【特別企画】
「FFXI」22周年! 長年冒険してきた筆者が初心者・復帰者向けに(独断と偏見で)各コンテンツを熱く語る!
古参冒険者が現在のヴァナを3年ぶりに語る最新レポート
2024年5月16日 00:00
- 【ファイナルファンタジーXI】
- 正式サービス中
- 利用料金:1,298円(税込)より
本日2024年5月16日、「ファイナルファンタジーXI」(以下「FFXI」)が22周年を迎える。2002年、コンシューマゲーム初のプレイステーション 2用MMORPGとしてスタートした本作は、20年以上もの長きに渡って実に数多くの伝説を作り上げてきた。また昨年は「ヴァナ・ディールの星唄」以来5年ぶりとなる新作ストーリー「蝕世のエンブリオ」がついに完結。夏から年始にかけては展示会「ヴァナ・ディールの秘蔵展」や朗読劇「ファイナルファンタジーXI 異聞のウタイビト」などのリアルイベントが開催されるなど、現在でも話題が尽きない。
そして2024年7月2日発売の「ファイナルファンタジーXIV」新拡張パッケージ「黄金のレガシー」では「FFXI」とのコラボとなる新アライアンスレイド「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」の実装が待っていることもあって、近年では光の戦士たちからもヴァナ・ディールへの注目度が急上昇している。
本記事では「FFXI」22周年を記念し、長年にわたって本作をプレイしてきた古参冒険者が、3年ぶりに現在のヴァナ・ディールをレポートする。22年という長大な歴史を持つ「FFXI」が現在ではどのようになっているかを、現役の冒険者はもちろん、新規に始めた初心者や久しぶりにヴァナへ戻ってきた復帰者にも改めてお届けする。
3年経っても現在のヴァナを満喫中です
前略。
ヴァナ・ディールの冒険者の皆さん、お元気ですか? ヴァナライフを楽しんでいますか? 私は元気です。
3年ぶりのご無沙汰です。……ってもう前の記事のことなんぞ誰も覚えていないですね。前回、前々回では7年ぶりにヴァナに復帰したプレーヤーが右往左往する様子をお届けしてしまいましたが、そんな貧弱だった自分も今では立派な冒険者に……果たしてなれたのだろうか……。
「FFXI」も今年で22周年を迎えますね。ほんとうにおめでたい。……ってもう22周年ですか!? なんかついこの前20周年を祝ったばかりの気がするんですが!? 私も22年前はもっと若、、、ゲフンゲフン。……ええと3年ほど前、「蝕世のエンブリオ」実装を機に7年間の休止からヴァナへと復帰した自分ですが、あれからも細々と「FFXI」をプレイしていました。さすがに3年も経ったので、もう自分も復帰者だとは言えないですな。この3年間、本当に色々なことがあったなぁ……(遠い目)。
最近では新規に冒険を始める人や、久しぶりに復帰した元冒険者の人も増えてきているようで、3年前の自分のように現在のヴァナに戸惑う人もちらほら見受けられるようだ。そこで、そんな元・復帰者である自分がこの3年間、どのように冒険してきたかを各コンテンツごとに紹介していく。新規に始めた初心者や自分のように休止から復帰した元冒険者は、ぜひ反面教師参考にして頂きたい。
なおご存じの通り「FFXI」には膨大なコンテンツが存在し、その全てに触れていくとさすがに大変なことになる。基本的に「アドゥリンの魔境」以降に実装されたコンテンツレベル(以下CL)に対応したものを中心に紹介しているのでご了承頂きたい。
コンテンツの解説については、一部のNPCの名称などある程度進行しないと判明しないものにも触れているので、その点も留意して頂ければと思う。また初心者や復帰者に最もオススメしたい「ヴァナ・ディールの星唄」に関しては、以前の記事で触れているのでそちらも参照して頂ければ幸いである。
みんな大好きアンバスケードで装備を強化「アンバスケード」
アンバスケード(以下アンバス)は月替わりで討伐対象が変更されるバトルコンテンツで、クリア報酬としてホールマークやガラントリーなどのポイントを得られる。各ポイントは武器や防具(いわゆるアンバス装備)、およびそれらの強化素材と交換することが可能だ。またデュナミスで得られる旧貨幣や、ヘヴィメタル、アレキサンドライトライトなどRMEA(※)と呼ばれる伝説の武器群を強化するための素材などとも交換できる。そのため初心者や復帰者はもちろん、金策や武器強化のために中~上級者も含め多くの人で賑わっているという、非常に人気が高いコンテンツだ。
※ レリックウェポン、ミシックウェポン、エンピリアンウェポン、イオニックウェポンの頭文字を取ったもの。そのうちここにプライムウェポンのPが加わりそうで怖い
アンバスケードは2種類あり、主にソロ向けの「アンバスケード」(以下第二章)とパーティ向けの「アンバスケード-エキスパート」(以下第一章)があり、それぞれ“とてもやさしい”から“とてもむずかしい”の5段階に難易度が分かれている。また得られるポイントのうち、ガラントリーはパーティを組んでいないと入手することができない(フェイスは不可)。
エミネンスで交換できるIL(アイテムレベル)117の装備や東アドゥリンのピースキーパー・ワークスで同盟戦績と交換できるIL119の装備群(古式武器・防具というそうな)を入手した後、初心者や復帰者が次に目指すべきは、このアンバスケードで装備を揃えることだろう。
自分も復帰直後、知り合いから「まずはアンバスに行くといいよ」と勧められて、頑張って通ったものだ。というか、現在も頑張って毎月通っている。しかし当時はまだぜんぜん装備が整っていなかったので、第二章のとてやさをソロでクリアし、ホールマークをちまちまと稼ぐしかなかった。そもそも第一章の募集はとてむずばかりで、やさやふつう、あるいは第二章の募集はほとんど見かけることがなかったのだ。
これではイカン、とてむず募集に参加してもっとホールマークやガラントリーを効率よく稼ぎたい! しかしそのためには装備の強化が必須で、もっと多くのホールマークが必要になるという……。ホールマークを稼ぐために、ホールマークが必要になるというこの矛盾。「FFXI」ってたまにこういうことありますよね、メリポPTで稼ぎたければまずはメリポを振ってから参加しろ、とか。
そんなわけで、自分が第一章とてむずに参加するために選んだ手段とは……、召喚士のミシックウェポン・ニルヴァーナを作成する、というもの。最近では前衛もだいぶ強くなってきたこともあり、また各種調整の結果耐性が導入されてあまり見ることがなくなってきたが、当時は召喚士のスペシャルアビリティ「アストラルパッセージ」による連続攻撃で瞬殺する、という戦法が大流行していた頃だったのだ。
復帰して間もない自分にとっての初めてのRMEAが、よりにもよって一番制作難易度が高いミシック、それも召喚士のニルですよニル!? ……まあ、いかに当時の自分がホールマークを欲していたのかが分かるというものではある。ニルヴァーナと言えば、召喚士を極めたいと思う者ならぜひとも欲しい逸品だ。ミシックウェポンにはアフターマス(AM)のLv3に「時々2~3回攻撃」の効果があるのだが、ニルヴァーナはこのステータスが呼び出している召喚獣にも適用されるという特徴がある。つまりAM3でパッセした場合、召喚獣の時々2~3回攻撃を連続してたたき込むというとんでもないことができるわけだ。
ちなみにニルヴァーナ制作を決意したのが2020年の12月頃、そして完成したのが翌2021年の2月終わり。もちろん前述の状況だったので、アレキサンドライトはほとんどサルベージで入手したものだ。今考えても我ながらアレなレベルのハイペースっぷりだったが、7年ぶりに復帰した直後で浮かれていた当時の自分は、やはりどこか感覚がおかしくなっていたのだろう。
そんなこんなでニルヴァーナを入手したあとは召喚士をジョブマスターにし、レリック防具強化したりヘリオス装束にオーグメント付けたりと、準備を着々と整えた。そして意気揚々と第一章とてむずに参加してみたのだが……、ご存じの通りアンバスは月によって、パッセ戦法が向くときと向かないときとでかなり明確に分かれている。実際のところ、パッセ戦法の準備が整った頃には他のジョブもそこそこ育成が進んでいたので、召喚士のパッセでクリアした月は数えるほどしかなかった。
またパッセ戦法をやっていくうちに分かってきたこともあった。ニルヴァーナの最大の長所はアフターマスLv3を乗せたパッセにこそあるのだが、いかんせんアンバスではTPをためられるザコ敵というものが基本存在しないので、アフターマスを付与できずに戦うことになる。その場合だとワスなど比べて顕著な差は感じられない(気がする)。ウキウキ気分で初めてニルヴァーナを担いでパッセを使ったとき、ワスでパッセしていた頃とあまり変わらない気がして、「え、ニルってこんなもの?」と少々落胆したくらいだ。
アンバスでの使い勝手は今ひとつ物足りなかったが、その後ニルヴァーナはイオニックツアーで大層重宝したので、結果的に作ってよかったと思っている。またアンバス第一章のとてむずについて個人的な見解を述べさせて頂くと、ダイバージェンスやオデシーのシェオルCなどと同様、いわゆる「エンドコンテンツ」に属する難易度だと思っている。正直なところ、アンバス防具の+2一式や武器の最終段階を揃えても、感覚的にはあと1~2歩足りない気がする。できればアンバス防具+2を上回る装備を2~3部位くらい、武器はRMEAの何か、そして可能であればジョブマスターにしてから臨みたいところだ。
……まあ同じアンバスだということで、自分も初期は難易度によって敵が飛躍的に強くなることを知らず、高難易度に挑んで蹴散らされたことがあったんですがね……。いずれにしろアンバス装備はかなり長いことお世話になるうえに、エンドコンテンツでも必要になることが時々あるので、しっかりと揃えておきたい。ネット上で各ジョブの装備例を検索すると、アンバス装備をすっ飛ばした最終的なものばかりが出てくるので昨今は軽視しがちだが、育成過程の冒険者にとっては本当に心強い装備群だ。次の段階に進むためにも、しっかりと揃えておきたい。
クラブリリスでメリポを貢ぐ日々「★翼もつ女神」
アンバスケードと平行してその頃毎日通っていたのが、マウラから行ける上位ミッションBF「★翼もつ女神」だ。「アルタナの神兵」で冥護四衆が着ていた青紫色の装備一式、マリグナス装束を入手できるBFである。攻撃的なプロパティはあまり付与されていないものの、非常に高い回避・魔回避に加えて全部位に被ダメージカットが付いており、おまけにストアTPまで付与されているというステキ装備である。実装より5年経った現在でも十分現役で使用に耐える優秀な装備で、このマリグナス装束を一式揃えることが初心者や自分のような復帰者と、その後の中~上級者を分ける節目になるのではないかと思う。
当時、旧知のフレンドが熱心に通っていたのがこの「★翼もつ女神」で、自分も誘われたときにこの装備を見せてもらった。なんとまあ、「アルタナの神兵」でアクウィラたち冥護四衆が着てた装備じゃん! しかも性能もすんごい……。と一目で惚れ込んでしまった。そこで、自分もソロで「★翼もつ女神」に通うことにしたわけである。いわゆる“リリ活”というやつだ
なおフレに誘われてこの「★翼もつ女神」の存在を知ったときは、「ヴァナ・ディールの星唄」をクリアした直後だった。このBF名を聞いて「星唄」に登場したアルタナ様の見目麗しいお姿をまた拝することができるのか!? と期待を膨らませたものだ。だが入場してみてもアルタナ様の姿はなく、真っ暗なフィールドの真ん中にどちらかというとヴァンプ系寄りなリリス嬢がいらしただけだったので、大層ガッカリしたことを付記しておく。
そんなわけでメリットポイントが貯まるごとにこの「★翼もつ女神」(とてやさ)へシーフで通っていたわけだが……、当時の装備は、武器がゴブ箱から出たイペタムに適当なオーグメントを付けたもの。防具に至ってはアンバス装備のメガナダNQ一式だった。当時は前衛用のフラマ装備と後衛用のジャリ装備の強化に力を入れていて、軽装装備まで手が回らなかったのだ。
……しかしなぜムンム一式にしなかったのか、今思い返しても我ながら疑問に思う。たぶんメガナダ手にウェポンスキルダメージ+があったのでそれ目当てだったのと、ムンム装備の外見が個人的に趣味じゃなかったからだろう。初心者はカジャナイフ辺りでエヴィサレーションを中心に戦うと思うので、どちらかと言えば遠隔攻撃に向いているメガナダ装備よりも、全部位にクリティカルヒット+の付いたムンム装備をお勧めしたい。
ムンム一式ならばエヴィのTP:クリティカルヒットと相性が非常にいいので、AFやレリック防具などが揃った後でも着替え装備として長く重宝するはずだ。ムンム装備はマリグナス装備を取るための装備、と言われている。クラブリリスに通うなら、まずは一通り揃えておきたい。ただしエヴィサレーションを撃つ際の注意点として、AAEV姐さんを呼んでいるとエヴィにシャンデュシニュを合わせてしまい、闇連携が発生してリリス嬢をかなりガッツリ回復させてしまう。注意されたし。
まあそんなこんなで、ジョブマスターにもなっていないシーフにイマイチな装備とあっては、例えとてやさでもそうそう勝てるわけがなく、最初のうちはまあ負けまくりだった。10戦するうち勝てたのはせいぜい1~2回くらいだろうか……。そもそもこのBFの仕様をよく理解していなかったので、ノックバックを喰らって壁際に追い込まれると与ダメージが0になることを知らず、戦闘中突然ダメージがまったく通らなくなって「あれ? 何これ、バグ!?」と混乱したものだ。
こうして一日数戦しては醴泉島へザコ狩りに行きメリポを稼ぐ、というルーチンを繰り返すうち、なんと4勝目で当時一番欲しかったマリグナスピアスがポロリした。11勝目には、マリグナス装束の足が!! そして驚くべき事に30勝もする頃には防具3部位、それ以外の武器なども全て入手できてしまったのですよ!! だいたい200戦もすればフルコンプだと言われていて覚悟していたので、これは嬉しい誤算だった。
「あれ? もしかしてこれヌルいんじゃね?」と思いましたね……。当時のネット上ではとりわけ防具のドロップ率が渋いという投稿があふれていたし、前記のフレも最後の一部位に相当沼っていた様子。某掲示板には「★翼もつ女神」の単独スレが立っていて、連日連夜クラブリリスに通いメリポを貢ぐ者たちの怨嗟の声が書き込まれていたので、正直やや拍子抜けした感があったわけで。それに防具が一部位揃うごとに、目に見えて勝率が上がるようになっていったのも楽しかった。「200戦なんて、みんな結構話盛ってたんじゃないの?」などと、どこからか分からない上から目線で思ったりもしたのである。が……
「これからが ほんとうの 地獄だ」
ハイ、すでにマリグナス装束を一式揃えた人には言わずもがなですね。4部位目以降、両脚と両手がぜんぜん出なかったんですわ……。ここまでわりとトントン拍子に進んでいた分、沼にハマってからのダメージも大きかった。もうね、ぜんぜん出ない! そしてレム物語がどんどんたまっていく! たしか、4部位目の両脚が出たのは250~300戦くらいの頃だろうか。
当時はまさか、預けられるレム物語に上限が設定されているとは思わなかった。第六章~最終章を部上限(255個)まで預けてしまったので、倉庫キャラでもレム物語が預けられるよう、急遽育成したものだ。もちろんレム物語のうち全ての種類が毎回ドロップするわけではないので、全種預けられる上限に達していたということは、最低でも255戦以上はしていたことになる。
そして最後の一部位となる両手。これが4部位目以上に沼ってしまった。だいたい2020年の10月頃から「★翼もつ女神」を攻略しだしたのだが、あまりに出ないまま月日だけが過ぎて行くうちに、なんと2021年8月11日のバージョンアップで同一アカウントのキャラクターに宅配で送ることが可能になってしまった。もう倒しても何もドロップしないのを見るのは悲しかったので、以後は手持ちのマリグナス装束をすべて倉庫キャラに送って再び各部位がドロップするようにしたくらいだ。のだが……。
本当に……、なぜか両手だけが出ない! 出ない!! そしてメインキャラで両手だけが出ないまま他の部位が順調にドロップし、なんと倉庫キャラも両手以外コンプリートしてしまった。……だけでは収まらず、3キャラ目も武器とアクセサリに加え、3部位まで揃ってしまうという状態に。レム物語も2キャラ目まで預けられる上限に達し、3キャラ目も100枚ほど貯まってしまって、もうこれ以上増えるなら3キャラ目も預けられるようにするか……? と思っていた頃。ようやく、よーーーやく! マリグナスの両手がドロップしました! そのときはセルビナでつい喜びのシャウトをしてしまったものだ。あの時お祝いのシャウトを返してくれた方々に、この場で改めてお礼を言いたい。どうもありがとうございました。
そんなわけでフルコンプするまで、入手したレム物語の数からして最低でも6~700戦、下手をすると1,000戦に届いてしまっていたかも知れない。期間で言えば1年以上はかかっただろうか。終盤はもうセルビナのBGMを聴くだけでなんだか胃がムカムカしてくる始末で、着くなりBGMをミュートしていたくらいだ。誰ですか、200戦くらいでコンプできるなんて言ってた人は? 全然揃わなかったじゃない! 私を騙したわね!?
……まあ、そのおかげでレム物語の第六章から最終章に限っていえば、現在でもまったく不自由しないようになったのが唯一の救い(?)だ。また現在ではA.M.A.N.トローブの戦利品にマリグナス装束一式が加えられているので、以前よりはだいぶ入手しやすくなっていると思う。いずれにしろ、マリグナス装束は装備可能ジョブにとって現在でも無二の性能なのは確かだ。エンピリアン防具の+3にはかなり肉薄されている感じだが、装備ジョブの多さもまた魅力の1つだろう。……詩人で装備できないことに血の涙を流している人もいるかもしれないが……。
ちなみに黒魔道士や学者主体のMB戦法で戦うと、とてむずでも意外と簡単に倒すことが可能。ソロでの限界を感じた場合は、人を集めてパーティで挑むのもいいだろう。アフリカのとある部族の雨乞いの踊りは100%雨が降るとのことらしいが(※)、出るまで毎日通い続ければいつかは必ずマリグナス装束をゲットできる。まだ一式揃えていない人は、今後もフルコンプを目指して頑張ってほしいと思う。そして私のように沼れ!
※ ……雨が降るまで踊り続けるから