ニュース

「niconico」の新バージョン「niconico(く)」サービス内容を発表

生主と視聴者が一緒に楽しめるゲームなど新機能を搭載へ

11月28日 発表

右から夏野 剛取締役、「niconico(く)」の開発を担当している川上量生会長、運営を担当している粟田穣崇取締役
「niconico(く)」は、2つのストリームサーバー「Akashic」と「DMC」で構成されている

 ドワンゴは、同社が運営する動画サービス「niconico」の新バージョン「niconico(く)」(“く”の読みは“クレッシェンド”)に関するサービス内容の概要について発表した。

 「niconico(く)」は「niconico」の次期バージョンで、画質と重さの両面の改善が行なわれている現行バージョンと同時に、これらの改善も含め一から開発が進められている動画配信サービス。自社開発が行なわれている2つのストリームサーバー「Akashic(双方向通信)」と「DMC(映像の引用・合成)」の連携により、川上量生会長が自認する「niconico」の強みとなる配信者と視聴者の双方向のやりとりを強化する。

 今回、双方向のやりとりの中にはゲーム機能「ニコ割ゲーム」も盛り込まれている。「ニコ割ゲーム」では、放送者と視聴者でスコアを競い合うことができる。ゲーム自体は誰でも瞬間的に理解ができ、クリックやタップで簡単にプレイ可能な内容となる。ゲームは、放送者が1人でプレイすることも可能なほか、抽選で選ばれた視聴者1名のみがプレイすることも可能。また参加者のプレイ結果をランキング表示させることもできる。発表会ではラインナップが一部公開されたが、一瞬でプレイできるミニゲーム「メイド イン ワリオ」のような雰囲気を感じさせた。

 また、「8パズル」も用意されている。配信中の映像にリアルタイムに映像の加工を行ない、画面を分割。視聴者の多数決でパネルの動く方向を決定し、配信者と視聴者で協力してパズルを解くことができる。動画パズルという点では往年のディスクシステムの名作「きね子(キネティックコネクション)」を思い起こさせた。

新機能の1つ「ニコ割ゲーム」。生主さんと視聴者の相互コミュニケーションを目的として導入されるのだという
8パズル。動画を8つに分割しリアルタイムに動画が再生されながらパズルを楽しめる。往年のゲームファン的には「きね子」を思い出してしまう

 このほかにも各種強化が行なわれており、配信映像を引用して流しながら、配信主が配信することもできる。この時、ワイプを切り替えることなど自由度も高く設定されている。また、PCで配信を行ないながら途中からスマホでの配信に切り替えるといったことも可能。アンケート機能も強化され、生主がアンケートを作成し貼り付けるだけと手軽に利用することができる。

 プレゼンテーションを行なった川上氏は「21.2世紀から来た未来のストリーミングサービス」と表現。“21.2世紀”とは2020年のことで、3年くらい先のサービスを想定しているという。「niconico(く)」は、12月3日に「体験生放送<第2弾>を開催し、2018年1月には公式生放送を開始。2018年1月28日に全機能を発表し、2018年2月28日にはサービスを開始し、全ユーザーに機能が解放される。

新しいインターフェイスで発表会のデモンストレーションが行なわれた
「niconico(く)」のスケジュール

 「ニコニコ動画」では現在、画質と重さの改善を行なっているが進捗が遅れており、「niconico(く)」のサービス開始も当初は10月の開始を予定していたが、新たに発表されたスケジュールでは年をまたいでの展開となる。今回の発表会では「niconico(く)」で採用される新インターフェイスのもと行なわれたが動作が重く、一部ユーザーでは新機能が動作しなかったこともあり、ユーザーの不安を払拭することはできなかった。画質と重さの改善についてはイベントでも進捗状況が発表されたが、川上氏は「改善が遅れていて申し訳ない」と弁明に終始した。

 新たな動画配信サービスが数多く生まれている中、2020年に向けてどのように運営を行なっていくのか、サービスの開始が注目される。

冒頭発表された現在の改善状況と、今後の予定