【特別企画】
配合のバリエーションはほぼ無限大! 「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」プレイレポート
「DQモンスターズ」のナンバリングとしては22年ぶりの新作!
2023年9月8日 11:00
- 【ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅】
- 12月1日 発売予定
- 価格:
- 7,678円(通常版)
- 11,198円(マスターズ版)
- 14,003円(超マスターズ版)
国民的RPGの1つとも言える「ドラゴンクエスト」シリーズから派生した、「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズは、主人公キャラクターは戦闘に直接参加せず仲間にしたモンスターたちが敵と戦い、またモンスター同士を配合させて新たなモンスターを産み出すという楽しみが魅力のRPG作品だ。
その1作目となるのは、1998年に登場した「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド」。3年後の2001年には「ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵」がリリースされたが、以降は「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」シリーズが作品を重ねていき、ナンバリング作品は休眠状態となっていた。そして、前作から数えること22年となる2023年12月1日に満を持してSwitch向けに登場するのが、ナンバリングタイトル最新作の「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」(以下「DQモンスターズ3」)だ。
今回、発売に先駆けてゲーム中の一部分をプレイすることができたので、そのインプレッションをお届けしよう。
「ドラゴンクエストIV」のピサロが季節によって変化するフィールドを探索
「DQモンスターズ3」の主人公は、RPG「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」に登場したピサロ。本作においては魔王である父親から、魔物と戦えなくなる呪いをかけられてしまい、彼はモンスターマスターとなることを決意する。その道中で知り合った仲間と共に、さまざまな魔界へと足を踏み入れていくのだ。
今回体験することができたのは、いくつかある魔界のなかの一つ、甘味楼の魔界・初級と呼ばれる場所。プレーヤーは、フィールドでピサロを操作して、敵との戦闘をしながら目的地へ向かうこととなる。
まずはじめにフィールドにおける要素を紹介する。場所が魔界のためモンスターがそこかしこにウロウロしているものの、シンボルエンカウント方式を採用しているため、目的地へ向かうだけなら避けまくれば戦わずに移動することが可能だ。単に移動するだけなら少々邪魔に感じるモンスターも、後述するモンスター配合のためにエンカウントしまくる必要があるので、多めに見える程度でちょうどよく感じた。
目的地は、マップを表示すると赤い矢印で示されるので迷うことはない。が、実際に移動してみると、さりげなく遠回りさせられるような感じでフィールドに障害物が配置されていることが多い。そんなときに便利なのが、各所に置かれているギミックだ。
マップは時間経過と共に春→夏→秋→冬→春……と四季が変わっていくのだが、その季節に合わせた仕掛けがフィールド上に出現するようになっている。春は、タンポポの綿毛のようなものに掴まって空中を飛ぶことができ、夏はツタでの上下移動、秋はカボチャが生えて高いところへ行きやすくなり、冬は川が凍って自由に渡れるといった具合だ。
これらを有効活用すれば、道中をショートカットして目的地へと近づくことができるので非常に便利。今作のフィールドは季節ごとに特徴のある見た目に変化するため、プレイしていて飽きが来ないのも良いところ。
次々に示される目的地へと移動していくと、最後にボスのギルノとの戦いとなる。相手の攻撃は強力なのだが、今回はあらかじめ強い味方モンスターが用意されていたおかげで、ほとんど苦労することなく倒すことができた。
戦闘は任せっぱなしで問題なし。ただし、スキルを覚えさせるのを忘れずに
フィールドにいる敵モンスターに触れると、画面が切り替わり戦闘シーンへと突入する。
バトル自体は、プレーヤーは基本的に大まかな命令を下すのみというターン(ラウンド)制のバトルだ。もちろん、命令コマンドで逐一指示を出す手もあるが、味方モンスターは、あらかじめ決めてある作戦に沿った行動を取ってくれる。フィールドでエンカウントするような敵であれば任せっきりでも問題なかった。こちらが思っている以上に賢く戦ってくれるので、モンスターたちをしっかり育成していれば見守っているだけで大丈夫そうだ。
ただし、モンスターたちは作戦の内容を遵守して戦っているので、プレーヤーの思ったとおりに行動してくれない時は、作戦を見直す必要がある。筆者も最初、戦闘中に回復してくれないと悩んだのだが、何のことはない。作戦が“ガンガンいこうぜ”になっていただけだった。
また、モンスターがスキルを覚えていないと、MPを消費しないこうげきだけの肉弾戦になってしまう。序盤はそれでも何とかなるが、すぐに立ちゆかなくなってしまうので、スキルポイントを振って忘れずに習得させたい。
また、パーティはメインのモンスター最大4体+スタンバイ(控え)最大4体という構成になっていて、戦闘中はターンごとに控えモンスターとの入れ替えが可能だ。モンスターにはSやLといったサイズがあり、LサイズのモンスターはSサイズモンスター2体分を占拠する。そのため、メインのモンスターと控えモンスター共にSサイズ4体、Sサイズ2体+Lサイズ1体、Lサイズ2体のいずれかの組み合わせで構成される仕組み。プレーヤーの好みを活かしたパーティ編成ができるので、非常に自由度が高いともいえる。また、戦闘終了時の経験値は控えモンスターにも入るので、育成するのも思った以上に楽だった。
戦闘では敵モンスターと戦うだけでなく、スカウトも行なえる。これは文字通り敵モンスターを仲間に誘うコマンドなのだが、その際にはピサロがそのエリアの支配者を倒しているかやパーティモンスターのレベルなどが成功率に関係してくるため、ゲーム開始直後はモンスターを集めづらいかもしれない。
今回のプレイでは、あらかじめレベルの高いモンスターがパーティ要員として用意されていたため、何の準備もナシに試した時でも20%ほどの確率が表示された。しかし、まったく育てていないモンスターと入れ替えてからスカウトしたところ、0%となり当然ながらスカウト失敗に……。そう考えると、最初はストーリーを進めていき、一区切り付いてパーティが強くなったところで戻ってモンスターをスカウトしまくる、という方法が良いかもしれない。
簡単操作で新モンスターを次々と生み出せる配合は、一度ハマるとヤミツキに
そんな本作の特徴ともいえるモンスター配合だが、正直プレイする前は競馬ゲームのように血縁がどうのこうの……という感じで、非常に小難しいものが出てくるのではないかと内心ビクビクしていた。しかし実際は、親になるモンスター2体を選ぶだけと極めてシンプルすぎてビックリ。しかも、どんなモンスターが生まれるのかという結果も同時に表示されるので、拍子抜けするほど簡単なのだ。これならば、どんな年齢層のプレーヤーでも悩まずに遊べるだろう。
こうして書くと、シンプルを通り越して単純過ぎると感じるかもしれないが、そう思わせておいて実は非常に奥が深いのも本作の配合の特徴だ。配合する際には、モンスターの種類だけでなくサイズも関係するため、親2体がSサイズならSサイズのモンスターが、LサイズならLサイズが生まれるという仕組みになっている。
更に、Sサイズでも大きなSサイズや、Lサイズでも小ぶりなLサイズというモンスターもいるため、例えばSサイズの大きなモンスター2体を親にするとSサイズの大きな子どもが生まれてくる。こういった仕掛が多数仕組まれているため、配合するたびに新しい発見が出てくるので飽きることがない。
それでいて、総数500種族以上にも及ぶモンスターはフィールドでスカウトするだけでは集まらず、コンプリートするためには配合しまくる必要があるのだ。ところが、実際に配合して子どもが生まれると、その新たなモンスターを実戦で使いたくなるのが人情というもの。一度配合しては、生まれたモンスターの実力を試しに外へ出て戦い、満足したところで再び配合を行なう“配合のほこら”に戻ってきて掛け合わせるモンスター探しに勤しむということを繰り返してしまった。こうなると、時間を忘れて完全に沼状態。やり込みが大好きな人や、図鑑の隙間をコンプリートしたくなるプレーヤーには、時間がいくらあっても足りなくなること間違いなし。
なお、すべてのモンスターにはランク付けがされていてG、F、E、D、C、B、A、S、Xの順で高くなっていく。序盤に出てくるモンスターはGやFランクが多いが、だからといって役に立たないわけではない。本作ではGランクモンスターでも配合を繰り返し育てていけば確実に強くなる。愛着のあるモンスターのランクが低かったとしても、このシステムならばクリアまで一緒に戦っていけるのだ。このあたりは、さすが「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズといえるだろう。
ストーリーをクリアする楽しみと、モンスターの配合および育成という、何度も“おいしさ”を味わえる1本
物語を進めるか、それともモンスター収集に精を出すか、そのどちらも追いかける欲張りプレイをするか……プレーヤーごとのプレイスタイルに合わせて好きに遊べる、非常に自由度の高い仕上がりになっていると感じられた本作。個人的には一区切りとなるエリアまでストーリーを進めて、その後に納得いくまでモンスターをスカウトしまくり、素材をタップリ溜めたところで思う存分配合にチャレンジするというプレイスタイルがしっくりきた。とはいえ、今回遊んでみて本当に時間が足りなかったし、まだまだ体験していない要素も数多くあるのは間違いない。
発売は12月1日なので少々先ではあるが、一度プレイを始めてしまえば頭のてっぺんから足のつま先までドップリとハマるのが目に見えているので、年末年始の休みをすべて潰す覚悟を今からしておいたほうが良いだろう。
(C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX
(C) SUGIYAMA KOBO
※画面写真・映像はすべて開発中のものです。