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「サドン ストライク 4」で“戦術脳”を鍛えよう!(後編)

高難度ミッションを★3つでクリア&チャレンジモードにも挑戦するぞ

持てる戦力をいかに有効に活用するか。その真髄を楽しめる「Sudden Strike 4」
有利な戦闘を演出するのは、プレーヤーによる緻密な作戦指導だ

 超シビアな戦術ストラテジーゲーム「Sudden Strike 4」。その基本的な内容は前編でご紹介したとおり、再現される粒度が非常に細かいために一見して面倒さも感じられるゲーム性だが、そのぶん、精密さを突き詰めれば突き詰めるほどにしっかりと結果に反映されるというのが本作の醍醐味でもある。

 戦術的に工夫のしどころはいくらでもあるというのが本作の特性であるなら、その特性を最大限に活かしたプレイを展開してこそ、本作の面白さを100%堪能できるというものだ。

 というわけで「Sudden Strike 4」攻略特集の後編となる今回は、本作のキャンペーンモードに登場する各陣営の特徴的なミッションを題材に、戦術的に厳しい状況をいかに打開していくか、その工夫のしどころをご紹介していきたい。

 目指すは星3つ。最高評価でのクリアだ!

難易度「イージー」では、前編でご紹介した基本を押さえれば星3つの獲得は容易なはず。しかしそれ以上の難易度ではさらに一工夫が必要だ

星3つを獲得するための条件

難易度「ノーマル」で獲得できるゴールドスター
この程度の損害でも星2つにとどまってしまうのが本作のシビアさ
かなり出来の良かったミッション。歩兵4人しか失わずにクリアして星3つ

 本作の各ミッションでは、そのクリア時のコンディションに応じて星1つ~星3つの達成度が与えられる。星の種類は難易度によって異なり、難易度「イージー」ではシルバースター、難易度「ノーマル」(実質ハードモード)ではゴールドスターを獲得できる。もちろん、最高の評価となるのはゴールドスターの3つ並びだ。

 基本的に、与えられる星の数は「与えたダメージ/食らったダメージの比率」と、「メダルの獲得数」の2つの要素によって決まる。このうち特に影響が大きいのは、やはりダメージ比率だ。一方、メダルのほうは「戦車で何度も敵の攻撃をはじく」とか、「衛生兵で何人も蘇生する」といった様々なアクションによって獲得できるが、狙って増やすというのはなかなか難しく、どちらかという偶然性に左右される要素だ。ちなみにクリア時間は評価に入っておらず、いくら時間をかけてもいい。

 ということは、星3つの評価を獲得するためには、ダメージ比率を最大限に良いものにすることが必要かつ充分な条件となる。実際の戦争でも、前線指揮官に求められるのはまさにこれだろう。あらゆる戦術理論というものも、これを実現するために存在するのは間違いない。

 それで、どの程度ダメージ比率をよくすれば星3つを獲得できるかというと、これがなかなかシビアな判定になっている。部隊の半数も失いながらクリアすれば星1つどまり。2割程度の損耗で、これはいけるか?と思っても星2つである。星3つを獲得するには、全軍のうちせいぜい1割ちょっと程度を失うレベルに被害を留める必要があるのだ。敵の主力と1回でも互角の乱戦をしてしまったらもう失敗という世界である!

 また、作戦目標に直接関係ないところで敵を撃破していくのも、確実に星3つをとるために有効な方法だ。ほとんどのミッションで、普通にプレイしていたら最後まで接触しないような位置にも相当規模の敵部隊が配置されている。こういったものも的確に潰していけば、ダメージ率がさらに向上し、多少の損害を受けても星3つを取れる可能性が高まる。

高難度での高評価クリアを目指すには、一方的に攻撃して撃破する状況を作り続ける、というのがまず大前提となる

部隊の能力を高める「ドクトリン」の活用

歩兵を強化し、様々な追加装備も付与できる歩兵ドクトリン
機甲ドクトリンは戦車の各種能力を向上。修理キットは特に便利
野戦砲の強化をはじめ、特殊砲弾や要塞化といった強化を得られる支援ドクトリン

 圧勝・完勝を目指すといっても、本作はどのミッションもかなり手強い。初見で「ノーマル」の星3つを獲得するのはまず無理だ。2~3回プレイして「わかった」と思っていたミッションでも、突然の攻撃を受けて思わぬ損害を出してしまうような状況も常にどこかに潜んでいるといっていい。思わぬ伏兵に痛い目を見せられることも日常茶飯事だ。

 そういった厳しさを多少なりとも緩和してくれるのが、「ドクトリン」という部隊強化のシステムだ。ドクトリンというのは戦術の具体的な実現にあたって何を重視するか、という考え方を示す軍事用語だが、本作でのそれはミッションスタート時に歩兵・機甲・支援のうちどれかの「ドクトリン」を選ぶという方法で再現されている。

 歩兵・機甲・支援ドクトリンの具体的な内容は陣営によって微妙に異なるが、対応する兵科の能力が強化されるのは同じ。さらに、クリア済ミッションの獲得スター数に応じて与えられるポイントを割り振ることで、各ドクトリンを強化することもできる。

 例えば歩兵ドクトリンを強化すると、歩兵に追加のグレネードやスモークグレネード、対戦車ロケット/対戦車グレネードといった追加装備を加えられるほか、弾薬数の増強、索敵の強化、医療能力の強化といったアップグレードを選択的に活用できるようになる。

 本作の中でも特に難しいミッションを完璧にクリアしようと思えば、ある程度のドクトリン強化は必須だ。特に効果の大きい、戦車や野戦砲の要塞化であるとか、歩兵装備の強化といったものは特定のミッションでは特に重要となる。このため、優先順位の高いドクトリン強化項目を獲得するために必要なポイントを、あらかじめ「イージー」モードでのクリアで稼いでおくのはとても大事だ。

防衛戦闘では、機甲・支援ドクトリンによる「要塞化」能力が極めて効果的
歩兵ドクトリンの追加装備、スモークグレネードで敵戦車を“煙にまく”

「反撃モード」を活用する

隠密行動をさせる際には必ず「反撃モード」を指定しておきたい
視界を確保した歩兵が静かにしていれば、余裕をもって後方から火力を投射できる
「反撃モード」の指定で無駄打ちを避け、対地攻撃の指示で大きな脅威を優先的に排除する

 前編でご紹介したように、消耗戦を避けるために歩兵を先行させて敵より先に視界を確保し、そこに火力を集中していくという部隊運用は高難度プレイでの基本テクニックとなる。だが、敵の反撃をもっと抑えるためにはもうひと工夫が必要だ。

 デフォルトでは、各ユニットは射程内に敵を捉えると、自動的に攻撃する「自由射撃モード」に設定されている。普通はこれで問題ないのだが、敵の配置が密集・連動していて、刺激すると積極的に応戦してくる場合、斥候として送り出した歩兵が一瞬にして潰されることがある。こうなると積極的に進んでくる敵を有利に迎え撃つことが難しくなり、ある程度の損害が避けられない。

 こうなる原因のひとつは、射撃を始めると被発見距離が伸びるためだ。斥候役の歩兵が視程ギリギリに敵を見つけた段階で単独で戦闘を開始してしまうと、敵の配置によっては1対多数で撃ち合うことになり、まず一瞬で撃ち負けて、視界が潰されることになるわけだ。

 そこで活用したいのが「反撃モード」だ。このモードに設定したユニットは、敵から攻撃を受けない限りはこちらから攻撃をしないようになる。まずは斥候役の歩兵には反撃モードを指定しておき、かなり近づいても発見されないようにしておこう。後方から火力支援を行なう他のユニットも反撃モードにしておけば、敵の歩兵1人に全ユニットが全力射撃するような無駄をなくし、より優先して倒すべき目標に対して、瞬時に火力を集中させることが可能になる。特に、射撃間隔が長い大口径の野戦砲などは、その火力を重戦車などの強敵のためにとっておくべきだ。

 高難度のミッションを星3つでクリアするためには、このような部隊運用を最初から最後まで続けることが肝要だ。

敵のユニットを奪いまくれ!

防盾つきの野戦砲は背後から襲ってクルーを倒す
無人となった敵ユニットを乗っ取って、有効に活用しよう

 戦いを有利にする秀逸な方法は、敵のユニットを奪うことだ。特に簡単に奪えるのは敵の防衛線にたいてい1個や2個はある野戦砲である。これを砲撃で破壊してしまうのはもったいない。射程の長いライフル兵と斥候の組み合わせで、側面や背後からむき出しのクルーだけを倒せば、無傷で強力な砲が手に入る。こちらの火力は増えるし、弾薬の節約にもなる。やらない手はない。

 敵ユニットを無人にすることができたら、まずは歩兵輸送車など、戦闘でほぼ役に立たないユニットのクルーを下車させて、野戦砲などに付け替えよう。あまりに大量のユニットを奪取すると、その分運用するために歩兵も割かなければならなくなるため、やりすぎは避けよう。野戦砲を6ユニットくらい奪ったらあとは破壊してしまってもいい。

 実は“敵戦車”の奪取も可能だが、非常に難しい。完全に破壊することなく敵のクルーを下車させる必要があるからだ。そのためには、まずは敵戦車のキャタピラを破壊して動きを止め、次に砲を破壊して攻撃を不可能にさせなければならないが、狙ってできるものではない。とはいえ、運良く重戦車を奪取できることもあるので、敵のクルーが車両を放棄するのを見たら本体を攻撃するのはやめて、あとは歩兵に任せるのはありだ。

ドイツ軍から鹵獲した野戦砲を並べるソ連軍。ミッションによっては、敵ユニットの奪取が前提となった難易度のものもある。
圧倒的に優勢な物量で一気に攻めると、敵部隊が降伏することも。こうなると敵戦車も無傷で手に入る

ミッション攻略:ソ連「モスクワの戦い」

このミッションでは砲撃ユニットの活用がカギを握る。支援ドクトリンがオススメ
多数の陣地を潰さなければならない。キャンペーン序盤なのにかなりハードなミッションだ
序盤はマップ左側から攻めていくのが比較的安定しやすい
中央部の教会付近にも敵部隊が展開しているので注意

 一般論はここまでにして、実際のミッションを見ていこう。まずはソ連キャンペーンの「モスクワの戦い」。開幕から2つ目という比較的序盤のミッションだが、敵が非常に多く、雑にプレイすると絶対に星3つは取れないという難しいミッションだ。

 このミッションではたくさんの戦車を使えるが、その防御力にはあまり期待しないほうがいい。敵であるドイツ軍の戦車や野戦砲も優秀で、攻撃をはじくことはまず無理なためだ。また、敵は多数の陣地に塹壕を掘って立てこもっているほか、陣地以外にも多数の歩兵が哨戒しており、普通に進軍すると視界確保で不利になる。このため、どうにかして常に一方的に攻撃する工夫が必要だ。

 一方的な攻撃を成立させるために必要なものは、これまでご紹介してきたとおり、斥候役の歩兵活用と、一瞬で敵を潰せる大火力の集中だ。このミッションの序盤では3つの防衛陣地を潰す仕事を与えられるが、ありがたいことに、どの陣地にも複数の野戦砲が配置されている。全部奪おう。

 進軍ルートとしておすすめなのは、無人のスペースが比較的広くとられているマップ左側だ。逆の右側から行く場合、ややスペースが狭いため、哨戒中の歩兵に接触した瞬間、防衛陣地からの長距離砲撃が飛んできて、余計なダメージを受けやすい。まずはマップ左側に全軍を集め、側面から攻撃をしかけていく。

 その際、歩兵部隊を森の中に入れつつ、左端の野戦砲陣地を襲撃。敵の歩兵と戦車が反応して反撃してくるので、すばやく森の奥に隠れつつ、脇に陣取らせた戦車部隊で迎撃だ。基本的にはこのような運用の繰り返しで全ての敵陣地を無傷で制圧し、弾薬を満載した野戦砲を4~6ユニット確保できる。

 その直後にマップ中央部でドイツ機甲部隊を迎撃するシチュエーションが発生するが、ここまでに全ての野戦砲を奪取していれば、火力で圧倒でき、ほぼノーダメージでドイツ軍の猛攻をしのげることだろう。

鹵獲しまくった野戦砲を並べて防衛戦闘。圧倒的火力で楽に撃退できる

中盤から参加するカチューシャ。塹壕潰しには最高だ
マップ右上の村には数両の戦車も配備されているので、「要塞化」で迎え撃つといい
空港制圧中。ちょっとタイミングが悪く、戦車部隊と撃ち合いになってしまった
街を脱出してくるドイツ軍の迎撃。ここは普通に防衛陣地を構築すれば楽勝

 防衛戦闘が終わると、作戦範囲が広がってマップ北部まで進軍できるようになる。その範囲に配置された5つの塹壕線を潰すのが次の作戦目標だが、ダメージ率を高めるためのボーナス要素的に抑えておきたいのが、作戦目標とは関係のない、マップ右上の村落だ。この村落には多数の歩兵といくつかの88ミリ対空砲が配置されている上、村の南側の森から奇襲をかけやすい。

 とはいえ進軍はいつも以上に慎重にするべきだ。88ミリ砲は本作の中でも最高にヤバいユニットであり、まともに反撃を受ければ戦車は数発で破壊され、歩兵部隊も榴弾で一気に壊滅ということがありうる。1発もらうだけでミッションをリスタートしたくなるほどだ。しかも敵の歩兵の数が多く、こちらも歩兵のみで対応すると持久戦じみた状態になって、88ミリ砲に撃たせる機会を与えてしまう。常に全軍の火力を叩き込めるよう、いい具合の距離感を保って進軍していこう。

 このミッションでは中盤に、超強力な長距離攻撃ユニットであるカチューシャが2台も援軍として追加される。ゲーム中最長クラスの射程に加えて、破壊力も抜群である。塹壕を潰すのにこれ以上適した兵器はない。ただ、弾薬の消費が凄まじく、すぐに撃ち尽くしてしまう。補給車両2台体制で張り付かせて、存分に砲撃できる状態を維持しつつ、斥候をちょっとずつ進めて、塹壕を1つずつ潰していこう。

 全ての塹壕を潰したら、最後に最北部の空港を制圧だ。かなり多数の敵戦車が歩兵とともに反撃してくるため、即応できるよう、戦車・野戦砲の火力部隊を、歩兵のすぐ後ろについていかせるようにしよう。厄介な敵の監視塔はカチューシャによる「対地攻撃」の直接指定で視界外から撃破してもいい。これで北部空港もほぼノーダメージで制圧できる。

 最後はマップ右側の道路から大量に出現するドイツ軍部隊の迎撃だ。出てくる場所がわかっているので対応は簡単。ここまでユニットをほぼ損耗していなければ、即席の防衛陣形を整えるだけで完全撃退可能である。星3つでのクリア達成だ。

援軍も加えて盤石の体制でミッションクリア
88ミリ砲の処理に手こずって歩兵を多数失ったが、星3つは達成できた

ミッション攻略:連合軍「ヒュルトゲン森の戦い」

ジークフリート線を突破する作戦。森林だらけで機甲部隊が使いにくい
というわけで、歩兵で陣地を潰していく
グレネードで敵戦車を破壊していく。深い森が守ってくれる
ひととおり戦車を潰しておけば、後々の展開がかなり楽になる

 次に米英連合軍の最難関ともいえるミッションを見てみよう。キャンペーンの第6ミッションである「ヒュルトゲン森の戦い」は、ドイツの対フランス防衛線であるジークフリート線を超えて進撃していくというミッションなのだが、地形的な理由からほぼ歩兵だけで戦う必要があるという、物量豊富な連合軍にとっては鬼門のような戦いである。

 ひとりの歩兵も無駄にしないという意気込みでミッションをスタート。第1段階はマップ左側にあるいくつかの防衛陣地の制圧だ。

 この段階で使える戦力は30名弱の歩兵部隊のみ。しかも対戦車装備もない。戦車の増援を得られるようになるまでに7両ばかりのドイツ戦車をなんとかする必要がある。なお難易度「イージー」では迫撃砲装備の歩兵が2名配備されるが、「ノーマル」ではそれもなし。このため、このミッションでは歩兵ドクトリンによる手榴弾・対戦車グレネードの装備と、弾薬増加パック、投擲距離拡大のアップグレードがほとんど必須と言っていい。

 序盤制圧することになる2つの陣地には1つずつの榴弾砲が設置されている。これらはクルーだけを倒して奪取しよう。また、これらの陣地よりも左側の森には敵の戦車・突撃砲が3両あり、さらにその上にはまた3両の戦車がたむろしている。しかもそのうち1両は名戦車パンターだ。倒さずに先に進むと、援軍到着直前の陣地攻略中にこれらの戦車が襲い掛かってくるので、序盤のうちに片付けておきたい。

 歩兵のみで戦車を撃退するための武器となるのは、森による視界の遮蔽効果と、ライフル兵が持つグレネードと地雷、サブマシンガン兵が持つ対戦車グレネードだ。投擲距離を45メートルまで伸ばすドクトリンのアップグレードをとっておけば、敵戦車の視界外から一方的にグレネードで撃破できる。

 とはいえそのグレネードの数も充分ではないため、「何発でこの戦車を倒せるか」を正確に把握した上で、極限まで節約して戦う必要がある。グレネードは動いている戦車に直撃しづらいので、止まっている状況でポーズし、投擲指示を連発してポーズ解除、一気に叩き込もう。3号突撃砲や3号戦車なら、グレネード6~7発で撃破できる。サブマシンガン兵の対戦車グレネードは4発しかないので、パンター撃破のために残しておきたい。1発で倒しきれないときはスモークグレネードで視界を遮って、森の中に撤退だ。

 もうひとつ、敵戦車の撃破に活用できるのが、奪った榴弾砲と野戦砲である。3つ目に攻略する敵陣地には、かなりいやらしい位置に88ミリ砲が配置されているので絶対に奪いたい。ところが88ミリ砲は、正面を大きな防盾で守っているため、普通に対峙してもクルーを倒すことができない。そこで、部隊を2つにわけ、挟み撃ちにする。まず1方から射撃をして刺激し、砲がそちらを向いたら、逆側の部隊で射撃を開始して、背後からクルーを倒すのだ。

 最北部にある陣地に攻撃をしかけると、さらに北部から敵戦車が1両向かってくる。この戦車は88ミリ砲で撃破しよう。その際、敵戦車がターゲットを絞れないよう、左側の森に歩兵部隊を配置しておいて、チラチラと姿を見せるとなおよし、だ。

挟み撃ちにして88ミリ砲を制圧
奪った88ミリ砲で北部から出てくる戦車を撃退

最大の難所、ドイツ主力との対決。歩兵でひきつけ、野戦砲で倒す
鬼より怖いタイガーIIも、うまく囲い込めば楽勝だ
道中いくつかある地雷原は、歩兵の射撃で破壊できる

 こうしてマップ左側の全ての陣地を制圧すると、M36ジャクソン駆逐戦車からなる4両の援軍がやってくる。それに加えて重戦車M29を主力とする戦車と歩兵・修理車両からなる部隊が追加で派遣されることがあるのだが、一定の条件を満たさないと増援が派遣されないこともある。今回はこの追加の援軍が来ず、M36を4両だけ(修理車両もなし)でミッションを進めるパターンで解説を進めていこう。

 修理車両なしで、機甲戦力はM36が4両だけとなると、もはや歩兵だけで頑張れといわれているのとほぼ同じだ。M36は攻撃力こそ優秀だが、被弾には弱く、破壊されなくてもキャタピラや砲が故障すれば捨てていくしかなくなるためだ。

 というわけでひたすら歩兵でがんばるのがこのミッションである。この先、マップ左側に向かって進撃していく。天王山となるのはマップ中央部にあるドイツ軍主力の集合地点だ。ここには大量の歩兵とタイガーIIを主力とする強力な戦車部隊がおり、さらに周囲の森には迫撃砲の部隊が複数配置されている。道中に地雷原もあるので、何も考えずにつっこむと瞬時に全滅である。

 まずは、集合地点の北側と南側の森の制圧から進めていく。斥候役を戦闘に、歩兵部隊をまとめて進めていこう。すべての迫撃砲を歩兵だけで片付け、奪取していく。慎重に進めれば、ここまでで最大8門程度の迫撃砲&対戦車砲を獲得できるはずだ。地雷原を掃除し、砲列を並べたら、戦車部隊を刺激して誘い込む。こちらのM36部隊は少し後ろに待機させ、適宜に突出させて援護。多少の犠牲は出るが、これで敵戦車部隊を撃滅できるはずだ。

 ここまでで主力の歩兵部隊が20人以上残っており、戦車や野戦砲がそれなりに残っていれば、あとはマップ右側にいる最後の敵部隊は難なく撃退できることだろう。その後、ダムを渡って敵歩兵部隊を潰せばクリアだ。ダムは車両が通れないので、全クルーを下車させて歩兵部隊に加え、数の暴力で最後の戦闘を完結させよう。

 これで星3つを獲得。連合軍キャンペーンの最難関ミッションを最高成績で制覇することができた!

星3つ獲得できる充分な戦力が残っていれば、最後の敵部隊は一気に攻めれば問題なく撃破可能
と言う形で星3つを獲得。さらに突き詰めれば歩兵の犠牲はもっと減らせるのではと思う

ミッション攻略:ドイツ軍「セダンの戦い」+弾薬不足チャレンジ

ひととおりのクリア後、さらなるやりこみ要素となるチャレンジモード。弾薬不足に挑戦
戦車にほとんど砲弾がない
物資集積地にもわずかな弾薬しかなく、戦車1両も満足に補給できない
というわけで、ライフル兵を使って敵を“暗殺”していくスタイルに

 ところで各ミッションは星3つでクリアした後に、「チャレンジモード」への挑戦が可能になる。このモードは「ノーマル」難易度に加えて、様々な制限が加わったなかでクリアを目指すというもので、本作のやりこみ要素として非常に面白いものになっているのが特徴だ。また、星3つでクリアしたミッションは、4つ目の星を獲得することもできるので、終盤のミッションで詰まったら序盤のミッションを「チャレンジモード」で挑戦してみるのも手だ。

 その一例として、ドイツ軍キャンペーンの第1ミッション「セダンの戦い」におけるチャレンジを攻略してみよう。「弾薬不足」と題されたこのチャレンジでは、戦車も歩兵も、砲弾・弾薬がほとんどない状態でミッションがスタート。道中いくつかあるフランス軍の物資集積地にもわずかな弾薬しかないので、補給もあまり期待できない。無駄弾はいっさい許されないというチャレンジだ。

 キャンペーン終盤に物資不足に苦しむドイツ軍キャンペーンの厳しさを序盤のミッションでも味わえるという趣向だが、どれくらい弾薬がないかというと、主力となるはずの4両の3号戦車に、徹甲弾・榴弾合わせて20発もないというレベルだ。補給車両もなし。普通にやったらミッション序盤に枯渇してしまう。

 このため歩兵中心で戦うシナリオとなるわけだが、その歩兵もライフル弾は50発以下、サブマシンガンの弾も200発以下しかないという状態なので、「自由射撃」でドバドバ撃ちまくるというのはもう自殺行為と言える。一方、フランス軍が多数配備している野戦砲や戦車には弾薬が満載されている……。

 と、いうわけで当チャレンジにおける攻略は、ステルスアクション並のプレイスタイルとなる。すなわち、正面戦闘は絶対に避け、クルーは“暗殺”し、奪える兵器は全て奪い、奪った兵器を主力にして戦うのだ。

 こうして、ミッション序盤の渡河作戦を実施する前に、マップ左側をくまなく匍匐前進で捜索し、すべての野戦砲を奪取するという作戦をスタート。味方戦車はスタート地点に放置。歩兵部隊は全て「反撃モード」とし、斥候が見つけた敵歩兵をひとりひとり、ライフルの一斉射撃で声をたてるひまもなく倒すというステルスプレイである。時折接触するフランス戦車には、グレネードの一斉投擲で対応する。茂みに隠れて迎え撃ち、5発程度直撃させれば破壊できるので楽なものである。

 マップ右側を制圧すると3号突撃砲が援軍として現われるが、やはり砲弾はほとんど積んでいない。何しに来たんだ? という感じもするが、なけなしの砲弾でも終盤までとっておけば役に立つ。とりあえずスタート地点に放置し、随伴してきた歩兵は前線に参加させよう。

 とはいえこの時点で、ライフル兵すら弾薬が枯渇しはじめている。南側の渡河地点のそばにある物資集積地にはちょろっと弾薬があるので、ライフル兵の弾薬を優先して補充しよう。このさい、サブマシンガン兵など射程と精度の低い兵隊は、いるだけで弾薬の無駄なので、直接戦わせるかわりに奪った野戦砲を担当させればいい。

75mm野戦砲がたくさん鹵獲できる。全部奪おう
わずかな補給物資は全部ライフル兵に使わせる

ここまでくればあとはシンプル。地道に敵陣地を潰せばいい
鹵獲した砲列と自前の戦車部隊で最後の攻撃を準備

 渡河は南側から行なう。北側の渡河地点よりも部隊を展開するためのスペースが大きいためだ。ここまで奪えるものを全て奪っていれば、弾薬を満載した野戦砲が5門と、フランスの弱そうな戦車が2両使えるようになっている。これらを中心に、対岸のフランス陣地を攻略していく。

 攻略対象として重要なのが、対岸の街の攻略だ。この街は攻略対象ではなく、通常なら適当にやり過ごす感じになるのだが、街の中心に物資集積地があり、わずかだが弾薬を補充できるので、このチャレンジでは完全確保が必須である。敵のたてこもる建物やトーチカは奪った野戦砲で視界外から破壊し、焼け野原にしてから歩兵でちまちまと制圧。それでもしばしば、弾がなくて撃てない状態の歩兵が出てくるから恐ろしい。

 さらに進軍を続け、攻略対象であるフランス要塞の攻略に着手。この時点でもはや歩兵は弾もグレネードもほぼ枯渇しているので、火力の頼みになるのは奪った野戦砲だ。4つある要塞のうち、比較的壊れやすい要塞砲陣地をまず全部壊して、最後に中央の大型バンカーに全軍を集める。ここまでスタート地点で放置していた、ドイツ軍戦車部隊にようやく出番がやってきた!

 あとは残る弾薬をすべて敵バンカーにぶつけて勝利。筆者のプレイの場合、この時点で歩兵は全ての弾を打ち尽くし、視界確保以外にやることがなくなっていた塩梅だ(笑)。

節約に節約を重ねた最後の砲弾をすべてバンカーにぶつける。スカッとする瞬間
クリア時点でちょっとは(砲塁1個潰せる程度)砲弾が残っていたので、もう少し楽をしてもよかったかも

おわりに

 というわけで今回は、本作の中でも最難関のミッションおよびチャレンジを攻略してきた。ここまで本作をマスターすれば、プレーヤーの脳裏には新たな作戦・戦法が次々に浮かび上がり、あらゆる戦況に対して最適な対応策を見出すことができるだろう。智謀湧くが如し!という万能感に酔いしれつつ、また新たな戦いに挑戦していこう。

 こうして鍛えた“戦術脳”は、本作だけでなく、他のゲームをプレイする上でも役に立つはずだ。あらゆる状況において、様々な戦術上の選択肢があり、工夫次第で多彩な戦法を編み出せるということを、本作で学んだからだ。本作をしっかりとプレイしたあとには、別のゲームにも、これまでと違ったゲームプレイの可能性が広がっていることに気がつくことができるかもしれない。

 “戦術脳”を鍛え、あらゆるゲームをもっと深く楽しもう!