【特別企画】
フォトモードだけで何十時間も遊べる! 「刀剣乱舞無双」先行プレイレビュー
アクション初心者に優しい設計。「刀剣乱舞」ファンなら誰もが手に取りやすい作りに
2022年2月16日 18:00
- 【刀剣乱舞無双】
- 2月17日 発売予定
- 価格:8,778円(税込)
2月17日に発売予定の「刀剣乱舞無双」。本作は、DMM GAMESとニトロプラスによる刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」と、コーエーテクモゲームスによる人気アクション「無双」シリーズがコラボレーションしたタイトルだ。本作では、3Dで描かれる美しい刀剣男士十五振りに加え、謎の人物「面影」が登場する。
「刀剣乱舞-ONLINE-」は日本刀の名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士」と、彼らを率いる“審神者”(さにわ)となり歴史を守る戦いに出る、刀剣育成シミュレーション。一方で「無双」シリーズは、こちらの陣営は少数ながら、群がる大量の敵をなぎ倒していく、爽快な3Dアクションゲームである。
これまでにもオリジナルの「無双」シリーズ以外に「ガンダム無双」、「ワンピース海賊無双」、「ゼルダ無双」、「ファイアーエムブレム無双」といったコラボレーションタイトルが多く発売されている。
本作は、「刀剣乱舞-ONLINE-」がただ3Dになって「無双」をするだけではない。物語の舞台となるのは、審神者が存在せず、十五振りの刀剣男士のみで漂流を余儀なくされている本丸。時間遡行軍(じかんそこうぐん)の襲撃を受けたところから、時の政府の使いである「こんのすけ」が現われ、「強襲調査」という名の任務に当たることとなる。つまり、本作オリジナルのストーリーが描かれるのも特徴だ。
「刀剣乱舞-ONLINE-」のファンはもちろんのこと、「無双」シリーズのファンも気になるであろうタイトルだが、本作は歴代「無双」シリーズの中でも類を見ないほど、アクションゲームを初めてプレイする人に配慮された優しい設計になっている。今回はSwitch版を先行して体験した手触りと合わせて、操作モードや難易度による違いなども解説したい。
3Dモデルのまつ毛に感じるこだわり。美麗な刀剣男士が勢揃い!
本作の魅力を真っ先に挙げるならば、それはやはり「美麗な刀剣男士を、3Dでじっくり楽しめる」という点に限る。3Dデータで描かれる刀剣男士は、いずれも原作「刀剣乱舞-ONLINE-」のイラストの良さが、非常に活かされている。
本作に登場するのは、原作に登場する九十八振り(※2022年2月現在)中から、十五振り。そこから更に5つの部隊が編成され、第一部隊に三日月宗近、千子村正、蜻蛉切。第二部隊に歌仙兼定、一期一振、鯰尾藤四郎、日向正宗。第三部隊にへし切長谷部、薬研藤四郎、巴形薙刀。第四部隊に鶴丸国永、燭台切光忠、大倶利伽羅。第五部隊に山姥切国広、山姥切長義、という編成になっている。この十五振りの仕上がりはいずれも素晴らしいので、一振りでも好きな刀剣男士が含まれているならば、それだけで充分楽しめるだろう。
特に、まつ毛には並々ならぬこだわりがあったのだろうか。まつ毛の一本一本までが美しく、細やかに表現されている。目は刀剣男士の印象を素直に反映するパーツだけに、「刀剣乱舞-ONLINE-」のイラストにかなり近しい、丁寧な仕事ぶりが感じられる。
特定の攻撃や一定以上のダメージを受けると衣装が破損する「負傷状態」や必殺技などの演出は、「実際に彼らが動いたらこんな感じなんだろうなぁ」と思うほどで、どの刀剣男士を選んでも「おお」と思わず唸ってしまうし、それぞれの使用感もまるで違っている。
短刀の刀剣男士はかなり軽快な技を繰り出すが、打刀や槍などのアクションには力強い印象を受ける。とりあえず片っ端から触って、どの刀剣男士がどんな攻撃でどういったアクションをするのかは、ぜひ試してみてほしい。
また選んだバディと二振りで繰り出す特殊攻撃「双刀必殺」は、刀剣男士一振りで繰り出す必殺技より更に豪華。どの刀剣男士の組み合わせでも可能なので、ぜひ試していくといいだろう。
しかも戦闘中にフォトモードが使えるため、お気に入りのシーンやモーションを、好きな角度からじっくり眺めたり撮影できたりする点も嬉しいところだ。なお、演出が固定となる必殺技のカットシーンや本丸では、カメラの回転機能などに一部制約がある。
審神者不在。「こんのすけ」が導き、シリアスなストーリーが展開
なお本作には、「刀剣乱舞-ONLINE-」でプレーヤーキャラクターであるところの審神者は登場しない。その代わりにこんのすけが十五振りの刀剣男士を導いてゆく。
前述の通り、本作のストーリーの設定はかなり重厚でシリアスになっている。そのため、刀剣男士たちの会話もずしりと来るものがある。オープニングの時点で胃が痛くなる程なので、刀剣男士への愛が深ければ深いほど、時には胸を痛める場面もあるだろう。
刀剣男士たちは、歴史改変が起ころうとしている合戦に出陣して、正しい歴史を守るべく戦ってゆくことになる。改変された歴史、いわゆる”偽史”もしっかり作りこまれている。今回プレイできた範囲はメインストーリー1章までだったが、かなり楽しむことができた。
果たして本丸に何が起こって、審神者までもが消えてしまったのか……。残された刀剣男士はどのような真実にたどり着くのかはもちろんのこと、公式サイトでも既に明かされている大太刀を扱う謎の人物”面影”が本作の本丸とどのように関わっていくことになるのかも、非常に気になるところだ。
簡単・易しいの親切設計が前提となる作り
ゲームを開始するとまず操作モードを決めることになるのだが、Yボタンを連打するだけでどんどん攻撃がつながっていく”簡単モード”が先頭にある。この簡単モードでは回避も自動で行なってくれるという親切設計だ。なお、必殺技などはタイミングを図ってボタンを押す必要がある。
一方の”通常モード”はYボタンで通常攻撃、Xボタンで強攻撃、Aボタンで必殺技、Bボタンで回避という、いわゆる普通のアクションゲームと同様の操作。どちらのモードでも任意の強攻撃をRボタンで出せるが、筆者の場合はあまり使用しなかった。また、ボタンの割り当ては設定から変えることもできるのだが、簡単モードで遊びたいというプレーヤーならば、あまりいじらないほうが良いだろう。
続く難易度設定では、まず「難易度を『易しい』にしますか?」と聞かれる。これは自身の日頃のゲームとの付き合い方次第で決めてほしいが、操作モードや難易度設定の作りから、「刀剣乱舞」ファンだがアクションゲーム初心者、あるいは未経験者といった人でも楽しめるような配慮が感じられる。なお、難易度は「易しい」「普通」「難しい」の3つから選ぶことができる。
ひとつの合戦のボリュームは全体で見ると結構あるのだが、かなり細かく合戦が分割されてストーリーが進むので、1回1回のプレイは手軽に遊べるようになっている。多くの戦場では、特定の場所の敵をせん滅することで進むのでわかりやすい。行き止まりまで進んでもストーリーが進まないという場合、大抵は道中で敵を討ち漏らしている。画面右上のミニマップの赤い表示が敵なので、そんなときはマップを参考にして戻ってみるといいだろう。
「アクション初心者でも絶対にストーリーをクリアできるモード」がある
ここから先は、ゲームの手触り感と各難易度の所感を記そう。
まずは通常モードの難易度「普通」だが、ゲームの手触り感としては「無双」シリーズを遊んだことがある人ならば、ほぼ通常の「無双」シリーズと変わらない。難易度は比較的低めに感じられた。ボタンを押せばそのまま画面内の刀剣男士が反応を返してくれるようなレスポンスの良さは、さすがの一言だ。
次に操作モードは通常モードのまま、難易度を「難しい」に変更したが、「難しい」にするとアクションゲームとしてのやり応えが一層出てくる。敵のHPも増えているようで、打ち上げても受け身を取られて、簡単にスキを作らないようになる。また「難しい」にすると、少し気を抜くだけでHPがぐっと減ってしまうほど敵の攻撃が激しくなる。
続いて、本作の特徴とも言える「簡単モード」かつ難易度「易しい」で遊んでみたところ、「アクションゲーム初心者でも絶対にストーリーをクリアできるモード」という印象を得た。
とにかくYボタンを連打しているだけで攻撃、強攻撃、回避までしてくれるだけに、「激しい操作は苦手だけどストーリーは楽しみたい」「刀剣男士がかっこよくアクションしてくれるのを眺めていたい」というようなプレーヤーには最適で、これ以上ないくらいに手厚くプレーヤーを保護してくれる。
なおゲームの難易度は出陣中以外はいつでも変更可能だ。操作は「簡単モード」で難易度は「難しい」という組み合わせや、操作は「通常モード」で難易度は「易しい」といった組み合わせも可能。簡単に寄せるか難しく楽しむか。これはプレーヤーによって千差万別だと思うので、いろいろと試しつつ、好みで設定を選んでいただきたいと思う。
強化やミニゲームが楽しめる「本丸」
戦闘前後の準備をする「本丸」の画面では、刀剣男士を強化したり、万屋で買い物をしたりすることが可能だ。
「強化」にはパネル解放型のスキルツリーがあり、「攻撃」(攻撃力)や「生存」(体力)といった刀剣男士のパラメータ上昇の他、新たな強攻撃の取得などもできる。
パネル1枚にマスが3×3の9つあり、素材を使って解放可能。パネル内のマスをすべて解放すると、次のパネルが登場する。この繰り返しで、それぞれの刀剣男士を強化していける。
難易度にもよるが、このパネルでの強化は最優先というほどではなさそうだが、新たな強攻撃なども取得できるため、お気に入りの刀剣男士のパネルはどんどん解放していって、どんなモーションの強攻撃が出せるようになるのかを試してみるのも楽しいだろう。
基本的にどの刀剣男士も強攻撃は「前方範囲」、「打ち上げ」の2つのみを最初に修得しているが、パネルを解放していくことで使える強攻撃の種類は増えていく。また、4つ以上の強攻撃を修得すると、どの強攻撃をプレイに使用するかの取捨選択も必要になってくる。自身のプレイスタイルや、刀剣男士の格好良さで選んでもいいだろう。
また本丸には、奥の間、庭、厨、縁側、娯楽室があり、それぞれに刀剣男士を配置できる。刀剣男士を配置しておけば、ニ振り同士の「絆会話」が発生したり、「おにぎり作り」などのミニゲームが発生したりすることもある。
「おにぎり作り」以外にもミニゲームはまだまだ他にもある。ぜひ色んな刀剣男士に様々なミニゲームを体験させてみてほしい。
フォトモードだけで何十時間も遊べそう!
さて、それではいよいよフォトモードの話に入ろう。筆者に言わせれば、このフォトモードだけで数十時間遊べる。それだけに、そもそも本作のコンテンツ全てはこのフォトモードに集約されるのではないかとすら思ったほどだ(さすがに言い過ぎかもしれないが)。
フォトモードは、本丸や戦闘中に使用できる。ただ、本丸ではZLボタンひとつで簡単にフォトモードが起動できるものの、360度自由な回転は不可能で、カメラワークがそこまで自由にならない。
一方で出陣中のフォトモードは、-ボタンでフォトモードが起動する。もしくは+ボタンでメニューを開いてから、メニュー画面中にZLボタンでフォトモードが起動する。-ボタンは左スティックの上にあって、ゲーム中は少々押しにくいため、フォトモードを活用したい人は、ボタン設定から他のボタンと入れ替えてしまっても良いだろう。
フォトモードには、画面の色を補正する「フィルタ」や、「画角」、「被写界深度」、「フレーム」と言ったメニューの他、スタンプ機能やSNSなどへそのまま投稿する機能などもついている。また、「ロール」「ズーム」といったカメラの様々な機能も使用可能だ。
上の画像では実際の撮影手順を簡単に載せてみたが、少なくとも筆者は非常に楽しい。このように、画角とズームの合わせ技でかなり刀剣男士に寄ることができるので、自身の好きなポーズ、好きな角度から存分にカッコいい刀剣男士を撮影してほしい。
ちなみに、「画角」と「ズーム」は刀剣男士をアップにしてくれるので同様のものだと思いがちだが、正確にはズームはカメラ自体を被写体に近づけたり遠ざけたりするもので、画角はその場から拡大や縮小ができるもの。実際にやってみるとわかるが、同じような構図でも画角とズームの組み合わせで印象はかなり異なってくる。画角とズームの特性を知れば、どんどん良い写真が撮れるようになっていくはずだ(もちろん、そんなことを知らなくても楽しめれば問題ない)。
と、いうわけで、このフォトモードが本当に魔性であるということはお解りいただけただろうか。もちろん、こういったスクリーンショットは「上手ければ良い」のではない。自分自身のこだわりや、思い出、そういったものを手軽に形に残せるものであり、まずは自由な発想で楽しんでみてほしい。
普段あまりゲームをしない人向けのゲームという印象だが……
今回は1章しか遊べなかったのもあるが、序盤の難易度はかなり低い。前述の通り筆者は通常モードの難易度「難しい」でプレイしていたものの、アップデートなどで難易度「ベリーハード」レベルのものが欲しいと感じたほどだった。
だがひとつの章のボリュームがかなりあるので、疲労を蓄積せずに遊べる内容としては妥当なところかもしれない。普段ゲームをあまり遊ばないという人にとっては、何から何まで至れり尽くせりで、チュートリアルも非常にしっかりしている。ゲームの「設定」からQRコードでWEBマニュアルも参照できるため、困った時は確認すれば良い。
一方、起動やイベントシーン、出陣時などでロードが長いのは、少々気になった。可能であれば、アップデートで改善してほしいところだ。
基本的に、物語の初回プレイ時(出陣時)は、どの刀剣男士が出陣するかが固定のようだが、本丸から「再戦」を選べば、既にクリアした戦場を違う刀剣男士でプレイすることができるので、「このマップやシチュエーションに、この刀剣男士とこのバディで合わせたい!」というこだわりがあれば、再戦からチャレンジしてみるのもいいだろう。
イベントシーンも多く、刀剣男士をじっくり楽しむのには最高の作品となっている。「刀剣乱舞-ONLINE-」のファンならば、アクションゲーム得意不得意に関わらずぜひ躊躇わず遊んでほしい。対応ハードはNintendo SwitchとPC(DMM GAME PLAYER)版なので、層を問わず手に取りやすいだろう。
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