インタビュー
「ホグワーツ・レガシー」、「ハリー・ポッター」の世界はこうして再現! テクニカルゲームデザイナーのスティーブン・ドナ氏をインタビュー
2023年1月25日 23:00
- 【ホグワーツ・レガシー】
- 2月10日 発売予定
- ※PS4/Xbox One版は4月4日発売予定
- ※Switch版は7月25日発売予定
- 【価格】
- 通常版:
- PS4/Xbox One/PC版 8,778円(税込)
- PS5/Xbox Series X|S版 9,878円(税込)
- Switch版 未定
- デラックス・エディション:10,978円(税込)
2月10日にプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Games Store)版が発売されるオープンワールド・アクションRPG「ホグワーツ・レガシー」。
本作は、「ハリー・ポッター」の世界を舞台に、ホグワーツ魔法魔術学校の5年生となって未知の歴史を体験し、魔法界の隠された真実を明らかにするオープンワールドアクションRPGだ。
この発売を前に、ゲームの制作を担当したアバランチスタジオから、テクニカルゲームデザイナーのスティーブン・ドナ氏が来日。報道陣の質問について答えてくれたので、ここに紹介する。
ホグワーツだけじゃない! 魔法界を楽しめるよう、あらゆる要素を実現
――「ホグワーツ・レガシー」の舞台を1800年代にしたのはなぜですか?
ドナ氏:ホグワーツの長い歴史の中から1800年代を舞台にするとなったとき、その世界観を純粋に反映する、といったことを担保するための話し合いを重ねました。また、これまでの魔法界で起きたことと、今回のストーリーとの間をくっきりと分けたいと思いました。
また1800年代に本作の物語の背景を設定することによって、私たちが語りたい本当の物語を語ることができると思いました。これはプレーヤーの皆さんとしても、自由に好きなストーリーを、昔の話とミックスアップするとか、色々と話せる場を提供できると思いました。
また、いろいろなキャラクターがいて、長い歴史の中でこういう時代があったということを歴史では聞いていたけれど、実際に行ってそこに住んで活動することで、自分の目でそれを確かめる機会を与えたいと思ったのです。
――「ハリー・ポッター」の世界を再現するに当たって、最も気をつけたことは何でしょうか。
ドナ氏:ゲームの設計に当たっては、魔法界の世界の中に皆さんが住んでみたときに、「ここまで再現しているのか!」というところまで実現したいと思いました。皆さんそれぞれが魔法界についてこだわりをお持ちでしょうし、何かが欠けてしまうとイメージが損なわれます。そういったことが起きないよう、できる限りあらゆる要素を実現できるべく努力しました。
また、この魔法界の世界観を楽しんでいただく際にも、ホグワーツの中だけでなく、それを越えた外も、どういった人が住んでいるのか、どういった景色があるのか、そういったことを全て体験していただけるように気をつけました。
そして魔法の世界についても、マイナーなディテールについてもしっかりと取り組み、呪文についてもどのようなものがあるのかなど、しっかりと感じてもらえるように細心の注意を払いました。
――「ホグワーツ・レガシー」で初めて「ハリー・ポッター」の世界に触れる人もいると思いますが、そういった人でも楽しめるように作られているのでしょうか。
ドナ氏:もちろんです。このゲームをデザインするに当たっての1つの条件として、みんながプレイしてもらえるものを提供しよう、ということがありました。特定の人たちしかできないようであったり、難しすぎたり、複雑すぎたり、ニッチすぎないようにしました。
難易度についても幅広く設けました。ストーリーだけをフォローして、いろいろな困難や苦労に遭わないようにしたり、(ゲームの中で登場する)パズルをやらないとか、決闘しないといったレベル設定もしました。難易度が高いレベルについても設定しています。
そしていったのその難易度を選んだあとは、自然な形でゲームに入り、ものすごく広大な世界を体験していただく、いろいろなスタイルや要素を見て、快適にプレイしていただきたいと考えています。
――ストーリーに関してはオリジナルのものが展開されますが、「ハリー・ポッター」のどんなエピソードにインスパイアされたものになりますでしょうか。
ドナ氏:先ほどの質問とも関連しますが、「ハリー・ポッター」の特定のストーリーというより、皆さん自身のストーリーを展開していただきたいと思って作っています。「ハリー・ポッター」ファンの人はその世界観が好きで楽しんでこられたでしょうから、それを再現するというよりも、それを越えて、皆さんの期待を越えて、皆さんのストーリーをどんどん展開していただきたいという意図でやっています。
ですので、世界観や舞台としては、皆さんが慣れ親しんだままのものですが、それを越えて、新しい要素を入れて、それらを楽しんでいただく、そして魔法のミステリーを解いていくといった、どんどん新しいことを体験していただきたいと思っています。
――グリフィンドールの寮が映画ではなじみ深いと思いますが、それ以外の寮をデザインするときに気をつけたこと、注目してほしいことがあれば教えてください。
ドナ氏:私たちのチームは(ハリー・ポッターの世界観を監修している)Wizarding Worldチームと密接な協力関係があります。そのおかげで、城の中のスペースや、部屋がどうなっているのか、1800年からどう変わっているといったことを考えることができました。
彼らの助けを得たり、本や映画の記述を参考にして、ハッフルパフやスリザリン、レイブンクローの寮がどういった形だったのかを知りました。談話室についても、生徒が訪れて時間を過ごすところなので、かなり時間をかけて、それぞれの寮をどうするのか考えました。その寮のシンボルとなるような部屋にしたいとも考えました。
――ゲームプレイ中には季節の変化という要素がありますが、プレイにはどういった影響があるのでしょうか。また季節限定の要素があった場合、過ぎ去った季節でもう一度遊ぶことはできるのでしょうか。
ドナ氏:1年を実際に感じていただきたいですね。最初の1年が終わったあと、クライマックスを楽しめるようにしています。ですので季節を、ストーリーの中の1つのショーとして作っています。例えばクリスマスだったら、こういうことが起こったんだなと、思い起こせるようにしています。ですのでストーリーがどのように展開していくのかという意味では、それぞれの季節に意味を与えています。
――ゲーム中に受けられる授業はどのようなものがあって、ボリュームはどれくらいありますか。あとはスティーブンさんのオススメの授業はありますか。
ドナ氏:(ゲームの中では)まず魔法界をきちんと構築したのですが、その後は皆さんが魔法使いとして、どのようにプレイするのが一番いいのか、自分らしくプレイできるのか、皆さんの期待感を盛り込むようにしました。ファンの皆さんも、どういうクラスがあるのか、授業があるのか、期待に添わないことになると行けないので、全てを盛り込もうとしました。
しかしそれをするには、全てのファンタジーを満たさなければいけないという問題がありました。ファンタジーのそれぞれには優劣が付けられないので、クラスを平等に、全部入れるために、ファンタジーの部分を少し相殺した箇所があるかもしれません。
ファンタジーで私たちが期待するものを充足するクラスとして、例えば魔法の薬を作ったり、防衛術を学んだり、許されざる呪文をどうやって使うとか、魔法生物を手懐けるといったクラスを入れました。
私がどれが好きかという質問ですが、薬草学のクラスが一番好きです。ぜひ皆さんもプレイしている中で、授業を受けて体験していただければと思います。
――バトルに関してですが、アクションが苦手なプレーヤーに関しては、難易度設定や遊びやすくするための設定がありますか。
ドナ氏:もちろん、全てのプレーヤーがバトル好き、アクション好きというわけではないと思っています。そのため、補助的なプレイスタイルとしていいのは、「必要の部屋」という部屋で、必要な装備をして準備できるような場所を設けています。決闘の際にはここで武器や魔法の薬、魔法生物といったものを装備して臨むことができます。こうすると戦闘もまた違った形になり、やりやすくなりますので、楽しめると思いますよ。
――ホグワーツの中や外で、スティーブンさんが好きな場所はありますか。その理由を教えてください。
ドナ氏:先ほどの質問で答えてしまったのですが、「必要の部屋」です。ここは自分だけのスペースとして使うことができ、ツールを作るだけでなく、自分好みの部屋にカスタマイズできます。自分がどのような魔法使いになりたいか、ここでセットして整えられます。
それからホグワーツの外ということですが、まだ言えない部分があります。山々の向こうに何があるかとか、ブラックレイクの向こうには何があるとかはまだ言えないんですが、私がエンジョイするのはホグズミードですね。あの村に行ってバタービールをクリスマスに飲んだりします。クリスマスにはいい雰囲気になるんです。美しい街になります。
――ありがとうございました。
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