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待望の「キングダムハーツIII」試遊レポート

期待高まるディズニーのワールドの作り込みとクオリティ! バトルもたっぷりの新要素で多彩に

(画面はXbox One版)
5月18日開催(現地時間)

 スクウェア・エニックスは北米サンタモニカ にて、2018年に発売予定のプレイステーション 4/Xbox One用「キングダムハーツIII」の新情報を伝えるプレミアムショーケースを開催した。このイベントには世界初となるプレイアブルデモが出展されており、それをプレイすることができたので、その内容や手触りのインプレッションをお伝えしていこう。

ヘラクレスのワールド「OLYMPUS」で、夜空に輝く汽車に乗って巨大なロックタイタンとバトル!

 試遊では、「ヘラクレス」のワールドをプレイする「OLYMPUS」と、トイ・ストーリーのワールドをプレイする「TOY BOX」が選択できる。

 「OLYMPU」は基本的な操作を身につけつつロックタイタンという巨大な敵と戦う内容で、おおよそのプレイ時間は10分ほど。

 「TOY BOX」は「トイ・ストーリー」のワールド探索やストーリー展開などを本格的に楽しめるものになっていて、プレイ時間は30~40分ほどになっていた。

試遊できるモードのひとつヘラクレスのワールド「OLYMPUS」。ロックタイタンとのバトルの場面がプレイできる(画面はPS4版)

 まずは「OLYMPUS」のプレイ模様から紹介しよう。こちらは巨大な岩の体を持つ「ロックタイタン」と戦うという、迫力のある演出をダイナミックに楽しめるパートだ。

 険しい山の谷のような場所にいるソラたちに、ロックタイタンが山の頂上から巨大な岩を投げて攻撃してくる。その降り注ぐ岩を避けつつ、ロックタイタンのいる頂上を目指していく。

 通常のフィールドではなく上へと登っていくという流れだがその登り方がダイナミック。ソラを崖に走らせると、そのまま画面の角度が変わって垂直の崖をダッシュで登っていく。降ってくる岩を左右に動きながら崖を走っていくレースゲームのような見せ方にシームレスに変わる。

普通に移動しているところから視点がシームレス切り替わって崖を垂直に駆け上がっていく!ロックタイタンが投げる岩を避けながら頂上を目指していく(画面はPS4版)

 崖を登った山の中腹ではハートレスが出現! バトルの基本はシリーズ同様で、○ボタンでキーブレードでの連続攻撃、×ボタンでジャンプ、□ボタンで回避。また、ハートレスをロックオンして光の弾を放つ「シュートロック」や、L1ボタンを押しながら放つ魔法もあるが、どちらもエフェクトが非常に美しくて動きもかっこいい。簡単操作ながら、華麗に舞うようなスタイリッシュでかっこいい戦い方が楽しめる。

 通常攻撃を当てていくと左下の矢印の様なマークのゲージが貯まっていき、それが貯まってから△ボタンを押すと、「OLYMPUS」では2ndフォームが使用可能。「スタンインパクト」というフィニッシュ技が放てるようになる。さらにゲージをためると「ソニックレイヴ」という技が出せるようになり、もっとためると「ラストアルカナム」というハイスピードに連続攻撃を繰り出す乱舞系の強力な技が出せるようになる。

 リズム良く攻撃していき、キーブレードのゲージをためて最後に強力な技を決めるというような、テンションを高めていって最後に解放させるような戦い方が楽しめた。

山を登っていく途中で妨害してくるハートレスとバトル!きらびやかなエフェクトに、舞うようなスタイリッシュなアクションの華麗さはシリーズ最高峰だ(画面は上がPS4版、下がXbox One版)

 ハートレスを蹴散らし、崖を登って頂上にたどり着いたら、いよいよロックタイタンとのバトル! 足を攻撃して、ロックタイタンの態勢を崩していく。

 両足にダメージを与えたところで、「アトラクションフロー」というもうひとつのバトル要素の合図が! これまた△ボタンで発動すると、なんと空から光り輝く汽車が出現! そこにソラ達が乗り込んで、巨大なロックタイタンの周囲を飛び回りつつ、花火を発射して攻撃!!

 この「アトラクションフロー」は、その名の通りテーマパークにあるアトラクションをモチーフにした乗り物に乗って戦うというもの。このロックタイタン戦では、汽車をモチーフとした「ビッグマジックマウンテン」が登場する。

 スティックで狙いをつけ、花火を撃ちまくり! まばゆい光を放ちながら空を駆ける「ビッグマジックマウンテン」から放たれた花火が、ロックタイタンにダメージを与えつつ夜空を彩っていく。

「アトラクションフロー」を発動すると、まばゆい光を放つ汽車「ビッグマジックマウンテン」が出現! ロックタイタンに花火を放って攻撃していく(画面はXbox One版)

 まるでショーのようなきらびやかな光景を楽しみながらロックタイタンを撃破したところで、「OLYMPUS」のプレイは終了となった。

細かな作り込みとクオリティの高さは想像以上!「トイ・ストーリー」のワールドを探索する「TOY BOX」

 続いては、「トイ・ストーリー」のワールドである「TOY BOX」。こちらは、原作映画でお馴染み、少年のアンディの部屋からシーンが始まっていく。

 カウボーイ人形のウッディ・プライド(以下:ウッディ)、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤー(以下:バズ)、恐竜のオモチャのレックスに、ブタの貯金箱のハム、さらにグリーン・アーミーメンたちと、映画で活躍したおもちゃたちが登場する。その見た目の質感も原作そのもの、まさに映画中そのままの彼らが動いてオリジナルな物語をみせてくれる。

 このワールドを訪れたソラ、ドナルド、グーフィーも、ワールドに合わせた姿としておもちゃ風な見た目に。大きさもトイサイズだ。

 キャラクターたちだけでなく、「トイ・ストーリー」の世界の再現度とその細やかさにも驚かされる。アンディの部屋も自由に移動できるし、誰も見ないかもしれないようなちょっとした小物さえも凝ったデザインがされている。また、アンディの部屋の窓から家の外へと進んで行くのだが、その外の光景もまた原作映画で見たそのものだ。

「トイ・ストーリー」の世界。その再現度の高さや作り込みに驚かされるばかりだった(画面はPS4版)

 今作では、バトルに非常に多くの新しい要素が入っていて、見た目にもバラエティ感の豊かな、多彩な戦い方ができるところがポイント。

 「TOY BOX」ではキーブレードの変形が可能になっていた。仕組みは上述した「OLYMPUS」の2ndフォームへの移行と一緒だが、ゲージが時間経過でなくなるまでの間、形状が変わって、攻撃の動きもガラッと変わる。

 変形中のゲージがある間に△ボタンを押すと「フィニッシュ技」が繰り出せる。威力が高くて演出も派手なスペシャルアタックだ。ただ、それを放つとキーブレードは元の状態に戻ってしまうので、変形時間のゲージがなくなっていくのを見つつ、良いタイミングで放つのがポイントになる。

 さらに、キーブレードの種類によっては1段階変形させてからさらに、もう1段階変形させることも可能だった。

 キーブレードの種類が違えば、そのキーブレードを変形させたときの攻撃やフィニッシュ技が変わるし、魔法の性能も変わるし、さらに回避アクションも動きや性能が変わったりする。キーブレードの数だけスタイルにバリエーションがあり、戦い方のあらゆるものが変化するというわけだ。

キーブレードを変形して強力な攻撃を放つ! こちらは「トイ・ストーリー」のキーブレードで、変形するとハンマーになる(画面はPS4版)

 この「TOY BOX」のデモで装備しているキーブレードは、「トイ・ストーリー」、「モンスターズ・インク」、「塔の上のラプンツェル」のキーブレードの3つ。方向キーの左右で持ち変えられる。

 「トイストーリー」のキーブレードはハンマーの形に変形! 「モンスターズ・インク」は腕に装着してクローに変形し、さらにもう1段階変形させるとヨーヨーになって、広範囲に強力な攻撃が放てるようになる。

 「ラプンツェル」のキーブレードは「ミラージュロッド」という杖に変形。攻撃範囲の広い光を撃てるようになる。また、変形中に回避アクションをすると、その場にソラの姿をした光の残像が出るようになり、その残像を複数残せる(4、5体ぐらい?)。その残像がある状態で攻撃をすると、なんと残像も一緒に攻撃してくれる。

 空中にたくさんの鏡を出現させてそこに光の弾を乱反射させて攻撃したりと、ファンタジックかつスタイリッシュなアクションが繰り出せた。

 極めつけはフィニッシュ技で、発動すると地面から塔が出現! ソラはその塔の上から光を地上に向けて放ち、周囲のハートレスを一気に殲滅する。

「モンスターズ・インク」のキーブレードは2段階に変形!(画面はXbox One版)
リーチの長いヨーヨーをぶつける攻撃でハートレスをなぎ倒していく(画面はPS4版)
「塔の上のラプンツェル」のキーブレードはロッド(杖)に変形!ミラーに光を乱反射させて攻撃したり、回避アクションで残像を出して攻撃したりと、ファンタジックな攻撃スタイルだ(画面はPS4版)

 また、仲間から合図が出たときに出せる「コンビネーション技」というものもあった。こちらの操作もバトル中に仲間から合図が出たら△ボタンで発動するというもので、同行している仲間や戦っている場面によって様々な攻撃の種類がありそうだ。

 このワールドだとウッディとバズが同行しているが、ウッディたちからの「コンビネーション」を発動すると、原作に登場したロケット花火が出現! ソラ、ウッディ、バズの3人でロケットにまたがって飛び回ってハートレスを攻撃していく。原作ファンにはたまらないアクションだ。

 この「TOY BOX」のワールドでは乗り物を呼び出す「アトラクションフロー」も種類が変化。プレイした中では、回転する巨大コーヒーカップに乗ってハートレスをなぎ倒していく「ティーパーティーカップ」や、前後にスイングしている船体を当ててダメージを与える「パイレーツシップ」など、ユニークかつド派手で気持ちいい攻撃が確認できた。

 ちなみに、この試遊で確認できたバトル中の特殊な攻撃は、全て△ボタンで発動するというシンプル操作にまとまっていた。同時に発動できるアクションがあるときはL2ボタンで選択してから△ボタンで放つというようになっているので、プレイの上手い人はちゃんと狙ったものを発動していけるし、そうでない人も何かしら表示が出ているときに△ボタンを押せば派手で気持ちいいアクションが出せるという、上手い人もそうでない人もそれぞれ魅力を楽しめる考えられた操作になっているのがポイントだ。

 もうひとつ、「リンク」という特殊なバトルアクションもあった。「リンク」は、ディズニーのキャラクターたちを呼び出し、力を借りるというもので、MPを消費して発動する。

 リンクを使うと、空中にデジタル画面が出現し、そこからなんと「シュガーラッシュ」のラルフが登場! プレーヤーやラルフを操作して、ハートレスの動きを止めてしまう光を放つブロックを設置。最後にそれを爆発させてダメージを与えるというパズル的な攻撃になっていた。また別のリンクでは、「リトル・マーメイド」のアリエルが登場。たくさんの水でハートレスを巻き込んでいき、ダメージを与えてくれる。

リンクを発動すると、「シュガーラッシュ」のラルフが出現!ブロックを置いていき、最後にそれを爆発させて大ダメージを与える(画面はPS4版)
「リトル・マーメイド」のアリエルが現われて大量の水で敵を攻撃してくれるリンクもある

 シーンが進み辿り着いたおもちゃ屋さんの中でのバトルでは、売り物のおもちゃのロボット「ギガース」にハートレスが乗り込んで襲ってくる場面も。そこではソラも「ギガース」に乗って応戦! 搭乗中は主観視点のいわゆるコックピット視点での戦いになる。

 この「ギガース」は、赤、紫、青と種類があり、赤は近接攻撃が強く、紫は肩にキャノンを搭載した遠距離攻撃向き、青はボムでの範囲攻撃が可能とタイプがあって、ダメージを与えてハートレスが操縦席から出たギガースに乗り換えることもできたりと、いろんなプレイが楽しめるよう細かに作られていたのが印象的だった。

 おもちゃ屋さんを探索するなかでは、ソラとウッディやバズの会話も多くみることができた。ハートレスに操られているとはいえ、同じおもちゃと戦うことに悩むバズや、それを諭すウッディ、コミカルな活躍を見せるレックスやハムなど、いずれのキャラクターもまさに原作からの魅力たっぷりな姿を見せてくれる。

驚くほどのバトルアクションの多彩さ、想像以上のしっかりとした作り込みとクオリティの高さに、期待は高まるばかり

 というわけで、「ヘラクレス」のワールド「OLYMPUS」と、「トイ・ストーリー」のワールド「TOY BOX」のプレイ模様をお伝えしたが、総じて感じたのは驚くほどのクオリティの高さと、プレイの多彩さだ。

 アニメCG調の独特のグラフィックスは、立体感がありつつも柔らかさを感じさせる質感が見事で、「トイ・ストーリー」の世界においてはもはや原作映画そのもの。オブジェクトの量もたくさんある上に、広いフィールドを行き来できるのにフレームレートが安定して高く、バトルもスピーディーかつ、エフェクトも派手で気持ちいい。そのうえ、読み込み時間の削減までできていて、プレイのリズムもいいときて、全方位にしっかりとした作り込みと、そのクオリティ高さを感じさせるものがあった。

 バトルの要素が非常に豊富で、多彩な楽しみ方ができるのもとても魅力的だ。キーブレードの変形によるアクションの変化は、試遊する時間だけでは確認しきれないぐらいのものがあった。アクションゲームとしてもかなり触りごたえのあるものになっているし、それでいてライトな人でも手軽に派手なアクションを出せるよう、操作を△ボタンに集約しているのが良く考えられている。

 そして、肝心のディズニーのワールドの魅力、各キャラクターや世界の魅力も、非常に細やかでクオリティの高いものだ。「トイ・ストーリー」のワールドに、ウッディやバズとのやり取り、一緒に戦う楽しさは、原作ファンにはたまらないものがあるだろう。

 特筆すべき点として、読み込み時間が最初のプレイ開始以外はほぼなかったところもポイントだ。イベントシーンから操作する場面に移るときや、場所が切り替わるときでも読み込みはなく瞬時にプレイへと移る。さすがに別の作品のワールドへ移動するときなどの大きな切り替わりには読み込みがありそうだが、それ以外は極力プレイのテンポを崩さないよう、読み込みをなくしているようだ。

 また、今回の試遊で筆者は通常のPS4とPS4 Pro両方でプレイさせてもらったのだが、どちらでも動作は軽い印象で、フレームレートやグラフィックスの質感に違いは感じられなかった。実際の製品版がどうなるかはまた変わるかもしれないが、この試遊に限って言えば、普通のPS4でも快適にプレイできる。グラフィックスの質感や作り込みの密度からすれば、驚くほどに動作は軽快で、出来の良さを感じさせるものがあった。

 というわけで、待ちに待った甲斐のある驚きのクオリティと、作り込みの密度をこれでもかと実感できたプレイとなった。着実に発売に向かっているのを感じることのできるものでもあり、発売の時が来るのが待ち遠しい限り。その時がいよいよ近づいているという期待が高まる内容となっていた。