ニュース

PS4「ファイヤープロレスリング」発売日が8月9日に決定!

「選手もゲームに出て喜んでいる」。松本ディレクターと新日本プロレスにコラボへの道程を聞く

8月9日 発売予定(PS4版)

価格:
【通常版】
6,264円(税込)
【新日本プロレスPREMIUM EDITION】
10,584円(税込)
【ワールド デジタルデラックスエディション】
10,584円(税込)
【シーズンパス】
5,480円(税込)

 スパイク・チュンソフトは、プレイステーション 4用「ファイヤープロレスリング ワールド」を8月4日に発売する。価格は、通常版が6,264円(税込)。パッケージ版の予約購入者にはゲームに収録されている新日本プロレスリングの全選手の技やデータなどを収録した「新日本プロレスレスラー名鑑」が特典として付いてくる。

 「ファイヤープロレスリング ワールド」は、「ファイプロ」シリーズの最新作で、PC版(Steam)はアーリーアクセスでリリースされた後、2017年12月19日に製品版が発売されていたが、PS4版の発売が待たれていた。今年1月には新日本プロレスリングとのコラボレーションが発表され期待感が高まっていたが、5月18日に後楽園ホールで開幕した「ファイヤープロレスリング ワールドPresents BEST OF THE SUPER Jr.25」で、遂に発売日などの詳細情報が明らかになった。

 「ファイヤープロレスリング ワールドPresents BEST OF THE SUPER Jr.25」は、「ファイプロ」の名を冠した大会で、ジュニアヘビー級のトップを決める大会で実に25回目の開催となる。5月18日の後楽園ホールを皮切りに日本各地14会場で試合が開催される。

 シリーズ初日となった後楽園ホールの入り口には「ファイプロW」の大きな垂れ幕が掲げられ、リングの中央にも「ファイプロW」のロゴが描かれており、注目を集めていた。また、試合前に大型ビジョンで流される映像では、このシリーズ会場限定で上映される最新PVが何度も流されていた。ここでは待望の発売日が公開となったほか、ゲームのプレイ画面も見ることができた。

 この日の発表で、通常版のほかに、新日本プロレスとのコラボレーション要素が詰まった「新日本プロレスPREMIUM EDITION」が発売されることも明らかとなった。限定1万本という貴重なパッケージで、価格は10,584円(税込)。

 パッケージにはゲーム本編のほか、オカダ・カズチカ選手、ケニー・オメガ選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手のミニフィギュア、「L・I・J×ファイプロワールド」コラボTシャツやコラボタオルが同梱される。

 ダウンロード版には、ゲーム本編に後日発売予定のDLCをセットにした「ワールド デジタルデラックスエディション」が発売される。こちらは通常版に加えシーズンパスがセットになっており、シーズンパスには新日本プロレスのストーリーモードの追加シナリオなど3つのDLCが含まれる。価格は10,584円(税込)。ちなみにシーズンパスも同日5,480円(税込)で発売される。

 なお、すでにSteamで配信中のPC版については、新日本プロレスとのコラボ内容を追加するDLCを有料販売する予定で、配信時期と価格は未定だがPS4版の発売から間を開けずに発売される予定となっている。

会場で「ファイヤープロレスリング ワールド」の発売日などが発表となった
リング中央には「ファイヤープロレスリング ワールド」のロゴとスパイク・チュンソフトの社名が!
入り口には「待たせたな。」の垂れ幕が飾られていた
会場内に「ファイプロ」をアピールする装飾があちこちに用意されていた
「ファイプロW」に登場する選手達が会場に飾られていた。いずれも特徴が良く出ているポーズだ
会場で販売されているTシャツにもロゴが

「ファイプロ」シリーズの夢が叶う! プロレス団体公認の選手を収録

松本朋幸ディレクター

 「ファイヤープロレスリング ワールドPresents BEST OF THE SUPER Jr.25」の大会初日となった後楽園ホール会場には、「ファイヤープロレスリング ワールド」を手がける松本朋幸ディレクターも来場。松本氏と共に今回のコラボレーションを手がけた新日本プロレスのビジネス開発部次長の阿部 猛氏のお2人に、発売に向けての心境を伺った。

編集部:昨年、PCでリリースされた製品版の反響はいかがでしょうか?

松本氏: ご意見は大変たくさん頂きました。製品版の完成度も、僕の感覚で言えば5割程度しか出来てないと思っていて、まだまだ足りないところや、前作の『リターンズ』から引きずっている仕様などもあるので色々なところを手直ししつつ、発展させていかなければならないなと考えています。今回間に合わなかったのですがガントレットマッチなども入れたいですし、『ファイプロ』は少し古いプロレスを再現しているので、今のプロレスに寄せていけるような仕様変更をやっていこうと思っています。

 同時によく言われる、「技が足らない」や「パーツが足らない」といったご指摘については、今回のコラボによって各選手の衣装を再現しているので、かなり解消されて自由度が増していると思います。

編集部:そういったベースの進化を図りながら、今回は新日本プロレスリングさんとのコラボレーションに注力されたのですね。これまで「ファイプロ」は、夢の世界を自分で作り上げるといった側面がありましたが、今回は遂に実際の選手が収録されますね

松本氏: 悪い言い方をすれば「グレーだった」ということですよね(笑)。そもそも「ファイプロW」を立ち上げるときに「グレーなのはやめましょう」という話をしていたんですね。結果的に、グレーどころか完全な“ホワイト”になって良かったなと思います。

 そもそものコラボのきっかけは、私と新日本プロレスリングの阿部さんが焼き肉屋で話すことになったのがきっかけです(笑)。

編集部:はじめお話があったとき、阿部さんとしてはどのように感じられましたか?

阿部氏: もともと、新日本プロレスでゲームを出したいというのはかなり昔からあったんです。数年前に1度、「『ファイプロ』のゲームを新日本プロレスで出してもらえないか」とお話を持ちかけたことがあったんです。しかしそのときは予算感や我々の側のゲーム開発に対するノウハウが足らなかったりしたため、実現に至りませんでした。それから3年ほど経過した頃に「『ファイプロ』が復活する」というニュースを拝見して、『これは風が吹いてきたな』と感じ、この流れに乗りたいなと思い、我々の試合を見ていただいてお話をさせていただきました。

松本氏: はじめは我々2人とももじもじしながら雑談なんかして(笑)。どちらも一緒にやりたいという気持ちは同じだったのですが、言い出すきっかけをみながら話していました。最終的には相思相愛で「やれたらいいですね」とまとまりました。

阿部氏: そこでの話をお互い会社に持ち帰り、2社とも反応は良かったので、「これはやるしかない」とスタートしました。

 我々、新日本プロレスとしても、「ファイプロ」に出ることができると考えると全力で対応しなければならないと思い、今回もマットにロゴを出してもらい、選手も出したりと全社一丸となって「ファイプロ」を盛り上げようと取り組んでいくことにしました。

編集部:選手のみなさんも「ファイプロ」をプレイされた方が多かったようですね。

阿部氏: そうですね。契約選手のほとんどが「ファイプロ」を通ってきたような世代ですので、喜ばしいニュースだととらえている選手が多いようですね。

編集部:そういった話を伺うと、「ファイプロ」さんとしてもプロレスを育てる一端を担っていたというのは嬉しいことではないですか?

松本氏: もちろん、ほんの一端だとは思いますが、ありがたいことであり、感無量ですね。そして、今回コラボレーションをすることで、選手のみなさんが自分のデータで「ファイプロW」をプレイされているのを何度か拝見したのですが、「頑張ってきて良かった」と思いましたし、涙が出そうになるほど嬉しかったですね。

編集部:そんなとき、選手から自分のデータに関して注文などが寄せられることはありましたか?

松本氏: 技の入り方が違うといった話はありましたね。もちろんできる限りは対応するようにはしていますが、汎用的な技にまで手を入れ始めると、それこそ際限ないですから。ただ、できる限り寄せるようにはしています。

編集部:それでも、選手のみなさんも楽しそうにプレイされているんですよね?

阿部氏: 「ファイプロ」に出ることができるというのは、1つのステイタスだったんですよ。ゲームに自分が出られるということが。

松本氏: それは選手の方にずいぶん言っていただけますね。

阿部氏: その「自分がゲームに出られる」ということがようやく実現したので、選手自身、非常にテンションが上がっているのは事実ですね。

編集部:松本ディレクターとしては、どの選手がいちばんお好きなんですか?

阿部氏: これは難しい質問ですよ! 今後の付き合いに関わってくる(笑)。

松本氏: めちゃくちゃ答えづらいですね(笑)。いや、制作側としては肩入れしたいという気持ちは極力排除して、もちろん、技なども平均的に入れるようにしています。とはいえ、僕は内藤哲也選手ですが(笑)……いやいや、均等に入れるようにしました!

編集部:実際の試合をご覧になって参考にして技なども作られているのですか?

松本氏: もちろんです。それに、開発期間に間に合えば、新技が出たら入れることはできますね。

編集部:そういった意味では、新日本プロレスとのコラボで、選手に新技をつくっていただいて収録というのも良いですね。

阿部氏: それは選手もやりたがっていて、松本さんにも相談しているんですよね。すごく夢のある話ですので。

松本氏: それは、いずれやりますよ! まだまだ「ファイプロ」をやめる気は無いですし、続けていきますよ!

編集部:ずばり「ファイプロW」における見所はどこでしょうか?。

松本氏: やはりエディット機能を楽しんで欲しいですね。エディット機能を楽しんで欲しいので、レイヤー機能を増やしたりしていますし、今後も機能を強化していきます。好きなレスラーを、とことん時間を掛けてつくりあげて欲しいです。今回40名近くの新日本プロレスさんの選手が収録されますが、それらすべてのデータをプレーヤーさんの好みに作り直してもらっても良いと思います。

 自分だけのプロレスワールドを「ファイプロ」の中につくっていただきたいというのが、僕の夢ですね。それを実現するために少しでも自由度を増すために、我々はデータを提供していくだけですから。

編集部:「ファイプロ」はある意味ツールとも言えますよね。

松本氏: そうですね。

編集部:では、松本ディレクターには、発売が近づき待っていたゲームユーザーさんに向けて一言いただけますか。

松本氏: 昨年アーリーアクセス版をリリースして、約1年してPS4版を発売することができます。非常にお待たせしましたが、新日本プロレスさんにご協力いただいて、いままでの「ファイプロ」とは違う、新たな「ファイプロ」を喜んでいただける内容になっていると思います。

編集部:では、新日本プロレスさんにはプロレスファンに向けて「ファイプロW」とのコラボに関してアピールをお願いいたします。

阿部氏: 「ファイプロ」と言えば古くからあるゲームシリーズですが、常に進化していて、今回は「新日本プロレス」がお邪魔する形になっていますが、プロレスファンにもかゆいところに手が届くゲームになっていますし、初心者の方にもリング上の駆け引きを体感できる作品になっているので、ぜひとも遊んで欲しいですね。

松本氏: プロレスファンの方に向けてという意味で言えば、今回ボイス収録を行なっていて、お1人あたり70前後のセリフを収録しているんです。ボイスは単体で聴くこともできますので、ぜひともお買い上げいただければと(笑)。「この選手、こんなこと絶対に言わないよ!」といった台詞も入っていて、かなり面白いので! これまでボイスの設定を2つしか設定できなかったのですが、収録したボイスを活かすために、5つまで設定できるよう、地味に仕様変更を行ないました! 楽しんでもらえればと思います。

編集部:ありがとうございました!