【特別企画】

「ホロライブ」メンバーも大盛り上がり! 配信界隈で流行する「Liar's Bar」の面白さはどこにあるのか

心理戦×運ゲー×顔芸の融合によって名シーンが続々誕生!?

【Liar's Bar】

10月2日 早期アクセス開始

価格:800円

 今、配信者たちの間で大きな盛り上がりを見せているゲームがある。10月2日にSteamで早期アクセス版としてリリースされた「Liar's Bar」だ。

 同作はオンライン上でマルチプレイを行なうテーブルゲームで、読み合いや駆け引きに満ちた心理戦に、スリリングな“運ゲー”の要素を融合したユニークな作りとなっているのが特徴だ。Steam上では11月1日時点で約1万1,000件のレビューで86%から好評を獲得しており、ステータスは「非常に好評」となっている。

 では一体同作の何が面白いのか、とくに配信者たちの間でなぜブームが起きているのか……。本稿では人気の理由を紐解きつつ、実際に配信上で生まれた名シーンの数々についても紹介していきたい。

「Liar's Bar」ってそもそもどんなゲーム?

 同作は動物のようなキャラクターたちが、命をかけた騙し合いを行なうという内容。最大4人で1つのテーブルに付き、カードやダイスを用いたゲームに興じていく。

 現在実装されているゲームは2種類あり、まず「ライアーズデッキ」はトランプゲームの「ダウト」に近いルールだ。各プレーヤーが順番にカードを出していくという流れで、カードの種類はキングとクイーン、エースがそれぞれ6枚ずつと、ジョーカーが2枚。そして各ラウンドごとに“場に出していいカードの種類”が決まっており、たとえばキングを指定されているラウンドの場合は、キングもしくはオールマイティな役割を果たすジョーカーを出すことになる。

 ただしこうした前提の上で、各プレーヤーは“嘘”を吐くことも可能。指定された種類以外のカードを、何食わぬ顔で場に出せるのだ。しかし次のプレーヤーは前のプレーヤーを「嘘つきだ!」と告発する権利をもつので、そこで嘘を見破られてしまえばペナルティを与えられる。逆にその告発が間違っていれば、告発した側にペナルティが向かう。

 ところがここからが同作のユニークなところで、ゲームの勝敗は嘘を見抜くだけでは決まらない。ペナルティの内容が、運任せのロシアンルーレットだからだ。1発だけ弾が入ったリボルバーを自分の頭に当てて引き金を引き、運悪く銃弾が放たれた場合に敗北となる。確率的には6分の1だが、弾倉はリセットされないので何度もペナルティを受けるたびに銃弾を浴びる確率は増えていく……。

 もう1つの「ライアーズダイス」は、ダイスを使った騙し合いゲームだ。各ラウンドごとに全員が5個ダイスを振った後、1人ずつその結果を予想していくというルールで、たとえば「5の出目が3つ」といった具合に、場に存在する出目の数を“入札”していく。

 この入札が正しいかどうかは誰にも分からないが、次のプレーヤーは前のプレーヤーに対して「噓つきだ!」とコールできる。そして入札が正しければコールした側、入札が間違っていればコールされた側がペナルティとして毒薬を飲み干すこととなり、これを2回繰り返すとゲームオーバーとなる。

 さらに「ライアーズデッキ」には「デビルルールセット」、「ライアーズダイス」には「伝統的ルールセット」という追加ルールがそれぞれ用意されている。今後、新たなゲームの追加も予告されているので、さらに遊び方の幅が広がっていきそうだ。

多くのプレーヤーが魅了されるのはなぜ? 心理戦と運要素、そして顔芸

 「ダウト」はもちろんのこと、「スカル」や「ごきぶりポーカー」など、お互いに嘘を吐き合う心理戦ゲームには色々な種類がある。「Liar's Bar」もそんなゲームの一種ではあるものの、特殊なのは各プレーヤーが動物アバターを操る形をとっていることだろう。

 いわば“ゲーム内ボドゲ”とでも言うべき構造で、ゲーム内でカードゲームを繰り広げていく名作「Inscryption」にも近い。嘘を見破られるたびにリボルバーの引き金を引くという仕掛けによって、独特の臨場感が生まれている。

 しかも動物たちはどこか滑稽な見た目をしている上、首があちこちに動く。相手をじっと見つめて圧をかけたり、あえて小刻みに震えて動揺をアピールしたりと、ユーモアたっぷりなコミュニケーションをとることが可能で、“顔芸”的な面白さを生んでいる。

 他方で「ライアーズデッキ」に関しては、心理戦にロシアンルーレットという運要素を加えているのが大きな特徴。これによって騙し合いが“ガチ”になりすぎないパーティーゲームに変貌しているため、幅広い層に受けているのではないだろうか。

まさかのバッドラックにファンとの交流……さまざまな配信で生まれた名シーン

 「Liar's Bar」はユニークな要素がてんこ盛りのゲームだが、だからこそ配信界隈で大きな盛り上がりを見せている。実況中に、いわゆる“撮れ高”が生まれやすいからだ。

 たとえば10月22日に配信された「にじさんじ」の倉持めるとさん、ソフィア・ヴァレンタインさん、石神のぞみさん、獅子堂あかりさんによる実況では、ロシアンルーレットによって思わぬドラマが演出されていた。

 「ライアーズデッキ」の1試合目。4人は一進一退の勝負を繰り広げるものの、それぞれが“豪運”を発揮し、まったく銃弾が発射されない展開に。獅子堂さんは4回、ソフィアさんと石神さんに至っては限界ギリギリの5回まで引き金を引いたにもかかわらず、銃弾が発射されていなかった。

 そんな中、まだ2回しかペナルティを受けておらず、もっとも優勢だった倉持さんが、不運にも4分の1の確立を引き当ててしまい真っ先に脱落。周囲から「雑魚」と囃し立てられ、石神さんからは「もってるねえ君」と煽られるという不憫すぎる末路を辿ることとなった。

【【Liar's Bar】#がぶっく 嘘も本当にしちゃえばいいね^^そうだね勝てばいいね^^告知も!?ある!?【倉持めると/にじさんじ】】

 また同作の場合、複数人によるコラボ配信の面白さだけでなく、ソロ配信でも見どころが生まれやすい。とくにリスナー参加型の実況プレイでは、“顔芸”によるコミュニケーションという他では見られない光景が実現している。

 さくらみこさんが10月23日に行なった配信では、リスナーたちを招待した部屋を作り、「みこが最推しって感じのメンバーで合ってるよね?」「ちなみにみこのライブに来るって人いる?」などと雑談しながらゲームをプレイ。リスナーたちはボイスチャットを付けず、ゲーム内の首振りと目線だけでその質問に答えていった。

 ほとんどのリスナーが熱心なさくらさんのファンだったようで、ある場面では「みこのことどのくらいから知ってるの? 古参?」「復帰ライブ前から知ってる人いる?」といった質問に3人中2人が首を縦に振っていた。しかし最近ファンになったらしき1人は、気まずそうに顔を伏せてリアクション。さくらさんは爆笑しながら「全然いいんだよ昔からじゃなくて!」とフォローしていた。

 また別の場面では、なかなか視線を合わせようとしないリスナーたちに対して、さくらさんが「ねえみんな目反らすのやめて。目合わせながらやろうよ。せっかくここで出会えたんだからさあ」と一喝。次の瞬間、豚のスキンで揃えているリスナーたちが、一斉にさくらさんの方を凝視するというシュールな光景が生まれてしまう。さくらさんはたまらず笑い出しつつ、「違うって、みこに目合わすんじゃなくてお互いに目合わせてこうって話!」「こっち見ないで」とツッコミを入れていた。

【【 Liar's Bar 】視聴者と言葉の要らない命のギャンブル!!!!!にぇ!!!!!【ホロライブ/さくらみこ】】

 同じく「ホロライブ」の大空スバルさんも、リスナーたちを招いて交流を行なっていたが、その中で意外な展開を迎えることに。リスナーたちに対して、自身のファンである“スバ友”かどうかを尋ねたところ、全員に否定されてしまったのだ。

 しかもその後、3人全員がさくらさんのファンである“35P”であることが発覚。大空さんは「35Pじゃねーか!」「35Pのオフ会に紛れ込んだだけじゃん!」と思わず声を張り上げていた。

【【#生スバル】ソロliar's barやるしゅばああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ:liar's bar【ホロライブ/大空スバル】】

 また戌神ころねさんの配信でも、“自分のことを一番に推していないファン”が一堂に会してしまう瞬間があったのだが、戌神さんはそこから果敢に攻めていく姿勢を見せた。「ホロライブ箱推しの人は頷いて」と前置きした上で、「ころねは何番目?」と尋ねていったのだ。

 そこで3人のリスナーのうち2人は、空気を読んだのか「2番目」の時点で首を縦に振ったのだが、もう1人に関しては何度呼びかけても気まずそうな反応しか返ってこなかった。最終的には「7番目」まで到達しても首を振らなかったため、戌神さんは「もうやめようか」と諦めの姿勢に。

 そして「なんで今日遊びに来たんだよ!」「このゲームやりたかっただけだろ絶対」とツッコミを入れたところ、プレーヤーの1人がすかさず首を縦に振り始めるのだった。

【【Liar's Bar】視聴者と命を懸けたギャンブルや!!!!!】

 こうしたやりとりが盛り上がるのも、愛嬌のある動物のアバターと、眺めているだけで笑えてくるシュールなモーションが実装されているからこそ。「ホロライブ」の配信では、同作のポテンシャルが存分に活かされていると言えるのではないだろうか。

 このほかにもVTuberに限らず、さまざまな配信者たちが同作の実況を行なっており、たとえばレトルトさん・キヨさん・牛沢さん・ガッチマンさんのプレイ動画は100万再生を突破している。配信界隈でちょっとしたムーブメントになっていることは確かだろう。

【【4人実況】嘘つきの動物たちが命を賭けて騙し合うデスゲーム『Liar’s Bar』】

 そうした流れがゲーム自体の流行に拍車をかけている側面もあるようで、Steam上のレビューでは、配信者に影響されてゲームを始めたという人の姿も見受けられる。今後、さらなる盛り上がりに期待できそうだ。

 ただし1点だけ注意点を付け加えておくと、同作はまだ日本語がサポートされていない。シンプルなゲームなのでほとんど進行に支障はないはずだが、新たに始める際にはあらかじめルールや操作方法などを調べておくことをオススメしたい。

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