【特別企画】

「ストリートファイター6」先行プレイレポート! ファン待望のシリーズ最新作は新キャラクター&新モードで次なるステージへ

従来のモードもバッチリ遊べる! アーケードモードとトレーニングモードで新キャラクターや操作感を体験

 今回の先行プレイでは他にも、一部キャラクターのプラクティスモードやアーケードモードもプレイできた。

 アーケードモードは従来通り、各キャラクター毎に用意された簡易的なストーリーや、ボーナスステージでの車破壊などファンを安心させてくれる要素で構成されている。今作の場合は「World Tour」でゲームシステムに慣れてから、その道中でプレイヤーが気に入ったキャラクターを見つけて次に遊ぶモードとして適していそうだ。

アーケードモードの構成は今までと同じで実家のような安心感がある。ステージ数や難易度を細かく選んで連戦できるので、自分の実力に見合ったモードでキャラクターの練習ができる

 今回アーケードモードでプレイできたキャラクターは、シリーズでお馴染みの「ケン」と新キャラクターの「リリー」。既存キャラクターである「ケン」は「リュウ」と近い性能を持つことで有名だが、前作「ストリートファイター5」と同じように「リュウ」とは差別化されたスピード感のあるコンボ攻撃や、彼独自のコマンド技は健在だった。風貌もより険しくクールに荒々しくなっているが、アーケードモードではその経緯を知ることもできる。

 対して新キャラクターである「リリー」は天真爛漫で元気いっぱいな可愛らしい女の子。使用する技が「コンドルダイブ」や「コンドルスパイア」など、彼女のルーツである「サンダーフット族」らしい「T.ホーク」と同じ技を繰り出すキャラクターとなっていた。しかし、各コマンド技を強化できる彼女ならではの必殺技「コンドルウィンド」の存在や、スーパーアーツの差異などで使用感はかなり異なっているキャラクターにも感じる。アーケードのストーリーで見受けられるのほほんとした雰囲気と、新しい操作感が相まって気に入るプレイヤーも多そうなキャラクターだ。

【アーケードモード:ケン】
華麗な足技や派手な火力が特徴のケン。そのキャラクター性能は健在だが、今回は「スト5」の頃よりもかなりシブく険しい姿での登場となった
【アーケードモード:リリー】
思いっきりモーションのベースとなったキャラクターが映っていることからも分かる通り、「サンダーフット族」らしい体技でリリーは戦う
システムの変化やリリー独自の技である「コンドルウィンド」によって「T.ホーク」とは使い勝手が結構違う印象だった。新鮮な気持ちで遊ぶことができるだろう

 続いて、格闘ゲームをやる上で何度もプレイするプラクティスモードも触ることができた。一番の基本となる、キャラクターを選んでコンボやコマンド技等を自由に練習できる「Training / Tutorial」以外にも、各キャラクターの特性や戦い方の基本を教えてくれる「Character Guide」、各キャラクターの指定されたコンボを練習できる「Combo Trial」が用意されていた。「ストリートファイター」のキャラクターは独自性の強い操作を求めるキャラクターも多いため、初心者のためにもかなり手厚く練習モードが用意されている印象だ。

 「Character Guide」では、本作より登場する新キャラクター「JP」の基礎を学ぶことができた。「JP」は新キャラクターの中でも設置・置き技や遠距離攻撃からの攻撃を主軸とする特に癖の強いキャラクターとなっていたので、このモードのありがたみを強く実感できた。恐らく何も知識のない状態で「Training」で試して見るより何倍も効率よく初歩を覚えられるだろう。

 「Combo Trial」では既存キャラクターである「キャミィ」を操作できたのだが、モード自体は過去作のコンボトライアルと大きな違いはなかった印象だ。とは言え画面に表示する内容を変更したり、ゲームスピードを変更したりなど、各種サポート機能が充実しているため、快適にコンボ練習を行えるだろう。

新キャラクターの「JP」は「ストリートファイター」では見かけなかったタイプの性能だったため、このモードの意義は大きいように感じた。「JP」は好むプレイヤーにはガン刺さりする堪らない性能だったので早くしっかり触りたいところだ
コンボトライアルの設定の手厚さは健在。自分がプレイしやすいように画面表示を変更できるため、コンボが繋がらない原因等を視覚的にも数値的にも判断しやすいだろう

 最後にCPUと自由に戦える「Versus」モードと、様々な特殊条件を達成する事で勝利できる「Extreme Battle」をプレイしながら、今作で追加された3つの操作方法をそれぞれ試したのでその所感を語りたい。なお、「クラシックタイプ」については従来通りなため省略する。

 まず「モダンタイプ」についてだが、使い慣れれば「クラシック」よりもこの操作方法が良いというプレイヤーがいてもおかしくないほど操作精度は高く感じた。「必殺技ボタン」の存在でコマンド入力に意識を持っていかれない分、キャラクター同士の立ち回りに集中できるのが素晴らしく、使用するボタンやコンボに必要な操作が格段に少ない事から初心者にはお勧めしやすい。

 しかし「アシストボタン+各種攻撃ボタン」による攻撃方法の変化パターンを覚える必要があるなど、「モダンタイプ」ならではの操作感を覚える必要がある。対応するボタンを押せば全員がある程度共通したアクションを行う「クラシックタイプ」に慣れているプレイヤーからすると、かなり違和感のある挙動をする事もあり、既存プレイヤー目線だと中々に一長一短な印象だ。逆に初心者は「クラシックタイプ」の先入観がないことからも、「モダンタイプ」を”極める”位の気持ちで使い続けるのもアリなのではと感じている。

アシストコンボの存在によって接近戦主体のキャラクターであれば最初の攻撃を当てるだけで安定してダメージを与えられる分、「クラシックタイプ」より簡単に操作できるように感じた
逆に特殊な戦い方を得意とするキャラクターの場合はコマンド技の撃ち分け操作が「クラシックタイプ」とかなり異なるため慣れるのに時間が必要な印象だ

 「ダイナミックタイプ」に関しては誰が操作しても”それっぽく”戦えるという感じだった。攻撃ボタンを押せば、距離に合わせて自動で行動&攻撃してくれて、良い感じにコンボするので非常に楽なモードになっている。完全な初心者でもある程度は戦えるようになる位にはしっかり動いてくれるので、格闘ゲームのアクション性を楽しんだり、カジュアルに楽しみたい人にはお勧めできるモードだ。

 実際レベル7のCPUにボコボコにされた筆者でも「ダイナミックタイプ」にした瞬間アッサリと勝つことができたので、その操作サポート力は凄まじい。ただ当然ながら自分の意思でコントロールできている操作が少ないので上達は見込めないし、細かな操作を必要とする場面では勝手に動いて裏目になる事も多いので、「格闘ゲームの入門として遊んでみる操作方法」としては非常に優秀という形に収まると思われる。

「ダイナミックタイプ」は本当にもうただボタンを押すだけで何でもしてくれる。自動で「ドライブインパクト」を通してくれたり、ゲージが溜まってれば「スーパーアーツ」も撃ってくれたりと至れり尽くせりだ。それまで6連敗していたCPUレベル7に完勝できるほど精度は高かったため、とりあえずゲームの感覚を覚えたい人はこのモードで遊んでみるのも手だろう

 実際に様々なモードをプレイして分かった事だが、今作はただ「ストリートファイター」の続編として格闘ゲーム部分を進化させただけでなく、「World Tour」によってソロモードを充実させたり、簡略化された操作モードを実装するなど、今までにないぐらい初心者にアプローチしている要素が多いのだと感じた。

 「World Tour」による格闘ゲームの基礎を学びながら遊べる体験や、「モダンタイプ」や「ダイナミックタイプ」でプレイした際の”それとなくしっかり戦えてる感”は格ゲーらしい面白さを直に味わえる良い塩梅のバランスとなっていたため、多くのタイプのプレイヤーが楽しめる作品になるだろうと強く思えた。

 格闘ゲームの金字塔である「ストリートファイター」がここまで革新的なシステムを導入してきた事は非常に面白く、eスポーツの面においても発売後にどのような盛り上がりを見せるのか非常に楽しみだ。

 現在本作の体験版が各プラットフォームにて配信中のため、気になった人は是非一度プレイしてみ欲しい。全くの初心者でも全然楽しめる、新しいゲーム体験を味わえるはずだ。