【特別企画】

「リネージュ2M」、ワールドダンジョン「ベオラの遺跡」緊急インタビュー

プロデューサー曰く「シェリーホドンの封印は戦場」

【ワールドダンジョン】

8月18日 実装

 NCSOFTがサービス中のAndroid/iOS/PC(NCSOFTの独自クロスプラットフォーム「パープル(PURPLE)」を経由)用次世代オープンワールドRPG「リネージュ2M」。PC用MMORPG「リネージュ2」の正統後継作品としてモバイル向けにリメイクされ、3Dグラフィックス技術によりシームレスなオープンワールドが実現されている。また多様性と自由度を兼ね備えた成長を楽しむことができるゲームデザインになっており、 1万人以上が集まる大規模バトルを体験できる。

 大規模戦闘コンテンツの1つである「攻城戦」が先月実装されたのだが、続いてサーバーの垣根を越えて1つのダンジョンを共有する「ワールドダンジョン」というコンテンツが8月18日に実装された。先日初のサーバー移動も行なわれ、サーバー間で大きく情勢が動いた本作にさらに大きな波を作りそうなコンテンツになっている。

 そこで本作の日本プロデューサーを務める柴田優輝氏にインタビューを行ない、「ワールドダンジョン」の概要、そしてプレイスタイル別のオススメの遊び方、さらに今後起こりうる変化までを聞くことができた。その様子をお届けする。

【【リネージュ2M】クロニクルII.ベオラの遺跡】

サーバーを跨ぐ初のコンテンツ、ワールドダンジョン「ベオラの遺跡」が遂に実装!

――先日、初のサーバー移動が行なわれましたが、「リネージュ2M」は更なる盛り上がりを見せていますか?

柴田氏:サーバーが多いだけあって、各サーバーごとに色々な動きがありました。例えば勢力同士が集まってより大きい勢力になったり、逆に大きすぎた為に分離して新たな勢力が誕生するという例もありました。ほかにも、別のサーバーの情勢を確認しに行く方や、何回かサーバーを移動する予定が、居心地がよく1回のサーバー移動で定着された方もいらっしゃいます。物価が安いサーバーへお買い物ついでに移動した方もいらっしゃいますし、様々な事が起こったサーバー移動だと認識しています。

――サーバー移動が今回お話をお伺いする「ワールドダンジョン」を含めて、ゲーム全体に影響を与えた部分もあるという感じですね。

柴田氏:そうですね。ワールドダンジョンは「バーツ」、「ジグハルト」、「カイン」という3つのサーバー群ごとにダンジョンが共有されます。バーツ01から06という、サーバー単位で同じ狩場を共有して、狩りや対人戦をするコンテンツになります。

 今回のサーバー移動は全てのサーバーへ移動が可能だったので、今までは自分のサーバーだけだったものが、大きい視点で「この連合は大きいな」とか、「ここはあんまり攻撃してこない温厚なところだったんだ」など、見える視点が増えると思います。

――では本題のワールドダンジョン、「ベオラの遺跡」について教えて下さい。

柴田氏:バーツ、ジグハルト、カインのサーバー01~06ごとのワールド単位でのダンジョンです。普通のダンジョンよりも経験値効率も良く、ドロップも良くなっています。ダンジョンの中は風、水、地、闇の4エリアと「シェリーホドンの封印」というエリアの合計5つに分かれていて、エリアごとに、敵の強さや、経験値、ドロップも異なります。

 属性ごとに強さが違っていて、一番弱いのは風です。次が闇、地、水で一番難易度が高いのは「シェリーホドンの封印」といった順番になっております。

 「シェリーホドンの封印」は、経験値効率が良いのと、レアリティが非常に高い伝説級のアイテムが一般モンスターからドロップするので、狙い所かなと思います。とはいえトップ連合の方が独占することもあり得ると思うので、熾烈な戦いが繰り広げられる場所になるかもしれません。

 モンスターの傾向については、基本的に各エリアの属性のモンスターが出現します。今まで登場したモンスターの系統が多く、例えば闇であればアンデッドや怨霊、ゾンビなどが出現します。ただモンスターの強さやドロップは全く異なっています。

風の祭壇
闇の祭壇
地の祭壇
水の祭壇
シェリーホドンの封印

――難易度の目安はありますか?

柴田氏:単純に比較するのは難しいのですが、水属性のエリアとオーレンの後半が同じくらいの難易度と考えていただければと思います。ただ経験値効率が2倍以上は違いますし、攻撃も若干痛いので、もし属性リングを持っていない方は準備したりする必要はあるかもしれません。

――装備としてはどれくらいのものが必要でしょうか?

柴田氏:場所によりますが、そこまでハードルは高くないと思います。確かに「ベオラの遺跡」はエンドコンテンツなので難しい場所ではありますが、トッププレーヤー向けだけではなく、4エリアと「シェリーホドンの封印」があるので、自分のキャラクタースペックと相談しつつという感じでしょうか。

 「ベオラの遺跡」はレベル55から入場できるのですが、そのレベル帯のキャラクターであればドラゴンバレーなどで普通に狩りができると思うので、風属性のエリアなどは問題なく狩りが行えるかと思います。最初から難易度の高い水属性のエリアや「シェリーホドンの封印」に行って諦めてしまうよりは、風や闇など難易度が低いところから体験していただくのが良いと思います。

風の祭壇のモンスター
闇の祭壇のモンスター

――ダンジョンの広さはいかがでしょうか。

柴田氏:例えばオーレンのアップデートで色々な地域が追加されたと思うのですが、1属性ごとにその地域1つ分くらいの広さがあるようなイメージです。ただシェリーホドンは他のエリアに比べて小さく、広場が一つだけですね。

――ワールドダンジョンは1日2時間挑戦できるとのことですが、特定の2時間だけなのでしょうか?

柴田氏:ほかの毎日利用時間が初期化されるダンジョンと同じで、1日の間に2時間を好きな時間に使う形です。

ワールドダンジョンの入場画面。利用時間は2時間で、毎日5時に初期化される

――ではトップ連合が仮に独占していたとしても、例えば人が少ない時間に行けば、美味しいところを少しは享受できる可能性もあるということですか。

柴田氏:可能性は十分あると思います。1番美味しい「シェリーホドンの封印」だと厳しいかもしれませんが、少し効率は落ちても、水属性や地属性のところに行ってみると、他のプレーヤーと被る確率が下げられると思います。あとはキャラクターの強さや属性に対する準備も含めて調整するのが良いと思います。この属性のプロテクションリングがあるから行く、逆に持ってないからやめるといった具合ですね。

地の祭壇のモンスター

 「シェリーホドンの封印」の次は水属性のエリアが一番経験値やドロップアイテムが美味しいと思います。アイテムもそれぞれのエリアで追加されて、コレクションの対象アイテムも増えます。そしてここでしか手に入らない装備アイテムも追加されるので、各エリアで狩りをして、コレクションに登録したり取引所で販売することもできます。

 もう少し補足すると各属性ごとに「闇の破片」や「水の破片」というアイテムがあります。破片はモンスターからドロップするのもありますし、週に何個か手に入れられる啓示クエストがあります。この破片を100個集めると「暗黒の魔力石」や「水霊の魔力石」というアイテムが製作できて、コレクションに登録できます。

 「ベオラの印」というアイテムもあって、これは青銅の鍵商人で使うアイテムです。「名誉の勲章」に近いイメージのアイテムですね。啓示クエストや、モンスターからのドロップで入手できる、狩りながら集めていくアイテムです。集めると英雄級の防具が交換できたり、消耗品関係のアイテムと交換することができます。時間はかかりますが、コツコツプレイしていれば英雄級の防具を手に入れることができるのが目玉ですね。

【「ベオラの遺跡」のNPC】
青銅の鍵商人は「ベオラの印」を装備やアイテムと交換してくれる
ベオラの信託騎士からは「古代の啓示書(祝福)」、「古代の啓示書(ベオラの印)」、「古代の啓示書(破片)」が購入できる

――狩りを続けてアイテムを集めればコレクションできて強くなれるし、英雄級の防具も手に入る。もちろんレアアイテムがドロップすることもあるし、経験値効率も良いダンジョンということですね。

柴田氏:そうなります。短期・中期・長期でそれぞれモチベーションのポイントがあるので、コツコツ系の方も英雄級防具を手に入れるチャンスがありますし、ボス狙いの方もレアアイテムがドロップする可能性もあります。

――シェリーホドンはフィールドボスのようなイメージですか?

柴田氏:水曜日22時にポップし、一定時間経過で消滅します。また、周囲に一般モンスターもいるということから一番イメージが近いのはドラゴンバレーのダンジョンの地下6階ですね。シェリーホドンの出現するエリアをいかに身内で確保し続けるかという争いは起きそうですね。ちなみにシェリーホドン以外の4エリアにもボスが出現します。

シェリーホドンの封印で待ち構えるボス、シェリーホドン

――1キャラクターあたり2時間しか中に居られないので、1つの連合がすべてのボスを独占し続けるというのはあまり現実的でないということですね。

柴田氏:そうなります。ボス用に確保しておく必要もありますし、狩り場として使うとしても2時間しかありません。体制を築いて頑張らないと厳しいかもしれません。

――時間帯などで変わると思うのですが、多くのプレーヤーが集まるので窮屈になる可能性はありますか?

柴田氏:時間帯と、範囲狩りをするかでも変わると思います。特にメインの時間帯の範囲狩りだと他のプレーヤーとぶつかったりする可能性があると思います。だからこそワールドサーバーという見方もできますね。

――「だからこそ」というのは、プレーヤー間で争ってほしいという意味のだからこそでしょうか。

柴田氏:ボスモンスターもそうですが、美味しいものを手にするにはそれ相応のリスクがある、だからこそおいしいドロップアイテムの設定だったり経験値になっているんですね。ですので、自分のプレイスタイルにあわせて、対人戦や強いモンスターとバリバリ戦うのであれば「シェリーホドンの封印」に行くのが良いと思いますし、自分の目的にあわせて狩場を選択するのも良いかと思います。コレクションアイテムを集めたい方は、風属性エリアで狩りをするのも良いと思います。ドロップアイテムを取引所で売っても良いですしね。

 逆にトップ層は風属性のエリアにはあまり来ないかもしれませんね。「シェリーホドンの封印」などと比較すると難易度が低いエリアで2時間使うのは勿体ないと感じる方も多いかと思います。そういう意味で住み分けにはなるでしょうね。

 どちらかというとフィールドの延長線上のようなイメージが強い場所なので、狩りがしやすいと思います。ボスが沸いたらその周辺のキャラクターを排除する動きがあるかもしれないですが、2時間の制限もありますし、全員いなくなるまでPKし続けるというのも難しいと思います。

――サーバー移動があって、ボスを独占するような大きな連合は生まれているのでしょうか。

柴田氏:サーバーを超えた大きな連合が存在しているので、連合がまとまっていくような動きはあるかもしれません。ただまだ始まっていないですし、勝敗が決まっているわけでもありません。状況を見ながら連合の組み直しや、新しい連合締結などがあると思うので、そこは楽しみですね。

――先行して実装されている韓国ではどのような遊び方をされているのでしょうか。

柴田氏:1つだけ言えるとするならば“シェリーホドンの封印は戦場”です。最も美味しいので一般人でも見境なく攻撃されますね。

 ただあくまでも連合のルール次第なので、日本で実装されたときに全ての連合がそうするとは限りません。大きいところが平和な方であれば、例えばシェリーホドンのボスを湧いた時だけ、ボスドロップは拾われたら困るから殺すけど、それ以外だったら許容するよとかもあるかもしれません。

――では「ベオラの遺跡」のメリットを最大限に享受する方法をプレイスタイル別に教えて下さい。

柴田氏:トップ層はもちろん「シェリーホドン」を討伐したり、残り時間を「シェリーホドンの封印」や水属性のエリアで狩りをする流れになると思います。例えば2時間の1時間だけ狩りをして、残り1時間はボス用に取っておくようなスタイルですかね。

 ミドル層の方はボスに行くか行かないかのスタイルの違いはあると思うのですが、強い狩り専の方のプレイスタイルだったら水属性のエリアだけで2時間使い切るのがいいかもしれません。あとはキャラクタースペックに応じて、狩りするエリアを闇属性に下げたりするイメージでしょうか。

 ライト層の方については1番難易度が低い風属性のエリアで狩りをできるかというところから試しつつ、各属性の準備をする形になると思います。

シェリーホドンの封印のモンスター
水の祭壇のモンスター

――幅広いプレイスタイルの人が受け入れられるダンジョンで、強さなどに合わせて遊び方を調整していくみたいな感じですね。

柴田氏:そうですね、プレーヤーによってお勧めの場所も違いますし、遊び方も違うダンジョンになります。なので自分にはどこがいいのかを試しながら、各属性のエリアに行って試していただければなと思います。

――ワールドダンジョンが入ることによって、「リネージュ2M」に起こりうる変化はありますか?

柴田氏:これからワールドコンテンツがどんどん増えていく予定なので、プレイの幅が広がる遊び方になると考えています。サーバーを越えて1つの狩場に集まって同時に遊ぶというのは今回が初めてなので、他のサーバーの人たちとの関わりを持つことが増えてくると思います。その出会いを楽しんだり、「自分のサーバーではあそこが強いなと思っていたけど、実は他のサーバーの方が圧倒的に強い人がいた」という知らない世界もあると思います。世界が広がるような感覚ですね。そんな出会いを楽しんで欲しいですし、これからワールドサーバー、ワールドコンテンツ……すでに発表しているワールド攻城戦も含めて、今後もより広がっていく「リネージュ2M」を楽しみにしていただければと考えています。

――ありがとうございました。