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CORSAIR、スマホも充電できるゲーミングマウス無線充電システムや、“セキュア”なゲーミングキーボードなど最新ゲーミングギアをフルラインナップで発表
2018年4月12日 00:00
米国のペリフェラルメーカーのCORSAIRおよび、日本代理店を務めるリンクスインターナショナルは4月11日、都内でメディア向けの発表会を開催し、PC向けのゲーミングギアおよびDIYコンポーネントの最新モデルを発表した。製品は4月から5月にかけて順次発売される予定。
定期的に発表会を開催し、最新ラインナップをお披露目しているCORSAIRだが、今回の発表会はここ数年で最大規模のものだった。CORSAIRといえば、メモリや電源、ファンなど自作PCユーザー御用達のDIYコンポーネントのメーカーというイメージが強いが、ここ数年はゲーミングを大幅に強化しており、機能性とコストパフォーマンスを重視したミドルレンジのラインナップで、ライバルのLogicoolやKingstonを猛追している。
CORSAIRの特徴は、徹底的に機能性を重視しているところだ。本来ゲーミングギアに求められるのは純粋な性能だが、そこでは勝負せず、いかに便利か、使いやすいか、そして楽しく使えるかが重視される。言い換えれば、他社の後追い的な側面が強いものの、単なる後追いに留まらず、ユニークな機能が追加され、かつ安い。そこに価値を見いだすゲームファンは多い。
今回発表されたのは、ゲーミングギアとDIYコンポーネントの2カテゴリ。ゲーミングギアは、テーマを「UNPLUG AND PLAY(外して遊ぶ)」とし、ワイヤレスゲーミングを主軸とした5製品を発表。DIYコンポーネントはケース、ファン、クーラーシステムなどがお披露目された。
まずゲーミングギアから見ていくと、中核であるマウスとキーボードがワイヤレスとなり、CORSAIRとして初めて完全なワイヤレスゲーミング環境を実現する。CORSAIRのワイヤレスファミリーの特徴は、1msの2.4GHz接続、低遅延のBluetooth接続に加えて、有線接続もカバーし、RGBバックライトやDPS等の調整などは「iCUE」と呼ばれる総合ソフトウェアで一括管理する。その上で、ワイヤレス給電の国際基準規格Qi(チー)への対応や、入力データの128bit暗号化処理など、PCユーザーが「おっ?」と思うような機能が盛り込まれている。
ワイヤレスゲーミングキーボード「K63 WIRELESS MECHANICAL GAMING KEYBOARD」は、Cherry MX赤軸を採用したメカニカルキーボードで、テンキーレス、RGBバックライト機能、リストレスト標準装備といった特徴を持つ。
最大のセールスポイントとなるのは、入力キーデータをすべて128bitで暗号化してPCに送信するセキュリティ機能。ボタンでオンオフが切り替えられる。FPSをプレイ中の「AWEDZXXD12DDWW……」のようなキー操作情報が盗まれたところで痛くも痒くもないが、実際のゲーミングシーンでは、プレイ中に個人情報の入力や会話、課金決済を伴うことが多い。特に不特定多数がいるLANパーティーイベントなどでは悪意を持ったユーザーがいないとも限らないため、こうした機能があれば安心というわけだ。5月以降発売予定で、価格は未定。
ゲーミングラップボード「K63 WIRELESS GAMING LAPBOARD」は、海外ではメジャーなリビングにゲーミングPCを持ち込んでパーティーライクにPCゲームを楽しむ“リビングゲーミング”を意識したラップボードの新製品。
フルサイズのゲーミングキーボードを一回り大きくしたようなデザインで、左側の空間に「K63 WIRELESS MECHANICAL GAMING KEYBOARD」をはめ込み、右側のハードタイプのマウスパッドエリアに、後述するワイヤレスゲーミングキーボード「DARK CORE RGB」をセットして、膝の上に置いて使う。前モデルと比較して着脱も容易になっており、TPOに応じて付けたり外したりがし易いという。5月以降発売予定で、価格は未定。
ワイヤレスゲーミングマウス「DARK CORE RGB」は、CORSAIR初のワイヤレスゲーミングマウス。Pixartの光学式センサーPMW3367を採用し、LogicoolのハイエンドゲーミングマウスG903に採用されているPMW3366の12,000DPIを上回る、16,000DPIの解像度を誇る。接続は1msのレポートレートの性能を持つ2.4GHzワイヤレスか、Bluetooth、有線の3種類に対応。右サイドは着脱式になっており、小指を置けるスカートあり/なしの2種類のいずれかを装着する形となる。バッテリーは最大24時間連続駆動可能。5月発売予定で、価格は11,000円前後の見込み。
そして「DARK CORE RGB」には、Qiに対応した「DARK CORE RGB SE」というバリエーションが存在しており、Qi対応ワイヤレス給電マウスパッド「MM1000」と組み合わせることで、バッテリーを気にせずワイヤレス充電で、「DARK CORE RGB SE」を使用することができる。
このソリューションは、Logicoolがワイヤレス充電システム「POWERPLAY」およびG903で実現していたものとまったく同じアプローチだ。違いは「POWERPLAY」は、市販のマウスパッドの使用が可能で、マウスパッドほぼ全面で給電でき、かつワイヤレスレシーバーを内蔵しているのに対し、「MM1000」はハードタイプのマウスパッドを内蔵しており、充電は右上の一カ所のみ、レシーバーは内蔵しておらず、別途接続する必要がある。
と書くと、「POWERPLAY」のほうが圧倒的に優れているように見えるが、「MM1000」は、Qi規格に対応しているため「DARK CORE RGB SE」のみならず、iPhoneをはじめとしたスマートフォンも充電することができる。この汎用性がCORSAIRらしいところだ。ゲームを遊びながらマウスを充電することはできないものの、スマホを充電できるのは嬉しい。ゲームが終わったら、スマホをマウスに置き換えておけば、次回ゲームを再開するときにはフル充電になっている、という案配だ。
しかも「MM1000」には、USB Type AやType C、Lightningコネクタに対応した専用のアタッチメントが同梱されているため、Galaxy S7 edge、Nexus 5、iPhone 8/XといったQi規格に対応したスマートフォンのみならず、それらの端子を備えたすべてのスマートフォンを充電することができる。
バディを組む「DARK CORE RGB SE」も、Qi規格対応機器として、「MM1000」に頼らずとも市販のワイヤレス充電器での充電が可能で、色んなところで充電できるワイヤレスゲーミングマウスとして話題を集めるかもしれない。「MM1000」は4月14日発売予定。
最後に、これらデバイスを一元管理するソフトウェア「iCUE」の特徴が紹介された。基本的には、LogicoolソフトウェアやRazer SynapseのようにRGBライティングの設定やデバイス間での同期機能を備えているが、「iCUE」が凄いのは同期できるのがゲーミングギアに限らないところだ。ご存じの通り、CORSAIRは様々なコンポーネントを通じてLEDイルミネーションを提供してきたメーカーだが、それらもひっくるめて同期や設定を行なうことができる。
そして当然対応ゲームも存在する。会場では「iCUE」に対応したゲーム「ファークライ5」のデモ映像が流され、キャラクターが炎に包まれると、CORSAIRデバイスも赤々と燃えたぎり、水中に入ると湖面のようなブルーに包まれ、犬を殺すと真っ赤になる。モニター外にもゲーム環境が再現され、さらにゲームへの没入感を高めてくれるという。LANパーティーでヒーローになれそうな機能だ。