【特別企画】

ヴァナ・ディールに帰って来た! 現在の「FFXI」を改めてレポート

復帰者はより楽しめる!? 7年ぶりに復帰した古参冒険者は今のヴァナに何を思うのか

【ファイナルファンタジーXI】

正式サービス中

利用料金:1,298円(税込)より

 実に18年もの歴史を持つMMORPG「FINAL FANTASY XI(以下FFXI)」。コンシューマゲーム初の本格MMORPGである本作は大ヒットを博し、日本のゲーマーにオンラインゲームの楽しさを伝えることに大きな貢献を果たした。本作から数々の文化や名言が生まれ、ネットミームとして定着していったものも多い。なかにはこの作品が発祥だということも知らずにそれらを使っている人も少なからずいるだろう。またゲーム内で知り合った2人がリアルで結婚するという「ヴァナ婚」から、いまでは親子二代で本作を楽しんでいる人もいると伝え聞く。

【「FFXI」タイトル画面】

 そんなゲームの枠を超えた偉大な作品である「FFXI」だが、やはり長い運営期間の間に引退してしまった人も多いだろう。今回、この8月から実に5年ぶりに新たなストーリー「蝕世のエンブリオ」が始まると言うことで、かつて本作にどっぷりつかっていたプレーヤーが7年ぶりに復帰する様子をお届けする。

7年ぶりに帰ってきたヴァナ・ディール

 さて、7年ぶりの「FFXI」、7年ぶりのヴァナ・ディールだ。自分はサービス開始より2013年まで本作をプレイしていたが、同年にサービスが開始された「FFXIV」に移行するために「FFXI」を休止したのだ。自分のように、2013年にヴァナ・ディールをあとにした、という人はけっこう多いのではないだろうか。

 以前プレイしていた頃とは、なにが変わっているのだろう。懐かしい街並みや聞き慣れた音楽はそのままだろうか。深夜どころか早朝まで一緒に遊んでいた友人たちはまだプレイを続けているだろうか?

【全盛期の頃の筆者】

 ちょっと気になっていたリンクシェルメンバーの姫ちゃんは、どうしているだろう? まあ、結婚してお子さんも生まれたとのことらしいが……。ともあれ、若干の不安を抱きつつも、ワクワクしながらログインしてみた。

……気がつくと、そこはメアの岩近くのタロンギ大峡谷だった。しかも、なぜかなにも装備を持っていない素っ裸で、戦士/白魔道士という謎のジョブ構成。なぜモグハウスではないのか? そもそもどうしてなにも装備していないのか? 訳が分からない。7年前の自分、いったいなにを考えていたんだ……。

なぜ裸

 このままではラチが開かないので、ひとまず所属国のサンドリアを目指し、テレポホラでラテーヌ高原へ向かう。そしてチョコボを借りてロンフォールを目指そうとしたところ、なんと1ギルもお金を持っていないことが判明した。

……そうだった。休止するときに、装備や所持金、合成素材などすべて知人に分配してしまったのだ。さっさと所属国へ戻りたかったので、一瞬そこらのゴブリンでも倒してギルを稼ごうかと思ったが、ラテーヌ高原の景観を久しぶりに堪能したいとも思ったので、ロンフォールまで走って行くことにした。

ちょっと恥ずかしい

 なお、この時点でカンペキに失念しているのだが、テレポイント近くのSurvival Guideからタブを消費して所属国まで戻ることが可能だった。この「各移動手段の忘却」は後のプレイで大きく影響していくことになる。

 今となっては誰もいないラテーヌ高原を、ガルカが素っ裸で走って行く。
緑が目にしみる美しい光景を見るうちに、かつての感覚が戻ってきた。

よみがえる。
記憶が、よみがえってくる。

 そう。ここは、かつて何度も通った場所だ。ゴブリンに追われ、オークに怯え、デカ羊に(コントローラが)震えながら通った道だ。β版ではGMの集団に出くわして驚き、サービス開始直後はバインドを駆使しつつ黒魔道士のソロでデカ羊を倒して、通りすがりの人たちから賞賛された場所だ。自分でも意外なくらい鮮明に当時の記憶が呼び起こされる。懐かしい記憶に胸を締め付けられながら、ロンフォールへと向かった。

 そして、西ロンフォールに到着。ああ、名曲「Ronfaure」よ。この曲もまた懐かしい。初めて街の外に出たときに聴いた曲だ。なかなかわかないNMを待ちつつ、ウサギを狩りながらずっと聴いていたのもこの曲だ。この曲を聴いて、「ああ、ヴァナ・ディールに帰ってきたんだなあ」とようやく実感がわいてきた。しばし聞き惚れる。なんだか涙がこぼれそうになった。

泣きそう

 ヴァナ・ディールの日が暮れる。初めてプレイしたとき、昼夜の区別や天候の変化に驚いたものだ。この世界が「動いている」と改めて実感させられた。と、そこへ唐突に流れてくる陽気な音楽。

♪チンチチ チンチチ♪

……ぶちこわしである。そうだった。毎年この時期はあますず祭りが開催されているんだった。我に返り、柄にもなく感傷にふけっていた自分に苦笑しつつサンドリアへ向かう。

【あますず祭り】

 南サンドリアに入ると、予想に反して意外と人がいる。「アドゥリンの秘宝」が出たときなど、三国やジュノには本当に人がいなくなったものだ。そして、ある意味最も懐かしい(笑)、「募集シャウト」が聞こえてきた。

 遠く離れたエリアへのワープ手段の増加と、現代の街中ならほぼどこでも聞くことが出来る/yellコマンドの充実によって、いい具合に人の分散が起きているのだろう。あとで知って驚くことになるのだが、ずっと閑散としていたマウラやラバオも人気コンテンツへの入口が出来たため、昔からは考えられないほどの賑わいを見せるようになっている。

 さて、モグハウスに入り最低限の装備を調える。いくつか持っているリンクシェルを装着してみたが、やはり誰もいなかった。中には数年前に活動を停止する旨のことがリンクシェルメッセージに書かれていたものもあり、自分が休止していた期間の長さを感じさせられた。寂しいことではあるが、仕方がない。

 前述のとおり自分は以前アドゥリンミッションの第1章まで進めていたので、続きから始めることにする。幸いなことにホームポイントが東アドゥリンに設定されていたので、デジョンで戻ることができた。

 この時点ではまだ自覚していなかったのだが、もしこれがジュノや三国に設定されていたら……、あとで分かると思うが、アドゥリン地方にホームポイントを設定しておいて、本当に良かった。

復帰者はまずこれをやっておこう

 さて、ここからは我が体験を通じて得られたノウハウを共有していきたい。休止した時期にもよるが、最近復帰した人はまず最初に優先してやっておくとよいことがいくつかある。特に、自分と同じようなアドゥリンミッション実装前後に休止した人は、以下の3つは世界が変わるレベルで利便性が向上する。っていうか、ほとんどのことを知らずにプレイしていたよ……。もっと早く教えてくれればよかったのに(誰が?)。

 ひとつ目は各地の街やダンジョンを巡り、ホームポイントやSurvival Guideを開放してワープできるようにしておくこと。昨今では街中以外にも各バトルフィールドの前などにホームポイントが設置されており、一度調べたところはワープできるようになっている。かつてはミッションでしか訪れるようなことがなかったようなバトルフィールドでも、昨今では何かと行く機会が増えているので、暇な時間があったらなるべく各所を回って開放しておくとよい。

こんなところにもホームポイントが

 2つ目は、マウント(乗り物)を利用可能にしておくこと。特にこれからアドゥリンミッションのクリアを目指そうとしている人は、必須レベルと言ってもいいだろう。アドゥリン地方のモンスターはレベル99でも襲われるような高レベルのものがほとんどで、なおかつダンジョンはもちろん地上のフィールドもやっかいな構造をしているエリアがけっこう多い。マップ表示頼りに進んでも目的地に到達できず、結果えらい大回りをすることもしばしばだ(ヨルシア森林、私はお前を絶対に許さない)。そんなとき、マウントがあればそれらのストレスを大幅に減らすことが出来るだろう。

 マウントはジュノ上層のチョコボ屋でクエスト「ライドオン!」をクリアすると利用可能になる。以前のマイチョコボと違ってチョコボホイッスルを持ち歩くことも不要で、利用回数制限などもない。現在はさまざまな種類のマウントが用意されているので、コレクションする楽しみもある。ところで【ガルカ】の肩に乗れるタルタル専用のマウント実装まだですか?

 そして3つめは、新魔法「フェイス」を利用可能にしておくこと。要はミッションやイベントなどに登場したNPCの分身(?)をパーティメンバーとして呼び出せる魔法で、1人でも6人パーディでプレイすることが出来るようになる。 ボッチ になることが多い現在のヴァナ・ディールではなくてはならないシステムだ。このフェイスのおかげで、一部のエンドコンテンツを除いたほとんどのものをソロで楽しむことが出来るようになっている。的確な挑発や素早い回復など、なんだか並のPC(私です)よりも役に立ってることが多い気もする、現在のヴァナ・ディールにおいて頼れる「仲間」である。こちらもさまざまなタイプのフェイスが100体以上用意されているので、コンテンツや敵の種類にあわせてどのフェイスを呼び出すか、構成を考えるのがけっこう楽しかったりする。

呼び出したとき、特定のフェイス同士の組み合わせによってセリフが変わるのが楽しい

 また、「ヴァナ・ディールの星唄」を進めていない人は、他のミッションよりもまずはこちらを優先的にプレイしておきたい。星唄ミッションを進めていくことで入手できるだいじなもの「星唄の煌めき【○奏】」は、取得経験値のアップや各コンテンツの再突入時間短縮など、かなりの特典がある。

 特に【四奏】を入手するとフェイスを最大5体まで呼び出すことが可能になるので、他のミッションを差し置いてでもまずは手に入れることを目指したい。本当は歴代のミッションは実装順にクリアしていきたいところだが、なにせ20年近くもの歴史があるヴァナ・ディール。現在では効率や利便性を考慮して進めないと、余計な手間や時間がかなり掛かってしまうことになる。こればっかりは仕方のないことなのだろう。

 ほかにも、ユニティに参加する、アイテムレベル(以下IL)119の装備を調えるなどの事前準備はあるが、それは追々語っていくことにする。

7年ぶりにアドゥリンミッションを再開

 東アドゥリンの長い坂を上り、アドゥリン家のアシェラに会いに行く。なんだかもうストーリーを忘れてしまったなあ……。とりあえず現在のアドゥリン国内では、開拓推進派と反対派が対立してなんだかゴチャゴチャしていたことを思い出す。

やぁアシェラ、久しぶり。7年ぶりだっけ? 大きくなったね(変わっていない)

 ここで大幅にストーリーの進行をはしょることにするが、アドゥリンミッションを進めるうえで大変に困ったことが起きてしまった。当然ミッションではアドゥリン地方の各所に行くことになるのだが、現在では「誰もコロナイズ・レイヴをやっていない」のである。要所の通路をふさぐようにして発生するレイヴを突破しない限りミッション進行に必要な場所にたどり着けないことが多く、甚大な手間が掛かってしまったのだ。

 この時点で前述の事前準備をほとんど怠っていたので(特にマウントを取得していなかったのが痛かった)フェイスも3体しか呼べず、装備もほとんどがレベル99時代の物という体たらく。現在の冒険者にとってコロナイズ・レイズはちょっとした障害程度なのだろうが、自分にとっては文字通りの大きな壁として立ちふさがったのだ。

また泣きそう

 なんとかコロナイズ・レイヴを迂回できないかと大回りする→結局レイヴを突破しないとたどり着けないことに気づく→泣く泣く1人でレイヴを始める→このエリアのレイヴに必要なスキルを取得していなかったことに気づく→諦めの境地……。

……いや、ここで諦めるわけにはいかない、諦めたらそこで試合終了だ。というか、ミッションが進行しない。ここに至って、アドゥリンミッションの一時中断と「星唄」ミッションの進行開始を決意。並びに装備のレベルアップを目指すことにする。

 ここまで触れていなかったが、現在ヴァナ・ディールには「エミネンス・レコード」と「ユニティ」という要素が存在する。エミネンス・レコードはどこそこのモンスターを何体倒す、とか○○のレベルを50まで上げる、などといった多数用意されている課題をそれぞれクリアすることによって、経験値や専用のエミネンスポイントを得られるというもの。またユニティはアルドやマート、アプルルなど有名NPCをリーダーとした組織に所属し、こちらも専用のユニティポイントを得られるというもの。以前は三国のうちどこかに所属してコンクェストで覇権を争っていたが、それのNPC版といったところだろうか。

 このうちエミネンス・レコードで得られるポイントでIL117の装備を入手できるということで、こちらを進めることにする。といっても以前はそこそこ廃レベルでプレイしていたので、ほとんどのジョブはレベル99になっており、また既存ミッションなどもすべてクリア済み。つまりそれらのジョブやミッション関連のレコードは受けた瞬間クリアとなっていくので、経験値とポイントがどんどんとたまっていくことになった。フハハハ、えらいぞ休止前の自分……!

 そこそこポイントがたまったので(というかレコードをクリアする度に受け直すのに苦労した……)、念願のIL117装備を入手する。なんとまあ、外見がローブやチェインメイルなどの低レベル装備と同じではないですか。その昔、チェインメイル欲しさにダボイのオークを倒しまくったなあ。古い者には懐かしく、当時を知らない人には新鮮な感覚、ってやつですか。

この格好になるの何年ぶりだろう

 と、ここでちょっとしたミスをやらかした。エミネンス・レコードでIL117の装備を入手し浮かれまくっているが、今はもっと手軽によりよい装備を入手可能なのである。東アドゥリンのPCK.ワークスで同盟戦績(ベヤルド)と引き替えに、なんとIL119装備を手に入れることが出来るのだ。エミネンス・ポイントがムダになって正直後悔したが、このポイントはあっという間にたまって早晩カンストすることになると思うので、PCK.ワークスの装備を入手できる人は、ポイントを装備以外のことに使うとよいだろう。IL119の装備はピンからキリまであるが、このPCK.ワークス製の装備群が実質的な最低ラインといったところになっている。

「ヴァナ・ディールの星唄」に方向転換

 最低限の装備も整ったし、アドゥリンミッションは一時中断して「ヴァナ・ディールの星唄」を進めることにする。「FFXIの最終章」というだけあって、アルドやらギルガメッシュやらおなじみの登場人物が総出演するらしい。っていうか、またアルドやギルガメッシュですか……。

 そして今回のヒロイン、イロハ登場。実は自分、以前にこのイロハに出会っているのである。まあ何のことはない、「FFXIV」とのコラボレーションでエオルゼアに登場しているときにそちらで会っていたのだ。

やぁイロハ、久しぶり。こっち(ヴァナ)では初めてだっけ?

 そして星唄ミッションを開始。歴代キャラクター総出演と謳われるだけあって、本当に多数のキャラクターが登場する。プロマシアミッションをクリアしてもう2度と会うことがないと思っていたミルドリオンやイブノイルに、また会えるとは思っていなかったよ……!

 さて、ここに至ってまたもや大きな問題が発生した。「ヴァナ・ディールの星唄」はオールスター総出演とあってヴァナの各地を渡り歩くことになるのだが、それぞれのエリアへの移動方法をすっかり忘れ去っていたのである。7年前のプレイ当時でも国や街の間の移動はすぐに行えたはずだが、その手段をカンペキに失念してしまったのだ。

 たとえば、ノーグに行くときは「確かノーグって低地エルシモだか高地エルシモの方にあったよな……。とりあえず飛空艇で行けるんじゃね?」とめちゃくちゃ久しぶりにカザム行きの飛空艇に乗ってみた。そして途中「テレポヨトで行けばよかった」と気づいたが、忍者で乗船していたので後の祭り。とりあえずカザムにたどり着いたあとテレポヨトでワープしてみたが、今度はなどういうことかガレピ寺院を目指していた。なぜ……?

 ようやくノーグにたどり着いたが、今度はタブナジアに行けという。こちらはもう完全に行き方のカケラさえ覚えていなかった。あれ? タブナジアって確か昔になにか起こって大陸から分断されたんだっけ? と言うことは地続きで歩いて行けないよな? 7年前はどうやって行ってたっけ……???

ヨアトル大森林の中心で哀を叫ぶ

……そうだ、なんかプロマシア実装当時にラテーヌの上れない段差からタブナジア行けるんじゃないかと、いろいろ試行錯誤したことを思い出した。うん、懐かしい……ってなんで余計なことばっかり思い出して肝心のことは頭に浮かばないんだよ! たかだか7年前のことなのに、自分の脳の劣化がこれほど酷いとは思わなかった。ホントに歳は取りたくないものである。

 ようやくクフィム島の奥からルフェーゼ野に飛べることを思い出し、なんとかタブナジアに渡航できた。もうこんな苦労はしたくないので、しっかりホームポイントは解説しておくことにする。

……現在現役で「FFXI」をプレイしている賢明な読者なら自明の理だが、たとえ移動手段を忘れても、別にホームポイントでワープできなくても、タブナジア地下壕やアトルガン地方へはそれぞれタブナジアリング、オルドゥームリングを使えばワープできるのである。無論自分は所持していたので、それらを使えばムダな試行錯誤をしなくて済んだ訳だ。いやあ、点と点で各エリアやそれぞれのランドマークは覚えているものの、それをつなぐ線ってけっこう頭から抜け落ちるものなんですね。……抜け落ちない?

 なお上記手段に加え7年前の当時でも、Atmacite Refinerによる作戦エリアの転送や傭兵キャラバンによるアトル白門への転送、ル・ルデの庭などにあるProto-Waypointによるワープ、そして各禁断の口への転送などが可能だった。またギデアスやゲルスバ、パルブロ鉱山にあるBFはジュノ下層の天晶堂からワープできる。賢い冒険者はこれらを駆使し、移動の時間を短縮しよう。現在ではこれらに加え、ユニティ担当官からポイントを消費して各エリアに飛ぶことも可能になっている。いやはや、現在のヴァナ・ディールは本当にエリア間の移動が楽になりました。

 さて、星唄ミッションは順調に進んでいく。歴代ヒロイン総登場(でもやっぱりライオンの影が薄い!)、懐かしいキャラも多数登場し、大いに楽しめた。なんとバハムートに加えオーディンやアレキサンダー、アトモスなどの召喚獣まで再登場するとは思わなかった。最終決戦に向け、いよいよ盛り上がって参りました。

恐ろしく空気を読まないカーくん。みんなわかってても黙ってたのに……

……のだが、最後の最後で最も大きなつまずきが起きてしまった。「ヴァナ・ディールの星唄」の最終戦で、ラスボスにどうしても勝てないのである。

 これまで特に詰まることもなく、順調に進んでいたのですっかり油断していたが、ヴァナ・ディールのすべての物語を締めくくる最終章の敵として、まさにふさわしい強さの敵だ。というか、強すぎでしょ……。これまでボッチもといソロで進めてきたのだが、これは他人の助けが必要か……?

……いや、ここまでソロで進めてきたのだから、最後もやっぱりソロ+フェイスででクリアしてみたい。まず思ったのは、回復が圧倒的に足りないこと。かと言って回復役を増やすと今度は削りが足りなくなる。装備のショボい白魔道士やナイトで行ってみたが、やはりあちらを立てればこちらが立たず、といった感じで削りと回復、どちらかが足りなくなる。必要な要素として、

・メインのダメージソースは自分。フェイスに削りは期待できない
・かといって要所での的確な回復手段もほしい

……ということで自分が出した結論は、メインジョブを戦士、サポジョブを踊り子にするという戦/踊構成だ。通常BF戦での戦士は削りに徹しでサポ侍か、サブ盾としてサポ忍という場合がほとんどだと思う。この奇策が功を奏したのか、9戦目にしてようやくクリアすることが出来た。9戦なんて、ソロとはいえ歴代のミッションBFで最大の黒星数じゃないか……?

 あ、ちなみにアドゥリンミッションは特記することもなくフツーにクリアできました。
ただしラ・カザナル宮殿、お前は絶対許さない。

もう「超古代文明」やめませんか?

そして期待の「蝕世のエンブリオ」へ!

 さて、驚かれるかもしれないが、ここからがようやく本題である。今回筆者が「FFXI」に復帰した最大の目的が、この8月から新たにスタートした新ストーリー「蝕世のエンブリオ」をプレイするためだったのだ。さっそく7年分の期待を込めて始めようと思う。

 始まりはバストゥーク鉱山区から。グンパによると、不審なガルカの子供がツェールン鉱山で見かけられたとのこと。“転生したて”かも知れないので、見つけて保護してほしいという。

……あー、アレね。今度こそこのガルカの子供がウェライの転生後なわけね。

でもやっぱり違うんでしょう?

 さっそくツェールン鉱山で件の子供を見つけたところ、黒いゴブリンが襲ってきた。ここでちょっと舐めていたのだが、ツェールン鉱山ではたいしたことは起きないだろうと侮りフェイスをトリオンとザイドの2人しか呼び出しておらず(5人呼び出すと移動で邪魔になるしね……)、しかもこのときのジョブがろくに装備の整っていない学者。さらに、胴装備がアドゥリンミッションで報酬にもらったレベル1装備のカウンセラーガーブだったのだ。……いや、カウンセラーガーブに似合う装備を模索していたところ、学者の帽子が一番似合うかなーと思いまして……。

 フェイスの強さというものはどうもキャラクターのレベル+装備のILで決まるらしく、このときのフェイスは攻撃がスッカスカだった。さすが「星唄」クリアが前提のストーリー、IL119 が最低ラインということのようだ。正直負けるかなと思ったが、15分くらい掛けてようやく倒すことが出来た。これは今後とも油断できない。これからしっかりと装備も整えていくことにしよう。

 そして黒いゴブリンの追跡からガルカの子供を護るため、バストゥークの若きファッションリーダー、ブリジットの手を借りて変装することに。そしてなぜか、彼女が主催するファッションショーへの参加が決まってしまった。

 ショーのMCはMarin姉さん。うおお、バストゥークの初期クエスト「ひとりでできる?」に登場したMarin&Ken姉弟じゃないか! この2人にイベントで再会できるとは……!

Marin姉さんってこんな性格だったっけ?

 ファッションショーを終わらせて第1話前半は終了。

……え? これだけ? これまた懐かしい人たちがいっぱい出てきてとても楽しめたが、まさかこんなにあっという間に終わるとは思わなかった。後半に期待。

 そしてこの9月に実装された第1話後半。例によってバストゥーク鉱山区のグンパに会いに行くと、今度はナジが黒ゴブリンを追ってコロロカの洞門へ行ったらしい。追いかけると、件の黒ゴブの他にミーブル族とマンドラゴラ族が。この3体と戦闘になったあと、グンパに報告すれば第1話終了。

……え? 今回もこれだけ? 短い、短いよ! 頑張ってアンバスゲートでそろえた装備があんま意味なかったじゃん!

 まあ、この「蝕世」は月刻みで短めのストーリーをこまめに実装していくらしい。以前のようにある程度のボリュームを数カ月おきに実装するよりは、今回の今のプレーヤーのスタイルには合っているのかな……とも思う。結局どんなにボリュームがあってもすぐクリアしちゃうし、その後数カ月の空白期間が出来てしまいますもんね。

今回「FFXI」に復帰してみて

 7年ぶりに復帰してみて一番強く感じたのは、やはり「ここまでソロで出来るようになっていたのか」ということである。以前はミッションのシャウトなどに乗り損なうと、それだけでもうクリアする機会が失われると言った状況が頻繁にあった。だが今のヴァナ・ディールならば、ミッションに限って言えば最初から最後までソロ+フェイスで突破することが可能になっている。それ以外にも多くのコンテンツでソロプレイが可能であり、レベル75キャップ時代のコンテンツなどはもはやソロでプレイすることが前提となっている。

 実はこの「旧コンテンツのソロプレイ」がけっこう楽しい。昔は大勢であんなに苦労していた敵が、いまでは1人でひねり潰せるのだ。「強くて最初から」を地で行くようで、当時なかなかクリアできなかったコンテンツを今のレベルと装備でクリアしていくのも十分アリだ。まさに力こそパワーである。

ソロでKirinやOdinなんかも倒せちゃいます

 今回久しぶりに復帰したプレーヤーの様子をお届けすると言うことで、中断していたアドゥリンミッション第1章から「蝕世」まで、すべてソロで挑んでみた。ここまで読み進めてもらえば分かるとおり、それなりに苦労した点はあるものの問題なくソロでもクリアすることが出来ることを分かってもらえたと思う。「一緒に遊ぶ人がいない」「ソロで楽しめるか不安」というひとは、臆せずにヴァナ・ディールに来てみるといいだろう。

 また、ソロの話ばかりでMMORPGのキモである「他者との協力」を否定しているように感じるかも知れないが、そんなこともない。今回復帰してみて特に感慨深かったものの1つに、「シャウトの文化がいまだに残っている」という点が挙げられる。

 昨今のオンラインゲームはマッチングシステムが優秀で、キューをリクエストしてマッチングするまでほったらかし、マッチングしたらしたで「よろ」、「おつ」くらいしか他人と会話することがない……なんてことも多いかと思う。その点、この「FFXI」は、ソロで楽しめる部分と他人との協力プレイが必須なコンテンツがうまく区分けされているように感じる。

 自分のペースでまったり進めたい部分はソロで、さらにその先に進みたくなったらパーティプレイで、といい具合にプレイスタイルを選択することが可能だ。1人の復帰者として、またしばらくヴァナ・ディールでの生活を堪能してみたいと思えたことは収穫だった。

 7年間休止していた間も、心のどこかでずっとヴァナ・ディールのことが気にかかっていた。休止前の7年前でさえすでにほとんどのフレンドはプレイを止めてしまっていたし、正直その頃にはもう情熱が薄れてしまっているのも感じていた。そして休止後、いつかは復帰しよう、と思いつつも切っ掛けがつかめず、気づけばズルズルと7年間も過ぎてしまっていた。

 今回復帰してみて、初めて「FFXI」をプレイしたときのあの情熱が戻ってくるのを感じられた。7年間の間にはさまざまなコンテンツが追加されており、それらはソロでもクリア可能なものから、まるで旧仕様のデュナミスのように大人数前提の手強いのまでさまざまだ。本当に一朝一夕では遊びきれないものばかりで、まるで今の自分は新しいおもちゃを多数与えられ、どれから手に取るか迷っている子供のような状態なのだろう。

 「蝕世のエンブリオ」は結構長く展開が続けられるという。すべてのコンテンツを遊び尽くす……というのはさすがに無理だろうが、少なくともこの「蝕世」のストーリーが終わりを見せるまではヴァナ・ディールにいようと思う。出来ればそのままサービス終了まで見届けられたら……。でもそれは、願わくば自分の予想よりは先のことであってほしい。

 さて今度は、自分が休止していた間もプレイし続けていた数少ないフレンドに連絡を取ってみようか。かつてのノリはまだ残っているだろうか。久しぶりなので正直ちょっと腰が引けるが、とてもとても楽しみだ。

【Live Vana'diel】