【特別企画】

鳥山明原作の「SAND LAND」がゲーム化。ベルゼブブたちを操作できるアクションRPGの一端を垣間見た!

原作をベースに新メカを追加する作品に

【SAND LAND】

発売日・価格:未定

 漫画「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」などでお馴染みの鳥山明先生が、2000年に週刊少年ジャンプにて短期連載していた作品「SAND LAND(サンドランド)」。それをベースに、アクションRPGとしてゲーム化したのが、バンダイナムコエンターテインメントから発売される「SAND LAND(SAND LAND)」だ。発売日などの詳細は未定のタイトルとなっているが、今回はメディア向け先行体験会にて一足先にプレイできる機会を得たので、その模様をお届けしよう。

 「SAND LAND」は冒頭に記したように、集英社から発売されている雑誌「週刊少年ジャンプ」にて、2000年に短期連載されていた作品。作者は鳥山明先生で、単行本の返し部分には「今回は、どうせなら個人的に描いてて楽しい(はずだった)、じいさんと戦車の漫画でいこう(以下略)」というコンセプトだと書かれている。

 舞台は、50年ほどの昔に人間の愚かな行動と天変地異により、たいして広くない砂漠が世界のすべてとなった地球。残った人間は争いを続けていたが、それが落ち着いたのも束の間、砂漠の命ともいえるたった1本の川の流れが止まってしまう。すべての水は、ただ1つの水源を持つ国王がコントロールし、私腹を肥やす。空を飛ぶ乗り物や船は禁止され、人々は水を得るために苦しい生活を送っていた……。

 そんな暮らしの中、保安官を名乗るラオという人物が、砂漠のどこかにあるという“幻の泉”を探しに行くために、国王軍を襲い水を奪いながら生活する魔物と手を組んで冒険に出かけることとなる。プレーヤーは、ラオと一緒に旅をする大魔王サタンの息子である悪魔の王子ベルゼブブとして、さまざまな場面を乗り越えながら幻の泉探しへと赴く。今回体験できたのはPS5版で、体験会用の試遊版をプレイした。ゲームの内容としては原作漫画の1話と2話にあたるシーン+αで、試遊後にはプロデューサーの南敬洙氏へのインタビューも行なった。その部分を紹介していこう。

【ベルゼブブ】
ゲーム「SAND LAND」の主人公。大魔王サタンの息子で、国王軍を襲って水を奪うような行動をする一方、人間の子供に水を無償で渡すなどの優しさも見せる
【ラオ】
近くの街で保安官をしていると名乗る老人。車や戦車といったメカの操縦に長けてるだけでなく、攻撃方法も熟知している。過去の出来事からそうなったようだが……
【シーフ(中央奥)】
ベルゼブブがラオと旅をするにあたり、パートナーとして選んだ老悪魔。知識は豊富だが、少々臆病な面がある
体験ROMには入っていなかったが、原作漫画冒頭のイベントシーンも用意されているようだ。

原作のストーリーをゲームに落とし込んだ部分を試遊

 今回の体験会ではジープに乗り込み、背後から“ゲジ竜”と呼ばれる、巨大生物に逃げる場面から始まる。ここではジープを左右に操作し、ゲジ竜の体当たりをかわすことなる。ジープには耐久度が設けられており、これが0になってしまうとゲームオーバーのようだ。ただし、体験会ではそうならないように設定されていたので、ゲジ竜の攻撃をすべて喰らってしまった筆者でも、無事に次のシーンに辿り着くことができた。何度かプレイすればクセがわかりそうなので、ここはアクションゲームの苦手な人でも問題にはならないだろうという印象を受けた。

ゲジ竜に背後から襲われる様は、かなりの迫力。どこから現われるのかはわからないので、車を左右に振って体当たりをかわしていく

 この後、原作と同じく一行は近くの村へと辿り着く。食料や水といった荷物を手放すことでゲジ竜の追跡からは逃れたものの補給物資を失ってしまったので、改めての目標として近場の別の村を目指し、目印となるアーチ岩へと進むことになる。この移動シーンは、原作では会話がメインで進行する場面だが、ゲーム版「SAND LAND」ではさまざまなことが行なえるのだ。ジープでの運転や、体験会用に配置された戦車に乗り込んでの移動のほか、ラプトルなどとの戦闘が堪能できた。

イベントシーンでは、車に乗り込んだ3人の会話を楽しむことができる。台詞は原作漫画と同じなので、先に読んでおけばゲームでも盛り上がるだろう。
砂漠を移動するだけでなく基地と思われる場所で戦ったり、岩陰でキャンプすることもあるようだ。
ベルゼブブに用意されたアクションは格闘のほか、仲間にぶら下がって空を飛んだりロープを掴んで空中を移動する、綱渡りなどが用意されているとのこと

 特に戦車は、鳥山先生が原作漫画のコンセプトとしても大事にしていたコンテンツだけあって、ゲーム版「SAND LAND」でも非常に気合が入って作られていると感じられた。見た目はもちろんのこと、室内が暑くなるのでハッチを開けて走行するといった細かい部分も再現されており、開発陣の作り込みが伺えた。

 また、戦車は搭載している武器で攻撃すれば敵のHPを大きく減らせたり、そのまま倒してしまうこともできた。戦車の操作方法は慣れが必要だと感じたが、わかってしまえば戦車無双ができそうで、これもまた楽しみな要素の一つとなるだろう。

戦車の作りは原作漫画に忠実で、少々くたびれた感じもしっかりと描かれている
戦車を使って戦うシーンも多数あるようだ。かなり派手なバトルになることが予想される

 こうしてアーチ岩に到着すると、原作漫画と同じく野党が出現する。先ほどの砂漠地帯に引き続き、ここでも格闘戦を体験できるのだが、基本的には□ボタンの連打だけで攻撃が出せるようになっているため操作は悩むことなくシンプル。さらに、△ボタンで大攻撃を繰り出せたり、慣れればR2ボタンで回避行動を行ないながら敵の背後に回り込んで攻撃するなど、かなり柔軟な感じでのバトルが堪能できる。

 また必殺技を発動するゲージがあり、それが溜まったときにR1ボタン+□ボタンを押すと必殺技が発動し、敵に大ダメージを与えることもできるのだ。もちろん、これ以外にもさまざまなアクションを発動させられるのだが、体験会ではプレイ時間が短かったこともあり、ここまでとなった。次のページではプロデューサーを務める南敬洙氏へのインタビュー内容を紹介していく。

敵が出現すると、移動シーンからシームレスに戦闘シーンへと突入する。ボタン連打でも問題なく戦えたほか派手な必殺技も用意されているので、見ていても遊んでも楽しい