インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

フリーカンパニーやキャラデザ、F.A.T.E.などなど新規要素についてたっぷり聞いた

2月8日収録

スクウェア・エニックス本社

 インタビュー前編に続き、インタビュー後編では、フリーカンパニー、新種族、F.A.T.E.などβテストから実装される新規ゲームコンテンツについて話を伺った。

βテストで実装される新規コンテンツ その1「フリーカンパニー」について

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー/ディレクターの吉田直樹氏
新しく公開されたフリーカンパニーのイメージイラスト
Lodestoneのリニューアルを計画中だという。現在スマホアプリを開発中で、共にデータベース機能を大幅強化するようだ

――βテストから新しく始まるフリーカンパニーについて質問します。まずフリーカンパニーのアートワークについて、よく見ると盾にもベヒーモスの絵柄が入っていたりしますが、これはフリーカンパニーが独自の紋章を持てるということですか?

吉田氏:そうです。独自のイラストを用意して、みなさんでいくつかのパターンを組み合わせてグラフィックスを作って、自分たちの旗として掲げられるということです。

――それが装備に着けることもできるということですか?

吉田氏:そうですね。貼れます。

――後ろの大きい旗みたいなものも、フリーカンパニーの装備として入るということですか?

吉田氏:これはハウジングで飾れたりタペストリーにできたりといった要素です。

――いくつかの紋章を組み合わせるということですが、自分たちでドットを打ったり、映像をアップロードしたりというのはできるんですか?

吉田氏:そこについては、開発チームでもやりたいという話はもちろん出たんですけど、僕がNOだって言いました。要は「FF」クオリティの維持ができるのかと。そこに例えばですけど、卑猥な絵を描いてきた人がいたりするとどうするんだと、人的に全部チェックするのかと。君らテクスチャー1枚こんなにこだわっているのに、それでいいのかと。

 後はデータ転送量ですね。例えば自分でドットを打ったイラストを皆さんに配ろうとした場合、皆さんにそもそも僕が打ったドットのデータがないと表示できないじゃないですか。自分しか見えないんじゃ意味がない。その辺を突き詰めて考えた時に、僕らがプレーヤーの皆さんに提供させていただくのは、組み合わせのパターンが多く、「FF」クオリティのデザインをたくさん提供しろと、それによっていろんな組み合わせをしてもらえれば、自由度を高めつつクオリティを維持できるからそっちの方向にいきなよという話にしたので、ドットを打たせること自体は想定していないです。

――イラストは何かの条件でアンロックされたり、クエストの報酬になっていたりするのですか?

吉田氏:カンパニーが成長する要素が入っているので、それが成長するとアンロックされて得られるパターンが増えたりというのはあります。

――この紋章はこの枠じゃないと使えないということで所有欲をくすぐらせる要素ですね。

吉田氏:「あのエンブレム使えてるということは、かなりランクの高いフリーカンパニーだな」とかもわかるようになりますね。

――ボス退治と関連していたりもするのですか?

吉田氏:そういうアイデアはあります。このモンスターを倒したらドロップ品でクレストパターンにするというのは。「新生FFXIV」のタイミングではまだ用意されていないですが。

――βテストフェーズ3からフリーカンパニーのテストも始まりますが、紋章などはそこから入りますか?

吉田氏:紋章についてはフェーズ3で公開するかどうかはまだ検討中ですね。たぶんUIの制作コストがめちゃくちゃ重いので、正式サービスと同時になってしまうかもしれません。優先順位はまずフリーカンパニーを結成することです。

 あまりにフリーカンパニーの仕様を大量にドバッと入れると、βテストで全体像のイメージが掴めないまま、フィードバックがズレそうだなと思っていて。まず結成してもらって、ちょっと絆の強いリンクシェルというイメージを持ってもらう所からはじめたほうがいいのかなと思っていますね。

――リンクシェルはギルドと違って複数に加入できます。フリーカンパニーは1つ入ったらずっとそこというイメージですか?

吉田氏:そうですね。掛け持ちは不可です。ただ、ゲストと傭兵という概念があるので、例えばスクウェアというフリーカンパニーがあって、僕がエニックスというフリーカンパニーだった場合、僕がスクウェアの傭兵として参戦することができます。その時に稼いだポイントは僕のフリーカンパニーに入る。ゲストはいわゆる入隊前のお試しで入ってみてという形がとれるので、それを使いこなしてもらえれば、あとは同盟という概念があるので、スクウェアとエニックスで同盟しておくと、ここのプレーヤーは同盟としてコミュニケーションが取れます。

――同盟チャットのようなものがあるのですね。同盟は最大いくつまで増やせるんですか?

吉田氏:自身の所属しているフリーカンパニーを含めて、最大8のフリーカンパニーと同盟を組むことができます。

――フリーカンパニーの最大メンバー数は?

吉田氏:いま512人にしています

――512人ですか、多いですね。カンパニーレベルを上げるとそこまで入れるのですか?

吉田氏:人数に関してはレベル等で制限していないです。ただ、テストをしてサーバーがヤバすぎだったらちょっと考えますけど、いま設計上は制限無しで最初から512人まで加入できます。

――ギルド内に階級はあるんですか?

吉田氏:あります。8つぐらいあります。権限も1つずつ設定できるようになっています。ようはカンパニーバンクにアクセスできる権利はリーダーとサブリーダーまでとか、全メンバーお金を入れられるけど出せないとか、色々スイッチできます。このあたりの仕様は他のMMOでできることは全部やれると思っていただければ。

――ギルド衣装もでてくるんですか?

吉田氏:エンブレムをつけた装備で礼服のようにメンバー全員で同じフリーカンパニーの衣装を着られるセットをいくつか作っています。ローンチで用意されています1つですね。

――礼服のようなものですか?

吉田氏:どのクラスが着ても違和感がないように、さっき新旧比較動画の中でミコッテ男がグランドカンパニーの礼服をきてたんですが、あんな感じの礼服になります。いわゆるおしゃれ装備っぽい。

――揃えて着たらカッコイイみたいなやつですね

吉田氏:そうそう。そういうふうにできたらいいなと思っています。みんなで記念写真撮るときにはこの装備をきて撮ろうよみたいな。

――楽しみですね。初めての方が多いんだったら余計に

吉田氏:そうですね。だからすごい慎重に開発を進めています。今日も朝一で打ち合わせをしてたんですが、「とにかくギスギスしたら負けだからな」と伝えました。「あの人がログインしてないから貢献足りないよね、という会話になったら終わりだからね」という。プレイしたことがボーナスに感じられるぶんには構わないですけど、ログインしなかったら損したと感じられたら、もうすぐにコミュニティが崩壊するからと。

――ログイン状態は他のメンバーにはわかるようにするんですか?

吉田氏:カンパニーリストを見ればわかります。あと一言メッセージも書いておけるので、2月10から22日まで出張のためログインできませんと言ったメッセージを書いておけます。

――カンパニーメンバーにゲーム外から連絡を取る手段はありますか?

吉田氏:スマホアプリの機能のひとつとして計画には入っていますけれど、新生ローンチのタイミングではまだその機能は入れていないです。また、それは有料機能の一部にさせていただくかもしれないです。要はサーバーストレスがかかるものについてはサーバー維持費がかかってしまうので。

――スマホアプリとは、どのような機能を備えたものですか?

吉田氏:自分の装備を確認できたり、パラメーターを見て例えばカンパニーの同じメンバーの現在の装備を見て、腕とかこれパラメーター弱いんじゃないという話があって、だから今日の夜はこのコンテンツをやりに行こうねというのが確認できたり、各種情報が確認できるアプリです。

――スマホで確認できるものが「ドラクエX」にもありますよね。設計思想はあれとは違うようですね?

吉田氏:違いますね。あとデータベースが入っています。Lodestoneにも全く同じデータ検索を積む予定ですが、やっぱりWebなので、電波の悪いところや飛行機の中じゃアクセスできないわけですよ。例えばこの装備を着せてみたいなと思った時に、どこで取るんだろうと。クエスト名を入れたり、アイテム名を入れると、どこで取れる、どのクエストで、どのモンスターを倒せばいいのか、そもそもそのクエストは誰から受注すればいいのかといった情報が参照できるデータベースを作ってるんですよ。

――全部そこで調べればわかるようにすんですか?

吉田氏:はい。ただLodestoneはWebなので、ネットワーク通信環境がないと読めないじゃないですか。アプリは全部そのデータをアプリ側にインストールしてしまえるので。アプリはデータベースが結構すごいですね。

――攻略系のWikiがいらなくなるというほどではないですね?

吉田氏:例えばコミュニティの皆さんが、ダンジョンをどうやって攻略するかというところは皆さんでフォーカスして欲しいんですよ。でもダンジョンに行くための条件であるとかは、データベースを全部用意します。コメントを書けるようにしますので、その攻略情報とかは、みなさんがそこに編集して書いていただければ。

――そのWebとアプリの公開時期はいつなんですか?

吉田氏:一応ローンチ目指して進んでいます。だから、大変なんです(笑)。新生Lodestoneの開発は順調ですよ。

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(中村聖司)