体で押しつぶそうとする。いったん姿を隠すと、軍隊の中型昆虫がこちらを包囲してくるなど多彩なパターンを見ることができた。「モンスターハンター」などに見られる巨大生物との戦いにメカとしての戦いを盛り込んだような、ワクワクさせられる場面だった。

 とにかく歓声を上げ、拳を握らずにはいられない迫力の戦闘体験だった。メカの多彩さ強さ、武器を活用する戦略、そして独特の世界観と圧倒的な美しさを持つグラフィックス、話題を集めずにはいられない作品だと言うことを、改めて実感できた。