【特別企画】

トヨタ本気の「ミライドン」はJoy-Conで操作可能! こだわりを制作者に聞いた

4足歩行・ドライブの変形ほか、生物としての外装や色味にも工夫

【トヨタミライドンプロジェクト】

場所:東京ミッドタウン日比谷アトリウム(東京都千代田区有楽町1丁目1−2)

開催期間:3月15日~3月17

時間:11:00~21:00

 トヨタ技術会とポケモンは3月15日~3月17日の3日間、東京ミッドタウン日比谷アトリウムにて「トヨタミライドンプロジェクト」が作り出した「TOYOTA Engineering society MIRAIDON(以下、ミライドン)」の展示を実施した。

 本日メディア向けに行われた先行披露ではこの「ミライドン」の4足歩行モードや、開発秘話を聞くことが出来たので、その様子を写真と共にお届けする。

「トヨタミライドンプロジェクト」とは

 冒頭でも紹介したように、この「ミライドン」は「トヨタ技術会」によって進められているプロジェクトだ。「トヨタ技術会」はトヨタ自動車に所属する技術者を中心に構成された有志団体で、次世代を担う子どもたちに対し、「ものづくりの力」や「想像することの楽しさ」を伝え、科学技術に対する興味や夢を育むことを目的としている。

 この「トヨタ技術会」が2023年にその年の活動方針でもある”ミライモビリティ”をテーマに愛知県の小学生たちから募集を行ったところ、8,000枚もの応募の中にあった“ミライドン”の絵をきっかけに始まったのが、この「トヨタミライドンプロジェクト」だ。

プロジェクト始動のきっかけとなったミライドンの絵

 ちなみに「ミライドン」はNintendo Switch「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」で初登場した伝説のポケモン。でんき、ドラゴンタイプのポケモンで、四つん這いになるとバイクのような形になる。作中でプレーヤーは「ミライドン」の背中に乗ることでゲーム内のフィールドを移動することができる。

ゲーム内の「ミライドン」

 このプロジェクト自体は2023年11月にスカイホール豊田で開催されたトヨタ自動車による体験イベント「来て、見て、体験、ものづくり! わくわくワールド」にて情報が公開され、制作中の「ミライドン」が先行披露されている。今回のイベントではその「ミライドン」の完成品が東京ミッドタウン日比谷アトリウムにて初公開された。

体験イベント「来て、見て、体験、ものづくり! わくわくワールド」にて先行披露された「ミライドン」

4人のメンバーから始まり、300人以上が関わることになったプロジェクトの集大成「TOYOTA Engineering society MIRAIDON」

 今回行われた「ミライドン」の先行披露では開発に携わった「トヨタ技術会」スタッフの加藤氏から直接話しを伺うことができた。驚いたのは、この「トヨタミライドンプロジェクト」が最初は「トヨタ技術会」のメンバー4人から始まったことだ。

 わずか4人で始まったプロジェクトがトヨタ自動車の社内各部署に協力者を募るかたちで広がっていき、さらにはポケモン、山一ハガネ、大日本塗料、ロックペイントと社外へと広がっていった。最終的には300人以上の人が関わるプロジェクトとなり、わずか半年という短い期間で完成へと至った。

今回お話を聞くことができた「トヨタ技術会」の加藤氏
参加した企業

手作業で作られた外装パーツ

 プロジェクトにおいて特に苦労したポイントが「ミライドン」の外装部分。外装部分はABS樹脂を素材に、3Dプリンターで造形されているが、その作業自体は多くが手作業になっているという。

 「3Dプリンターでは一定の大きさのパーツまでしか作れないため、パーツの多くは分割された状態で成形されます」と加藤氏。それらをパテで繋ぎ合わせ、綺麗に削るという作業を全て人の手で行っている。また3Dプリンターではすぐにパーツが作れるわけではないので、社内の3Dプリンターはもちろん、社外にも協力してもって外装パーツを準備する必要があり、このパーツの準備と組み合わせがもっとも時間を要したという。

段差や繋目がないように一つ一つ手作業で仕上げられた外装

生き物としての温かみを出せる色の追求

 逆に、今回のプロジェクトでトヨタの強みを活かすことができたのが色。数々の試作車両を製作してきた経験から、色や質感を決めるのは比較的スムーズにできたという。

 特に「ミライドン」は生き物であるため、それをどう色で表現するかを拘った。「シンプルに紫色にするのではなく、表面に赤色を入れて、それが見る角度や光の加減で変わるようにしています。色が動くことで生物として血管の鼓動や温かみが感じられるように表現を工夫してあります」。

角度や光の加減で赤色が表面に現れる

Nintendo SwitchのJoy-Conで動く「ミライドン」

 今回行われた先行披露では、「ミライドン」の4足歩行形態がデモンストレーションされた。カトウさんがNintendo SwitchのJoy-Conを操作することで、「ミライドン」の目が点灯したり、歩行を行った。

「ミライドン」操作用のJoy-Con

 ちなみにゲーム内の「ミライドン」は重さ240kgとなっているが、本機も約200kgとなかなかの重量だ。歩行や走行を可能とするために、可能な限り軽量化を頑張ったそうだ。稼働にはその重量を支え、動かすために5つのモーターが脚部に仕込まれている。

展示では安全性確保のために胴体下部に支えのフレームが設置されているが、実際は独立した状態で歩行することができる
脚部だけでも5つのモーターが設置されており、脚を前後だけでなく、左右に稼働させることもできる

 「ミライドン」には今回の4足歩行「リミテッドモード」の他に、2輪のバイクのような形態「ドライブモード」がある。ドライブモードでは実際に人が乗車した状態で時速2~3kmで30分ほど走行可能となっている。3月15日からの一般展示ではこの「ドライブモード」形態の「ミライドン」が展示される。

【トヨタの「ミライドン」、ドライブ形態の様子】

 「TOYOTA Engineering society MIRAIDON」は現時点で次回の展示予定などは決まっていないそうだ。今回を逃すと見れなくなる可能性もあるので、「ミライドン」好きの方はこの機会にぜひみにいってほしい。

展示概要

・開催期間:2024年3月15日(金)~2024年3月17日(日)
・時間:11:00~21:00
・場所:東京ミッドタウン日比谷 アトリウム

注意事項
・試乗にあたり整理券を配布いたします。整理券をもとに順番にご案内いたします。
・整理券の数には限りがございます。予めご了承ください。
・試乗と展示のタイミングは当日変動する可能性がございます。
・体重65kg以上の方は試乗いただけません。安全上の観点から試乗をお断りさせていただくことがございます。