【特別企画】

90年代の熱を呼び覚ます! 「ストリートファイター『俺より強いやつらの世界展』」渋谷会場レポート

「ストリートファイター」を“見て”“体感する”夢のイベントが本日より都内で開催!

【ストリートファイター「俺より強いやつらの世界展」】

渋谷会場:2月10日~3月27日 開催

北九州会場:6月18日~8月7日 開催

 カプコンの人気格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズの展覧会、「俺より強いやつらの世界展」が渋谷の東京アニメセンターで本日2月10日より開催される。

 筆者もかねてより注目していたイベントで、2020年に開催された際に福岡会場に赴く予定であった。しかし、コロナウイルスの影響で会期途中に一時は開催中止となり、参加することが叶わなかったという苦い記憶があった。だがそんな記憶を払拭すべく、満を持して都内での開催となる。往年のシリーズファン必見の本展覧会の見所をお届けしよう。

【ストリートファイター「俺より強いやつらの世界展」】

生原画や超貴重な開発資料までも目にすることができる!!

 まず会場の入口では、ベガと春麗の等身大フィギュアがお出迎え。近年のシリーズで見慣れたの筋骨隆々のガチムチボディが3次元になると、その迫力はハンパじゃない。春麗の鍛え抜かれた脚は平均的な成人男性のものよりも間違いなく太く、百裂脚でバルログもろとも建物の壁をぶち破るのも納得できる。

見るからに強いと感じさせるガタイの良さ

 今回のイベントは、秘密結社シャドルーの工作員がカプコンに潜入し、そこからファイターの詳細データや秘蔵の資料を盗んできて公開しているという非常にユニークなコンセプト。「この資料を見たからには、お前もシャドルーの一員だからな!」という力業の勧誘も面白い。

「ストリートファイター」の世界観をうまく活かした演出

 本展覧会は、90年代の格ゲーブームの火付け役となった「ストリートファイターII(以下ストII)」の展示がメインとなっている。キャラクターごとに展示エリアが区切られており、好きなキャラクターの資料をピンポイントで見ることができる。当時のイラストは当然ながらデジタルではなく全て手描きによるもの。アナログだからこそ出る味わい深さがあり、足を止めていつまでも見ていたくなる魅力がある。

 さらに、本来絶対に見ることができない開発用の仕様書などの資料までもが展示されている。ゲームが出来るまでの過程やクリエーターたちの熱量を感じることができる。ゲームに実際に実装されたもの、没になったものもあり非常に興味深い。

キャラクターごとに資料がまとまっているので、見たいキャラを存分に見ることができる
ステージデザイン画。緻密に描き込まれている
チャイナステージの自転車で走る人の資料までも
ボーナスステージの資料。恐らく没になったものだが、「灰色ぐまと戦う」の一文が非常に気になる

 ゲームのパッケージやポスターなどの販促用で使用されたアートワークの展示もあり、「ストII」から「ZERO2」までのイラストがズラリと並んでいる。どれも数十年前のものだが、どのイラストも印象深く残っており、一目見た瞬間に当時の熱かった記憶が蘇る。

 スタイリッシュな「ZERO」シリーズのイラストもめちゃくちゃカッコ良いのだが、おじ世代にとってはスーパーファミコン版「ストII」のパッケージにもなった、地球をバックに格闘家たちが並ぶあきまん氏のイラストがやはり1番ハートに刺さる。現在の繊細なタッチと違い少々粗削りだが、その無骨なタッチが「ストII」の世界観と非常にマッチしており、当時少年だった筆者はこのイラストにテンションブチ上りであった。

見ているだけで熱くなるアートワーク
「ストII」を象徴するあきまん氏のイラスト

 会場で直に見ていただきたい渾身の作品も数多くあり、その1つは「スーパーストリートファイターIIX」の頃に描かれたであろう豪鬼の鉛筆画だ。巨大なスケッチブックに描かれ、ショーケースに飾られる様はまさに芸術品の域。

 そしてもう1つが、あきまん氏が描いた春麗の等身大油絵である。2009年のあきまん個展用に描き下ろされたものなのだが、まさか再び見られる日が来るとは思わなかった。

 写真では絶対に伝わりきらない魂のこもった作品をぜひ実物をその目で見て、パッションを感じてもらいたい。

謎のキャラクターとして登場した豪鬼。悪魔的な圧を感じる
この迫力の脚。直に見て目に焼き付けてほしい

見るだけではない、自身で「ストII」を体感できるコンテンツも!!

 膨大な展示物を見て回るだけでかなりの満足度ではあるのだが、さらに「ストII」を深く味わうことができる本展覧会だけのオリジナルコンテンツが用意されている。

 「ファイナルファイト」から生まれた、車をボコボコに破壊するあのボーナスステージを体感できるというのだ。壁に映し出された車の前に立ち、波動拳のポーズをとることで動きに合わせて必殺技が発動するのだ。波動拳を放って攻撃するという趣旨のものだが、ヨガフレイムやソニックブーム、昇龍拳なども隠し必殺技として用意されている。いろいろな技を会場で試してもらいたい。

波動拳以外にもいろいろな技が繰り出せる。筆者が体験したときはタイガーショットが最後まで出なかった

 「ストII」の名物でもある、敗者がボコボコになっている痛ましい負け顔。あの負け顔を自分の顔で出来てしまうという、バカバカしさ全開のコンテンツもあり。設置されているアーケード筐体にカメラが備え付けられており、ここで自分の顔を認識してくれるのだ。

 本物のゲームのように、キャラクターセレクト画面からなりたいキャラクターを選択するという凝った作りになっている。全キャラクターの中でもっとも情けないベガの負け顔がたまらなく好きなので筆者はベガを選択。シャッターが切られるタイミングで負け顔の表情を作ると、想像以上に違和感なくキャラの顔にハマっていてかなり面白い。友達と一緒に撮ったらかなり盛り上がれそうだ。

まさにゲームセンターのような空気感。コロナウイルスの対策で、フットレバー操作となっている
筆者お気に入りのベガの負け顔。対戦前とのギャップが良い
撮影前には本物のゲーム画面を使った演出も
筆者の負け顔ベガVer.
撮影した負け顔はモニターに表示されている。どれも良い味が出ている

 物販ではこのイベントオリジナルグッズも数多く取り揃えており、ファンなら爆買い待ったなしである。

 さらに、本展覧会の入場特典として某チョコウエハースに付いてきそうなシールがランダムで1枚もらえる。ラインナップは「ストリートファイターⅤ」と「ZERO」シリーズのさくら、ベガの3種類。現実的にコンプも可能な数である。

 今回は取材だったため、後ろ髪引かれながらもほどほどで会場を後にしたが、正直一時間やそこらでは全然見足りないほどの熱い展覧会となっている。リアルタイムで遊んできた「ストリートファイター」おじはもちろん、「ストリートファイターⅤ」から入ったファンもぜひ足を運んでもらいたい。