インタビュー

NEXON、「Sudden Attack 2」ディレクターKim Dae Hwon氏インタビュー

「愛らしい女性キャラが戦場で戦うギャップを表現したい」

11月12日~15日開催



会場:韓国釜山BEXCO

 NEXONの人気FPS「Sudden Attack」に正当な続編「Sudden Attack 2」がいよいよ登場する。「Sudden Attack」のバージョンアップや、リニューアルではなく、完全新規タイトルで、Unreal Engine 3を使って2016年正式サービス開始に向けて現在準備が進められている。開発元は、「Sudden Attack」の開発元GAMEHIを母体とするNEXON GT。

 G-STARでは、NEXONの主力タイトルのひとつとして一般公開され、大量の試遊台とひっきりなしのステージイベントでユーザーにアピールしていた。今回は「Sudden Attack 2」ディレクターのKim Dae Hwon氏にインタビューすることができたのでその模様をお伝えしたい。

【「Sudden Attack 2」G-STAR 2015トレーラー】

愛らしい女性キャラが戦場で戦うギャップを表現したかった

「Sudden Attack 2」ディレクターのKim Dae Hwon氏
NEXONブース「Sudden Attack 2」コーナー
常にステージイベントを行なっていた
ゲームに登場する女性キャラクターのコスプレをしたお姉さん

――「Sudden Attack 2」の特徴を教えて欲しい

キム氏: 「Sudden Attack 2」は、「Sudden Attack」の長所を継承したFPSタイトルで、スピード感、打撃感、ビジュアル的なクオリティアップ、コンテンツの多様化を実現した。ちなみにG-STARで公開しているのは青少年バージョンで、エフェクトが血の効果などがリアルに表現されていない。18歳以上のバージョンはリアルになっている。

――18歳以上のバージョンとは何か?

キム氏: 15歳バージョンはエフェクトを黒い煙でごまかしている。18歳バージョンは赤みのある血を表現している。「Sudden Attack 2」では、打撃感を重視しており、それを血の効果によっても表現している。血の出方、スピード、量、色々シミュレーションした上でもっとも打撃感を感じる表現にしている。

――グラフィックスのクオリティアップについて教えて欲しい

キム氏: 「Sudden Attack 2」では、「Unreal Engine 3」の最新バージョン「Unreal Engine 3.8」を採用している。それ自体は古いものだが、「Unreal Engine 4」を使うにはまだ早いと判断した。エンジンを使うに当たって、物理ベースのレンダリングを行なうことで、金属の表現がリアルになった。金属の見え方がよくなり、銃の金属感をクオリティアップしている。光の当たり方もリアルになったが、こういった演出はPvEのみで、PvPには適用していない。

 その理由は、相手がどれだけよく見えるか、ユーザーがあまり苦労しないで遊べるようにしたいため。コンソールのパッケージゲームでもPvPはグラフィックスのクオリティより、どれだけ快適にプレイできるかを重点的に考えられているものが多いので表現は控えめになっている。その代わり、PvEでは、現行世代のハイクオリティのグラフィックスをご覧いただけるようになっている。

 あと、女性キャラクターを綺麗に見せられるかにも注意している。今回のG-STARでは、メインキャラクター2体をクローズアップしたが、「Sudden Attack 2」において女性キャラクターが、可愛らしいというか愛らしいキャラが戦場で戦うという、ギャップのおもしろさを表現したかった。

――今回、特に女性キャラをクローズアップした理由は?

キム氏: FPSに凄く似合うように男性キャラをイメージに使っているゲームは沢山あるので、「Sudden Attack 2」はスピーディで軽快なゲームなので女性キャラクターで表現したかったし、こういったジャンルの愛らしい女性キャラクターを起用することによってギャップを表現したかった。ユーザーの楽しみになる。

――2人のヒロインには、名前などの設定があり、彼女たちを主人公にしたミッションがある?

キム氏: 2人とも設定があるが、現時点ではあまり詳しく話せない。PvEで彼女たちの特徴をユーザーが感じられる要素も導入する予定。

――「Sudden Attack 2」ではプレーヤーは彼女たちになれる? それともストーリーキャラクターとしてゲームにAIとして登場する?

キム氏: プレーヤーがヒロインキャラクターになれる。現在キャラクター12種類ぐらいあって、これからもっと増やしていくつもり。それぞれメインキャラクターとしてアピールしているが、もっと重い感じのキャラクターもいる。「Sudden Attack 2」でアピールしたいポイントとしては、色々楽しめる多様性のあるゲームを目指している。

――キャラクターカスタマイズ要素について教えて欲しい。

キム氏: 「Sudden Attack 2」ではキャラクターメイキングはできず、既存のキャラクターを選ぶスタイル。武器はカスタマイズ可能。キャラクターは自分で見られないが、武器は常に目の前にあり、沢山目にするものなので、非常に重要視している。武器は6カ所以上のパーツがカスタマイズができるようになっている。また、スキンを張って見た目を変えることもできる。あと、腕だけはカスタマイズでき、時計を付けたり、タトゥーを入れられる。ただ、それは最初から変えられるわけではない。

――パーツやスキンはどうやって手に入れる?

キム氏: 基本的なものはプレイする事によって入手できるが、見た目が華麗なもの、特殊なものは長時間プレイすることによって入手することができる。

――見た目を変えると性能も変わる?

キム氏: PvPで特定のユーザーがあまり強いことはしたくないので、銃の使い方で高いダメージを与えたり、連射を可能にできるようにすることは重要だが、特定のユーザーが強くなるようなバランスにはしたくなかった。そこで性能は少し変えるものの、公平にプレイできるようにした。たとえば、武器の重さを少し軽くすることによって、走るときに移動が少し速くなったりする。しかし、速いけどタマを入れるときに入れる作業が武器より遅めになるとか、プラスマイナスの両方を取り入れ、トータルでバランスを取るようにしている。

――キャラクターのアバター要素は?

キム氏: アバター要素についての開発はできていて、まずはそれ抜きでユーザーの反応を見たい。銃のカスタマイズのみ導入して、銃だけではなくキャラクターも自分らしくオシャレしたいというニーズがあれば、もう一度考えたい。

――PvEとPvEでキャラクターや武器やカスタマイズ要素は共通?

キム氏: 共通ではない。PvPは平等だが、PvEではユーザー間で平等にする必要はないため、武器毎に性能が違う。

――武器の各部位にどれぐらいの選択肢が用意されているのか?

キム氏: 銃は20種類、各部位に3~4種類のバリエーションが用意されている。ローンチ時は3種類ずつ用意する予定で、アップデートで徐々に数が増えていく感じ。

――武器について1と2の違いについて教えて欲しい

キム氏: ベースの銃はあまり1とかわらない、カスタマイズを通して自分で見た目を選べるところがポイントになる。

――ゲームモードはどのようなものが用意されるか?

キム氏: PvPは典型的なモードが多い。「CSO」でもユーザーが好きなモードは決まっているので、要らないモードがないように、典型的なモードを採用することにした。一例を挙げるとチームデスマッチ、爆破ミッション、CTFなどがある。マップについては1でユーザーが集まったモードのマップはそのまま継承されている。「Sudden Attack 2」独自のPvPモードも用意しているが、まだ公開はできない。

――FPSにおけるサドンアタックの魅力はどこにあり、それは「Sudden Attack 2」にどのような形で採用されているか?

キム氏: 「Sudden Attack」だけが持っている軽快感、操作性を受け継いだ。打撃感をリアルに感じて貰いたいので、アニメ、エフェクト、サウンドなどに気を配っている。また、「Sudden Attack 2」では1人で4人チームを指揮する特殊なモード「Squad War」を用意している。シナリオ基盤のゲームでは当たり前だが、珍しいと思う。

――PvEの内容を教えて欲しい

キム氏: PvEでもPvPと同じように驚く要素を入れたいと思っているが、ユーザーが驚かせたいので公開はまだ控えたい。

――「Sudden Attack 2」はオンラインFPSの続編としてはかなり後発になるが、何故このタイミングになったのか?

キム氏: 戦略的にこのタイミングにしたかったというよりは、良い形で出来上がったのがこのタイミングだったというだけ。

――サービススケジュール、韓国は2016年夏だが、日本では?

キム氏: 日本展開について現在ネクソンジャパンと協議中。

(中村聖司)