【特別企画】
イタリアの太陽を感じるソウルライクアクション「Enotria: The Last Song」体験版プレイレポート
仮面によるビルドの切り替えが鍵
2024年5月17日 00:00
- 【Enotria: The Last Song】
- 発売日: パッケージ版 8月予定
- ダウンロード版 9月19日予定
- 価格:
- スタンダードエディション 7,150円
- デラックス・エディション 8,778円
セガはイタリアのJyamma Gamesが開発するプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC用ソウルライクアクションRPG「Enotria: The Last Song(エノトリア:ザ ラスト ソング)」を8月に発売する。
本作は、イタリアの伝承に基づいた世界を舞台に展開されるソウルライクアクションRPG。ソウルライクとは、フロム・ソフトウェアの「Demon's Souls」や「DARK SOULS」シリーズなどに影響された高難易度のアクションゲームを指しており、本作はソウルライクの基本となるアクションに加え、仮面を付け替える独自のビルドシステムが特徴的な作品となっている。
今回はそんな本作の5月22日にリリースされる体験版を一足先にプレイする機会をいただいた。体験版では、本作の序盤をプレイすることができ、アクションやシステムの一部を楽しめた。
なお、体験できたのは英語版となるため、日本語版では用語が異なる可能性がある。また、Steamストア上ではコントローラー未対応との表記があったが、PS5コントローラーでも問題なくプレイすることができた。
独特の世界観を舞台としたソウルライクアクション
本作の舞台となるのは「カノヴァッチオ」と呼ばれる邪悪な演劇に囚われた世界。プレーヤーは与えられた役割のない「変化の仮面」となり、世界を救うために各地にいる劇作家と戦うこととなる。
ソウルライクのゲームは、薄暗く陰鬱な雰囲気のフィールドが舞台になることが多いイメージだが、本作では日光が差し、海岸や、ひまわり畑などの自然豊かなイタリア風のロケーションが広がっている。BGMもどこか陽気さを感じさせるものが多く、崩壊した世界という設定とのミスマッチさが逆に不気味で、本作の独特の雰囲気を産み出してしている。
そんな独自の雰囲気を持った本作だが、アクションはソウルライクらしく、様々な武器による攻撃と、回避やパリィといったアクションを駆使して敵の攻撃を捌くことが重要な高難易度の「死に覚えゲー」となっている。雑魚敵の攻撃も非常に痛く、気を抜くと簡単に死んでしまう。対複数戦では視界からの一撃でやられることも頻繁にある。攻撃や回避をすると減っていくスタミナを管理しながら戦う必要があるなど、ソウルライクらしさを感じさせるシステムは一通り揃っている。
なお、本作では、攻撃を加えたりパリィを決めることで敵のライフの下にある青いゲージを増加させることが可能。このゲージを最大まで溜めることにより、敵の体勢を崩し、強力な一撃(リポスト)を加えることができる。リポストを決めると覚醒状態に入り、後述する仮面の固有効果を発動させることが可能となる。
パリィを決めた瞬間相手の体勢を崩す訳ではないので、連続パリィを求められる場面も多いが、敵のモーションさえ把握していれば成功率も上がってくる。雑魚敵相手には先制攻撃から連撃を加え、リポストまで叩きこむことも可能だが、ボス戦ではそうもいかないので、しっかりと攻撃モーションとパターン観察をし、的確に対処することが必要だ。特にディレイをかけてくるタイプの攻撃はパリィが難しいので、トライ&エラーを繰り返しながらタイミングを掴んでいくことが求められる。
このように本作の基本的なアクションは、「ソウル」シリーズや「SEKIRO」といった作品の基本的な部分をしっかりと抑えているという印象で、この手のゲームを経験したことのあるプレーヤーなら、違和感なくプレイできるものとなっている。
なお、今回プレイした体験版では、フィールド上でのサイドクエストなどは存在せず、オープンワールドではなく一本道的の進行となった。ソウルライクで一本道となると、「難所を一旦後回しにして他の場所でレベリングをする」といった攻略ができなくなるため、本作の進行の仕方や難易度調整は気になるポイントだ。また、ステルスキルや落下致命なども存在しておらず、こうした要素が製品版で実装されるかも注目だ。
3種のロードアウトを切り替えられる「仮面」システム
そんな本作の特徴的なシステムが、「仮面」を切り替える事でプレイスタイルを変えられるビルドシステムと、メリット・デメリットをそれぞれ有する4つのエレメントだ。
仮面は、敵を模した衣装のような装備品で、仮面毎にステータスと能力が設定されている。例えば「Mask of Change」は強攻撃の威力を上昇させ、リポストを使用することで発動する覚醒状態中は最大体力も増加させる、近接戦闘向けの仮面だ。「Piercing Wit Mask」は遠距離スキルのダメージを上げ、覚醒中に敵を倒すと遠距離スキルのチャージを回復する遠距離戦闘向けの仮面、といった具合に、プレイスタイルや状況に合わせて仮面を切り替えて戦うことで戦闘を有利に進めることができる。
また、本作では仮面・武器・スキル・パーク・アイテムを自由に組み合わせたロードアウトを3種類まで設定でき、フィールド上で自由に切り替えながら探索を進めることが可能となっている。
ロードアウトの設定は道中の休憩スポット(所謂「かがり火」)で設定が可能。また、休憩スポットでは敵を倒した際に手に入るポイントを使用してレベルを上げたり、パークを開放したりといったこともできる。
レベル上げはステータスにポイントを振るタイプのもので、体力の最大値を伸ばし近距離戦闘を強くしたり、賢さを上げて魔法のスキルの威力を上げたりと、自由なステータス振りが可能。装備の中には必要なステータスが定められているものもあるので、見た目が気に入った武器を手に入れたら、それを装備できるようにステータスを上げていくといったプレイも可能だ。
ちなみに筆者は、とりあえず体力に全てのポイントを振る安定志向でゲームを進めた。それでもボス戦では一撃一撃が強力で、即死することもあったが、道中の敵に殺されることはほとんどなくなった。
パークはステータスを単純にアップするものや、スキルに特殊な効果を付与するもの、回復アイテムの効果を上昇させるものなど、多種多様な効果を持っている。また、「マスクライン」と呼ばれるスキルは、敵を攻撃することでチャージされ、発動することで強力な一撃を放ったり、遠距離魔法のような攻撃を放てるもので宝箱等から手に入る。仮面の効果と相性のいい武器、パーク・スキルを装備することで、より何かに特化したロードアウトを作ることができるはずだ。
今回のプレイでは入手できる仮面や武器、パークの数が限られていたため、何かに特化したビルドを切り替えながら冒険するとまではいかなかったが、敵の集団が見えたら剣とメイスを装備したロードアウトで小回りが効くようにしたり、強敵との戦闘前には強力なリポストを放てる大剣と、防御向けのパークを装備したものに切り替えたりといった風に、状況に合わせて武器の種類やパークを瞬時に切り替えて戦えるのは便利だ。ゲームが進行し、装備できる武器の種類が増えてくれば、より仮面の切り替えを活かした立ち回りが可能になるだろう。
ただし、あくまでキャラクターのステータス振りはロードアウト単位ではなく、キャラクター単位で行なうため、筋力特価のロードアウトと魔力特化のロードアウトをそれぞれ作る。といったことは不可能となっている。この点に関しては装備やパークの種類が豊富でなければ、結局ビルドの幅がそこまで広がらない可能性があるため、装備の充実には期待したい。
4種の元素を使いこなせるかが鍵
本作のもう1つの特徴的な要素が4種の元素。こちらは、メリット・デメリットをプレーヤーにもたらす属性エンチャントとも、状態異常ともとれるものとなっており、敵の攻撃やフィールドのオブジェクト、こちらのスキル等によって付与される。
元素の種類と効果は、与ダメージとスタミナ回復を上昇しする代わりに被ダメージも上がる「Vis(ヴィス)」、エレメントパワー(元素が持つ力)を上げるが、攻撃してきた相手が回復してしまう「Fatuo(ファトゥオ)」、自身、敵ともに徐々にダメージを受ける病気を発生させ、感染を広げていく「Malanno(マラーノ)」、時間経過でライフを回復するがダメージを受けると爆発を引き起こす「Gratia(グラツィア)」となっている。自身だけでなく、敵にもメリット・デメリットの双方を与えるため、これを考慮して戦闘をする必要があるだろう。
また、スキルやアイテムの中には自身に元素を付与するものや、その効果を強めるものも存在する。ボス戦で「Vis」を発動させ、ハイリスクハイリターンな戦いを挑むといったプレイも可能だ。
以上のように本作は、ソウルライクの基本的なアクションと、トライ&エラーを繰り返すシビアな楽しさを抑えつつ、仮面によるロードアウトの切り替えや元素といった独自のシステムが光る作品となっている。
体験版では序盤のみのプレイではあったものの、本作のポテンシャルを十分に感じることができた。武器やアクションの幅広さがどの程度が、探索の自由度と難易度のデザインはどうなっているのかなど、気になるポイントはあるが、イタリア文化を感じさせる独自の世界観とBGMの質の高さや、独自のシステムによる自由度の高いプレイには期待できる作品だ。気になった読者は是非、体験版をプレイしてほしい。
“Enotria” is a trademark of Jyamma Games S.r.l. All rights reserved.
“Jyamma Games” is a registered trademark of Jyamma Games S.r.l. All rights reserved.
(C)2024 Jyamma Games (C)Enotria: The Last Song.
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