【特別企画】

「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」の内容が明らかに。JeSU、活動発表会&JAPAN eSPORTS GRAND PRIX開会式を開催

9月24日 開催

9月24日~27日 大会実施

 一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は、9月24日より9月27日まで開催するeスポーツ大会「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」のオープニングセレモニー及び、「JeSU活動発表会」をオンライン配信で実施した。

 JeSU活動発表会では、JeSUの岡村秀樹会長が登壇し、日本のeスポーツの法的課題への取り組みについて、最新の情報が発表された。一方のオープニングセレモニーでは大会アンバサダーである武井壮さんも登壇し、開会宣言が行なわれた。

大会アンバサダーを務める武井壮さん(左)とJeSU会長 岡村秀樹氏(右)

活動発表会では法的整理の進行と「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」の策定を発表

 活動発表会ではまず、2018年の発足時に15社だった会員企業が2年間で102社に増えたことや、全国都道府県に設置されている支部の増加、特別顧問の増員などから、JeSUの活動規模の拡大と、周囲の期待の大きさを感じると述べた上で、新規スポンサーとしてマウスコンピューターと契約したことを伝えた。

マウスコンピューターは今後、JeSU主催大会をはじめとした様々な大会において安定した試合環境を提供し、eスポーツの発展に貢献するとのことだ

 また、今後の活動の方向性として、2020年度はeスポーツが産業として成立し、関連事業者が自走できるような環境整備を重点的に行なっているとした。今後のロードマップとしては、2021年にアジアオリンピック評議会がタイで開催する国際総合競技大会、「AIMAG(アジアインドア&マーシャルアーツゲームス)」にて、eスポーツが正式競技になることで参加国の公式な獲得メダル数にカウントされるようになり、この大会に向けてJeSUとしても準備をしていきたいと述べた。

今後のロードマップ。AIMAGでの正式競技化の他、25年以降のビックイベントの国内開催にも注目したい

 こうしたことを踏まえ、日本においてeスポーツを普及させるためには、eスポーツの裾野の拡大と、トップアスリートの育成が必要であり、そのためにはeスポーツ練習施設と、練習の成果を発揮する大会の数を増やす必要がある一方、練習施設や大会の運営には留意すべき法規制がいくつか存在することに言及。障壁となった例がこれまでにも存在しており、JeSUは設立以降こうした法的課題を検討、関連省庁と整理をしてきたとし、今回新規に風営適正化法に該当しない参加料徴収型の大会の範囲を明確化することができた旨を報告した。

「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風俗適正化法)」、「刑法(賭博罪)」との関係については、消費者庁、警察庁及びJeSUにおいて図のように整理されており、法的に問題のない形で大会を実施することが可能とのことだ

 JeSUによると、JeSUは警察庁と折衝を重ね「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」を設定。条件を満たした大会であれば、家庭用ゲーム機又アーケードゲーム機を用いて参加料徴収型の大会を開催する場合でも風営適正化法の「ゲームセンター等営業」に該当しないことを明確化した。このガイドラインが定める条件は下記の通り。

JeSU参加料徴収型大会ガイドライン

・各選手から徴収する参加料は、大会設営費用のみに充当する
・最大参加者数をあらかじめ設定し、実際の参加者がこれを上回らない
・参加料の合計額が大会設営費用見込額の合計を上回らない(ただし大会におけるゲームプレイと直接関係しない収益を加味した結果、大会収支が全体として黒字となることは差支えない)

 上記3点を満たした大会ならば、「ゲームセンター等営業」に該当しない大会を開催できる。

 また、希望する大会主催者は、JeSUに届け出ることにより当該大会が本ガイドラインにしたがって運用されているか審査を受けることが可能となる。ただし、本制度は届け出を義務付けるものでは無く、JeSUからの適合認証を受けることで、事業者より安心・安全な大会を開催することができるという趣旨のものだ。また、認証制度の運用開始時期等は、決定次第報告するとのこと。

「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」概要

 この他にもJaSUはeスポーツ大会実施に関連する法規制で留意すべき点をわかりやすくまとめた「eスポーツ大会かんたん開催マニュアル(仮題)」を作成中であることや、法規制に抵触しないeスポーツ練習施設の設置に向けた考え方の整理にも着手していることを報告。今後も、eスポーツのさらなる発展と振興のため、事業者や各省庁と協議を継続し、取り組みを進めていくとした。

 また、2020年後半の活動としては、昨年度に実施された「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会(e活研)」の成果を周知するためのセミナーを7月から実施。全国15の都市で開催を予定しているとのことだ。

e活研セミナー開催予定地

 また、e活研の提言を受けた「超教育協会」との連携により、eスポーツ関係者と学校機関が一堂に集うコミュニティ、連絡組織である「超eスポーツ学校」を設置。共同カリキュラムの作成・提供や修了認定及び、eスポーツの教育効果に関するリサーとの実施とエビテンスの取得、クラブ活動の活性化に向けた活動などを行なっていく予定だとう。

「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX 」開幕式

 配信後半ではJeSUが主催する「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX 」の開幕式も実施。本大会は日本のeスポーツシーンを盛り上げ、世界で活躍する選手の創出するために新設するeスポーツイベントで、9月24日~27日まで実施され、賞金の総額は500万円となる。

 大会が実施されるゲームは、「eFootball ウイニングイレブン2021 SEASON UPDAT」、「クラッシュ・ロワイヤル」、「PlayerUnknown's Battlegrounds」、「ストリートファイターⅤ CHAMPION EDITION」の4タイトル。

 「ストリートファイターⅤ CHAMPION EDITION」を除く3タイトルは、東アジアeスポーツチャンピオンシップ日本代表選考となる。「ストリートファイターⅤ CHAMPION EDITION」については、派遣国際大会が決定次第、発表されるとのことだ。

 各大会の日程に関しては下記画像を参照してほしい。なお、ライブ配信はYoutubeやTwitch等で行なわれる予定。

大会日程
ライブ配信予定のチャンネル一覧

 また、今後のイベントの情報として、新型コロナウイルスの影響を受け、鹿児島国体局は国体の延期、文化プログラム中止を決定したが、全国都道府県対抗eスポーツ選手権はオンラインでの開催を予定しているとのこと。

 また、今後開催される予定の国際大会に関しては、コロナ禍でも選手や関係者の安全が確保できている大会に選手を派遣していく旨を伝えた。

全国都道府県対抗eスポーツ選手権の概要
今後の大会予定