【特別企画】
吉田直樹氏による「FFXVI」プレゼンテーション
これで「FFXVI」がまるっとわかる! 新情報も交え、ストーリーやアクションのポイントを吉田氏が語る
2023年2月28日 23:00
- 【ファイナルファンタジーXVI】
- 6月22日 発売予定
- 価格:9,900円~
6月22日発売予定のプレイステーション 5用アクションRPG「ファイナルファンタジーXVI」(以下、「FFXVI」)について、スクウェア・エニックス社内にてプロデューサー吉田直樹氏によるプレゼンテーションが実施された。
これはスクエニ社内にてメディア向けの「FFXVI」メディアツアーの一環として行なわれたもの。別稿では「FFXVI」初プレイのファーストインプレッションやインタビューの模様をお送りしており、これらもメディアツアー内でのものだ。
吉田氏によるプレゼンテーションはメディアツアーの前段として実施されたが、新情報も含めて「FFXVI」のポイントがよく分かるものとなっていたので、その模様をお届けする。
※このバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
※画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
イギリス英語、中世ヨーロッパ当時の仕草にもこだわり
メディアツアーの冒頭にて吉田氏からは、ディレクターの髙井浩氏などをはじめとした「FFXVI」の開発を行っている第三開発事業本部の開発体制について紹介がされた。
その中でも今回かなり重要な役割を担っているひとりが、ローカライズ担当のKoji Fox氏だと吉田氏は語った。Koji氏は「FFXI」や「FFXIV」プレーヤーにはなじみ深い人物で、「FFXIV」ではローカライズリードとして活躍している。本作ではイギリス英語にかなりこだわって収録しており、中世ヨーロッパの当時の仕草や挨拶様式にまで踏み込み、Koji氏はローカライズだけでなくカルチャライズの担当もしているそうだ。吉田氏曰く「洋画好きの人には、ぜひ英語ボイス、日本語字幕でのプレイもしてほしい」とのことなので、期待したい。
また、「FFXIV」と兼任のコンポーザー祖堅正慶氏も、本作でものすごい数の曲数を書き下ろしているとのこと。1カットシーンでしか使われないような曲も多数あるため、こちらにもぜひ注目して聞いてほしいとのことだ。
そして吉田氏は改めて、「FF」はナンバリング作品ではあるが、各作品は独立しており、初代「FF」から遊ばないと楽しめないようなゲームではないことを強調。「FFXVI」だけでも充分に楽しめるので、これまで「FF」をプレイしたことがない人にも「FFXVI」をぜひプレイしてほしい、と述べた。
「FFXVI」では、「ストーリー」、「キャラクター」、「グラフィック」、「アクション」という4つの柱を掲げて制作を進めており、まずストーリーでは相当長い時間をかけて練り上げ、徹底的に描き切ることを目標にやってきたそうだ。キャラクターについても深く描いており、主要ストーリーのカットシーンだけでも11時間以上、その全てをリアルタイムレンダリングで描いている。
グラフィックスも、PS5というハードに特化して、相当細かいところにまでこだわってきたとのことで、ぜひ細部に目をやってほしいとした。そしてアクションは、本作では従来の「FF」から受け継がれてきたコマンドシステムを一切取り入れず、全ての世代のプレーヤーに遊んでもらえるようなフルリアルタイムアクションにこだわってきたことを指す。「主人公クライヴのアクションだけでなく、召喚獣バトルなど恐ろしいコストをかけたバトルも多数作ってきたので、今回何よりも注目してほしい」と述べた。
これら4つが全て合わさった「FFXVI」について、吉田氏は「ジェットコースターのようにつながっていく、最大級の特急アクション」と称し、全てがロードを挟むことなく、PS5の性能に特化して制作してきたのだそう。
リニア型のゲームデザインで地域の物語を描き切る
「FFXVI」には、5つの国家と1つの不可侵条約で守られた自治領が登場する。まずは主人公クライヴの生まれ故郷となるロザリア公国で、歴史の長い厳格な国だ。
ロザリア公国と同じ風の大陸にある「ザンブレク」は宗教国家で、文化的にもかなり進んだ国。灰の大陸にあるのが、「ウォールード」。長らく戦乱が続いていたが、バルナバスというキャラクターが統一を果たした。人類だけではなくオークといった亜人種も数多く存在している。
「ダルメキア」は、砂漠の国で5つの州の代表による共和制国家。そして「鉄王国」は、クリスタル至上主義を抱えた、過激な宗教を信仰。火山そのものがマザークリスタルで、国になっているという地域だ。
最後の地域が、世界最大のマザークリスタルを抱えたクリスタル自治領で、それぞれの国が不可侵条約を結んでいる。
「FFXVI」はオープンワールドではなく、あえてリニアなゲームデザインになっている。オープンワールドではないので、いつでもどこでも行き来できるというわけではないものの、ワールドマップを介して好きな場所に移動できる機能もある。
また、スケールの大きいフィールドも4つほど用意されているという。そのため、探索要素などもきちんとあり、場所をストーリーによって決め打ちしていくことで散漫にならず、その地域の物語を描き切れた、という吉田氏。なお、「これだけのスケールのものをオープンワールドで出そうとすると、あと10年はかかります」と、冗談交じりのひとことも。
120メートルを超える召喚獣も登場
本作ではキャラクターの掘り下げにも力を入れており、本作では召喚獣の力をその身に宿すドミナントという存在が8名登場するが、それぞれの主義や価値観のぶつかりあいもしっかりと描いていると、吉田氏。
改めてドミナントと召喚獣について触れ、召喚獣のサイズは様々で20メートルくらいのものが多数なものの、中には120メートルを超えるような召喚獣もいるそうだ。スケールの違う召喚獣同士の激突を、ゲームデザインにしっかり盛り込んで、遊びを毎回変えるというようなことをやってきた、と吉田氏は強調した。
なおドミナントは英雄のように祀られている国もあれば、奴隷のようなただの兵器とみなされて戦うことを強要されるといった国もあり、その扱いは様々にある。
召喚獣は、わかりやすくいうと現代における核兵器のようなもので、これを使って戦争をしだすと世界が滅んでしまうようなものだという。マザークリスタルは現代でいう油田のようなものだが、エネルギーが枯渇してきてしまったことによって、禁断の召喚獣同士の戦いが始まる――という設定になっている。
ストーリーはクライヴの少年期、青年期、壮年期を追っていく
「FFXVI」のメインストーリーでは、少年期、青年期、壮年期と、プレーヤーは長い年月に渡って主人公・クライヴの生涯をたどっていくことになる。
クライヴには、ドミナントとして生まれることを期待されていたものの召喚獣が宿っていない。代わりに弟のジョシュアがドミナントとして覚醒したのだが、とある事件によって弟を失ってしまい、クライヴは弟の復讐のためだけに生きている。相棒の優しい狼・トルガルがパートナーとして存在し、トルガルの活躍にも注目してほしいという吉田氏。クライヴはドミナントではないものの、弟ジョシュアからフェニックスの祝福を得て、一部フェニックスの力が使えるという状態からゲームがスタートする。
そして本作のヒロインとなるジル。クライヴやジョシュアと共に育った兄弟のような存在。彼女にもとある悲劇的なことが起こり、シヴァのドミナントとして目覚める。ジルは非常に強い女性で、過酷な運命を背負っており、クライヴと共にその過酷な運命に立ち向かっていく。
「FF」シリーズお馴染みのシドは本作にも登場。今回はシドルファスという名前で登場し、ラムウのドミナントで、色々な国を放浪して世界の在り方や、自分の理想を追い求めて独立組織を立ち上げて活動している。クライヴとは旅の途中で運命的な出会いを果たし、復讐に燃えるクライヴの良き理解者だ。
ウォールード王国の密偵部隊長のベネディクタは、ガルーダのドミナント。
ダルメキア共和国の評議会顧問でタイタンのドミナントのフーゴ。
ザンブレクの王子でバハムートのドミナントであるディオン。
ウォールードの国王でオーディンのドミナントである、バルナバス。
これらのキャラクターたちが織りなす群像劇が、「FFXVI」のストーリーとなる。
「半年後にPC版を出すことは不可能」。が、出したい気持ちはある
次に吉田氏が語ったのは、アクションについて。アクションは大きく分けてふたつで、ひとつが主人公クライヴの生身のアクション。クライヴは物語の展開上、複数の召喚獣の能力を得ていくのだが、その召喚獣ごとのアビリティによって、クライヴ本来のアクションがどんどん増えていく。そこをカスタマイズして自分ならではのコンビネーションを作ったりすることが可能だ。ストーリーに集中したい人に向けては、アクションをサポートする様々なアクセサリ(装備品)を用意。ライト層から、アクションを本格的に楽しみたい人まで、どちらでもフルで楽しんでもらえるようになっている。
次は召喚獣合戦で、召喚獣同士が激突するバトルを行う。これも召喚獣ごとに異なったバトルとなっており、使いまわしのシステムは一切なし。全てオリジナルでユニークなバトルゲーム体験となっている。
なお、今作がアクションゲームということでパーティメンバーがいないのではという心配をしているファンもいたが、前述の通りパーティメンバーは用意されている。ただしかなりハードコアなアクションになっていることもあり、仲間は全てAIで動作。プレーヤーはクライヴの操作に集中することとなる。パーティメンバーはただついてくるだけの存在ではなく、道中の会話なども相当数用意されており、実質そこもメインストーリーの一部といっても過言ではないようだ。
また、相棒の狼・トルガルはパーティメンバーでもあるが、実際にはバディという呼び方の方が合っているかもしれない、と吉田氏。唯一指示出しのできる仲間で、自分が打ち上げたタイミングで噛みつきをしてほしいだとか、テクニックの一部に組み込むことが可能だ。ただ複雑で厳しいというプレーヤーのために、「《オートトルガル》の指輪」というアクセサリも用意。それを装備すれば全て自動で動いてくれる。
クライヴのアクションは相当数用意されており、どのアクションを習得するのか、それからどのアクションをさらに鍛えていくのかは、プレーヤー自身の手で決めていくこととなる。いつでもワンボタンで全てリセットしてAPに戻し、再び振り分けることも可能だ。
最後に吉田氏は、先日話題になったPC版についても触れ、「半年後にPC版を出すことは不可能です」と改めて明言。今回、PS5で出すにあたって、PS5で最高のゲーム体験を届けるためにものすごい時間とコストをかけて最適化を行ってきており、現状PS5版と同じパフォーマンスのPC版を半年後に出せるような状態にはない、とはっきりと口にした。もちろん、いずれはPC版も出したいという気持ちはあり、いつか実現するとも思うが、時期を言えるような段階には全くなく、「ぜひPS5でプレイしてもらえると嬉しい」と繰り返し語った。
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※このバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
※画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。