【特別企画】
「ペルソナ3 リロード」プレビュー。“キミの記憶”が今呼び起こされる! 最高品質となって蘇ったファン待望のリメイク作品
2024年1月16日 22:00
「死」や「終わり」を想起させるダークな雰囲気……! 実際のゲームの流れを紹介
では次に、序盤のプレイ感を含めながら本作の世界観を紹介しよう。
物語の舞台となる「月光館学園高等部」に編入してきた主人公(プレイヤー)は、手違いで入寮した学生寮「巌戸台分寮」に住みながら高校生活を送る事となる。その生活の中で1日と1日の狭間に訪れる「影時間」と呼ばれる異様な世界の存在を知り、「影時間」に迷い込んだ人々を襲う怪物「シャドウ」の襲撃を切っ掛けとして特殊な「ペルソナ」能力に目覚め、「影時間」の解明と「シャドウ」の討伐を行う特殊組織「特別課外活動部(S.E.E.S.)」へと加入する。「巌戸台分寮」はペルソナ能力に目覚めた「特別課外活動部」の拠点となっており、同級生の「伊織順平」や「岳羽ゆかり」、先輩にあたる「桐条美鶴」や「真田明彦」などの個性的な仲間たちと生活を共にしながら、人知れず世界を救うような非日常的な高校生活を送っていく。
主人公が目覚めたペルソナ能力は「ワイルド」と呼ばれる特別な力で、基本的に1人1つしか宿せない「ペルソナ」を複数体切り替えながら扱う事ができる能力となっている。シリーズではお馴染みの夢と現実の狭間に存在する場所「ベルベットルーム」の客人となった事で、主人公は様々なペルソナを合体させてより強力なペルソナを生み出しながら戦いに挑む。好きな「ペルソナ」を収集し、自由に強化していくコレクション的要素がありつつも、ボスやダンジョンに合わせたペルソナをどれだけしっかり用意できるかというRPGらしい楽しみ方ができるシステムなのだ。様々な属性のスキルを用意したり、サポートに特化したペルソナを作ったりなど、戦略に合わせた「ペルソナ」の組み合わせの幅の広さが本作の面白さの1つとなっている。
物語を進める中で明らかになるのが、「影時間」にのみ出現する謎の巨大な塔「タルタロス」と満月の夜にやってくる「大型シャドウ」の存在だ。「タルタロス」は、「影時間」や「シャドウ」の謎を解くために、ゲームを通して常に挑むことになる本作を代表するようなダンジョンとなっており、入る度に地形が変わるという性質も持っている。
そして満月の夜にやってくる「大型シャドウ」は所謂ボスイベントとなっている。プレイヤーは気たるべき満月の日に備えて「タルタロス」を調査しながらキャラクターを鍛え、「大型シャドウ」を撃退していくのが目的となる。なぜ「大型シャドウ」が満月の日にやってくるのか、なぜ「タルタロス」は「影時間」にのみ現れるのか、真相を追い求めて戦いに身を投じていくのだ。
とは言え、そんな非日常的な戦いを繰り広げながらも本作のベースは高校生活だ。毎日学校に通って勉強に勤しんだり、部活動に励んだり、期末テストや文化祭等の学校行事に一喜一憂したりなど非常にジュブナイルらしいイベントが数多く繰り広げられる。テスト前の憂鬱な感じや実際に授業を受けている感覚など人によっては懐かしすぎて涙を流してしまうような高校生らしい体験を改めて追体験する事ができるだろう。
そして本作の日常パートでメインとなるのが前述した「コミュニティ」活動だ。「放課後」や「休日」など自由に学園内や街を探索できるパートでは様々なキャラクター達と自由に交流を深めるイベントを楽しむことができ、交流するキャラクターによって様々な人間ドラマが展開される。
放課後、クラスの友人と飲食店に寄って恋バナや将来について語り合ったり、運動部に所属し怪我や困難を乗り越えて全国大会を目指したりなどいかにも学生らしい内容のコミュニティもあれば、離婚寸前の両親に振り回される小学生と仲良くなったり、事故で息子を失った老夫婦と交流を深めたり等……最初の入りからは想像できない中々に尖った内容が待ち受けている事もある。「ペルソナ3」のコミュ活動は特に(良い意味で)心に程よい苦味を残していくようなタイプの物語も多い印象なので、プレイする際は手元にハンカチを用意してプレイすると良いだろう。
各「コミュニティ」にはアルカナ属性というものが振り分けられている。コミュニティと関わっていくと同じアルカナ属性を持つ「ペルソナ」を生み出す際に追加の経験値を与えるボーナスが発生するため、戦いを有利に進める為にも「コミュニティ」活動は重要な要素となる。自分がよく使う「ペルソナ」の傾向に合わせてコミュニティ活動を進めても良いし、好きなキャラクターがいる場合は一直線にそのキャラクターと交流を深めまくっても良しと、遊び方はプレイヤー次第だ。
「コミュニティ」活動で重要となるのが主人公の「学力」、「魅力」、「勇気」という3つの「人間パラメータ」だ。これらのステータスはゲーム中に発生する特定の選択肢を選びたい時に必要になったり、一部キャラクターの「コミュニティ」活動を開始する際に特定レベルに達していなければならなかったりなど、日常パートにおいて様々な場面で必要になる。例を挙げると女性に強気なアプローチをするような選択肢を選ぶには「勇気」が必要になるし、期末テストで良い成績を取るには一定の「学力」が必要になるといった感じだ。
これらのステータスはストーリー中のイベントや選択肢などで伸ばせるが、特定の施設やアイテムを活用して育成する事も可能だ。その場合は放課後などの行動時間を消費してしまう事もあるため、日々「コミュニティ」活動と上手く被らないようにスケジューリングする必要があるなど、計画性を持って日々を過ごす事が重要となってくるのだ。
さらに今作「ペルソナ3 リロード」では「コミュニティ」活動以外で「特別課外活動部」のメンバーたちと交流できる様々なイベントが”ついに”追加された!
既存の「ペルソナ3」作品では「P3P」の女主人公ルートを除いて、男主人公の場合「特別課外活動部」の女性メンバーとの個人的なコミュ活動はあっても男性キャラクターとのコミュニティ活動などは存在しなかった。本作のストーリー的にもビターな人間関係が描かれることが多かった都合上「特別課外活動部」メンバー達が何気ない日常を過ごしているような描写が本編中だと意外と少なかったのだ。その為パーティーメンバーの掘り下げイベントが追加されたというだけでもファンとしてはとんでもなく嬉しい追加要素なのである。
最初の追加要素が「リンクエピソード」で、これは「特別課外活動部」の特定キャラクターに追加された「コミュニティ」活動のような内容となっている。これまでに明かされなかったストーリーやキャラクターの意外な一面を見る事ができつつ、さらに主人公のステータスの強化や特別なペルソナの合体が解禁されるなどのボーナスがある。
プレイした感じは正に今まで存在しなかった「特別課外活動部」の男キャラクターのコミュイベントのような印象で、キャラクターの掘り下げとして十分。筆者的には特に主人公と一悶着ある「順平」のようなキャラクターの解像度がより鮮明に描写されていたのが非常に良かった。
2つ目の追加要素が「巌戸台分寮」の設備を使った各キャラクターとの交流だ。夜の自由時間に「特別課外活動部」メンバーと共に「DVDを一緒に見る」、「料理を協力して作る」、「一緒に本を読む」、「屋上で家庭菜園をする」といったイベントが時折発生し、主人公の「人間パラメータ」を上昇させたり回復アイテムを入手できる。さらには一緒に過ごした仲間が「特性」というバトル中に役立つパッシブスキルを獲得する事もあるため、戦力強化という面においても非常に重要な要素となっている。
各キャラクターの料理の腕前や趣味の傾向など日常的な一面を数多く知ることができる素晴らしい追加要素となっており、今までの「ペルソナ3」作品では知りえなかったキャラクター同士の絡みが見れたりするのも嬉しいポイントだ。