【特別企画】

ゲーミングヘッドセットで「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」のゲームプレイはどう変わるのか?

「G933s」のバーチャルサラウンドが生み出す圧倒的な没入感で第一世界にダイブ!

【FFXIV: 漆黒のヴィランズ】

7月2日正式サービス開始

利用料金:1,280円(30日、税別)より

 遂に発売日を迎えた「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」を楽しんでいるだろうか? 今回の拡張パッケージでは、ボイス付きのカットシーンが大増量され、第一世界の独特な世界観を体現した新たなBGMとともに、冒険をドラマチックに盛り上げてくれている。

【FFXIV: 漆黒のヴィランズ】

 ところで皆さんは普段どういうサウンド環境で「FFXIV」をプレイしているだろうか? 実は「FFXIV」は、フルタイム5.1chサラウンドでプレイすることができる。立体的なサウンドに包まれてのプレイは、単なるステレオでは味わえない世界への没入感をもたらしてくれる。これまでになくドラマパートに力が入った「漆黒のヴィランズ」だからこそ、ぜひサラウンド環境で楽しみたいところだ。

 そこで、今回紹介したいのがLogicoolの「ワイヤレス7.1ch LIGHTSYNC ゲーミングヘッドセット G933s(以下、G933s)」だ。「G933s」は2019年2月に発売されたゲーミングヘッドセットシリーズの最上位機種に当たる。価格は21,500円(税別)。USBや3.5mmジャックなど様々な接続方法や機種に対応しており、ゲームのサウンド環境を一気にリッチにしてくれる。筆者は今回このヘッドセットを数日間かぶりっぱなしで「漆黒のヴィランズ」をプレイしてみた。ゲーミングヘッドセットで「FFXIV」のゲームプレイの何が変わるのか、本稿では長時間プレイでのインプレッションをお届けしたい。

【G933s】

最上位機種らしいクールな外見に散りばめられた高機能

 まずは「G933s」のスペックを見ていこう。メタリックカラーのプラスチックを組み合わせた外見には、最上位モデルらしい高級感がある。イヤーカップや頭部に触れる部分には中に柔らかいクッション素材が入ったソフトレザーが使われている。装着すると、頭全体を包み込むようにホールドしてくれるが、長時間つけていてもどこかが痛くなったりすることはなかった。

フロント側
リア側
イヤーカップの内側
イヤーカップのクッションは取り外して洗うことができる
調節式パッド付スポーツメッシュヘッドバンド
ヘッドバンド裏のクッション部分

 イヤーカップの左後方には電源ボタン、プログラム可能な3つのボタン、マイクのミュートボタンと音量ホイールが並んでいる。音量ホイールは無限に回り続けるタイプで、微妙な音量調整が可能担っている。PC接続の場合はこのダイヤルを回すと画面左上に音量ゲージが表示され、視覚的に音量を確認することができる。左下部には4軸アナログケーブルとマイクロUSBのジャックがある。

イヤーカップ裏のボタン類
底部のアナログとUSBポート

 イヤーカップの外フタは磁石式で簡単に着脱が可能になっており、カパッと簡単に外すことができる。右耳のイヤーカップ内にはバッテリーが、左耳のイヤーカップ内にはUSBワイヤレスミックスアダプターが収納されている。収納式ブームマイクは普段は左耳イヤーカップと完全に一体化するような形で収納されており、引き出すと自動的にオンになる。マイクの先端はさらに前に引き出して自由な位置に曲げることができる。マイクは跳ね上げるだけでミュートになるので、とっさに音を消したい時などに便利だ。

左耳のイヤーカップ内にはUSBレシーバーが収納されている
右耳のイヤーカップ内にはバッテリーが入っている
マイクは収納状態では本体のデザインに溶け込んでいる
マイクを引き出したところ。先端は自由な角度に曲げられる

 電源が入ると、左右についた「G」のロゴとサイド部分のラインがLEDで輝く。バッテリーは仕様ではフル充電からLEDなしで12時間、LEDをデフォルトで光らせた時には8時間となっている。USB接続で充電しながら使用することもできるので、バッテリー残量は気にせずゲームを楽しむことができる。

両サイドにはブランドロゴの「G」マークが入っている

【物理的仕様】
サイズ 188×195×87mm(高さ×幅×奥行)
重量(ケーブルおよびUSBレシーバーを除く) 379g
充電ケーブル長 2m
モバイルケーブル長 1.5m

【技術仕様】
ドライバ Pro-G
サイズ 50mm
周波数特性 20Hz~20kHz
インピーダンス 39オーム(パッシブ)、5kオーム(アクティブ)
感度 93;/-3db

【マイク】
マイク指向性パターン カーディオイド(単一指向性)
サイズ 6mm
周波数特性 100Hz~10kHz

【ワイヤレス通信】
ワイヤレス通信可能範囲(屋内) 15m
ワイヤレス通信可能範囲(屋外) 20m
接続タイプ USB

バッテリー駆動時間(ライトなし) 約12時間
バッテリー駆動時間(デフォルトライト) 約8時間

対応機種 Windows、プレイステーション 4、Nintendo Switch、Xbox One、タブレットまたはスマートフォン

「G933s」商品紹介ページ

「Logicool G HUB」を使った細かなカスタマイズ

 「G933s」は、Logicoolのゲーミングデバイスを一括管理できる専用のアプリケーション「Logicool G HUB」を使って細かいカスタマイズが可能だ。サラウンドサウンド設定の他、LEDの光り方や、ボタン割り当ての設定や音の聴こえ方などを、かなり細かく設定することができる。設定は内部のオンボードメモリに保存されるので、接続していない時にも保持される。

【Logicool G HUB】
複数のLogicoolデバイスを一括管理できる
設定したい製品の写真を選ぶと個別の設定画面に入る

 「LIGHTSYNC」では、色と光り方を設定できる。光り方には呼吸のように明滅する「ブリージング」や、七色に変化していく「サイクル」、特定の画面カラーにシンクロして色が変化する「画面サンプラー」や、イコライザーに合わせて明滅する「サウンド ビジュアライザー」などがある。

【LIGHTSYNC】
LEDの光り方や色を決める

 「ボタン割り当て」では、特定の音域の音量調整やサラウンドサウンドの切り替え、オーディオのミュート、マイクからの音量調整などヘッドセットの操作のほか、ゲーミングマウスやキーボードと同じように特定のキーや機能を関連付けることもできる。

【ボタン割り当て】
多彩な機能やキーを3つのボタンに登録することができる

 「音響」では後述するサラウンドサウンド設定で、方向単位での音量調整が可能。また「DTSスーパーステレオモード」でサラウンドサウンドの聴こえ方を4種類から選ぶこともできる。「フロント」は前方近くで聴こえているような音、「ワイド」では音がやや横に広がったようになる。

【音響】
サラウンドサウンドの設定や音の聴こえ方をカスタマイズできる

 イコライザーでは、音の聴こえ方を「デフォルト」、「映画のような」、「フラット」、「バス ブースト」、「MOBA」、「FPS」、「コミュニケーション」などのプリセットから選択できるほか、新たな設定を登録することもできる。

【イコライザー】
ソフトイコライザーで、音の音程ごとの強弱を目的別に設定できる

立体音響を生み出すバーチャルサラウンド技術「DTS Headphone:X 2.0」

 対応機種はWindowsのほか、Mac、プレイステーション 4、Nintendo Switch、Xbox One、タブレットまたはスマートフォンにも対応している。WIN/Mac/PS4/Nintendo SwitchではUSBかオーディオポートのどちらでも使うことができる。付属の4極プラグを使えば、電源を入れなくても通常のステレオヘッドセットとして使うことができる。ただしマイクとヘッドセットの入力端子が別担っているPCでマイクを使うには、分配ケーブルを用意する必要がある。

 また、複数機器からの音をミックスすることができるので、例えばPS4にアナログ接続してゲームをしつつ、USB接続したPCでDiscordを利用したりといった使い方もできる。

 「G933s」の立体音響を生み出すバーチャルサラウンド技術「DTS Headphone:X 2.0」を使用するには、Logicoolのゲーミングデバイスを一括管理できる専用のアプリケーション「Logicool G HUB」をインストールしたPCに、USBレシーバーを挿して使う必要がある。

 「DTS Headphone:X 2.0」は米デジタル・シアター・システムズ(DTS)社が開発したヘッドセット用のバーチャルサラウンド技術。「FFXIV」が対応している5.1ch環境を作るためには、5つのスピーカーと重低音用のサブウーファーが必要だが、それを疑似的に再現して出力することで、ヘッドセットの左右のスピーカーでも前後左右の様々な方向からの音を聞き分けることができる。敵の足音や銃撃の方向を知るため、FPSではほぼ必須のデバイスとなっているが、没入感を重視したいMMORPGでも威力を発揮してくれる。

【ラケティカ大森林】
深い森の中には、鳥や動物の声、水音などの環境音が豊富に響きわたっている

 「Logicool G HUB」を起動して、ヘッドセットを選択。「音響」タブの中にある「サラウンドサウンドを有効にする」というチェックボックスにマークを入れると音が途端に立体的な音響に切り替わる。

 ゲームを起動したままこの操作を行なうと、聴こえ方の劇的な変化に驚かされる。例えて言うなら、それまで平面的に聞こえていた音に突然奥行きが生まれたような感覚を受ける。「ラケティカ大森林」のようなジャングルでは特にそれが顕著で、サラウンドサウンドをオンにすると、音に空気感のようなものが加味されるのが分かる。重低音が加わるため、攻撃時の音やBGMも音の深みが増す。

 ゲームが5.1chまでしかサポートしていないため、ヘッドセットのスペックをフルに活用することができないのは残念だが、それでも従来のステレオサウンドとは全く別次元の音響に包まれてゲームを進めることができる。

長時間プレイでも負担なくリッチな音が楽しめる

 今回は、「漆黒のヴィランズ」アーリーアクセス開始から、レベル78までのメインストーリーをこのヘッドセットでプレイした。本機は379gとヘッドセットの中では比較的重い部類に入る。ハイエンドのワイヤレスモデルということで、50mmドライバーやバッテリーなどが入っている分、通常のゲーミングヘッドセットやヘッドセットよりは装着したときの存在感があるが、クッションが圧力をほどよく分散してくれるので長時間つけっぱなしにしていても、重さを意識することはなかった。

 なんといってもワイヤレスなので、気が付くとケーブルが椅子やテーブルに絡みついてつっぱり感があるといったありがちなイライラも起こらない。コンソールを大画面テレビに繋いでプレイするといったシチュエーションでも、ケーブルの存在を気にせずのんびりプレイできる魅力は大きい。

遊びだすと止まらなくなる絶品のストーリーを、バーチャルサラウンドサウンドで楽しんで

 一般的なステレオヘッドセットとの違いで、最も分かりやすいのは重低音だろう。「Logicool G HUB」でサラウンドサウンドに切り替えると、それまではホワイトノイズのように聞こえていた振動音が、急にごつごつした塊のようなノイズへと変わり、臨場感が一気に高まる。

 ステレオでは混じって聞こえる音も、サラウンドサウンドでは1つ1つがクリアに聞こえる。例えば近接DPSで参加した場合には、自分の後ろからはヒーラーとキャスターが攻撃する音、前からは敵とタンクの攻撃音と、それぞれの方向から聞こえてくるため、それぞれの音が聞き取りやすい。ステレオに比べて音が近く感じるので、その場にいるという臨場感も強くなる。

 動き回る敵の位置による聴こえ方の差や、背面攻撃、側面攻撃をしている時の音の聴こえ方の違いはハッキリと聞き取ることができ、それがその場にいるような臨場感を生み出していると感じた。

 BGMの聴こえ方も非常にクリアで、筆者が普段使っているPC用スピーカーでは聞き取れないような音も聞こえるので、「あれ、こんな音も入っていたんだ」と新鮮な驚きがあった。筆者はBGMをオフにして、環境音だけで散歩をすることがあるが、その時の空気感もステレオとは段違いだ。

 前後左右から聞こえる環境音に包まれていると、第一世界で感じる印象はまた違ったものになる。光の氾濫に侵された地域にいると聴こえる不気味な蠢動や、降り注ぐ光を具現化するような音も重低音で一段と凄みを感じることができる。

 価格的にお手軽に試せるというものではないが、同じLogicool Gシリーズには今回紹介したハイエンド/ワイヤレスの「G933s」を筆頭に、使い方やコスパに応じた様々なラインナップを取りそろえている。自分の環境やお財布の中身と相談しながら、冒険を楽しんで欲しい。

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