【特別企画】

もう1つのフランス革命!? フランス産ソウルライクRPG「スチールライジング」

マリーアントワネットの機械人形が、民衆のために戦う!

【スチールライジング】

9月8日発売予定

価格:7,920円(税込)

 3gooが9月8日に発売を予定しているPS5向けアクションRPG「スチールライジング」は、その世界観が大きな魅力の作品だ。価格は7,920円(税込)。開発はフランスのSPIDERS。本稿では6月10日、11日に開催されたハピネット流通商談会・体験会での試遊バージョンの感触を伝えたい。

【スチールライジング(Steelrising)│ストーリートレーラー】

 本作の最大の魅力はその世界観にある。本作の舞台は18世紀のパリ。支配者ルイ16世は自動人形(オートマトン)の軍隊を作り上げる。"時計仕掛けの王"とまで呼ばれるようになった王は、圧政にあえぎ革命を志す市民達を血祭りに上げていく。パリのテュイルリー宮殿には反乱分子の首が並べられ、その恐怖はフランス全土を覆っていた。

マリー・アントワネットの自動人形(オートマトン)アイギスが、もう1つのフランス革命を行なう

 この狂った王とパリの惨状に王妃マリー・アントワネットは心を痛めていた。しかし王はサン=クルーの屋敷に王妃を軟禁してしまう。王妃は自分の護衛に用意されたオートマトン・アイギスに屋敷から抜け出し、パリに住む人形技師ヴォーカソンを訪ねるように命じるのだった……。

 「スチールライジング」の主人公はマリー・アントワネットのオートマトン・アイギス。彼女は元々は宮廷の娯楽人形だったのだが、王により刃物や大砲を取り付けられ全身が凶器となってしまった。彼女はスタート時点では従順な機械人形だが、街に出て革命を巡る旅を経る中で、徐々に自我を芽生えさせ、歴史の中で大きな役割を果たすという。本作はアイギスの戦いを通じ、「もう1つのフランス革命」を描いていくのだ。

【舞台はパリ】
緻密に描き出された18世紀のパリの街が舞台となる

 本作は「ダークソウル」や「ブラッドボーン」に影響を受けた"ソウルライクRPG"にカテゴライズされる1本。敵は強力で、プレーヤーは敵の位置や出現パターンを把握しながら、攻撃を回避、的確にこちらの攻撃を当てていく。高難易度のゲームを攻略法を見つけながら進んでいく、駆け引きの楽しさを前面に出したゲームだ。ゲームのうまい人は反射神経と戦略を頼りに進められる。アクションが苦手な人も被ダメージなどを細かく調節できる機能があるので、世界観やストーリーを楽しめる。

 やはり本作の最大の魅力はその世界観にある。フランスの開発者が描く「もう1つのフランス革命」というテーマは大きな魅力だし、史実では革命で処刑されてしまうマリー・アントワネットが民衆の苦難に心を痛めていたという点も興味深い。なによりオートマトンに支配されたパリの街というところが面白い。開発スタッフは18世紀のパリを緻密に表現している。このパリを舞台にオートマトン達の戦いが繰り広げられるのだ。

 オートマトン達は"異形"という言葉がぴったりな不気味な姿の者達ばかり。彼らの攻撃を見切り、隙を狙って攻撃を加えていく。アイギスが使う武器は巨大な剣や、2つの刀、手にはめるカタールのような短刀など様々。試遊バージョンでは氷の弾を撃ち出すマスケット銃のような拳銃も使えた。数発打ち込むと敵が凍るので、そのすきに武器を持ち替え大ダメージを与えるといった方式だ。

【異形の者達の戦い】
オートマトン達の戦いはクリエイターのセンスの見せ所

 戦闘は駆け引きを要求されるのでやりこみがいがある。なにより「オートマトン同士の戦い」という独特の雰囲気が面白く、どんなデザインのオートマトンに出会えるのか、そいつがどんな攻撃を繰り出すのかが面白い。パリの街の描かれ方にも興味がわく。フランス人開発者がどんな世界観を作り、どういったゲームに仕上げたのか? まさに"洋ゲー"ならではの面白さを持った作品と言えるだろう。オートマトンであるアイギスは「人形故に炎に弱い」といった解釈も入っていて、設定をゲーム性に活かしている点も注目したい。

 キャラクターの挙動、特にジャンプアクションなどにちょっと堅さも感じられアクションゲームの開発の経験がまだ慣れていないのかな、と感じさせる部分もあるが、「俺たちだけにしか作れないゲームを作ろう」という強烈なパッションも感じる。世界観やストーリーが気になるゲームであり、ストーリー重視のファンのために難易度を調整できる点も気に入っている。触ってみたくなる作品だ。

【アートワーク】
世界観は大きな魅力