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【スマホアプリ今日の1本】言葉を作って大ダメージ!「共闘ことばRPG コトダマン」
偶然すらも武器になる新感覚RPG
2018年4月16日 12:00
「コトダマン」の3大ポイント
・思いもよらない単語がヒットするほどに圧倒的な単語数を収録
・意外な言葉がコンボで繋がり、爽快な一発逆転を呼ぶゲーム性
・攻略のカギとなるパーティ編成には、プレーヤーの言葉を作るセンスが問われる
セガゲームスが4月16日より配信を開始するスマートフォンアプリ「共闘ことばRPG コトダマン」。「モンスターギア」、「サカつくシュート!」といったセガのスマートフォンアプリを手がけてきた中村たいら氏による最新作だ。
ゲームタイトルでも強く強調されているとおり、本作は「ことば」を使って敵と戦うRPGとなっている。詳しくは後述するが、マーケットに溢れかえっているスマートフォン向けRPGとは一線を画し、新感覚と呼ぶにふさわしい内容と言える。
本稿では、「コトダマン」に一足早く触れてみてのプレイレポートをお届けする。「ことば」を使った戦いとはどんなものなのか? そこにどんなカタルシス、爽快感があるのか? を知る助けになったら幸いだ。
言葉がそのまま武器となる。時には思いがけない連鎖も
本作の世界観の中心となるのは、何もない世界に生まれた神“ニューワード”と5人の神子。5人の神子たちは世界の中心に種を植え、それが“言の木”となり文字の羅列が刻まれた大きな葉を付けた。ニューワードがその文字の羅列を“コトバ”と名付けたことが、本作における言葉の成り立ちだ。そしてゲームでは、“言の木”から生まれた文字の精霊コトダマンと、悪魔神ウラミとの戦いが描かれる。
バトルはターン制となっており、プレーヤーのターンで行なうのが、文字を使ったパズルだ。画面上には7つの丸いマスが現われ、そのいくつかには最初から文字が入っている。プレーヤーは残るマスに文字を入れ、2文字以上の言葉を完成させていく。ひとつの文字列の中でいくつもの単語を作り上げるとコンボとなり、敵に大ダメージを与えられるほか、4文字や5文字といった長めの単語でも大ダメージの元となる。
面白いのは、収録されている単語の圧倒的なボリュームだ。一般常識の言葉はもちろん、日常で使う流行り言葉、固有名詞までありとあらゆる単語が網羅されており、適当に並べただけでも意外なつながりを見せ、大きなコンボになっていくのだ。例えば良い文字が出てきてくれず「かいはこうんや」という苦し紛れの文字列を作ったとき、実は「波高」「孤雲」など普段はなかなか使わないワードにもしっかり反応してくれて、思わぬコンボになってくれた。もちろんこのとき「箱」、「運」といった2文字の簡単な言葉もコンボの一員となってくれて、結果として敵に大きなダメージを与えられる。もうダメだ、と思ったところから、プレーヤーでも想像のできない逆転の一手が生まれるゲームなのだ。
また、敵の中には弱点となるワードジャンルを持つものも存在する。「ふっふー」というモンスターは料理に関する言葉が弱点なので、「パイ」などの料理に関連した言葉がクリティカルにヒットする。これ以外にもすべてのモンスターにはなんらかの弱点が設定されているようだ。偶然に頼るだけでなく、アイディアを振り絞って言葉を探すのが攻略の糸口だ。
もちろん敵側も無抵抗で攻撃されるのを待っているわけではない。相手のターンになれば攻撃してくるし、回復などのいやらしい行動もとってくる。中にはシールドを展開し、防御力を上げる敵も存在する。シールドは7つのマスのいずれかに設置される。そのマスを利用して言葉を作ると、シールドを破壊することが可能だ。
攻略のカギはパーティ編成にも
ここまではバトルにおける立ち回りを中心に紹介してきたが、事前のパーティ編成もゲームの難易度を左右する重要なポイントである。パーティは合計12体のコトダマンで構成され、それぞれでまったく違った属性や技、特性を持っている。属性は水、火、木、光、闇の5種類で、水、火、木は三すくみの関係。そして光と闇はお互いに弱点をつける関係となっている。
このあたりはスマートフォンのRPGではおなじみの構図であり、覚えるのに時間はかからないだろう。またコトダマンごとの技は、バトル中に指定された文字数以上の言葉を作ると発動する。なんとなく想像がつくと思うが、強力な技ほど指定される文字数は多くなる。
そしてもっとも注目してもらいたいのが、コトダマンそれぞれが1つの文字を有している点だ。例えばツシマヤ魔ネコなら「つ」、イザ波なら「い」といった具合に、名前の頭文字を持っている。そしてこれが、バトル中にプレーヤーが配置できる文字になるというわけ。
これを踏まえると、コトダマンの能力だけでなく、その文字を持っているかにも配慮する必要が出てくる。プレイしてみての感覚としては「あいうえお」、「かきくけこ」、「さしすせそ」あたりはさまざまな文字列に対応でき、「とりあえず置いてみる」という感覚で使えるので多めに編成しておきたい。逆に「なにぬねの」、「まみむめも」はどうしても使う機会が限られてしまう。といってもいくつかは入れておかないと、せっかく良い言葉を思いついたのに肝心の文字がいない、というケースになりかねないので難しいところ。こればかりはプレーヤーごとのセンスが問われる部分だろう。
また「き」や「し」といった母音が「い」の文字は特に使い勝手がいい印象を受けた。というのも小さい「ゃゅょ」、つまり拗音と絡めることができるからだ。これがあるかないかで作れる言葉の可能性はガラリと変わるってくる。ちなみに自身で選択する文字は、拗音以外にも濁音、半濁音が自由に切り替えられる。これもまた言葉の可能性を広げる手段なので、覚えておいて損はない。
相手に弱点を突かれてしまうコトダマンや、レアリティの低いコトダマンでも、所持している文字次第では活躍の余地を残しているのは面白いギミックだと思う。実際筆者もパーティ編成画面で「属性は不利だけど言葉を作りやすいから入れておこう」という発想になることが何度もあった。幅広く使いこなそうという気持ちにさせてくれるのは、他のRPGにはない特徴だ。
またプレーヤー間での攻略も盛り上がりそうだと感じた。最長の7文字の言葉を完成させるのはかなりの難易度だが、だからこそどんな言葉が収録されているのか、そしてそれを再現させるためにはどんなパーティが最適なのかは、議論するだけでもかなり白熱しそう。一方で、プレーヤーの熱が上がれば収録されている言葉は次々に発見され、やがてコレクションの要素が薄くなる可能性もある。流行語を絶え間なく追加する、積極的なアップデートにも期待したい。
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