【特別企画】

「PAYDAY」生みの親が放つ近未来強盗FPS「DEN OF WOLVES」発表

協力FPS「GTFO」はサービス4年目でついに結末を描く最終章を実装

【DEN OF WOLVES】

発売日、価格未定

【GTFO】

12月7日に最終章を実装するアップデート実施

価格:3,990円

 スウェーデンのゲーム開発会社10Chambersは、Game AwardsにおいてPC向け協力型FPS「DEN OF WOLVES」を発表、トレーラーを公開した。本作の発売日は未定。

 10Chambersは「PAYDAY」、「PAYDAY2」を手がけたウルフ・アンダーソンが設立したゲームメーカー。協力型FPS「GTFO」を開発しそのハードな難易度と練られたゲーム性で話題を集めた。今回、テンセントからの出資を受け、より大規模なスタッフで新作協力型「DEN OF WOLVES」の開発に挑む。

 今回、10Chambersは発表に先がけ、世界各地でメディア向けに「DEN OF WOLVES」のコンセプトを説明するイベントを開催。東京では日本、韓国、台湾、中国のメディア向けに行われた。本稿では発表された「DEN OF WOLVES」のコンセプトと共に、「GTFO」の最新動向も紹介したい。

 「DEN OF WOLVES」は今回の発表に加え、ナラティブディレクターであるサイモン・ヴィクルンド氏にインタビューし、作品への想いを聞いた。併せて読んで欲しい。

10Chambersの共同創業者であり、ナラティブディレクターであるサイモン・ヴィクルンド氏

企業間の陰謀渦巻く南の島で、"世界一の犯罪企業家"を目指す「DEN OF WOLVES」

 「DEN OF WOLVES」はビグラント氏が10年以上構想していたゲームだ。10Chambersは「PAYDAY」、「PAYDAY2」に関わり、その経験を元に協力型FPS「GTFO」を開発した。「DEN OF WOLVES」はこれらの経験を活かしてのゲーム開発となる。

【Den of Wolves - Official Trailer】

 「DEN OF WOLVES」は「PAYDAY」同様の「強盗」ゲームとなる。ゲームは最大4人で物語を進めていく協力型強盗ゲームだ。10Chambersは協力型強盗ゲームの可能性を強く感じており、コーポレーション(企業)というテーマを扱うのにぴったりのゲームシステムだと思っているとビグラント氏は語った。

「DEN OF WOLVES」は、プレーヤー達が協力して盗みを働く強盗ゲームとなる
舞台となるミッドウェイは文化のるつぼ。企業がしのぎを削り、国歌の力が及ばない世界となっている

 本作は「GTFO」同様、開発者のパッションあふれる作品となる。「GTFO」は陰鬱なホラー作品だったが、「DEN OF WOLVES」は明るい雰囲気で、派手な色彩を取り込んだゲームになる。また、今回はテンセントの出資の元100人規模、「GTFO」の10倍ものスタッフによって開発され、スタジオとしても次のステージを目指した開発体制でゲームに取り組んでいく。

 「DEN OF WOLVES」は南太平洋に浮かぶ小さな島「ミッドウェイ」が舞台となる。近未来、企業が国家を越えた力を持つというのが本作のコンセプトとなっている。「DEN OF WOLVES」のミッドウェイは国家の力が及ばない企業に支配された土地となっており、人権を無視した人体実験が合法とされている。現実の世界でも起こっているのではないか? と想像させる恐ろしいことが起きている土地だ。

 恐ろしいプロジェクトは米国海軍が進めているのではないか、という噂もある。ミッドウェイはアメリカ領でありながらアメリカの国家権力から離れた企業が暴走し、人々を支配している土地なのだ。石油企業、化学企業、ハイテク企業などがこの地では自分の理想の国を作るべく暗躍している。多くの企業がこの地で支配権を求めうごめき、様々な国からの働きかけもある。結果、文化のるつぼのような土地となっている。

コンセプトアート。上層部は金持ちが住み、下層部は貧民達が住んでいる世界
本作は想像可能な近未来世界で、テレポート装置や空飛ぶ車などは登場しない
派手な色彩が盛り込まれ、ハイウエイではたくさんの車が行き来する。運河が流れている場所も

 コンセプトアートは「ブレードランナー」や「攻殻機動隊」といった作品の影響を強く受けた近未来の世界を提示している。きらめくビルには世界の1%の富裕層が住んでおり、下層では貧民や流民達が住んでいる。貧富の差が明確に見える。ゲームでは2097年の世界と設定されている。現代でも想像しやすい近未来となっている。

 空飛ぶ車やテレポーテーション装置といった超未来の科学はなく、現代の延長上の未来となっている。ミッドウェイの都市もニューヨークの摩天楼のように高層ビルが建ち並ぶ現代のイメージに近いものとなっている。開発者達は「目的を持ったSF」と呼んでおり、あくまで現代の延長上の、地に足がついた世界観を目指している。

 「DEN OF WOLVES」は「GTFO」同様バックストーリーに力を入れているが、オープンワールドではなく、プレーヤー達が行動するフィールドは決められており、これによりゲームの進行をスムーズにする。フィールドではアクション性も高く、プレーヤー達の連携が求められる仕掛けも多く盛り込まれる。

 「ベニスのメガシティ」と名が付けられたコンセプトアートでは、海の上に巨大なビルが建っているイメージを提示している。大きなイメージを提示しながら、あくまでゲームフィールドは集中した表現をしていくとのこと。

 登場する400以上の企業は旅行会社や金融業者、飲食店、ドーナッツショップなど実に多彩だ。それぞれの企業のブランド、マークなども細かく設定されている。これらはコンサルタント会社にも相談しリアリティのあるものをデザインしている。各企業はプレーヤーにとって依頼主になったり、ターゲットとなる。

 ヴィクルンド氏はナラティブディレクターだ。ゲーム内の世界観やストーリーを重視している。しかし協力型強盗ゲームでいかに物語を表現するか、ここも「DEN OF WOLVES」での大きなチャレンジとなる。例えば協力する4人のうち1人はストーリーには興味がないかもしれない。ゲームプレイを通じて以下にストーリーを感じてもらうか、その工夫もしていくとヴィクルンド氏は語った。

ゲーム部分のコンセプト。これまでのノウハウを活かし、協力型ゲームでストーリーを展開していく
プレーヤー間の協力、つながりを重視し、コミュニティシステムにも力を入れていく
「GTFO」での経験を活かし、課金システムや、コンソール版での展開、DLCでのコンテンツの追加といった要素を盛り込んでいく

 物語は「インセプション」、「攻殻機動隊」あるいはフィリップ・K・ディックの小説といったSF作品からインスピレーションを受け作られている。そして、企業間の抗争や、依頼主の裏切り行為、スパイアクションなど多彩な要素を盛り込んでいく。サボタージュ、企業スパイ、潜入捜査など様々な企業の駆け引きがあり、プレーヤーはこれらの依頼をこなしていく。

 ヴィクルンド氏はこれまでのゲーム開発において、強盗ゲームではまだまだやれることがある、やっていないことがあると感じていた。「DEN OF WOLVES」は強盗の可能性をもっと突き詰めたいと考えているとのことだ。

 「PAYDAY」シリーズで襲った銀行や郵便局、カジノといった要素だけではなく、もっと多彩な目的、シチュエーションを提示し、ここにSF要素を盛り込みストーリー性を濃くしていく。より自由なゲーム要素を盛り込む。

 特徴の1つとしてプレーヤーはただの強盗ではなく、「犯罪企業家」を名乗る存在となる。犯罪を斡旋するものとして色々な決断をしていくこととなる。これまでの強盗ゲームのようにただ言われたミッションをこなすだけではなく、プレーヤー自身がミッションを指示する存在となる。ただミッションをこなすのではなく、ミッドウェイでの最大の犯罪企業家を目指すのがゴールとなるのだ。

 もちろんゲームプレイもこれまでの10Chambersの集大成となる。アクション、ステルス、それらを臨機応変に使いこなし、仲間と協力し難局を乗り越える、「PSYDAY2」や「GTFO」以上にドラマチックな展開や、感情をダイナミックに揺さぶられる凝った仕掛けが待っている。

「『PAYDAY2』は盗むだけ、『GTFO』はステルス要素はありますがただひたすら怪物と戦い、生き残りを目指すだけだったと言えます。『GTFO』で学んだ感情が揺さぶられる刺激的な要素を活かしつつ、『DEN OF WOLVES』ではよりドラマチックな展開を目指していこうと思います」とヴィクルンド氏は語った。

 またゲームのマッチングを容易にし、ソーシャル面もパワーアップするとのこと。それは「犯罪企業家」としてのロールプレイにも関係しており、人脈を作ることも求められる。

 最後にビグランド氏は「『DEN OF WOLVES』のスタートは『GTFO』も終わりも意味し一抹の寂しさがあります。ウルフ・アンダーソンが最初に本作のコンセプトを思いつき、チームの共感を得、このプロジェクトが始まりました。僕自身もこの発表にとても興奮しています。どうぞ期待してください」と説明を締めくくった。

 本稿の次ページでは10Chambersの名をゲームファンに知らしめた協力型FPS「GTFO」のこれまでの歩みと、最終章への意気込みをお伝えしたい。

【世界観】
企業ロゴやマーク、製品など、世界観はしっかりと作り込んでいく