【特別企画】
家族の力でダンジョンを攻略!「チルドレン・オブ・モルタ~家族の絆の物語~」プレイレポート
ローグライク×ハクスラを上手く組み合わせたアクションRPG
2020年12月16日 18:00
EXNOAが12月17日に発売予定のプレイステーション 4/Nintendo Switch/PC用アクションRPG「チルドレン・オブ・モルタ~家族の絆の物語~」。11 bit studiosとDead Mageが制作した本作は、重厚なストーリーが魅力の1つであり、日本語化を待ち望んでいた読者も少なくないのではないだろうか。
本作はベルグソン一家の家族全員が主人公となり、ダンジョンに潜って「堕落」の謎に迫ることになる見下ろし型のアクションRPG。ランダムで生成されるダンジョンや、スキルツリーによるキャラクターの成長など、ローグライクやハック・アンド・スラッシュ(ハクスラ)の要素も取り入れられているのが特徴だ。また、「家族の絆」というテーマはストーリーだけでなく、ゲームシステムにも取り入れられている。
最新技術によるピクセルアートで描かれたグラフィックスや、声優の土師孝也さんによるナレーションも本作の魅力の一つ。色鮮やかなグラフィックとナレーションの緊張感のある声がマッチして、緊迫したダンジョンでの戦闘やイベント、重厚なストーリーを演出している。
本稿では発売前に本作をプレイする機会に恵まれたので、その内容をお伝えする。
ダンジョンに挑むのは個性豊かなベルグソン一家
本作の主人公は代々山を守り続けてきたベルグソン一家。彼らは突如溢れだした「堕落」の謎を解き明かすために、ダンジョンに潜ることになる。最初のメンバーこそごくわずかだが、ストーリーを進めていけばダンジョンに潜れるメンバーも増えていく。
また、ダンジョンに潜らない家族として、妻のメアリ、叔父のベン、お婆さんのマーガレットがいて、ストーリーだけでなく、一家の強化に手を貸してくれる
ダンジョンに潜るベルグソン家のメンバーは、それぞれ個性的な戦闘スタイルやアビリティを保有しており、それを活かしてダンジョンを攻略することになる。例えば最初からプレイできる父「ジョン」は盾で相手の攻撃を防ぎながら攻撃することができ、長女「リンダ」は弓を用いて遠距離から攻撃できる。ストーリーを進めることで解禁される次男のケヴィンは、攻撃をするたびにゲージが溜まっていき、戦闘が続く限り攻撃速度が上昇する。
リンダは安全な距離を保ちながら戦うことになるが、ケヴィンを使用した場合はどんどん敵に近づいて交戦していきたい、といった風に、使用するキャラクターによって攻略法が異なってくる。
また、各キャラクターは範囲攻撃スキルと、攻撃で溜まっていく「怒り」を消費して発動できる自己強化スキルも保有している。スキルにはクールダウンが設定されており、使いどころが肝心となる。また、キャラクターがレベルアップすることで使えるスキルは増えていく。
本作では敵に囲まれるシチュエーションが少なくないため、スキルの打ちどころは多い。が、発動モーション中に攻撃を受けないように気を付けなければならない。また、全キャラ共通のアクションとして緊急回避もある。こちらにもクールダウンが設定されているので乱発は不可能だ。
何度挑んでも楽しめるダンジョン
ベルグソン一家が挑むことになるダンジョンは、ローグライクゲームではお馴染みの要素で構成されている。ダンジョンは入るたびに構造が変わり、敵はもちろん、アイテムが入った宝箱や様々なイベントが用意されており、最深部にはボスが待ち構えている。ボスを倒せばダンジョンクリアとなり、次のダンジョンへの道が開けるシステムだ。
ダンジョンでは、敵が群れをなして襲い掛かってくることも多く、難易度は中々に高い。キャラクターの個性やスキルを活かした立ち回りだけでなく、道中で入手できるアイテムを使いこなせるかや、そもそも強いアイテムを入手できるかという運の要素も攻略の鍵となってくる。とはいえ、何度も挑んで攻略法を探ったり、ダンジョンで稼いだ資金やスキルポイントでキャラクターを強化すればクリアできるレベルだ。
さて、ダンジョンで手に入るアイテムには幾つか種類があり、聖なる恵みや聖遺物、ルーンといったものが存在する。聖なる恵みはアイテム版のパッシブスキル的な存在で、入手するだけでキャラクターのステータスを強化したり、攻撃に毒を付与することできる。ルーンは各キャラクター固有のものが存在し、攻撃やスキルを強化してくれるが耐久力があり、使用しているうちに壊れてしまう。
聖遺物は神の恵みとは対照的に、アイテム版のスキルといったところ。発動することで広範囲にダメージを与えるものや、自身を透明にするものなど効果は様々で、クールダウンこそ存在するがどれも強力だ。また、どのアイテムもダンジョンを出た際には失われてしまう。
アイテムは強力な敵を倒したり、宝箱から入手することができるほか、ダンジョン内で発生するイベントをクリアすることでも手に入る。イベントはお使いのようなものや、家族と一緒に捕らわれている人を救うもの、当たりのスイッチを選ぶものなど様々なモノが存在する。もちろん、イベントが発生する部屋もランダムで毎回発生するイベントも異なっている。
余談となるが、ここまでで紹介してきた通り、本作にはスキルやアイテムにおいて多様な選択肢が存在する。だが、それらは徐々に解禁されていくため混乱せずにプレイすることが可能だ。UIも見やすく、スキルやアイテムのクールダウンも把握しやすいのも好印象だ。
家族全員が強くなる、「絆」を感じさせる育成システム
先ほど述べたように、本作ではダンジョンで得た資金やスキルポイントを使用することでキャラクターを強化することができるのだが、本作における育成の最大の特徴は、誰か1人を育てるのではなく、家族全体を強化していく、という点だ。
まず、自宅では、ダンジョンから持ち帰った資金を用いて、ベンとマーガレットが家族のステータスなどを強化してくれる。
ベンが工房で行なうのは基礎ステータスの強化。資金と引き換えに家族全体の攻撃力や防御力を上昇させることができる。武器を強化すれば家族全体の攻撃力が上がる、といった風に、特定のキャラの武器を強くするのではないため、新たに参入したキャラでも、他のキャラクターと同等のステータスでダンジョンに挑むことができる。
マーガレットは古代の知識を用いてダンジョンで得られる経験値の量や、出現するアイテムの種類を増やしてくれる。ベンにステータスを強化してもらい、安全にダンジョンを探索できるようにするのが先か、マーガレットに経験値や資金の獲得率を上げてもらい、収入をあげるのが先かはプレーヤーの腕と好みで分かれるだろう。
尚、工房で強化できるステータスの種類や、古代の知識はストーリーを進めていくことやダンジョン内のイベントで解禁されていく。
また、キャラクターのレベルアップ要素も存在。レベルアップするとスキルポイントが獲得でき、これを用いてスキルツリーを進めることでスキルを強化していくことができる。
“家族の絆”という本作のテーマは、スキルツリーにもしっかりと活かされている。低レベル時のスキルツリーは、そのキャラ個人のパッシブ・アクティブスキルの解禁やスキルの強化といった効果しかもたらさないが、レベルを上げていくことで家族全員に影響を及ぼすものも解禁されていくのだ。
家族はスキルツリーの二段目に到達すると、家族全体のステータスを上昇させるほか、より高レベルになれば、ダンジョンに潜っていなくても探索中のキャラをサポートするスキルを獲得できる。例えば、ジョンはレベルを上げることで、他のキャラを操作しているときに受ける致命的なダメージを一定時間ごとに阻止してくれる。
多くのハクスラでは、個別の強化でしかないスキルツリーが、本作だと他のキャラクターに影響を及ぼすこともあり、本作においては全てのキャラをしっかりと育てることが攻略の糸口になってくる。
とはいえ、まずはお気に入りのキャラを見つけてそのキャラを中心に攻略を進めることをオススメする。前述のステータス強化に加え、家族を強化するスキルも解禁しておけば、ダンジョンでの稼ぎもしやすくなるし、後々詰まった際に他のキャラの育成も楽にできるだろう。
以上のように本作はストーリーだけでなくシステム面でも「家族の絆」を上手く取り入れており、好感が持てる。やや難易度の高いゲームのため、何度も同じダンジョンに挑むことになるが、育成要素のお陰でそれも苦になりにくい。また、ダンジョンから帰ってくるとストーリーが進んだり、イベントが発生する点も難易度とのバランスが噛み合っていると感じた。
また、ランダムダンジョンや、スキルツリーに代表されるローグライクとハクスラの要素を、家族というテーマに沿いながら上手くまとめており、1つの作品としての完成度はかなり高い。
最後になるが、本作はオフラインでの協力プレイも可能なので、リアル家族と楽しんでみるのもいいからもしれない。ともあれ、アクションRPGファンには是非プレイして欲しい名作だ。
※画像は開発中のものです
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