インタビュー

「ロックマン: デュアル オーバーライド」開発者インタビュー!「ブルース」の魅力を余すことなく語る【TGS2026】

【ロックマン:デュアル オーバーライド】
プラットフォーム:PS5/PS4/XBOX Series X|S/XBOX One/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC
2027年春 発売予定
価格:未定

 カプコンは、2027年春発売予定のアクションゲーム「ロックマン:デュアル オーバーライド」において、プレイアブルキャラクター「ブルース」の参戦を発表した。

 「ロックマン」シリーズとしては、2010年3月発売の「ロックマン10」以来の登場となるブルース。今回、日本最大級のゲームイベントである「東京ゲームショウ2026(TGS2026)」にて、プロデューサーの南谷洋行氏、ディレクターの生田真也氏、アートディレクターの石原雄二氏と小牧信介氏にお話を伺うことができた。

 アクション、ストーリーの両面で活躍が見込まれる「ブルース」がどのような経緯で実装されることになったのか。本稿ではインタビューの模様をお届けしていく。なお、GAME Watchでは「ロックマン:デュアル オーバーライド」のプレイレポートやブルースの先行プレイ記事も掲載しているので、こちらもあわせてご覧いただきたい。

【『ロックマン:デュアル オーバーライド』2ndトレーラー】

開発チームの「ブルース」へのこだわり

――本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、本作に「ブルース」を登場させることになった経緯を教えてください。

生田氏:実はプロジェクト開始当初から「ブルース」は登場させたいと考えていたキャラクターです。ユーザーからの要望がたくさんあって、非常に人気の高いキャラクターでしたので。

 ただ、登場させるにあたって単純に「ロックマン」と少し違うだけの存在にはしたくなかったので、遊びの体験が大きく異なる形での実装を目指しました。例えば「ロックマン」は、バスターとボスを倒して入手できる特殊武器を用いて攻撃手段を増やしていくスタイルですが、ブルースは射程が短い代わりに近距離で活躍する攻撃方法を多く備えています。

 また「ブルース」ならではの“盾を使った様々な攻撃アクション”を作りたいなという思いもあったので、同じステージであってもゲーム体験が変わるようなキャラクターとして登場させることができたと思っています。

――本作のタイトル「デュアル オーバーライド」は、W主人公というベースから決まったのでしょうか?

生田氏:そうですね!最初からW主人公の構成でいくと決めていました。ゲームタイトルは後から決定したのですが、W主人公にふさわしい名称として「デュアル オーバーライド」と名付けました。

【ブルース】

――同じステージというお話が出ましたが、今回「ロックマン」と「ブルース」で遊べるステージは全て同じになるのでしょうか?

生田氏:ボスのアクションやステージの構造は同じものをベースにしていますが、全く同じという訳でもなく、ステージ内に配置されている敵などを変化させてアレンジしています。近距離主体のブルースと遠距離主体のロックマンで、ゲームレンジが変化するのでそこに合わせたステージの変化を加えていますね。

 逆にボスに関しては、同じシチュエーションでもキャラクターによって異なる攻略性を楽しんでもらいたかったので、同一のアクションにしています。「ロックマン」と「ブルース」で異なる性能をそれぞれ楽しめるようなステージ作りを心掛けました。

――具体的に「ロックマン」と「ブルース」はどのように切り替えて遊ぶのでしょうか?

生田氏:基本的にはステージセレクトのタイミングで、どちらかを選択してプレイする形式になっています。ステージの途中でリアルタイムに切り替えるといった形式ではないですね。

――近距離型のブルースと遠距離型のロックマンで、初心者向きなのはどちらでしょうか?

生田氏:悩ましいですが馴染みがあるという意味ではロックマンの方が遊びやすいかもしれません。ですが今回はキャラクターによって難易度的の差別化はしていません。

 過去作ですと「ブルース」の被ダメージが大きい印象があるかと思うのですが、今回はそのようなこともなく「ロックマン」と同じ設定にしています。難易度的な違いというよりはゲーム体験の違いを楽しんでいただけるような作りにしました。

――今回W主人公であると同時に、Wアートディレクター体制ですね!お二人はどのような役割分担となるのでしょうか?

小牧氏:一番最初のコンセプトは石原さんが手掛けて、私はそれをサポートする立ち位置ですね。グラフィックのタスクを補助したり、ボスのデザインなどはお互いにやったりと得意分野に応じて取り組みました。今作のメインビジュアルも石原さんがラフを描かれて、私が仕上げをした形になりますね。

生田氏:実は石原さんが「ロックマン」で、小牧さんが「ブルース」をデザインされているんですよね。

――まさに「デュアル仕上げ」じゃないですか!そんなところにまでデュアル要素があるとは……。

小牧氏:席も背中合わせなので、仕上げの際はお互いにチェックしながら密に連携して進行しました(笑)。

石原氏:メインビジュアルと同じような構図だったのは偶然ですけど面白かったですね(笑)。

【メインビジュアル】

――本作における「ブルース」のデザイン、特に「オーバーライド形態」のメカメカしいデザインのこだわりについて教えてください。

小牧氏:「ブルース」のオーバーライド時の姿は、開発内でも特に思い入れが強くこだわった部分になります。“PVではまだ出ていない部分”も含めて「ブルースならこれだろう!」とみんなが話し合って決めた形状にしています。

 キャラクター設定的にも、彼はロックマンの兄でクールな印象も強く、動力炉にも少し問題があるという設定があります。今回はゲーム性にも落とし込んでいるのですが、特定のアクションを一定回数行なうと「排熱」が必要なのですが、そのために各パーツにはスリットが入っていたりするなど、ロボット的なカッコ良さを押し出したデザインは意識しました。

石原氏:全体的な部分としては、従来の「ロックマン」シリーズは「カッコよさ」と「可愛さ」のバランスが可愛いに少し寄っていた部分がありましたが、今回はより多くのユーザーの皆さんに気に入っていただけるよう「カッコよさ」の比率を高めています。

 なので「オーバーライド」の姿は、もっとメカの印象をとことんまで突き詰めたデザインにしようと方針を定めていました。通常の「ロックマン」がオーバーライド時の姿だとちょっとやりすぎな雰囲気も出ちゃいますが、リスクを伴う変形状態であるオーバーライドなら成立するという考え方でデザインしています。

小牧氏:「ブルース」のオーバーライド時の方が、メカっぽいカッコよさを出している感じはありますね。それぞれのカッコよさがありますが、「ブルース」の形態は既存作品の彼のキャラクター性を掘り下げた結果あの形になりました。「ロックマン」の魅力は“ロボットのヒーロー”という部分にあると思いまして、可愛いけどカッコいいという絶妙なバランスは、今回初めて本シリーズに触る人にも伝わるようになっていると思います。

【オーバーライド】

――「ブルース」が物語に関わることでストーリーはどのように展開するのでしょうか?

生田氏:物語の軸自体は共通ですが「ブルース」も主人公としてストーリーに深く関わります。これまでは口数が少ない印象が強かった「ブルース」ですが、今回は「ロックマン」と同じく主人公としてしっかり会話に参加するので、彼らしさや性格が色濃く伝わるシーンが多くなっていますね。初めての方にもキャラクター性が伝わりやすく、既存のファンにも楽しんでいただける絶妙なバランスに仕上げました。

――「ブルース」のキャラクター性はシリーズ作品から継承されていると思うのですが、開発チームが考える「ブルース」のキャラクター像はどんな感じでしょうか?

小牧氏:ちょっとニヒルで……、クールな印象という感じでしょうか(笑)。とは言え今回は主人公の1人なので、口数は少ないですけども彼なりの言葉でお話は進んでいく感じになります

生田氏:「ロックマン」とはかなり性格が違うキャラクターになるので、本作では彼のキャラクター性にも注目して欲しいと思います(笑)

――「ブルース」の盾アクションは最初から全て使用できるのでしょうか?

生田氏:盾のアクションは、各ボスを撃破することで新たな技を習得していくシステムとなっています。「ロックマン」の特殊武器と入手方法はほぼ同じような形ですね。

 最初から使用できるのは盾を投げる「ブルースブーメラン」、チャージショットと同じ要領で使用できる地上技の「ブルースストライク」、空中の「ブルーススラッシュ」になります。盾のアクションは連続でコンボのように使用できたり、チャージすることで威力や範囲をアップできたりと独自の面白さがあるので、ぜひ期待してほしい要素です。

【盾アクション】

――盾アクションは「ヒートゲージ」を管理する必要がありますが、ロックマンの特殊武器と異なり「排熱」を行えば何度も使用できる形式でした。これらを分けた理由はありますか?

生田氏:遊びの体験を変えたいという方針で今の形になりました。設定的にも“ブルースらしさ”を表現できつつ、戦闘のテンポも大きく変えることができると思いました。盾アクションでコンボを繋いで「排熱」、また状況に合わせて技を駆使して「排熱」と、強力な代わりに少しテクニカルな操作が楽しめる要素になっているので「ロックマン」とは違うアクション性を楽しめると思います。

――メカの「排熱」はかなり男のロマン的なカッコ良さを感じるのですが、実装に当たりどのような思いがありましたか?

小牧氏:最初に絵を描いた時は、ブルースでこういう事したらカッコいいからと思い入れましたね(笑)。デザインをリファインするにあたって、動力炉の問題でオーバーヒートするという設定が前提としてあり、「排熱」を行っているスケッチを描いたことをベースにこのシステムが誕生しました。

生田氏:なので「排熱」自体は最初から導入したいという思いはあったので、ゲームのプランナーと相談してどういう形式で組み込むかを相談していきました。デザイン段階からかなりこだわりが強く出ていまして、ちょうどゲームシステムとも合致する形でお届けできて良かったと思っています!

【排熱】

――初期PVでは口笛だけの登場だったブルースですが、あの演出にはどんな狙いがありましたか?

南谷氏:初めに2人とも出すのではなく、タイトルとロックマンを表示して「デュアルオーバーライド」の”デュアル”とは何なのか、なぜ口笛が聞こえてくるのかという部分をプレイヤーの皆様に考えて、楽しんでいただきたかったという思いが強いです。だいぶ確定演出でわかりやすかったとは思いますが(笑)。

生田氏:実際お客様の声としても、あの口笛で大きな反響を頂くことができたので、私達も非常に嬉しかったですね。

南谷氏:プレイヤーの皆さんと一緒に盛り上がりたいなと思っていたので、上手くいって良かったです!

――開発チームの雰囲気やチーム構成について教えてください。

生田氏:本作はベテランスタッフと、アイデア豊富な若手スタッフが融合して開発を進めています。革新的なアイデアもどんどん取り入れられる環境なので、いつもと違う新時代の「ロックマン」を楽しめるような形に仕上がっているのではないかと思っています。

石原氏:印象的な若手スタッフをあげますと「ロックマン博士」と呼ばれるほど知識が豊富な若手メンバーがおり、敵キャラクターの名前や設定、キャプションまで全て記憶していましたね(笑)。彼のファン目線とプロ目線の双方が作品の質を高めてくれています。

南谷氏:前作「ロックマン11」は、過去作のラインを忠実に再現することに注力しましたが、本作はそれをベースに新しい挑戦を盛り込んでいます。2027年の40周年に向けた“節目のタイトル”として自信を持って制作しています。新時代のロックマンとして魅力的なタイトルとなっていますので、ぜひ今後の続報にご期待頂けると嬉しいです!

――本日はありがとうございました!

【試遊ブース:ロックマン: デュアル オーバーライド】