【特別企画】

「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」試遊レポート。インパクトならぬネンパクト! 簡単コンボやド派手な必殺技などユニークなシステムが盛りだくさん

【HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT】

発売日・価格:未定

 4月27日より4月29日まで開催中の格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2024」では、格闘ゲーム大会だけでなく、多くの企業ブースも出展され、開発中の発売前タイトルがプレイできる試遊台なども用意されている。

 中でもブシロードゲームズのブースでは、発表時にかなり話題となった、週刊少年ジャンプにて連載中の漫画「HUNTER×HUNTER」を原作としたプレイステーション 5/Nintendo Switch/PC(Steam)用2D対戦格闘ゲーム「HUNTER×HUNTER NEN×INPACT」を出展。発売に先駆けて試遊することができるのだ。

 今回は「HUNTER×HUNTER NEN×INPACT」の試遊台でプレイする機会が得られたので、実際にゲームを遊んだ様子をレポートしていこう。

【2D対戦格闘ゲーム『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』PV第1弾】
ブシロードゲームズのブース
「HUNTER×HUNTER NEN×INPACT」の試遊が行なわれている

アーマー攻撃「ネンパクト」や簡単コンボの「ラッシュ」などユニークなシステムが盛りだくさん

 「HUNTER×HUNTER」は1998年より週刊少年ジャンプにて連載中の冒険バトル漫画。主人公の少年「ゴン=フリークス(以下ゴン)」が、まだ会った事のない自分の父親ジンが「ハンター」として生きている事を知り、自身もハンターを目指して旅に出る、というもの。

 ハンター試験を受ける中で、「キルア=ゾルディック(以下キルア)」や「クラピカ」、「レオリオ・パラディナイト(以下レオリオ)」といった仲間に、不気味なライバル「ヒソカ=モロウ(以下ヒソカ)」らと出会い、こうしたユニークなキャラクターたちとともに冒険を繰り広げていく。

 「ハンター」という職業に与えられた特権の数々、ハンター試験後に新たに出現した「念」の概念など、「HUNTER×HUNTER NEN×INPACT」ではこれら世界設定がかなり細部まで練り込まれており、こうした念の能力を活かしたバトルやキャラクター同士の駆け引きが本作の魅力の1つと言える。

 本作はこうした念能力のバトルをモチーフに格闘ゲームへと昇華したゲームに仕上がっている。3on3のチーム戦については、原作でも1対1のバトルだけでなく、多人数のメンバーで敵と戦う描写も多いため、本作のシステムとマッチしているといえるだろう。

3on3のチームバトル。原作で好きなキャラクターを複数使えるのはうれしい

 ボタン割り当ては、上下左右の方向キーに加えて、小攻撃、中攻撃、大攻撃、そしてアーマー付きの強攻撃とも言える本作独自の「ネンパクト」の4種類の通常攻撃に加えて、仲間と切り替えが可能な「スイッチ」、仲間からの援護攻撃が行なえる「アシスト」、コンボが自動で繰り出せる「ラッシュ」、必殺技の「アーツ」などがそれぞれ1ボタンに割り当てられている。

操作キャラの体力が少なくなったり、相手キャラとの相性が悪いと感じたらスイッチで交代
控えキャラが攻撃してくれるアシスト。アシストを出しつつ一緒に攻めると強力だ

 必殺技については単体でアーツボタンを押すだけでも発動できるほか、他のボタンや方向キーを組み合わせることで、様々なバリエーションの必殺技が使える。例えばゴンの場合だと小・中・大・攻撃とアーツボタンの組み合わせで「ジャジャン拳」のグー、チョキ、パーが出せるようになっている。

コマンド入力ではなくボタンを変えるだけで必殺技が変化

 このように、本作では格闘ゲームによくあるコマンド操作は不要で、その他の特殊な攻撃についても、2ボタンの同時押しで多彩なアクションを再現している。

 ラッシュボタンについては、押しながら小・中・大攻撃ボタンを連打するだけで、予めキャラクター毎に設定されたコンボが簡単に出せる初心者向けの補助機能となっている。

 その他、控えの仲間が一緒に攻撃するアシスト攻撃は、発動後にクールタイムがあるため、連続利用はできないが、比較的短めに設定されているようなので、コンボと絡めて使用したり、敵の防御を崩すのに利用したりと、用途は多そうだ。

 超必殺技に相当するオーラアーツは強力な技だが、画面下部のオーラゲージを消耗する。ゲージは戦闘中に蓄積されるので、ゲージをどこで吐くかなどの駆け引きが重要になりそうだ。

 単体で発動する以外にも、オーラゲージを利用して仲間との連携技を使う事も可能だ。控えにいる仲間と同時にオーラアーツを発動できるユニゾンアーツや、自身のオーラアーツを放った後に、続けて控えの仲間もオーラアーツを発動するスイッチアーツなどが用意されており、場面に応じて効果的な必殺技が使える。

同時にオーラアーツを放つド派手なユニゾンアーツ

 その他、ガード中に複数の攻撃ボタン同時押しで相手を押し返す防御攻撃の「バウンスガード」もある。これを使う事で、相手との距離が離れるので強烈な攻めを凌ぎやすくなる。

 また、体力下部にあるゲージは、1試合に1度だけ使える「オーバーギア」のゲージだ。これを発動することで、攻撃力が増加したり、移動速度が向上するなどキャラクター毎に恩恵が得られるようになっている。加えて、オーバーギアはチーム内のメンバーが少ないほど強化の割合が変化するので、ピンチの際に使う事で、逆転しやすい仕組みになっている。

逆転要素となるオーバーギア

 今回の試遊台では、ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、ヒソカ、さらにハンター協会の会長「アイザック=ネテロ(以下ネテロ)」の6人が選択できる。キャラクター選択画面を見る限り、製品版では16人まで増えそうなビジュアルだったが、豊富なキャラクターが存在する「HUNTER×HUNTER」なので、最終的に何人まで増えるか楽しみだ。

試遊バージョンのキャラクター選択画面。現在ロック中の枠が10個あるため、今のところ最大16人がプレイ可能な状態に見える

 今回、筆者はクラピカ、ヒソカ、キルアの3人パーティでバトルに挑んだ。ユニークなシステムが盛り込まれているため、通常の格闘ゲームのような操作スタイルではなく、アクションゲーム感覚で戦える。いずれにせよ2ボタン同時押しの操作が多いため、様々なアーツが簡単に試せるのは面白いところだ。

キャラクター選択後はステージセレクト。試遊バージョンでは「森林(昼)」のみ選択できた。他にどのような舞台が用意されるのか楽しみだ
ここで再度選択したキャラクターたちの配置を設定する。チームオーダーはキャラクター選択直後の方がスムーズなようにも感じるので、恐らく製品版では逆になるかもしれない
いよいよ戦闘開始! キャラクターたちがカードのような形で表示される演出だ
戦闘前にはキャラクター同士が語り合うようなカットシーンが入る

 キャラクターの動きはかなりキビキビしており、アニメーションの絵がそのまま動いているようなビジュアルに仕上がっており、原作付きゲームとしてはかなり完成度が高い印象だ。

 30分ほどプレイしてみた筆者の個人的なプレイフィールとして、操作性は「鉄拳」シリーズが近いかもしれないと感じた。というのも弱、中、強、ネンパクトの攻撃を自在に組み合わせて、コンボを構築するわけだが、ここにコマンドが介在しないため、如何にボタンの押す順番を間違えないようにするかが、コンボ成立において重要になるからだ。ラッシュボタンによる簡単コンボはあくまでも初心者向けの機能となっているため、上級者になると恐らく使われなくなると思われるので、コンボをいかに習得するかがポイントになりそうだ。

 一方、初心者目線で見ると、ラッシュボタンを使用したコンボはかなり優秀。弱>中>強>必殺技だけで終わるような簡単コンボではなく、必殺技から追撃、そしてまた必殺技と、長めのコンボをしっかり繋げてくれる。初動さえうまく当てられれば、ラッシュボタンだけでかなりの大ダメージが期待できるのはありがたい。さらにオーラゲージが溜まっていれば、コンボの締めにしっかりオーラアーツを発動してくれるので、威力は絶大だ。

ラッシュボタンを押しながら各攻撃ボタン連打でコンボになるラッシュコンボ。簡単コンボにしてはこれでもかとコンボを繋いでくれる

 必殺技がアーツボタンのみで誰でも簡単に出せるのは「ストリートファイター6」のモダン操作に近いフィーリングだが、キャラクター毎に組み合わせる操作が異なるので、キャラクター毎のやり込みが重要になるだろう。またチーム戦の場合、キャラクターの組み合わせはかなり豊富になるが、原作にない想定外の異色の組み合わせも見てみたい。6キャラクターだけではチェックできないポイントも多く、この辺りは製品版でチェックしてみたいところだ。

未知の要素が盛りだくさんだが、期待値の高い1本

 以上、ざっくりとではあるが、「HUNTER×HUNTER NEN×INPACT」の試遊台にて、実際にゲームをプレイした感触をお伝えした。攻撃ボタンを弱、中、強、ネンパクトの4つとした簡単操作に特化したシンプルな操作体系ながら、ラッシュボタンによる簡単コンボの実装で初心者にも遊びやすい。また、手動コンボの独自開発やアーツやアシスト、オーバーギアなどのユニークなシステムの数々など、上級者になっても開拓しがいのある要素はてんこ盛りと感じた。

 一方で未知の要素として、最終的に利用可能なキャラクターがどのくらいになるのかは気になるところ。システム上、3人ずつのキャラクターを使用することになるため、現在画面上で見えている16人が最大だとやや物足りなさを感じてしまいそうだ。もちろんアーツやユニゾンアーツ、ゲーム全体のバランス調整など、1人のキャラクターを構築するのはかなり大変と思われるが、なるべく多くのキャラクターが実装されることを願いたい。

 また、システム上、やむを得ない面もあるのだが、画面上のキャラクターの割合がやや低く、キャラクターが小さめに感じるため、オーラアーツなど全画面を使った演出はいいとして、通常のバトルのやり取りにおいて、やや迫力不足を感じる面も見られた。今回の試遊版はあくまでも開発中の物なので、最終版がどのような形になるのかはわからないが、オーラアーツ使用時以外も迫力のあるバトルを期待したい。

ちなみに同社が公開中のPV第1弾では、今回の試遊版でプレイできたキャラクター以外に、「幻影旅団」のメンバーのうち、「ウボォーギン」と「マチ=コマチネ」も登場している