インタビュー

「新サクラ大戦」プロデューサー片野徹氏合同インタビュー

片野P「『これはサクラファンが求めているだろう』というものは入れてある」

8月31日開催

会場:浅草花やしき

 8月31日に浅草花やしきで行なわれた「新サクラ大戦」世界最速体験会。国内のゲームメディアのほか、抽選に当選した100名の「サクラ大戦」ファンも参加し、一足先に「新サクラ大戦」の世界を味わうことができた。

 その模様については「新サクラ大戦」世界最速体験会レポートでお届けしたとおりだが、体験会終了直後に、「新サクラ大戦」プロデューサー片野徹氏への合同インタビューが行なわれたので、本稿ではその模様をお届けしたい。

 今回、様々なメディアからバトルの難易度の高さについて繰り返し質問が上がったのが印象的だった。レポートでも書いたが、筆者は大蛇と崖の割れ目のギミックが乗り越えられず、あっさりゲームオーバーになってしまった。チュートリアルからしっかりプレイしたいと思うと同時に、序盤からこの難易度だとすると、最後までクリアできないのではないかという恐怖心を覚えた。果たして合同インタビューでは、同様に難しさを指摘する記者が多く、片野氏からもこれは序盤ではなく中盤だと伝えられ、やや安心した次第だ。

 そのほかインタビューでは、アドベンチャーパートや、今回体験会では体験できなかった部分についても質問が出されていたので、ぜひじっくりお楽しみ頂きたい。

【「新サクラ大戦」世界最速体験会】
中央でファンの試遊の様子を見守っているのが片野プロデューサー
合同インタビューは試遊後に行なわれた

バトルパートについて。片野氏「ちょっとお見せするのが早かったかな(笑)」

――ジャンルがアクションに変わって、少し難しいかなと感じたが、これは製品版と同じ難易度なのか、それとも製品版では救済措置が設けられるのか?

片野氏: まず、今回のバトルステージは、4面にあたるので難易度が高い。(この4面は)最初の何フェーズかは気持ちよく倒せるように調整していて、するするっと行けるようになっているが、最初の扉あたりからちょっとずつ難しくなっていったんじゃないかと思う。

――バトルで、穴に落ちたり、倒せない敵がいるなどギミックが多かったが、これは製品版でも同じようなデザインになるのか?

片野氏: 倒せない敵というのは大蛇だと思うが、これは4ステージ目の特別なギミックなので、あそこより以前には出てこない。新しいバトルに慣れたところでお目見えする。ちょっとお見せするのが早かったかなという、まさかあそこまで行けると思っていなかった(笑)。

 それから(崖などに)落ちるギミックは最初からあるが、自動でカメラを上から映すようにしており、(見落として)落ちるようなことはあまりないと思うし、そこでジャンプを覚えて、4面目まで行っていれば、落ちないのではないかと思う。

【歯ごたえのあるアクション】

――今回バトルパートが難しくて最後までたどり着けなかったが、バトルのボリュームはどのぐらいなのか?

片野氏: 難しかったという点については、第4話のステージだということで、ゲームの中盤ぐらいでアクションに慣れてきた人向けのステージ構成になっている。

――ボスバトルはどのような内容になっているのか?

片野氏: ボス戦についてはまだ詳しくお伝えできないが、ある程度力押しもできるし、ボスごとに有効な攻撃があるので、それを使うことで結構簡単に倒せるという作りになっている。詳細については今後の情報公開をお楽しみに。

――キャラ切り替えについて、今回はあざみとバディを組んでいたが、ゲームが進んでいくとこれが6人から切り替えられたりするようになるのか?

片野氏: 今回はあざみと自分を切り替えてプレイできるようになっていたと思うが、たまたま第4話はあざみの登板回で、ドラマティック3Dアクションアドベンチャーとして、ドラマ的にそういう必要性があって組むようになっている。他のステージなどでは出撃メンバーを自分で選んだり、本当の後半の後半になると、入り乱れてプレイできるようになったり、あと信頼度が高いとお助けキャラとして、僚機として自分は操作できないが、一緒に戦える雰囲気が味わえるようになっていたりする。ちなみに、今回はシナリオの進行上、他のメンバーが先にいっているという設定になっていて、合流後は一緒に戦える。

【第4話は望月あざみとバディを組む】

――これまでの配信でジャスト回避ができるということだったが、これはどのように使うのか?

ジャスト回避に関しては、すでにこの体験版にも入っている。R1(ステップ)キー。ほとんど出せていた方はいなかったが、もう少し周知すべきだった。ジャスト回避が決まるとかなり簡単になるので、ぜひTGSでも試していただきたい。

アドベンチャーパートについて。アナログLIPSは多彩な使い方に注目

――アドベンチャーパートで、さくらのハダカを一瞬垣間見るシーンがあって、さくらに怒られてしまったが、その後再開すると、何事もなかったかのように接してくれて不自然に感じた。

片野氏: そのとおり、不自然(笑)。実はあそこのイベントは、今回の体験会のために他から持ってきたものなので、つながりとしては良くない。運良く見た人へのサービス。実際のところはあのシーンの後は、しばらく(さくらが)怒って会話できなくなる。ご安心下さい(笑)。

【アドベンチャーパート】
筆者はさくらのハダカには遭遇しなかったが、LIPSに失敗して初穂を怒らせてしまった

――アドベンチャーパートで、選択肢を時間制限内に選ぶものや、声の大きさを選ぶものなどがあったが、今回はどのようなLIPSを用意しているのか?

片野氏: LIPSに関しては、声の大きさを変えるのはアナログLIPSと呼ばれているものだが、あれを声の大きさ以外にも使ったりしている。たとえば、距離の遠い近いだったり、先ほどの“さくらのシーン”だと姿勢を上下に動かしたりなど。あとは第2報で紹介した時間制限がある中で、いくつかの会話、証拠を集めるシーンもあって、そのあたりがアドベンチャーゲームの要素になっている。

【LIPS】
これが通常のLIPS。3択に加えて、どれも選ばないの計4択から選択する
こちらが片野氏がアナログLIPSと呼んでいる上下でボリュームを変えるLIPS

――「新サクラ大戦」では銀座の街中も探索できるということだが、どれぐらいの広さがあり、どれぐらいの作り込みなのか?

片野氏: 銀座ステージの作り込みについては今後の情報解禁をお楽しみにしてほしいが、基本的に帝劇(大帝国劇場)内で半分ぐらい話が進むかなというところで、残り半分ぐらいが銀座だと思って貰っていい。もちろん、プレイの仕方によって感じ方は変わると思う。

【銀座ステージはどうなる?】
こちらは参考までに前作「サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~」のニューヨークステージ。「新サクラ大戦」では銀座を舞台に、様々なストーリーが展開されるようだ

――「新サクラ大戦」はパートボイス(全シーン全会話にボイスが当てられるフルボイスと対比して、シーンによってボイスが入っていたり、いなかったりする作り方)になっているが、ゲーム全体でボイスが入っている部分とない部分の割合はどのようになっているか?

片野氏: ちゃんとした数字は私もわからないが、メインのお話の部分に関してはボイスを録っていて、サブイベントについてはボイスがあったりなかったりする。基本は見せたいところは声を録っているのでお楽しみに。

――今回の体験会ではアンケートを採っているが、ここで集められたフィードバックは製品版に反映されるのか?

片野氏: うーん……。正直な所を言うと、開発も佳境に入っていて、難しいところはあるが(笑)、開発一同目を通して参考にしていきたいなと思う。

――最後の次回予告は懐かしいなと思った。ああいうテレビアニメ的な演出は「サクラ大戦」のキモのひとつだと思うが、そのほかにこういった「これだよね」というポイントがあれば教えて欲しい。

片野氏: 難しい(笑)。次回予告は入っている。ただ、その情報は出しづらい。今回お披露目した第1話の次回予告はどこかで報告しようと思っている。その他についても、うちの開発メンバーは古くから「サクラ大戦」を作っているメンバーもいれば、新しいメンバーもいる。古いメンバーを中心に「これはファンが求めているだろう」というものは入れているので、今後の情報公開を楽しみにしてほしい。

【次回予告】
片野氏によれば、この第1話の次回予告は後日公開されるようだ

――9月の東京ゲームショウで「新サクラ大戦」の体験もできるということだが、これから遊ぶ人に向けて注目点を教えて欲しい。

片野氏: 同じロムを使用する予定。プレイを後ろから見て、ゲーム慣れしてる方はまっすぐクラリスまで行っていたが、アドベンチャーゲームを楽しむにはちょっともったいないかなと。言ってしまうとクラリスと話すと先に進んでしまうので、クラリスはなるべく後回しにしていただくと、よりアドベンチャーパートが楽しめるのではないかと思う。

【体験版Tips】
まず、「新サクラ大戦」はアクションゲームに。操作をしっかり学んでおきたい
アドベンチャーパートではスマァトロンを小まめに使って、効率よく回りたい
体験版では一定時間が経過すると神崎すみれ司令に呼び出しを食らう仕組みになっている