インタビュー

ファンと開発陣の愛で新生!「ロックマン: デュアル オーバーライド」開発者インタビュー

新要素盛り沢山の魅力に迫る

【ロックマン: デュアル オーバーライド】
2027年 発売予定

 カプコンから、「クラシックロックマン」シリーズの第12作品目約8年ぶり新作となる「ロックマン: デュアル オーバーライド」が2027年にリリースされる。

 本作は、新システム「オーバーライド」や「カスタムチップ」を用いた最新鋭の横スクロールアクションを楽しめる作品となっている。

 直近で公開された最新PVでは“ブルース”のほか、ボスキャラクター達のデザインや作品の空気感など令和チックなスタイリッシュさを感じられる。新時代の「ロックマン」を確認できる内容に多くのファンが心を躍らせている事だろう。

【『ロックマン: デュアル オーバーライド』 1st トレーラー】

 本稿では、そんな本作開発陣に行なったインタビューを紹介していく。お答えいただいたのは、ディレクター・生田真也氏、プロデューサー・南谷洋行氏、「ロックマンシリーズ」プロデューサー・和泉真吾氏の3名。新時代「クラシックロックマン」の魅力に注目して欲しい。

――本作は「ロックマン11運命の歯車」以来の新作ですが、今回ナンバリング番号がついていない事には何か意味があるのでしょうか?

和泉氏:ご存じの通り「ロックマンシリーズ」は40年という長い歴史がありつつ非常に多くの方に応援して頂いているコンテンツになっています。

 そんな中で我々の想いとして「新規プレイヤーの皆さんにも手に取って遊んで欲しい」という気持ちがありまして、ナンバリングの数字が大きくなっていくとちょっと敷居が高く感じてしまう方もいらっしゃるかと思いました。

 そういった経緯がありましたので今回はナンバリングを外して、ロックマン+サブタイトルとなる「デュアルオーバーライド」という構成でタイトルを決めました。

――今後のシリーズ作品のタイトルも今回と同じくナンバリングが外れる形になるのでしょうか?

和泉氏:今後の事は今の段階だとお答えするのは難しい形になりますね。(笑)

 ただ弊社の他タイトルですと「モンスターハンター」シリーズなども同じように特定のタイミングからナンバリングを外して以降もナンバリングをつけていませんので、もし今後もシリーズが続いた際にはその都度状況に合わせて検討していこうかと思っています。

――実に約8年ぶりのシリーズ最新作となりますが、開発に至った経緯やエピソードがあればお伺いしてもよろしいですか?

和泉氏:「ロックマン11」が出てから長い期間が空いたんですけども、この間もIPとしては様々な事を試行錯誤しつつ挑戦しておりまして、並行して「ロックマンエグゼ」や「流星のロックマン」などのコレクション作品が出るなど動きはありました。

 そんな中で「来年40周年を迎える節目の年に何が何でも完全新作を出したい」という想いがありまして、さらにタイミング的に開発チームをベストな体制で組める機会も頂けたので、今回この「デュアルオーバーライド」を開発するに至った形になります。

――ベストな体制というのはどのようなチームだったのでしょうか?

和泉氏:過去作にも携わっていた知見の高い者がチームにジョインしてくれたという事がバックボーンとしては大きいですね。

南谷氏:過去作に携わっていたメンバーだけではなくて、新しいメンバーの新たな知識や技術も加わりながら、お互いに盛り上げて新しいロックマンを生み出せたのが良い事だったなと思っています。

和泉氏:新メンバーとオリジナルメンバーの相乗効果を持って開発を進められたって事は強く感じましたね。

生田氏:最近ですと段々「ロックマン」好きの社員がどんどん追加されていく感じでして。(笑)

 凄くチームの雰囲気も良いですしモチベーションも高く開発に臨めているので、楽しんで開発を進める事ができました。

――サブタイトルにもなっている「デュアルオーバーライド」とはどのような意味でしょうか?

南谷氏:「デュアル」に関しては複数の意味を持たせて名づけました。大きな意味に関しては今後の発表をお待ちいただけますと。(笑)

――「ロックマン8」ぶりとなる「ボスキャラクターデザインコンテスト」を開催するに至った経緯はなんでしょうか?

南谷氏:ロックマン40周年を迎えるにあたり、何かファンの皆さんと一緒に楽しみながら開発できないかなという想いがあったのが切っ掛けのひとつですね。

 開発チームの中でも昔実施していた「ボスキャラクターコンテスト」が良いんじゃないのかという意見が盛り上がりまして今回実施する流れになりました。

生田氏:今回の場合ですと、コンテストの発表が早い時期に行なえたというのも大きかったですね。

 募集タイミングを早めに確保する事ができたので、その時間でせっかくならお客さんに喜んで頂ける施策に取り組もうと動くことができましたので。

――キャラクターのデザインについて、等身が少し伸びていたり顔つきがクールになっている印象ですがこの変化の意図はなんでしょうか?

生田氏:そこは意図的に変化を加えました! 他の部分ですとディテールも細かく線が入っていたり、色使いも意図的に変化させたりしてデザインをリニューアルしました。

 ちょっと背伸び感と言いますか、キャラクターのカッコ良さを押し出したいなという気持ちがありましたね。

南谷氏:デザインに関しては「現代の子供達が見てもカッコいい」と思えるというのを目指しつつ、その上で大人が見ても十分なクオリティを感じられる形の作品を目指した結果、今のデザインになったという感じですね。

等身や顔つきなどがクールに進化した印象

――試遊にも登場した「トゥインクルガール」はシリーズでも珍しいかなり可愛らしいデザインのボスでしたが生み出された経緯やコンセプトなどがあればお伺いしたいです。

生田氏:過去作のイメージですとやっぱりロボットって“カッコいい路線”や“パワフル”というイメージが強く、僕の推測にはなるのですが男性的なイメージの傾向が少し強かったような傾向にあると感じてました。

 そんな中で今回はデザインの幅を狭めないようにしようという事になりまして、キャラクター性をもっと豊かにしてあえて性別とかは気にしない方向性でデザインを進めました。

 実は「トゥインクルガール」は一番最初に開発したボスになるのですが、「ここまで振り切って良いんじゃないの?」みたいな部分をデザイナーと詰めた結果すごく良いキャラクターが生まれたなと思っています。

南谷氏:他にもまだ明かせていない色んな種類のカッコいい・コミカル・可愛い……など多種多様なキャラクターのボスもいますのでぜひ楽しみに待っていただければと思います。

 今回はかなり“振り切ったキャラクター”が多いので楽しんでいただけると思います。

トゥインクルガール

――今作の鍵となる新システム「オーバーライド」のシステムについて教えてください。

生田氏:「オーバーライド」の一番大きいところは“最初から使える”という所ですね。

 「ロックマン」といえば「ボスを倒すと特殊武器をゲットして姿を変えながら様々なアクションが可能になる」というのが1つの特徴だと思うんですけど、今回は最初から「素体のロックマンがカッコ良く変形して強化される」といった所を見せたくて「オーバーライド」という仕組みを作りました。

 プレイヤーが積極的に敵を倒したりするとゲージが貯まって必殺技である「オーバーライド」を使えるというシステムになっているんですけど、使いどころはユーザーが自由に選べる形にしつつ、個人的にはボスをカッコ良く・気持ち良く倒してカタルシスを得られるような感じをイメージしました。

 最終的なステージクリアのリザルト画面でも、「オーバーライド」時に放てる必殺技の「ファイナルショット」でボスを倒すとボーナススコアを獲得できるので、ぜひ狙ってみてほしいですね。

ファイナルショット

――ボスキャラクターもバトル終盤に入ると強化される演出がありましたが、あれも「オーバーライド」でしょうか?

生田氏:そうですね!敵側もオーバーライドをして攻撃パターンが変化したり苛烈になったりする仕様になっています。

 「ボスも同じ力を使ってくるんだよ」っていう部分は、胸熱の展開なんじゃないかなと思っています。

ボス側のオーバーライド

――前作「ロックマン11」にて使用できた「ダブルギア」も「オーバーライド」のように一時的なパワーアップが可能なシステムでしたが、そちらとの大きな違いなどはありますか?

生田氏:一番の違いは「オーバーライド」は積極的にドンドン使えるシステムっていう部分だと思っています。

 「ダブルギア」の場合ですと“ここ一番の切り札”というニュアンスが強く、使った後のデメリットも大きかったので、使うタイミングが中々難しいシステムでもあったのかなと感じています。

 なので、「オーバーライド」は強い敵が出て来た場合に積極的に使おうと思えるような形でゲームデザインを設計しています。「オーバーライド」使用後は一定時間弱体化もしますが、時間が経てばまた通常のロックマンのアクションに戻りますので、ぜひ積極的に色んな場面で使ってみてほしいですね。

――ロックマンに様々な能力を自由に付与できる「カスタムチップ」のシステムを導入するに至った経緯や裏話があれば教えてください。

生田氏:「カスタムチップ」の導入にはあまり大きな迷いなどは無かったですね。とにかくチップを沢山用意してプレイヤーがステージに合わせてチップのビルドを考えて遊ぶようなプレイの幅を生みたかったという考えがありました。

 また使用するチップの組み合わせ次第でステージの攻略難易度を上げる事も下げる事もできますので、遊び方次第で様々なチャレンジができる余白を持たせたかったという狙いもあります。

南谷氏:ゲーム全体の構成に関する事ですと、今までの「ロックマン」は全部で8ボスのステージを1つずつ攻略するような形式でしたが、今作では1つのボスに対して3つのステージが用意されています。

 それらのステージに点在している「ネジ」を集める事で新たな「カスタムチップ」を製作する事ができ、そのチップを用いたビルドで新しいステージに挑戦する……といった感じで段階を踏んで成長を実感できるようなシステムになっているのも「カスタムチップ」の良い所ですね。

――「カスタムチップ」を自由に装備して様々なビルドが楽しめるという事ですが、ロックマンに装備する際のコストや制限のようなシステムはどんな感じでしょうか?

生田氏:「どういう形式でチップの制限をつけるか」という部分はまだお答えできないのですが、基本的には複数のチップを装備して自由なカスタマイズが楽しめるような形で幅広く遊べるような形を目指しています。

――今回の試遊で登場していた「バスターオートチャージ」や「バリア」などもやり方によっては組み合わせられる可能性があるといった感じでしょうか?

生田氏:そうですね、組み合わせによっては可能です。ただ、中には同時に組み合わせられないチップもありますので、実態がどんな感じなのかは発売をお楽しみにしていただければと思います!

カスタムチップ

――「オーバーライド」や被弾した際のダメージ演出などヒロイックな演出が多く見受けられますが意図などはございますか?

生田氏:「見た目が変化していく表現は絶対にやりたいよね」という話からスタートしていますね。

 「オーバーライド」も強さとカッコ良さが両方分かりやすく見える演出を意識しました。なので、現状「オーバーライド」するときに長めの変身演出が入る状態になっています。「演出が長すぎる」という意見も出たのですが、僕自身は尺のある変身シーンを見たいなと思って現状の形にしてます。

 こちらについては一応オプション機能で簡易演出版と切替可能なので、自分に合った演出で楽しんでもらえたらと思います。

被弾演出。ボスもロックマンもダメージを受けるとボディに汚れが出てくる
オーバーライド演出。筆者的には可変機構に力が入っていて非常に興奮した

――「オーバーライド」「カスタムチップ」「特殊武器」などロックマン側のパワーがかなり高そうに見えますが、全体のゲーム難易度はどのような感じになっていますか?

生田氏:基本的には今までの「ロックマン」シリーズとしてのやり応えや歯ごたえみたいな部分は崩さないで遊べる難易度で設計しています。

 僕たちも「思わず何回もリトライしたくなるような絶妙な難易度」が“ロックマンらしさ”だと思っていますので。その上で、本作は登場するボスは“かなり強め”に設定しています。

 難しすぎてクリアできないという感じにはしていないですが、しっかりアクションゲームとしての歯ごたえを感じられる難易度に調整していますね。

南谷氏:その分「オーバーライド」や「カスタムチップ」など別のアプローチで攻略の手助けとなるような選択肢を沢山用意したようなイメージですね。

 チャレンジしがいのある戦いに向けてロックマンをカスタマイズして試行錯誤する……といった楽しみ方ができると思っています。

――「トゥインクルガール」との戦いで特定のタイミングで攻撃を仕掛けた際に怯ませる事ができたり、突進攻撃を躱して壁に激突させるなど「特殊武器」で弱点を突く以外のアクション性にも今作は相当力を入れられている感じでしょうか?

生田氏:そうですね!今作ではかなりアクション性での遊びを仕込んでいます。

 プレイしていく中で気付いていく部分もあると思いますが「この敵にはこの武器は意味ないだろ」という場面でも意外と弱点を突けるみたいな気付きを何度も楽しめる形になっていると思います。

――今作はPS5やSwitch2に対応しており、前作より進化したハードでのタイトルになりますが、この影響でパフォーマンスや演出の進化で注目して欲しい部分はありますか?

生田氏:グラフィック面ですと、背景をのっぺりした遠景にしたくないなという気持ちは強かったです。

 今回試遊して頂いた「トゥインクルガール」のステージを例に出しますと、あそこも「モノレール」や「ロボ」など背景に動きのある物体を入れてなるべく奥行を感じられるようなステージになっています。

 あとは奥に進んでいくとエントランスらしき場所を発見できたりとか、最後は花火を打ち上げている場所に辿り着いたりとか、のっぺりしない遠景の作りにはこだわりましたね。

ステージ背景

――前作「ロックマン11」はバックボーン含めてかなりストーリーにも気合が入っていましたが、今作のストーリーはどのような感じでしょうか?

南谷氏:今作も勿論ストーリーには前作同様力を入れた形になっています。内容については伏せさせていただきますが、ファンの皆さんはもちろん新しいプレイヤーでも楽しんでもらえるようなストーリーになっているのでお楽しみ頂ければと思います!

PVのスタートからかなり緊張感のある演出が……!どのようなストーリーなのかとても気になる

――シリーズ新規の方や長年のファンに向けてメッセージを頂ければと思います!

南谷氏:では代表して私の方から。今作はシリーズファンの皆様には”ニヤッと”して頂けるような要素も幾つか入っていますので、楽しみにプレイして頂ければと思います。

 そして新しく「ロックマン」に興味を持たれた方には、ステージ構成の変化やカスタムチップなどで少しずつ成長を楽しんで攻略できるようなアクションゲームになっていますので、まだシリーズ未プレイの方にもぜひ手に取って遊んでいただければと思っています!

――ありがとうございました!

 ファンの声援だけでなく、開発チームメンバーたちが「ロックマン」というコンテンツが好きなことによって、約8年ぶりのシリーズ復活を果たす事ができた事が分かるインタビュー内容となっていた。

 「ロックマン」シリーズ40周年を記念するような新たな「クラシックロックマン」として様々なチャレンジ要素が見え隠れする本作。どのようなゲーム体験が待ち受けるのか非常に気になる。