【特別企画】
現場は抱腹絶倒! 人間が牌になる「人間麻雀」会場レポート
前代未聞の「Maru-Jan」20周年記念イベント開催
2024年3月24日 14:24
- 【Maru-Jan】
- 配信中
- 料金:
- 東風1ゲーム=80場代ポイント=80円相当
- 東南1ゲーム=150場代ポイント=150円相当
- (天位卓、選抜卓)=200場代ポイント=200円相当
- 三麻1ゲーム=100場代ポイント=100円相当
シグナルトークは、同社が配信するスマートフォン/PC用麻雀ゲーム「オンライン麻雀 Maru-Jan」(以下「Maru-Jan」)の20周年を記念したイベント「人間麻雀」を、3月23日に東京・有明コロシアムで開催した。
本イベントは、本作の開発責任者であり、同社の代表取締役社長でもある栢孝文氏が、創業メンバーと居酒屋で飲んでいたときに原案を思い付いたとのこと。参加者たちは、それぞれが1枚の麻雀牌となり、雀卓に見立てたステージ上に牌山および手牌を再現する形で並び、対局者の打牌に従って動くという、まさに奇想天外、前代未聞のお祭り企画である。山形県天童市で毎年開催されている「人間将棋」の麻雀版と言えば、本イベントの大まかな内容がおわかりいただけるだろうか。
ちなみに同社は、2年前にも「水中麻雀」なる突拍子もない企画を実施したことがあり、今回も「今世紀(大きさが)最大の麻雀大会」を標榜するイベントを実現させた栢氏は「こんなアホ過ぎる企画に、これだけの方々にお集まりいただきありがとうございます(苦笑)」と自虐的に挨拶。とはいえ、その奇抜さと面白さは「Maru-Jan」および麻雀ファンの興味を大いに引き、定員の136人(※筆者注:数が半端なのは、もちろん麻雀牌の総数に合わせたからだ)に対し、何と5,000人を超える応募があったのだから驚きだ。
何とも風変わりなイベントだが、出演者の面子はまさにガチ。対局者は、最高位戦日本プロ麻雀協会所属の瑞原明奈プロ、日向藍子プロ、石橋伸洋プロと栢社長の4人。実況は、Mリーグでもおなじみの日本麻雀プロ協会所属の松嶋桃プロ、解説は最高位戦日本プロ麻雀協会の土田浩翔プロという、実に豪華なキャスティングを実現させた。入場料は無料で、撮影も配信も自由だったこともあり、当日は対局開始前から自撮り棒を片手に配信を行なう、牌役の参加者も見受けられた。
第1局:役満シバリで鳴きが続出、牌役の皆さんは大忙しに
1局目の開始前から、筆者は牌役の参加者たちが所定の位置についたところで、少なからず違和感を抱いた。なぜなら、本来のルールでは配牌を対局者が山から順に取り出すハズなのに、配牌がそれぞれの手元にあらかじめ用意されていたからだ。
だが、配牌がオープンになった瞬間、なぜ配牌を事前に決めておいたのかがすぐにわかった。筆者は東家の栢社長のすぐ近くで観戦していたが、栢社長には三元牌の対子が3組そろう大三元が狙える手が入っており、他家にも緑一色、清老頭、四喜和が見える手がそれぞれ入っていたからだ。案の定、本局のルールは役満シバリとのアナウンスが流れたが、「誰が一番早く役満をアガるか選手権」という極めてわかりやすいルールを定め、なおかつ対局が長引いて生きた牌(これがホントの生牌!)たちが退屈したり、あるいは疲れたりしないよう配慮した主催者の判断は、まったくもって合点がいくものであった。
対局が開始されると、ツモ牌役の参加者がツモ番の手牌の列に向かって小走りで向かう、何ともシュールな光景が展開された。捨牌に選ばれた参加者は、河を再現したステージ、もとい卓の中央に移動して仰向けで寝るルールとなっていたが、こちらも実にシュールな姿で、ほかの参加者や観客席から笑いを誘った。
チー、ポン、カンの鳴きが入ると、対象者は3人または4人が急いで並び、卓上の隅に寝転がる一連の様子も、これまた本当におかしかった。役満シバリということもあり、特に字牌役の皆さんは、鳴かれるたびに卓上を走ったり寝転がったりで大忙し。さらに、同じ種類の牌が手牌に複数あり、かつ捨牌に決まった場合は、該当する牌役の参加者同士で誰が河に移動するのか、ジャンケンで決める姿も実に(良い意味で)バカバカしく、筆者も思わず爆笑してしまった。
記念すべきイベントの1局目を制したのは石橋プロ。1面子を鳴いた状態で、見事に単騎待ちからの清老頭をツモ! ツモアガりの牌となった参加者が、伏牌の状態から牌(一筒)をオープンした瞬間、石橋プロの手牌となっていた参加者たちと応援席は大歓声に包まれた。
実は、当事者の皆さんが大喜びしたのは深いワケがある。なぜならアガった手牌の皆さんには、何と特別賞として全員に1万円がプレゼントされるからだ。運悪く捨牌に選ばれてしまった皆さんが、何とも切ない表情をしているのはこのためだったのだ。
筆者の想像をはるかに超える面白い対局となり、加えて今まで誰も経験したことがないイベントでありながら、参加者の皆さんがテキパキと動き、スムーズに対局を終えたことにも驚かされた。運営スタッフの誘導のうまさに加え、それぞれが麻雀のルールを理解していたからこそ、短時間で終了できたのであろう。見事に役満を完成させただけでなく、参加者全員が協力し合った運営のスピーディさにも、筆者は素直に拍手を贈りたい気持ちになった。
第2局:スピード勝負を制した雀士はいったい誰?
2局目は、ツミコミなどのイカサマは一切無しで通常ルールの対局に。配牌の段階から、手牌に加わった参加者と対局者同士が話し合って即座に理牌するなど、イベントに慣れてきた参加者たちの動きがさらにスムーズになっていた。また、ツモ牌役が移動中にはツモ番の席から手拍子が鳴らされ、ツモ番から見て面子になる良い牌だった場合は大歓声が、逆に不要牌だった場合は大きなため息が響く、とても賑やかな場が自然とでき上がった。
本局では、またも配牌で發と中が対子で入った、南家の栢社長が早々に發をポンすると、北家に陣取った瑞原プロは6巡目で先制のリーチをかける展開となった。1局勝負ということもあり、西家の石橋プロは無スジの牌をどんどん捨ててツッパる一方、日向プロはツモ切りが続いてやや出遅れ気味に。
勝負を賭けた捨牌が飛び交うなか、出色だったのは石橋プロが「強打!」と言って捨牌に決まった参加者のパフォーマンス。河に向かうやいなや、自らの背中と後頭部を思い切り叩き付け、勢い余ってメガネが吹っ飛ぶ姿を披露して場内は大爆笑。筆者としても、この男性には本日のMVPを贈りたいほどの、まさに迫真の演技だった。
最後はリーチをかわしつつ、中も鳴いて手を進めた栢社長が追い付き、同じくテンパったことでツッパリまくる石橋プロからこぼれた牌を見事に討ち取り、満貫の手をアガって勝利。1局目と同様、栢社長の手牌として生き残った参加者の皆さんは、すぐさま歓喜の輪を作って大はしゃぎしていた。
対局終了後は、出演者の皆さんが参加者たちとの記念撮影に気さくに応じ、参加者同士でも国士無双などの役を作って記念撮影を楽しむなど、実に和気藹々とした雰囲気に包まれた。終局までほぼ出番がないに等しい、王牌になってしまった人があまりにも可哀想、あるいは肝心の「Maru-Jan」のPRにそもそもつながったのかなど、細かいツッコミどころはいろいろとあったものの、麻雀ファンならずとも愉快なイベントになったことは間違いない。
「Maru-Jan」の今後の展開について、筆者が栢社長に伺ったところ「ちょうど20周年にあたる4月26日にも、またイベントなどを実施する予定です。今後も皆様に楽しんでいただけるよう、『Maru-Jan』を通じて麻雀の面白さをしっかりと追及してきたいですね」とのコメントをいただいた。はたして次回はどんな仕掛けを用意するのか、今から実に待ち遠しい。
なお、本イベントはYouTubeの「Maru-Janチャンネル」でアーカイブ視聴ができるので、ライブ配信を見逃した人はぜひ、こちらで爆笑必至の対局をご覧いただきたい。