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【EVO Japan 2018】「ストリートファイターV アーケードエディション」Finalsの様子をレポート!

3日間におよぶ熱き戦いがついに決着!! 最後の舞台に立っていた勝者は果たして……

1月28日 開催

【Day3】

秋葉原UDX アキバ・スクエア

 対戦格闘における世界最大のゲームイベント「Evolution Championship Series」――通称「EVO」。毎年7月にアメリカで開催されているゲームの祭典が、2018年、ついに日本へも上陸を果たした。その名も「EVO Japan」。

 「EVO Japan」では1月26日から3日間にわたり、合計7タイトルのトーナメントが行なわれた。今年の7月に予定されている「EVO 2018」へ向けて弾みをつける意味でも、非常に重要な前哨戦とも言えよう。

 今回は、弊誌でもたびたび「ストV」についての記事を執筆してきた筆者が、「ストリートファイターV」Finalsの様子をレポート。おもに決勝戦にスポットを当てて、試合の見どころや名場面、注目すべきポイントなどを解説していく。先日リリースされたばかりの「ストリートファイターV アーケードエディション」初となる大規模大会の勝者は果たして……!?

2,217名からたった8名がファイナルに進出!

 「EVO Japan」初日の26日には、ラウンド1およびラウンド2のトーナメントが開催された。日本のみならず、アメリカやイギリス、中国や台湾など、世界各地から集まった2,200名を超えるプレーヤーが参加。ラウンド1では2,217名が512名に、ラウンド2では512名が128名にまで絞られた。

 27日は午前9時からラウンド3が行なわれ、128名のなかから32名が勝ち残った。さらに15時からは、トップ32のプレーヤーから決勝戦へ進む8名を選出するためのセミファイナルが開始。下記の8名が、見事ファイナルへの進出を果たした。

□ウィナーズ
・MOV選手
・INFILTRATION選手
・Humanbomb選手
・竹内ジョン選手

□ルーザーズ
・ときど選手
・板橋ザンギエフ選手
・ウメハラ選手
・ストーム久保選手

26・27日の試合は、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で行なわれた。記録的な寒さを観測した外とは対照的に、時間とともにボルテージを上げていく館内はとてつもなく熱い
いわゆる"弱キャラ”たちが姿を消した2日目は、強キャラたちの宴へと変貌。なかでもキャミィはとくに多く、逆にエドと是空は極端に少ない印象を受けた
解説は本家EVOでもおなじみ、James Chen氏とUltraDavid氏の2人。そのほかにも、さまざまなメンバーがゲームの実況を担当していた

そして迎えるFinals。その勝者は……

 「EVO Japan」最終日の28日、ついに最終章となるファイナル・トーナメントが開催。「ストV AE」はもっとも参加者が多いためか、最終日のなかでも1番最後に行なわれた。以下では、17時40分からスタートした準々決勝→準決勝→決勝戦の順に各試合を見ていこう。

準々決勝

 第1試合は、MOV選手の春麗と竹内ジョン選手のラシード。お互い一進一退の攻防をくり広げるが、終わってみれば竹内ジョン選手がストレートで3本を先取して勝利した。

 第2試合は、INFILTRATION選手のメナト対Humanbomb選手の春麗。水晶を利用して付かず離れず立ち回るINFILTRATION選手が、1ラウンドも落とさずにHumanbomb選手を下す。

 第3試合は、個人的には今大会のベストバウト。3セット目にときど選手の豪鬼が起こした痛恨のコンボミスをきっちりと咎め、ストーム久保選手のアビゲイルが勝利に王手をかける。続く4セット目、がぜん動きがよくなったストーム久保選手に対し、ここまでかと思われたときど選手が執念の反撃。第3ラウンドはスタン寸前にまで追い込まれながらも、瞬獄殺を決めて逆転勝利をものにした。

 第4試合は、板橋ザンギエフ選手のザンギエフとウメハラガイルの戦い。ときおりテクニカルな立ちスクリューを見せるものの、やはりザンギエフでガイルの壁は厚かったか?ウメハラ選手のガイルが勝利した。

[第1試合]中足をガードされたにもかかわらず、このあと鳳翼扇が漏れてしまう。このミスで流れが変わるかと思いきや、MOV選手は驚異の投げ連打で第2ラウンドを取り返し、試合は3ラウンド目へもつれ込む
[第2試合]春麗戦では、カーメンキックを有効に使っていた印象。踏んでしまいそうな気功拳をうまく交わす場面もしばしば見られた
[第3試合]このVトリガー発動が反撃の狼煙。3ラウンド目も体力は残りわずか&スタン値は満タンに近い状態から、アビゲイルのめくり攻撃を豪昇龍拳で切り返して逆転する
[第4試合]投げキャラのザンギエフに対し、積極的に投げを狙っていくスタイルのウメハラ。「ストII」シリーズほどではないが、やはりザンギエフでガイルは無理なのか(笑)

敗者復活戦1

 第1試合は、ウィナーズの敗者Humanbomb選手とルーザーズの勝者ときど選手。1試合目に中足波動赤鴉空裂破を決めて辛勝したときど選手が、そのままの勢いで3本先取した。

 第2試合は、ウィナーズの敗者MOV選手とルーザーズの勝者ウメハラ選手。ときおり春麗の飛びが刺さるものの、ソニックの壁に阻まれて思うように近づけない。MOV選手が大幅リードした場面もあるものの、ソニックでジリジリと体力を削られて試合を落としてしまう。ここではウメハラ選手が勝利。

 第1試合と第2試合の勝者が戦う第3試合。すべての試合が3ラウンド目までもつれ込むギリギリの戦いであったが、最後はウメハラガイルがときど選手を下す。

アビゲイル戦とは異なり、Vトリガーは眥裂髪指を選択。勝負所でうまく発動し、コンボを伸ばす場面も見られた
セイフティリードのように見えるが、ここからウメハラガイルがひたすらソニックを連打。春麗をじらして逆転勝利した
「ストII」シリーズ出身のキャラクター同士のせいか、見ごたえのある地上戦が展開した

準決勝・敗者復活戦2

 準決勝は、お互い負けなしでここまで勝ち上がってきた竹内ジョン選手とINFILTRATION選手。1ラウンド目こそパーフェクトで勝利したINFILTRATION選手のメナトだったが、2・3ラウンドは竹内ジョン選手のラシードが取り、続く第2セットもストレートで勝利する。

 ここでINFILTRATION選手のジュリが登場。3セット目は獲得したものの、第4セットは竹内ジョン選手がストレートで勝利し、決勝への進出を決めた。

 ルーザーズに落ちたINFILTRATION選手とルーザーズを勝ち上がってきたウメハラ選手が、決勝への切符を賭けて戦う1戦。ソニックで押し込もうとするウメハラ選手のガイルに対して、INFILTRATION選手のメナトが冴えまくる。水晶をうまく使ってガイルの動きを制限し、安易なソニックにはソウルスパーク。メナトのポテンシャルを存分に見せつけ、ストレートで3本先取した。

無敵技のないメナトは、固めが強力なラシードから画面端に追い込まれると、かなり苦しい
ソニックを盾にして飛び込むガイルにウン・ネフェルでカウンター。3セットで計3回のウン・ネフェルを決め、INFILTRATION選手が勝利した

決勝戦

 決勝戦は、準決勝でも対戦した竹内ジョン選手のラシードとINFILTRATION選手のジュリ。このまま竹内ジョン選手が優勝を手にするのか、あるいはINFILTRATION選手が準決勝の雪辱を果たすのか。なんとも興味深い1戦になった。

 序盤は準決勝と同じような展開が続く。1ラウンド目を危なげなく勝利したINFILTRATION選手だったが、2・3ラウンド目は竹内ジョン選手が連取。しかし、第2セットからINFILTRATION選手の動きが変わる。

 ガードを固めてチャンスをうかがい、ラシードの強引な攻めにはVリバーサルの回旋連脚を使って反撃。中間距離戦では立ち中Kをメインに振ってラシードの接近を阻み、近づかれたときは固めのスキ間を狙って弱攻撃からのコンボを差し込む。3試合目からは無敵時間のあるEX天穿輪によるカウンターも増えてきた。そして第4セット目、下段からのコンボを決めて勝利をつかんだINFILTRATION選手が、ついに状況をリセットする。

 竹内ジョン選手とINFILTRATION選手の星が並んだため、以降は先に3勝したほうが優勝。が、ここでもINFILTRATION選手の勢いが止まらない。1セット目をストレートで取り、2セット目も勝利。3セット目はラシードが立ち強Pやスピニング・ミキサー、すかし投げなどをうまく使って取り返すも、流れを覆すには至らず。最後はラシードのワールウインド・ショット→アサルト・ロールに飛び込みを合わせてINFILTRATION選手が勝利した。

強引に近づいて固めと当て投げをくり返す竹内ジョン選手。このゲームの本質を具現化したような戦法は、ラシードの能力と相まって強力無比
一方、バックステップなどで距離を取り、ヒット&アウェイで戦うINFILTRATION選手。ジュリの中距離戦の能力を活かす作戦に出た様子
ゲームが後半になるにつれ、INFILTRATION選手の投げ抜け精度が上がり、逆に投げを仕掛けることが多くなったような印象を受けた
最終戦・最終ラウンドの前半、ペースをつかんだのは竹内ジョン選手。しかし、この小技→天穿輪→殺界風破斬で流れが変わった