【特別企画】

ギリシャ神話とアハ体験の旅!「イモータルズ フィニクス ライジング」ハンズオンレポート

ボリュームたっぷりのオープンワールドに爽快感のあるアクション、そして謎解きの楽しさが詰まっている!

12月3日 発売予定

価格:6,980円(税別)

 ユービーアイソフトは、プレイステーション 4/プレイステーション 5/Xbox One/Xbox Series X/Nintendo Switch/PC用オープンワールドアクションRPG「イモータルズ フィニクス ライジング」を12月3日に発売する。

 本作は「アサシン クリード オデッセイ」を手掛けたチームが開発する新しいIPのオープンワールドアクションだ。ギリシャ神話をベースにしており、登場人物も「ゼウス」や「ヘルメス」といった神々が登場する。だが重苦しい雰囲気はなく、むしろ少しコミカルですらある。神々の冗談のかけあいもあるし、カートゥーン調で描かれた世界は優しさもある。ビジュアルやストーリー面は非常にキャッチーな作品だ。

 一方でボリュームたっぷりのオープンワールドや、爽快感のあるバトル、そして骨太なパズルはコアゲーマーをも唸らせる作り込みである。

 弊誌では先行プレイレポート(参考)をお届けしているが、今回は前回とは異なるバージョンをプレイできた。今回のプレイで明らかになった部分を中心に、改めて本作の魅力をお伝えしていきたい。

【『イモータルズ フィニクス ライジング』ストーリートレーラー】

神が語る主人公の物語はベースはシリアス時々コメディの起伏に富んだストーリー

 本作では主人公「フィニクス」が囚われた神々を救っていく物語が描かれる。「フィニクス」が歩む旅路は困難だが、時にクスッと笑ってしまうようなユーモアもある。主人公である「フィニクス」はクエストを進めながらゲームを進めていく。ゲームにはストーリーを動かすメインクエストと、副次的な目的のサブクエストがある。今回はゲーム開始時からメインクエストを中心にプレイした。

 メインクエストは本作の物語を動かしていくクエストだ。神々が囚われてしまった理由、そして「フィニクス」が漂流しこの島にたどり着き、運命に導かれていく様が描かれる。こう書くと重々しいが神々のトークのノリは軽やかで、肩の力を抜いてゲームを楽しめる。

ゲーム序盤はギリシャの神「ゼウス」と「プロメテウス」の掛け合いで話が進んでいく。大筋はシリアスなのだが、ところどころにユーモアが差し込まれており、飽きさせない
「ゼウス」のツッコミが見られる稀有なゲームである

 そしてメインクエストを進めていくと「フィニクス」は新たなアイテムを手にしていく。最初は兄が遺した剣、そして斧、さらに弓を手に入れていく。これはストーリー進行上の意味もあるが、ゲーム的にはアイテムを手に入れるごとに新しいアクションが使えるようになる。

 つまり、最初は剣で攻撃することしかできないが、順を追って他の武器を使って戦えるようになる。さらに羽を獲得して2段ジャンプ、そして滑空が可能になる。これらのアクションが使えるようになってからが「フィニクス」の冒険の本当の始まりだ。

 ここまでのプレイボリュームが約2時間ほど、かなり丁寧な導入部分だと感じた。本作のもう一つのキーフィーチャーであるパズルも、新しい能力を覚えて新しい解法を習得するごとにできることが増える=難易度が上がっていくという作りになっていた。

導入部分のメインクエストを進めていくとアイテムを入手できる。これらを入手することで新しいアクションが可能になるのだ

このオープンワールド、ボリュームありすぎ!

 本作の楽しさを因数分解すると「オープンワールドの世界を探検する楽しみ」、「様々なスキルを使って敵と戦う楽しみ」、「様々なパズルを解く楽しみ」になると思う。

 まず、オープンワールドの魅力だ。今回プレイできたのはゲームの一部、マップ画面を見た限りでは約5分の1といったところだろうか。それでも圧倒的な広さを感じる。その広さは今回プレイできたエリアだけでも端から端まで走っていくと数十分程度はかかりそうだ。

 もちろん普通にゲームをプレイする時は騎乗動物を使ったり、高所からの滑空、さらにはファストトラベルで移動できるので、そこまで時間はかからないと思う。ここで伝えたいのはその広さだ。

今回プレイできたエリアでもかなり広く感じた

 そしてこの世界は広いだけではなく、“高い”。巨大な陸橋や、そびえ立つ崖に残る神殿、神々の像など、非常に立体的に造られている。殆どの壁はスタミナを使ってよじ登ることができ、高所から滑空すれば遠くまでたどり着くことや、意外なスポットに降り立つこともできる。そしてそういう場所にこそ宝箱や迷宮などが隠されているのだ。メインクエストそっちのけでこの世界を探検することに夢中になってしまう。

 雰囲気こそ違うが、長くオープンワールドゲームを作ってきたユービーアイソフト、そして「アサシン クリード オデッセイ」を手掛けているチームというだけあって、このワールドは圧倒的なボリュームで、作り込みもしっかりしている。

探索してアイテムを探すのは基本だ。素材を消費して秘薬を作り戦闘を有利に運ぶことができる
縦方向にもマップが作り込まれているので、上下の探検も必要だ。筆者はスタミナの許す範囲でとりあえず壁に登りまくっていた

 またエリアによってカラーが分かれているのも魅力的だ。今回プレイしたのはアフロディーテという神のエリアで「永遠の春の谷」という名前だ。草木の美しい緑が映えるエリアだ。いたるところに花は咲き、水は流れており、安らかな空間だった。

 前回プレイした「鍛冶の聖地」は岩肌がゴツゴツとしており、無骨な印象だった。他のエリアも恐らく神々の特徴が出るユニークな土地になっているのだろう。

主人公の旅はアハ体験の旅!謎解きに頭をひねる

 そして謎解きだ。前回のプレイでも触れたが本作の謎解きはかなり歯ごたえがある。難しさにもパターンがあり1つが解き方はわかるが、操作が難しいもの。こちらに関しては試行錯誤を繰り返していくしかない。途中で死んでしまっても途中まで進行度は保存されているので、極端にエグいやり直しにはならない。

 そしてもう一つが解き方がわからないもの。こちらに関しては基本的に自力で答えを導き出すしかない。スイッチを押したり、重い石を運んでみたり、押したり引いたりすると答えが導き出せるかもしれない。

個人的に本作の最も大きなポイントは様々な「パズル」だと思う。本当に脳を使い切らないと解けないような問題が時々ある

 そして筆者は今回初めて触れたのだが、アクセシビリティでヒントを出してくれる機能もある。好みによってこういった機能を使いながらプレイしていくのも良いだろう。

 それでもクリアできなければバッサリとパスしてしまうのも良い。さすがにパズルを全て無視するのはキャラクター成長に関わるので厳しいと思うが、難しいものはパス、簡単なパズルでアイテムを集めるというのは全然ありな遊び方だろう。

アクセシビリティ機能でパズルのヒントをもらうことも可能だ

 こうして遊んでいたら2時間近くが経過していた。まだ全然エリアを探検できてないし、メインクエストも進んでいない。圧倒的なゲームプレイボリュームである。これでゲーム序盤だというのだから恐ろしい。

 ゲームプレイ序盤で感じたのはこの3つの要素の魅力だ。特にボリューム面や、ストーリーの波でプレーヤーを飽きさせないようにという開発側のメッセージを感じる作品だった。