【特別企画】
【ゲーセンの法規制】マンガで振り返るゲーム業界:改正風営法が施行された日(1985年2月13日)
2025年2月13日 00:00
![](https://asset.watch.impress.co.jp/img/gmw/docs/1660/242/11.jpg)
1985年2月13日に、前年に国会で可決された改正風俗営業法(改正風営法)が施行された。
同法によってゲームセンターが新たに規制の対象となり、夜間の年少者の立ち入り禁止、深夜営業の禁止、遊戯の結果に応じた賞品提供の禁止、営業地域の制限など、オペレーター(ゲームセンターの経営者)は数々の制約を受けることとなった。
筆者は当時ド田舎に住んでいて、新製品をコンスタントに入荷し、深夜も営業する「本格的な」ゲームセンターは1軒もありませんでした。なので改正風営法の存在も、その影響を受けた実感もまったくなかったですね。
ただ、近所のスーパーの一角にあった子供向けのゲームコーナーには「16歳未満の方は、午後6時以降はご入場できません」などと書かれた札が、ある時期から貼られていたように記憶しています。もっとも、この店では以前から6時になるとオジサンが筐体の電源をすべて切って閉店してしまうので、実質的には改正風営法と同じルールで営業していたのですが。
後に自身がゲームセンターに勤めるようになり、やがて店長を任されたときには、風営法による規制の厳しさを身をもって体験しました。上記の年少者の夜間の入店規制だけでなく、従業員名簿の作成や風営法遵守の指導、所轄警察署への店舗図面ほか各種書類の提出に講習会の受講……。ほかにも禁止、遵守事項がいろいろあって、面倒なことこの上なしです。
ちなみに現在では、2016年6月23日に施行された改正風営法により、保護者同伴であれば16歳未満でも22時まで入店が可能となりました。しかし、茨城県や鳥取県など一部の都道府県では独自の条例を施行し、40年前と同様の規制を今なお続けています。ゲーセンが「不良の温床」などと呼ばれた暗黒時代はとっくに過ぎ去ったように思われますが、これらの地域で昭和時代の規制を頑なに変えようとしないのはいったいナゼなのでしょうか……。
不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事を、マンガでユル~く、かつ真面目にふりかえるコーナーです。
絵:橘 梓乃
ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。
テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)