【特別企画】

【今日はなんの日?】マンガで振り返るゲーム業界:「グランド・セフト・オートIII」が神奈川県のゲームソフト有害図書類に指定・告示される(2005年6月7日)

 2005年5月30日、神奈川県児童福祉審議会は「グランド・セフト・オートIII」を県青少年保護育成条例に基づく「有害図書類」に指定。翌6月7日に告示され、県内での18歳未満の青少年への販売が禁止された。

 国内では、2003年にカプコンから発売されていた本作は、CERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)区分では「18歳以上対象」に指定されていたものの、作中に殺人や暴力などの残虐表現が多く登場することから、同児童福祉審議会で18歳未満の青少年への販売禁止を県に答申することを決定し、有害図書類の指定へとつながった。

当時について

 過去には、1992年にPC用クイズゲーム「電脳学園」(ガイナックス)が、宮崎県から有害図書に指定(※ゲームの展開によって、登場するキャラクターが脱衣する要素があるためと思われます)されたケースがありますが、残虐性を理由に行政側がゲームソフトの販売を規制したケースは、本作が初めてとなります。

 この流れを受けてCEROでは、新たに18歳未満のユーザーには販売を禁止(※販売店による自主規制)する「Z区分」を設けました。またCESA(コンピュータエンターテインメント協会)では、同年7月19日に「ゲームソフトの販売自粛」に関する記者会見も実施しました。

「今日は何の日?」とは

 不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事をマンガでふりかえるコーナーです。

絵:橘 梓乃

 すでにライターデビューから30年が経ちましたが、自身初となるマンガ企画を当GAME Watchにて担当させていただくことになりました。今後もゲーム業界の歴史をユル~く、かつ真面目にご覧いただけるネタをいろいろご用意したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。

テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)